小林泰三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
―――何をやってもうまくいかず、悲惨な生活を送る直人は、幼い頃よく見た夢の中を彷徨う。
直人の恋人・博美は、腹話術に盲執する男の姿に幻惑される。
直人の親友・二吉は、記憶障害となり人生の断片をノートに綴る…。
彼らの忌まわしき体験は、どこまでが現実で、どこまでが幻想なのか。
読者を狂気の世界へと誘う禁忌の三重奏…。著者初の連作ホラー。
久しぶりに小林泰三の短編
前のレビューでも書いたけど、小林泰三の物語は最初こそ確かな現実に基づいてるんやけど、読み進めるうちにいつの間にか「関節の外れた世界」へと誘われる。
この不気味さは彼の作品ならではやと思う
この本の中では最後の『き(土編に危)憶』が一番好きやな
前向性健忘症が、ホラー要素とこんなに高い親和性を持つとは思わんかった(・∀・)
”わが世界へようこそ” -
Posted by ブクログ
ネタバレあーー楽しかった!!!面白かった楽しかった。王道娯楽、宇宙活劇だと思う。
泰三先生お得意のグロは大分なりを潜めている…と思うので、そこが苦手な方にもどんとお勧めの逸品となっております!(あ、ゼロではないんですけどね……グロではなくて、リアルを追求していると理解してます!)
世界設定は、表紙のイラストとタイトルがきっちり示してくれている。天地が逆になっている空間で生活している人間達の物語だ。天にぶらさがってへばりついて暮らし、そこから踏み外すと真っ逆さまに星の海へ落ちていってしまう。泰三先生お得意、ガチっと理屈をこらした上での仰天世界設定。
物語は三章立て。
減少する一方の資源を切り詰めて生活する"村人"、村人から簒奪する"空賊"、そのおこぼれを拾い集める"落ち穂拾い"の生活を描くところから始まり、超兵器の発見までを描く「Ⅰ巨神覚醒」。
超兵器による闘いを描く「Ⅱ神々の闘争」。スーパーロボット大戦に超燃えた!(そして大笑いした。)
地国信仰の先にあるものを目指す「Ⅲアルゴスの目」。すーっと遠くをみつめる目になってしまう、ラスト。
どの章も異なる目玉を持っており、先へ先へとぐいぐい進んでしまう。また、登場人物達のコミカルな会話など、至る所にブラック、シュール、直球様々なユーモアが散りばめられていて本当に楽しい。笑った、笑った。登場人物の一人、ザビタンのあれがなにするところなど、快哉を叫ばざるを得ない。
泰三先生には、是非、このお話の続きを読ませて頂きたいものです! -
Posted by ブクログ
タイトルを見た瞬間に、小林作品で1,2を争うほど好きな短編集「海を見る人」のあのぶらさがってる人たちだ! と思って手にとりました。
前半は読んだ瞬間、懐かしくなる4人のかけあい。
頭上の地面にしがみつかなければ、星くずだらけの宇宙に永遠に落ちていく過酷な世界。落穂拾いと呼ばれる彼らの生き方。
結局エレクトラはどうなったのか、カリテイが見た謎の物体の正体は、と気になる続きが硬派に続くのかと思いきや、そんなことはなかった!
物語はスケールの大きな、宇宙ロボットバトルものに。
ザビタンとか出てくるし。
シリアスなのに、場面を想像すると笑えたり。
アマツミカボシのパイロットになってからのカムロギは、その反動かかっこよくなってるし。
ナタがダメ子ちゃんだ。
そして彼らは世界の秘密を知るため、北限への旅に出る。
なまぐささと小賢しさ溢れる小林節も健在ですが、ザビタンのエピソードとかナタと母の話はせつない。
普通ではありえない世界を構築して、計算をして説得力を持たせて、そしてあんなに泣かせる話を書くなんて小林泰三は鬼だとしか思えない。
ロボットバトルもいいけど、アッバースについてももうちょっと読みたかったなあ。
ツヌガアラシトはいいキャラだ。
で肝心のラストがちょっとわかりにくかったなあ。
世界の形は結局、なんだったの?
リングワールドやら球体、だと崖を登る描写がわからない。
巨大なコンタクトレンズみたいな形で、カムロギたちは外側から凹んでる方にきたのかと思ったけど。
そうすると最初の描写と矛盾する?
誰か詳しく解説してほしい……。
大地を踏みしめられる地国には楽園があると信じていたカムロギたちが見たものは、そこでも結局争い合う人類の姿だってことかな。
その世界では「時計の中のレンズ」の族長たちががんばってると思うと胸が熱くなるね。