小林泰三のレビュー一覧

  • 大きな森の小さな密室

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    ネタバレ

    クララ殺しやアリス殺しのような誰が誰なのかを論理的に推測するような話ではなく、それぞれのテーマに基づいて構成された世界観を楽しむお話のように感じる。
    だからトリックがどうだとか、動機はなんだと言ったことをまじめに追求したくなる人にはあまり合わないのかもしれないが、どの話もメタ的で皮肉が含まれているような仕上がりになっている。

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    2021年01月13日
  • 杜子春の失敗~名作万華鏡 芥川龍之介篇~

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    芥川龍之介の名作をモチーフにした連作短篇集。計四作品。一作目からなんだかほっこりする内容で、どうも泰三らしくないな、と意外性を楽しんでいましたが、三作目のグロテスクな表現、そして四作品のなかなかヒヤリとする結末で「らしさ」は健在でした。
    しかし、新藤礼都が出てくるとは。。。

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    2020年12月15日
  • 大きな森の小さな密室

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    至って真面目にメタをやるミステリー小説。
    独特な世界観は好みが分かれるギリギリを攻めている感じ。世界観に浸ったまま一気に最後まで読み進めるのがオススメです。

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    2020年10月02日
  • 大きな森の小さな密室

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    この独特な世界観。
    ミステリといえども内容はかなりコミカル。
    だけど玩具修理者に通じるものがある。
    くせ者しかいない短篇集。
    良いのか悪いのか、謎解きよりもアクの強い登場人物たちに意識が向いてしまう。
    個性的な推理ものを読みたい人はより楽しめそうな作品。

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    2020年08月21日
  • 大きな森の小さな密室

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    初読み作家さんのミステリ連作集。
    登場人物が随分ユニークでキャラが立っていて面白い。
    人気ミステリーといえば、名物探偵、とか、でてきますもんね。
    短編集だけあって、それぞれ主人公がいるのですが、1番好きなのは超限探偵Σでしょうか。論理的な天才。
    等身大な、一緒に頑張って謎を解いていくタイプもいいんですが、小説ならではの超天才キャラって、いつも惹かれちゃいます。安定感と安心感が抜群。

    さて、肝心のミステリーですが、どうでしょうか。
    短い物語だけあって、謎解きゲームのような味わいです。
    それにSF要素も混ざった、ユニークな仕上がり。
    死亡推定時期は150万年前…とか、随分と飛躍した要素も出てきて

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    2020年07月26日
  • 惨劇アルバム

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    幸せな人生を送り、結婚を数ヶ月後に控えた美咲は、一枚の写真から自分の記憶に疑いをもつ。そこから浮かび上がる歪んだ家族の物語。

    記憶と狂気。いかにも小林さんらしい作品。
    完璧な子どもを望むあまり中絶を繰り返す「清浄な心象」と、公平が一番大事だとする「公平な情景」が、特に印象的。まったく噛み合わない会話にイライラしつつも、あまりの理不尽さにクスッと笑える。

    娘、母、息子、祖父、父、それぞれの目線で描かれる物語。皆んな歪んでいて、結局すっきりしない部分もあったけれど、小林さんらしい狂気がじわじわと怖さを掻き立てる。

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    2020年04月18日
  • 大きな森の小さな密室

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    トリックと謎解きはあまりひねりがないかなぁと思いました。
    シチュエーションとキャラクターの個性重視でストーリーが進んでいく作品。
    ただ、最後まで読んで欲しいと思いました。
    最後まで読んで、やっと面白さがわかる話だなぁと。
    序盤は後半のためにある。
    欲を言えば、各話につながりがもう少しあると面白かったかなぁ。

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    2020年03月20日
  • 大きな森の小さな密室

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    ミステリのお約束をテーマにした短編集。同じ系統の作品に東野圭吾「名探偵の掟」があるが、あちらがミステリへの皮肉満点なのに対して、こちらはいたって真面目にミステリをやっている。とは言えいつもの小林泰三で、表題作のミスディレクションや、日常の謎に隠れた悪意にくすりとさせられる。

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    2020年03月15日
  • 大きな森の小さな密室

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    ・更新世の殺人
    「だから、突っ込むとこはもっと他にあるだろうが」
    …安心して「これはバカミスなんだ」と楽しめる空気になるまでが長い、最後の爆発力勝負

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    2020年02月28日
  • 大きな森の小さな密室

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    『アリス殺し』『クララ殺し』から本書を読みました。
    短編集。物語の中に入りづらかったというのが正直な感想ですが、「遺体の代弁者」「路上に放置されたパン屑の研究」は楽しめました。『アリス殺し』『クララ殺し』のようなノリ?、ちょっとしたグロさを感じました。

