小路幸也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
兄弟愛、友情、メンター(優れた助言者)、そして軽いミステリー。
小路さんらしい作品です。
でもミステリー・サスペンスを期待して読むと中途半端でしょう。ご都合主義と言うか、そんなに上手く行かないでしょうと言う所が多々ありますから。やはり暖かな愛情物語と見た方が良さそうです。
そういう意味では50時間起きて20時間眠るという主人公の特異性は、ミステリーと言う側面では有った方が話が進めやすかったのかもしれませんが、必須では無いですね。『キサトア』でも双子が交互に眠るという一種の睡眠障害を描きましたが、小路さんには何か睡眠に対する思いがあるのかもしれません。
暖かくなれる本でした。 -
Posted by ブクログ
「誰かを探した方が幸せなんだろうなってさ」
「幸せ?」
「そこには幸せの匂いがあるって本能なんだよきっと。
人間が生きていく上でのさ。
いちばんの根っこにある本能」
妻を尾行して写真をとってほしい。
晴れた公園で、
カメラをかまえていた大学生のケイジは
突然そんなことを頼まれる。
母親がカメラマンだったこともあり、
ケイジは自分が今と思った瞬間をカメラにおさめていく。
そんなケイジに突然の依頼。
ケイジは戸惑いながらも、
ふたりの親子の写真を撮りはじめる。
どうしてそんなことを頼んだのか?
次第に被写体である妻・百合香に惹かれ始めていくケイジ。