小林泰三のレビュー一覧

  • 忌憶

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    ―――何をやってもうまくいかず、悲惨な生活を送る直人は、幼い頃よく見た夢の中を彷徨う。
    直人の恋人・博美は、腹話術に盲執する男の姿に幻惑される。
    直人の親友・二吉は、記憶障害となり人生の断片をノートに綴る…。
    彼らの忌まわしき体験は、どこまでが現実で、どこまでが幻想なのか。
    読者を狂気の世界へと誘う禁忌の三重奏…。著者初の連作ホラー。


    久しぶりに小林泰三の短編

    前のレビューでも書いたけど、小林泰三の物語は最初こそ確かな現実に基づいてるんやけど、読み進めるうちにいつの間にか「関節の外れた世界」へと誘われる。
    この不気味さは彼の作品ならではやと思う

    この本の中では最後の『き(土編に危)憶』が一番好きやな
    前向性健忘症が、ホラー要素とこんなに高い親和性を持つとは思わんかった(・∀・)



    ”わが世界へようこそ”

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    2012年12月30日
  • 天体の回転について

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    短編集として、面白かったです。
    前半はハードSFながら、後半の作品、特に最後はクトゥルフ神話と時空理論をあわせた、一風変わった作品で、楽しめました。
    と、ここまで読んで、実はこの本、前に一度読んだことに気が付きました。
    何となく覚えのある作品があるなぁ、とちょっと思っていたのですが、確かどれも読んだ記憶が・・・
    忘れっぽいのは、楽しみが増えていいとも言えますが、それでいいのかな?

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    2012年12月06日
  • セピア色の凄惨

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    すごく読みやすいので一時間かそこらで読み終わると思います 
    とにかくみんな真面目に狂ってる
    後味が悪い話、とまで言っていいのか分かりませんがとにかく読み終わってもいい気分にはなりません
    でも結構好きです
    ただ、私にはメインの話のオチがちょっと弱く感じられました

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    2012年10月21日
  • 天体の回転について

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    非常にバラエティに富んでいて、設定と発想で魅せるSF短編集。
    それぞれの作品の色がまったく違ったものなので、飽きずに楽しんで読んだ。

    表題作と、ロボット反乱ネタの「灰色の車輪」と長期記憶をメモリに頼らざるを得なくなった人間を描いた「盗まれた昨日」が個人的には好き。
    表紙のミクさん(違)はエレベーターガールだったんですね。

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    2012年10月12日
  • 天体の回転について

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    ネタバレ

    どれも面白かったけど、表題の「天体の回転について」は感銘できるところもあり凄くよかった。文化をなくした人間でも、2次元には惹かれてしまうんだなぁと、呆れるような安心するような。

    個人的には2次元に恋をした人間は報われないと思っているので、最後のオチはあんまり納得いかなかったけど、あれは小林泰三の良心だと思うことにする。

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    2012年08月08日
  • 完全・犯罪

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    ネタバレ

    SF・ミステリー・ホラーとタイプの違う作品を入れてきた短編集。個人的には歴史改変タイムトラベルものをブラックコメディチックにまとめた表題作とミステリーでお馴染の「双生児」ものがお好み。

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    2012年08月02日
  • 天獄と地国

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    面白くてあっという間に読んでしまった。
    多分世界設定に惹かれるんだろう。

    頭上に地面、足元に星空、極端に資源不足な過酷な世界での生き残りのための生活
    超兵器同士の戦闘シーンも面白いけど、空に向かって落ちていくシーンが何とも言えずいいなぁ
    ラストが少し暗いけど、明るい面が無いわけじゃないのでイイかな

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    2012年07月13日
  • 惨劇アルバム

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    オムニバスホラー。非の打ち所のない幸せな人生のはずだったのに、それが崩れてしまう衝撃。塗り替えられた記憶の意味。不条理ホラーのように思えたけれど、最後まで読むとこれはミステリでもありました。うわ、なるほど! そういうことだったのか。
    お気に入りは「正義の場面」。これにはやられたなあ。とても「ありがち」なネタの逆ですね。案外単純なことだけど、思いつきもしませんでした。

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    2012年05月31日
  • 脳髄工場

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    ネタバレ

    ホラーというよりSFっぽいかんじの話が多かったです。
    が、楽しく読めました。
    さらっと、短い時間で読めますし。

    「脳髄」を外から管理することでストレスなどから開放されるという近未来、その「脳髄」を入れる描写は小林さんならではの表現だなぁと思いました。

    相変わらず表現がグロくて匂いまでかんじられそう!!!

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    2012年05月16日
  • 海を見る人

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    SFなんだけど、「感じる」小説です。タイムパラドックスとかが好きな人も、恋愛小説が好きな人にもおすすめ。5年位前に読んだ。

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    2012年05月12日
  • 脳髄工場

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    量産型小林泰三

    小林泰三らしさの幹線をぶっちぎった作品。裏返せばガッカリも激しい。
    やはりホラーもネタがかぶってきてしまうものなのかしら。

    でも、あの抽象的な文体で科学的内容を哲学的な問いに昇華させて這い寄る混沌につなげる独特の構成はやはり萌える。女子高生とかの比じゃない。

    オススメは「脳髄工場」と「C市」

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    2012年05月07日
  • 海を見る人

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    次の年、カムロミは夏祭りに来ませんでした。
    わたしはさらに一年を耐え忍びました。
    その次の年もカムロミは現れませんでした。
    わたしは待つことをやめました。


    わたし、先生に約束するわ。
    次に出会うことがあったら、その時は…
    今度はわたしが苺ミルフィーユを奢ってあげる。

    (時計の中のレンズ/独裁者の掟/天獄と地国/キャッシュ/母と子と渦を旋る冒険/海を見る人/門)

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    2012年03月19日
  • 天獄と地国

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    ネタバレ

    あーー楽しかった!!!面白かった楽しかった。王道娯楽、宇宙活劇だと思う。

    泰三先生お得意のグロは大分なりを潜めている…と思うので、そこが苦手な方にもどんとお勧めの逸品となっております!(あ、ゼロではないんですけどね……グロではなくて、リアルを追求していると理解してます!)