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    2020年02月03日
  • 神獣の都―京都四神異譚録―(新潮文庫nex)

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     もし正義のために人を傷付けたり、あるいは殺したりしなくてはならなかったら、僕はそれを行えるだろうか? そもそも正義とはなんだろう? 人を傷付けなければ達成できないものを正義と呼んでいいのか? だけど、一人を殺すことによって、数十億人の命を救うことができたら? それをやらないことが正義と言えるだろうか?
     あの単純な正義を信じることができた頃が懐かしい。僕もまた綺麗でいられなくなりつつあるということなのだろうか?
    (P.313)

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    2020年02月03日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    ネタバレ

    〈140文字要約〉
    ゾンビ化した一人の男を「彼は殺されたのだ」と主張する八つ頭瑠璃。〈体の一部がゾンビ化する〉パーシャルゾンビが事件に関わっていると確信した瑠璃は、ゾンビの研究を行う公的機関や、ゾンビの踊り食いを楽しむ女性に接触し推理を組み立てていく。両親の仇を打つために真実を暴いた瑠璃は涙を流す。

    〈140文字感想〉
    ゾンビとミステリが切っても切れぬ時代に突入していこうとしているのか、と。そもそもゾンビと密室は相性がいいし、なんならゾンビ自体密室のようなものだし、と思いきや意外にも密室で殺されたのはゾンビの方だ。あれよあれよと展開も推理も進むうち、気づけば僕はゾンビのように文字を貪るのでし

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    2019年11月28日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    記憶が数十分しか持たない主人公と触れた人間の記憶を自在に操れるクズ という構図は最高に面白いんだけど、売りにしている衝撃のラスト というのが不明瞭。あと主人公が報われない。

    登場人物の整理と掛け合いをもう少し上手に書けていれば星5

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    2019年11月10日
  • 失われた過去と未来の犯罪

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    「ある日、全人類の記憶が10分しか保たなくなる」というシンプルながら強烈な設定一本で、人類がそれをどう乗り越えるのかを描き、乗り越えた先にある混乱、人情、罪も描いているのが凄い。
    第一部の民間人の混乱とそこから生まれる才能の開花、技術の発展はあくまでSF的ながらなるほどと思わせる。原発での話もこの状況を説明するにはマッチしているし、人間味があって良い。
    そして第二部の、記録が「記憶」となった時代。人間の「こころ」や「たましい」は記憶と同値なのか、人の意思や意志は肉体と記憶どちらに宿っているのか、という「心の哲学」に踏み込んでいく。人間ならこんな行動をしてしまう、こういう選択がこんな結末に発展し

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    2019年10月27日
  • 神獣の都―京都四神異譚録―(新潮文庫nex)

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    とにかくおもしろかった。世界観も異能力バトルもかなりいい。巨大化した神獣なんてのもいいんだが、とにかく会話だよ。すごく違和感がある。ライトノベルの読者を取り込もうという意図は理解できるが無理をしすぎていて饒舌なうえに軽くて場が浮き上がってしまっていて、せっかくのバトルが台無しだ。とても楽しいのに、そこが残念だった。

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    2019年09月13日
  • 大きな森の小さな密室

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    ネタバレ

    トリック、探偵、事件。
    色とりどりで、贅沢な作品であることは事実。
    バカミスとか、日常の謎はお勧め。

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    2019年06月11日
  • 大きな森の小さな密室

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    全編を通して大真面目な悪ふざけ感が満載で、帯にある"コナンや金田一が好きな人"は読んでるうちにぶちギレそう。小林泰三氏が好きな人なら楽しめます。

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    2019年06月02日
  • 因業探偵 リターンズ~新藤礼都の冒険~

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    疲れているときに読むものじゃなかった。エグい。ユーチューバーみたいなのはよくぞやってくれましたと素直に思うが、他のはホラーだ。

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    2019年05月26日
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ

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    作者のグロテスクな作風はそのままにSF、ミステリー、オカルト、バトルものなど様々なジャンルが取り揃えられた短編集でした。
    表題作である百舌鳥魔先生のアトリエが一番好きで、隣接する生と死を描くためのグロが生かされてた感じがしました。

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    2019年05月11日
  • 大きな森の小さな密室

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    ネタバレ

    小林さんの本だからもっとおどろおどろしいモノを~と勝手に想像していたら、なんとこれは!
    まさかの「ぎゃふん」まで。

    ☆三つは楽しませてくれたから、だけど壁本かな?解説を見るとこの探偵たち他のご活躍もあるそうで、読みたいような、二度と会いたくないような~

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    2019年03月26日