小路幸也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
不思議な設定の小説です。
登場人物は五人。名優・笠松一郎、彼の最初の妻・四ノ宮睦子、二人の息子・園田準一、準一からみたら親子ほど年の離れた異母弟・岡本裕とその婚約者・二品真里。五人は全て非常に優れた役者です。
笠松は(多分)脳を患っており、普段はごく普通の生活が出来るのですが、突然見当識を失うことがあり、余命わずかです。笠松を主人公にした最後の映画を撮る為に、五人は笠松と睦子が新婚時代を過ごした古い日本家屋に集まります。
部屋に仕掛けられた固定カメラと、たった一人のカメラマン。与えられる脚本はごく簡単な、例えば「今日は買い物にでも行って見ませんか」といったもの。セリフは全てアドリブ。監督からは「それぞれが爆弾(発言)を準備しておいて、適切なタイミングで爆発させてください」という指示が出ている。
バラバラになった家族が、一つの家に住みながら演技なのか素なのか、ドキュメントともフィクションともつかぬ映画が撮られて行く。
もともと小説なんてフィクション。その中でドキュメントともフィクションともつかぬ話が進むのですから面白い。
小路さんが描こうとしたのは、一つの家族の世界やその繋がりなのかもしれませんが、奇抜なシチュエーションの下で行われる役者たちの虚々実々の駆け引きの面白さに引かれ、本筋が見えなくなってしまうのが欠点かもしれません。 -
Posted by ブクログ
小路作品、特に東京バンドワゴンの家族物語が好きな人は、亜流として読むのをお勧めします。ただ、現実世界とあまりにかけはなれた小説や、ご都合主義小説が嫌いな方には合わないと思います。
ってところまで書いておいて、こっからは…
ネタバレ失礼します。
とってつけたような設定がたくさん
タイトルにもなってる睡眠障害、いきなり拾ってしまう2億円、いきなりあらわれていきなりなじむ協力者、何故か主人公と恋仲になってしまう巻き込まれ女性、親から受けたツラい過去
はっきり言うて凡百の小説家がこの設定で小説書いたらきっと失敗作になると思う。せいぜいがタレント売り込むためのドラマ脚本が精一杯かな。でも小路作品になると、これがまたなんともエエ小説になったと思えるから不思議。
ラスト、「あかん、これ絶対強引や。ここで泣かせるためにこんな引っ張り方したんやな」と理性が訴えてるにも関わらず、感情が「エエやん。ここは小路さんのトラップに心地よく引っかかっておこうや」と日和見やがって落涙 -
Posted by ブクログ
クラスメイトが自殺したという衝撃的な事実が、残された人物の‘生’を浮かび上がらせていく。
順々に視点が代わり、その人物の人生にスポットライトがあたる。
連作短編のおもしろさが感じられる一冊だ。
人はみんな秘密を抱えて、それを誰かのために必死に隠して、いろんなものと戦いながら生きていくんだと思った。
それが、生きるということなんだと。
金物屋のまっちゃんが翔くんに言ったセリフが好きで。
器用に立ち回るのが苦手な私は、その真っ直ぐなセリフに泣いた。
「戦え。自分の弱い心と戦って戦って、勝て。
勝ち続けて、ちゃんと生きて、ずっと俺と友達でいてくれ」 -
Posted by ブクログ
表紙とタイトルに惹かれて手に取りました。
主人公は二十時間寝て五十時間起きるという特異体質の青年。
なかなか重い過去を抱えながらも強くしなやかに生きている印象です。
そんな彼が突然事件に巻き込まれて、日常が奪われてしまう…そんな話。
主人公の話し方がくどくてあんまり好きではなかったけれど、情報系の人間という背景を考えると納得。
お助けキャラとして登場するナタネさんは格好良くて好きでした。
単にかっこいいだけでは済まないところがよかった。
ただ、ヒロインとの関係には??って感じでした。
ヒロイン惚れっぽすぎだし、主人公もそれをスッと受け入れ過ぎだし。
しかもいつの間にかいい感じになっちゃってるし。
なんか…主人公相当イケメンなんだな、と思います。
内容はわりかし重めですが、軽めに書いてあるし、主人公自信がそんなに重く受け止めてないので読んでて暗くならずに済んでいいです。
途中でダレちゃっても最後まで読んだほうがいいです。
ちょっと驚く展開なので。
事件のたたみ方も派手じゃないところが逆によかったかもしれませんね。
盛り上がりに欠けると感じる人もいるかもしれませんが、僕はそんなに嫌いじゃなかったかな。
まあ、どうしてそんな展開になったか納得いくかと訊かれればそうでもないんですが。
珠玉の一冊!!ってほどではありませんが、軽めに読書を楽しみたい人には向いてるんじゃないかなと思います。
深く考えなくても流れで読んでいけるし、キャラクターもわかりやすいのでノベルゲームをやってる感覚で読めます。
それこそ、「逆転裁判」のテイストですね。