小林泰三のレビュー一覧
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ある家族を描いた連作短編集。御茶漬海苔先生のカバーイラストとタイトルから凄惨な内容を勝手に期待してしまった私が悪い(するな 笑)。でもたしかに先が気になって急いで読んでしまったので、面白いことは面白い(のか?)。
幸せ過ぎる自分の人生に疑問を持った辺野古美咲。ある日幼少時の写真を見て当時の記憶がよみがえるが、それはなんと自分の死の記憶で……
この美咲の話もだが連作集全体が屁理屈というか、ああ言えばこう言うの会話劇なのでイライラしてくる人もいるかも。それが作者の狙いなのかもしれないけど(笑)。
一番ウワーとなったのは美咲の母七奈の話「清浄な心象」。完璧な子どもが欲しいとして、添加物を食べただの -
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地球上のすべての生物がウイルスに感染し、いずれ誰もがゾンビ……活性化遺体になる世界。
ある細胞活性化研究者が、先端的な重大発表を控える中密室でゾンビ化するという事件が発生する。彼はいつ死に、どのようにゾンビになったのか。
取り調べが行われる現場に、探偵・八つ頭瑠璃が現れ、その謎に迫る。
死んだら誰もがゾンビ化してしまう地球で起こる、特殊設定ミステリです。
作者さんらしい、理屈っぽく不気味で、シュールな世界観が魅力。世界観や伏線は緻密です。
登場人物たちは皆どこか冷淡に見えて個人的にはあまりハマらなかったかもしれませんが、ラストはほんのり甘くて良かったです。
ミステリ・ホラー、あるいはSF -
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ウルトラマンの話かと思いきや・・・
本作を読む前に我孫子武丸の『修羅の家』を読み、精神的にダメージを受けた後に本作を手にかけたところ、普段乗り物酔いしないのですが高速バスで少し具合が悪くなりました。
それが冒頭の微候でした:飛行機事故にあった夫の遺体を確認する為に妻の沙織は遺体のある公民館へ向かう・・・
遺体の描写が途轍もないです・・・
続いて第一部はとある、宇宙空間に存在するプラズマ生命体の話になります。これだけでも十分興味深い物語です!
第二部以降は一言で言うと『ウルトラマン』です。
主人公の名前は『諸星隼人』です(笑)
小林泰三さんの作品は四作品目になりますが今まで読んだ作品とはテイ -
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なぜこの本を予約したのかさっぱり思い出せません。ともかく読んでしまう。
1993年角川ホラー文庫創設。そこから30年あまりの作品の中から精選収録のアンソロジー。
竹本建治「恐怖」1983
小松左京「骨」1972
SFっぽさあり
宇佐美まこと「夏休みの計画」2017
新しいなって思う
坂東眞砂子「正月女」1994
女の嫉妬の怖さ
恒川光太郎「ニョラ穴」2013
平山夢明「或るはぐれ者の死」2007
都会の隅で見過ごされる悲しさ
服部まゆみ「雛」1994
雛人形の怖さと女の情念の怖さのダブル
小林泰三「人獣細工」1997
ありえなくもない豚と人間の相互移植
坂東さんの正月女は、言い伝 -
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ネタバレ「子供を沈める」
いじめを苦にして自殺した被害者が、4人の加害者の子どもに生まれ変わってくるというお話。
被害者は、加害者の子どもに生まれ変わって何がしたかったのだろうか。初めは復讐なのかと思っていたが、最後の加害者が、他の3人の(加害者の子達)分まであなたを愛すると伝えると、微笑みを返したという形で終わっている。
被害者には、前世でいじめられた(というより、怖い事をされたという曖昧な)記憶は残っていても、母親となっている相手が、そのいじめをしていた当人だと分かっている様子はなく、反省を求めるような素振りもない。
もしかすると、加害者自身が具現化した過去の罪と自ら向き合い、それを乗り越え -
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角川ホラー文庫で新装版が続々刊行されている小林泰三作品。『玩具修理者』と『人獣細工』に続いて刊行された本作を、前2作に引き続き手に取ってみた。
原因不明の旅客機墜落事故が発生。生存者は絶望的としか思えない凄惨な事故の中、乗客の男性が1人"蘇る"。そして始まる、地球外生命体らによる、地上を地獄絵図へと変える血肉に塗れた戦い―――。
血みどろ作家(?)・小林泰三が描く、グログロなウ○トラマン・・・マジでウルト○マン。主人公の宇宙生命体との邂逅とか、主人公の名前とか、"超人"の掛け声とか、まごうことなきウル○ラマン。(あ、某ライダーも入ってるか。)
特撮