小路幸也のレビュー一覧
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日本語が達者なザンティピーはマンハッタンの私立探偵。
前2作ではどちらも依頼により日本に出かけて事件に巻き込まれた。
そして、今回も仕事で北海道へ向かうことに。
依頼内容は、亡くなった祖父が大事に持っていた、ある日本兵の写真を
本人に届けに行きたいので、同行してその人を捜索して欲しいというもの。
北海道に着いた彼らは難なく本人と思しき人を見つけ出すのだが、
その家族にはみんなで隠し持っていた優しい秘密があって…
ザンティピーシリーズの中では一番好きかもしれないな。
気付いてしまって、そして真相に辿り着いても、それを暴くことはない。
みんなの優しさに、優しさで応えたザンティピーに共感です。
このシリーズはまだ続くのかな。続いて欲しいな。
そして、マンハッタンのシーンが描かれているところを読むたびに、
『HEARTBEAT』『HEARTBLUE』シリーズの続きが読みたくなるのです!
小路さん、そっちはまだですかー!? -
Posted by ブクログ
兄弟愛、友情、メンター(優れた助言者)、そして軽いミステリー。
小路さんらしい作品です。
でもミステリー・サスペンスを期待して読むと中途半端でしょう。ご都合主義と言うか、そんなに上手く行かないでしょうと言う所が多々ありますから。やはり暖かな愛情物語と見た方が良さそうです。
そういう意味では50時間起きて20時間眠るという主人公の特異性は、ミステリーと言う側面では有った方が話が進めやすかったのかもしれませんが、必須では無いですね。『キサトア』でも双子が交互に眠るという一種の睡眠障害を描きましたが、小路さんには何か睡眠に対する思いがあるのかもしれません。
暖かくなれる本でした。 -
Posted by ブクログ
「クラプトンの涙」
「左側のボーカリスト」
「唇に愛を」
「バラードを」
「笑うライオン」
「その夜に歌う」
「明日を笑え」
「親父の唄」
どれもこれもタイトルが素敵な
短編集です。
あの人は来てくれる?
大切な言葉をくれる?
読んでいて、
とっても優しい気持ちになれます。
ストーリーも進行も、
大どんでん返しはないけれど、
あったかくて優しい人ばかり登場します。
「音の津波。音の洪水。」
「世慣れた人間ほど、その可能性は低いと思うだろう。
愛に関する約束なんてものを腕を広げて信じられるほど、
この世は甘いものではない。
それほど捨てたものではないことも知ってはいるが、
それでも。」
大切な人、
好きな人、
愛しい人、
絶対に離してはいけないものがあることを、
音楽を絡めて伝えてくれています。
愛が音楽になって、
広がっていく。
「音楽は、続いていく。」
ゆるやかに穏やかに、沁みていく作品。 -
Posted by ブクログ
morning――朝
mourning――追悼、哀悼
帯タイトルは、
「この車で一人で帰って、自殺する」
仲間の一言から
喪服のロングドライブは始まった。
大学時代、
バンドを組んだ5人。
楽しかった共同生活。
憧れのマドンナ。
1980年。
それぞれの生活を歩んでいた5人が、
仲間の慎吾の死をきっかけに
葬儀で集まる。
その帰り道、
淳平が自殺をすると言い出す。
淳平を止めるために、
説得をするドライブが始まる――。
なんてゆうか。
怖いものもなくて、
楽しくて、
永遠に続かないもの、
年を重ねるにつれて
どんどん
いろんな事情や秘密を抱えるようになる。
現在と回想の過去が行ったり来たりしますが、
読みやすく
登場人物を把握できれば
すぐ読みきれます。
最後は・・・ね。
切なくて優しい感じです。
好みはあると思いますが。苦笑
淳平の自殺の原因は??
淳平の自殺をとめられるのか??
大切な人が
側から離れていってしまう。
絶対に離してはいけないもの。
今だから、
大切だと言えるもの。
そんなものを
優しく爽やかに描いています。 -
Posted by ブクログ
「誰かを探した方が幸せなんだろうなってさ」
「幸せ?」
「そこには幸せの匂いがあるって本能なんだよきっと。
人間が生きていく上でのさ。
いちばんの根っこにある本能」
妻を尾行して写真をとってほしい。
晴れた公園で、
カメラをかまえていた大学生のケイジは
突然そんなことを頼まれる。
母親がカメラマンだったこともあり、
ケイジは自分が今と思った瞬間をカメラにおさめていく。
そんなケイジに突然の依頼。
ケイジは戸惑いながらも、
ふたりの親子の写真を撮りはじめる。
どうしてそんなことを頼んだのか?
次第に被写体である妻・百合香に惹かれ始めていくケイジ。
そんなケイジを優しく見守る姉。
助け船をだしてくれる同居人のヒロ。
いびつな愛で世界を愛する元彼女・富永。
恋愛が軸にあるようで、家族がある。
恋とか愛とかぢゃなくて、
もっと深いトコで大切に思う。
ちがう角度からのぞいてみる。
そんなコトを思える一冊。
優しい気持ちになれる一冊。
帯に映画化の写真がついており、
三浦春馬さんたちが頭のなかで動いていました。苦笑
文章も、仕草も、ぜんぶが穏やかでやさしい。