    世界設定は、表紙のイラストとタイトルがきっちり示してくれている。天地が逆になっている空間で生活している人間達の物語だ。天にぶらさがってへばりついて暮らし、そこから踏み外すと真っ逆さまに星の海へ落ちていってしまう。泰三先生お得意、ガチっと理屈をこらした上での仰天世界設定。

    物語は三章立て。
    減少する一方の資源を切り詰めて生活する"村人"、村人から簒奪する"空賊"、そのおこぼれを拾い集める"落ち穂拾い"の生活を描くところから始まり、超兵器の発見までを描く「Ⅰ巨神覚醒」。
    超兵器による闘いを描く「Ⅱ神々の闘争」。スーパーロボット大戦に超燃えた!(そして大笑いした。)
    地国信仰の先にあるものを目指す「Ⅲアルゴスの目」。すーっと遠くをみつめる目になってしまう、ラスト。

    どの章も異なる目玉を持っており、先へ先へとぐいぐい進んでしまう。また、登場人物達のコミカルな会話など、至る所にブラック、シュール、直球様々なユーモアが散りばめられていて本当に楽しい。笑った、笑った。登場人物の一人、ザビタンのあれがなにするところなど、快哉を叫ばざるを得ない。

    泰三先生には、是非、このお話の続きを読ませて頂きたいものです!

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    2012年07月07日
  • 天獄と地国

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    タイトルを見た瞬間に、小林作品で1,2を争うほど好きな短編集「海を見る人」のあのぶらさがってる人たちだ! と思って手にとりました。

    前半は読んだ瞬間、懐かしくなる4人のかけあい。
    頭上の地面にしがみつかなければ、星くずだらけの宇宙に永遠に落ちていく過酷な世界。落穂拾いと呼ばれる彼らの生き方。
    結局エレクトラはどうなったのか、カリテイが見た謎の物体の正体は、と気になる続きが硬派に続くのかと思いきや、そんなことはなかった!

    物語はスケールの大きな、宇宙ロボットバトルものに。
    ザビタンとか出てくるし。
    シリアスなのに、場面を想像すると笑えたり。
    アマツミカボシのパイロットになってからのカムロギは、その反動かかっこよくなってるし。
    ナタがダメ子ちゃんだ。
    そして彼らは世界の秘密を知るため、北限への旅に出る。

    なまぐささと小賢しさ溢れる小林節も健在ですが、ザビタンのエピソードとかナタと母の話はせつない。
    普通ではありえない世界を構築して、計算をして説得力を持たせて、そしてあんなに泣かせる話を書くなんて小林泰三は鬼だとしか思えない。
    ロボットバトルもいいけど、アッバースについてももうちょっと読みたかったなあ。
    ツヌガアラシトはいいキャラだ。


    で肝心のラストがちょっとわかりにくかったなあ。
    世界の形は結局、なんだったの?
    リングワールドやら球体、だと崖を登る描写がわからない。
    巨大なコンタクトレンズみたいな形で、カムロギたちは外側から凹んでる方にきたのかと思ったけど。
    そうすると最初の描写と矛盾する?
    誰か詳しく解説してほしい……。

    大地を踏みしめられる地国には楽園があると信じていたカムロギたちが見たものは、そこでも結局争い合う人類の姿だってことかな。

    その世界では「時計の中のレンズ」の族長たちががんばってると思うと胸が熱くなるね。

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    2012年05月21日
  • 天体の回転について

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    久しぶりにハードSF読んだ。読んだ直後より、後で反芻するとじわじわ来る面白さ。ロボット三原則ネタ、軌道エレベーターネタ、クトゥルフネタの作品が面白かった。

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    2011年11月20日
  • 人造救世主 ギニー・ピッグス

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     このシリーズは様々な超能力者どうしの異能バトルが最高だ。自分の能力の特性を最大限に生かし、逆に相手の能力の弱点を突く、逆手に取る。そのかけひきが最高に面白い。シリーズ2作目の本作では、研究所では能力を発現しなかった1ナンバーが逃亡、能力者が処理にやってくるが、その戦いの中で各々が能力を発現、そして戦う。このバトルが最高にしびれる。凄い!

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    2011年11月17日
  • 目を擦る女

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    SFとホラーとが絶妙に融合した短篇集。大半が〇〇ネタではあるものの、それぞれを異なった手法で料理してみせるのはさすが。次から次へと登場するアレなキャラクターたちのイカレっぷりも愉しい。
    お気に入りは表題作、「未公開実験」「予め決定された明日」かな。

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    2011年11月01日
  • 目を擦る女

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    素材はSF的なのですが、ホラーらしい生々しさが満ちていて、新鮮に感じました。個人的にはSF色の強い「空からの風が止むとき」「未公開実験」が良かったです。

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    2011年09月29日
  • 天獄と地国

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    久々の長編、やっぱなんかグロい雰囲気。おもしろいんですが、状況(世界背景)がよくイメージできないまま終わってしまった。あと、あのエンディングはなんだ??

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    2011年06月11日
  • 脳髄工場

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    小林泰三の短篇集。星新一のショートショートをよりブラックにした感じ。どの作品も小林泰三の世界が確立していて、ぐんぐん引きこまれた。この人は天才だと思う。小林泰三の脳みそ欲しい。

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    2011年05月26日