小路幸也のレビュー一覧
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ほのぼのとした物語。ミステリーもありますが、それより、昔から繋がってきた商店街の人たちの日常と絆のほうが目立っています。懐旧の念が語られているイメージを受けています。
といえども、その「昔」というのは私が参加したことがない時間なので、実はただの想像かもしれません。
で、この本を読んでいるとき、熱海に旅行に行きました。観光シーズンではないからか、人が少なくて、閉店時間も早かったです。別にレトロなスポットに行ったわけではないが、なぜか散歩しているだけで、妙に昭和的(?)な雰囲気を感じました。昭和を経験したことがないですけど。なのでこれもまた勝手な印象なのかもしれません。 -
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ネタバレ探偵というのは、多方面から集めた断片的な情報から、その背景を想像して一本のストーリーにつなげていき、謎を紐解いていく、こんなにも難解な仕事なのか。
磯貝や文さんのナイスなひらめきが、自分には想像もつかないことばかりで、とんでもない特殊能力の持ち主に見えた。
だが一つ、元同僚の刑事と依頼者の女性の関係性にはずっと疑問を抱いていた。有名作家である夫の失踪という重大かつナイーブな問題を、ただの元クラスメイトである異性に相談するだろうか?いくら信頼できる相手だとしても、このような夫婦間の問題はまず同性に相談する人が多い。
磯貝がその手のことに鈍感なようだったので、ぜひとも文さんを助手にしてほしいと感 -
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[1]サラサラ読めてまうお茶漬けミステリ。今回は磯貝だけのモノローグ[2]あらゆる手掛かりがすぐ途切れて行き詰まってしまうのだけど何も出てこない部分を取り除いていったらかすかに浮かび上がってくる真相、という感じは意外に新しいパターンかも。《このお話を、リアルなものかどうか確かめるためにどうしたらいいかしらね。》p.226。[3]警察でないからこその終わり方ここらが探偵足の止め方/小路幸也さんらしい、なんとなく収めてしまう感じの終わり方は好みのタイプ。
・失踪人有名女優の姉捜し手掛かりなしで雲つかむよな
・調べてもすぐ行き止まるだからこそ迷路しだいに埋まっていくんだ
・あらわれてくるのはとても -
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下町の明治から続く古本屋
「東京バンドワゴン」
併設するカフェもある古い日本家屋に
先代の家訓(笑)をまもりつつ、
賑やかに4世代で生活している。
いろいろと複雑な事情もある家族
ではあるが、明るく仲良くワイワイと
暮らしている様は心がほんわかします。
死んでしまった三代目勘一の妻の目線で
語られていく下町人情あふれる話は
心が落ち着きます。
勘一の息子の我南人は伝説のロッカー
LOVEだね~
と、LOVEしか語らんのですが、
良い味を出しています。
2013年にドラマ化されているとのこと、
我南人は誰が演じたのか?と調べたら、
玉置浩二だった!
なるほど~。そうきたか!
下町人情あ -
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小さな商店街
花咲小路四丁目に住む矢車聖人さんは
かつて、英国で「Last Gentleman-thief SAINT」と
呼ばれた大泥棒だ。
誰も傷つけず、何も壊さず、捕まることもない。
つまり、日本でいう義賊。
彼の作戦はいつでも、Perfectだったし今でもそれは変わらない。
そんな彼は学習塾を営む娘の亜弥と2人で
静かに暮らしているが、時折商店街で起こる小さな事件や不穏な気配を若者の仲間、克己くんと北斗くんと解決していく。
この解決の仕方が壮大で最高だ。
底意地の悪い人などが出てこず、多少のリアリティーと小説ならではの虚構があり、さらっと読書を楽しむには最適な作品だった。
シリーズ物