小林泰三のレビュー一覧
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ネタバレ〈140文字要約〉
ゾンビ化した一人の男を「彼は殺されたのだ」と主張する八つ頭瑠璃。〈体の一部がゾンビ化する〉パーシャルゾンビが事件に関わっていると確信した瑠璃は、ゾンビの研究を行う公的機関や、ゾンビの踊り食いを楽しむ女性に接触し推理を組み立てていく。両親の仇を打つために真実を暴いた瑠璃は涙を流す。
〈140文字感想〉
ゾンビとミステリが切っても切れぬ時代に突入していこうとしているのか、と。そもそもゾンビと密室は相性がいいし、なんならゾンビ自体密室のようなものだし、と思いきや意外にも密室で殺されたのはゾンビの方だ。あれよあれよと展開も推理も進むうち、気づけば僕はゾンビのように文字を貪るのでし -
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「ある日、全人類の記憶が10分しか保たなくなる」というシンプルながら強烈な設定一本で、人類がそれをどう乗り越えるのかを描き、乗り越えた先にある混乱、人情、罪も描いているのが凄い。
第一部の民間人の混乱とそこから生まれる才能の開花、技術の発展はあくまでSF的ながらなるほどと思わせる。原発での話もこの状況を説明するにはマッチしているし、人間味があって良い。
そして第二部の、記録が「記憶」となった時代。人間の「こころ」や「たましい」は記憶と同値なのか、人の意思や意志は肉体と記憶どちらに宿っているのか、という「心の哲学」に踏み込んでいく。人間ならこんな行動をしてしまう、こういう選択がこんな結末に発展し -
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"「わたしが彼女にこの家を教えたのよ」礼都は答えた。
「なんで勝手なことをするんだ?」さすがに俺も礼都の身勝手に腹が立ってきた。
「わたし、困っている人を見たら、放っておけないのよ」
「困っているのは俺たちの方だぞ」
「だから、あんたたちを放っておけないの。困っている人は大好物よ」礼都は舌嘗りをした。
「この女異常よ!」母は叫んだ。
俺もそうかもしれないと感じ始めていた。
「この人探偵だって言ってたわよ」幸実が言った。「トラブルを解決してくれるって」"[p.273_パチプロ]
「プロローグ」
「保育補助」
「剪定」
「散歩代行」
「家庭教師」
「パチプロ」
「後妻」 -
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ネタバレタイトルの通り、天と地が逆になった世界を舞台に展開するスペースオペラ。設定はいいし、巨大ロボット(バイオ兵器?)や宇宙艦体の戦闘シーンも迫力があって読み応えあり。なかなかオモロい小説だと思うんだが…
どうも冗長すぎるキライがある。こんだけのページ使ってこの世界の成り立ちすら見えてこない、しかもラストはほったらかし。余韻を残すというレベルじゃなく、次のページ繰らないとアカんレベルのほったらかし。
最初も最後も曖昧模糊ってのは、短編もしくは中編でこそ生きてくる設定だと思う。あとがきで続編云々を述べているが、最初からシリーズ物として展開しているなら、あとがき以前にそう記すべき。
起承転結の承転 -
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人類・・というか生物がウイルスに侵され死ぬとゾンビ化する世界。そこで発生した・・まあタイトル通りの殺人事件的ななにか。
相変わらず不思議なというか奇妙なというかおもしろい世界観や設定を書く作家さんですね。それを下敷きにしたミステリというちょっと変化球なのが魅力です。今回も・・・世界観は実に面白く興味深いです。実際の真相とかはイマイチなところはあるんですが、そこはやっぱり世界観がかなりぶっ飛んで奇抜なのでそれに比べると「なんか普通だな」と思ってしまうのもやむを得ないんじゃないかと。。。
あと、ゾンビゾンビした話なのでどうしてもグロい場面も結構あるから苦手な人は注意ですね。 -
Posted by ブクログ
2017年、33冊目は、フェイヴァリット作家の一人、小林泰三。
探偵の元に、依頼人が訪れる。依頼内容は親友の捜索。手がかりは、「レイ」という名前と、彼女が写っている色褪せた四枚の写真。さらに、依頼人は毎週の進捗状況の報告を願い出たのだった。
探偵と依頼人の会話体の間に、写真に写っている人物の一人語りによる、四編の短編が挟み込まれた構成。
手軽に小林泰三という作家を知るには、もってこいの一冊。プロローグとエピローグがある、あのホラー短編集の質感。オチは、初の長編ミステリーを思わせるトコロある。噛み合ってるんだか……の、イライラさせられる会話。不条理系。ブラックなユーモア。スプラッター描写。