無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
―――この世界すべてを夢見ているという女の恐怖を描いた表題作
物理的に実行不可能な密室殺人を解明する驚天動地の推理劇「超限探偵Σ」
無数の算盤計算によって構築された仮想世界の陥穽「予め決定されている明日」ほか
冷徹な論理と呪われた奇想が時空間に仕掛ける、邪悪な7つの罠。
小林泰三の短編集
私たちが常識として受け入れ、小指の甘皮ほども
疑いを入れない考えに
「ほんまに?」
と問いを投げかけ、足下をおぼつかなくさせる。
ハードSF、ミステリ、ホラー
どれも「いけるクチ」の人に読んでもらいたい
この中では、やっぱり『未公開実験』が一番面白かったな
不確定性原理とか量子力学もそやけど
やっぱ、ターイムマスィーーンやね笑”
あと、解説の
「淡々としていながら読者をたちまち関節の外れた世界へと誘う」
ってのがしっくりきて好きやな
Posted by ブクログ
短編7作すべてにはずれがまったくなく、すべてが最高に面白い。
『目を擦る女』
ある女性が、引っ越してきた隣に住む女に、「この世界は自分が見ている夢だから、自分が目覚めると消えてしまう。現実の世界は酷い有様になっている。」とおかしなことを言われ、現実と夢との区別がつかなくなっていく。
女が現と夢の両方の世界に対して、感想を述べるような場面があるのだが、両方に共通した評価がひとつだけあった。これに気づいた瞬間、物凄く怖くなった。
『超限探偵Σ』
探偵の友人の視点で描かれるミステリー。
そして、読み終わるとこの話がミステリーではなかったことに気づく。
そんなのありか?とも思える話を非常に面白く描いてあってすばらしいと思った。
『脳喰い』
エイリアンとの接触を描いたSF。
最強のエイリアンに立ち向かう主人公たちの結末は、《心底恐ろしいと感じるハッピーエンド》
『空からの風が止む時』
前半が重力が減少し始めた土地でのファンタジー。
そして、後半はSFなのだが、このファンタジーとSFとの繋がりが非常に興味深く、よく考えられていた。
『刻印』
地球にやってきた体長2メートルの蚊型エイリアン(雌)と人間の男との純愛小説。
結末にはSFらしさが見られるが、これはあくまで純愛小説だと思う。
『未公開実験』
タイムトラベルを実現した男が友人に、〈ターイムマスィ〜ン〉を発案したことを理解させようとして、ある悲劇に見舞われてしまうコメディ。
この作品の会話は非常に面白い。その笑えるSFコメディの結末は恐ろしかった。
『予め決定されている明日』
読むと、私たちが生活している世界が3次元であることの理由として考えられるひとつの仮定を見出すことができるのではないだろうか。
通常はコンピュータを使う必要のある演算を算盤を用いて計算させられる理由は何なのか、、、
Posted by ブクログ
『目を擦る女』
引っ越してきた操子が隣に越してきた女に挨拶に行くと謎めいた女、八美が現れる。
八美は指の付け根で目を擦りながら、大きな声は出さないでと頼む。何故ならあの子が目を覚ますから。しかし、八美には子供はおらず、目を覚ますのは私なのだと言う。
思い出したのはフロム・ソフトウェアのゲーム『Bloodborne』のこと。
上位者によって作られた獣狩りの夢の中を彷徨う主人公は、その獣狩りの夢から抜け出そうとするというもの。
それに比べると規模はかなり小さくなりアパートの一室に収まる。
夢から覚めることで何が起きるのかわからない。こちらも『Bloodborne』同様に夢が引き継がれていく。
クトゥルフ的な世界観が好みでとても良かった。
『超限探偵Σ』
何やねんそれ! と、マジでしょうもない展開にツッコんでしまう。
ネタ切れになってもう何にも浮かばない、どうしよう……と悩んでいるところを何とかひねり出してひねり出してやっと出てきたけど、ロクでもないもの、だけどもうこれ以外出てこないしこれでいいかみたいな感じ笑
でもそんなロクでもない展開のお話も小林泰三にかかれば面白くなっちゃうんだからスゴい。
『脳食い』
途中まではスタニスワフ・レムの『ソラリス』を彷彿とさせる。だが段々とそこに『スターシップ・トゥルーパーズ』や『エイリアン』的な要素が入ってきて、最後は『マトリックス』に。
物語の各所に主人公の回想のようなシーンが入るのだが、それがそういうことかと最後にわかる展開で面白い。
『マトリックス』という夢の世界で生きることと、現実世界を生きることとどちらが良いんだろうね。
『空からの風が止むとき』
個人的には意外なカタチで終わる作品だった。ファーストコンタクトモノだと思っていなかったため、そっちなんだと。
ちゃんとハードなSFをやっていて、ちょっと油断した。
『刻印』
一体の蚊にそっくりなエイリアンが突然地球に飛来する。一人の男性の部屋に匿われるが、次第に2人は男女の関係になり……という蚊と人間のロマンス。
面白いなあ、と思って読んでいたら最後の一文でひっくり返される。
想像もしていなかった、まさかのあの超有名モンスターの誕生ストーリーに驚いた。
『未公開実験』
タイムマシンを巡るお話。これもおふざけ感満載で面白かった。
タイムマシンを使って過去を改変してきても、世界に変化が現れないからタイムマシンの製作者だけが過去改変をしたという事実を知っており、周りは過去改変とか何とか言ってらぁくらいの認識で信用しない。お互いが平行線の中で、これから過去に向かってタイムマシンを使ってやる! と始まるが……。
時代だからか、モロに『オースティン・パワーズ』のオマージュがあって笑った。
『予め決定されている明日』
算盤による計算をし続けている算盤人の世界。何を計算しているかは禁止されているが、ケムロは密かにそれを探って新たな知識を得ていた。しかし、それが原因で算盤の計算がガクッと落ちてしまい仲間たちに怪しまれる。
ケムロはこの世に存在しない電子計算機を仮想世界に作ることで計算することを思いつく。
これもハードSFな世界が描かれていく。
今読むとラストは陰謀論みたいな想像を膨らませていて面白かった。
どの短編も印象深く面白かった。
装丁からホラー多めな短編集を想像していたが、怖かったのは『目を擦る女』くらいで、他はかなりコミカルな短編集だった。
Posted by ブクログ
「わたしが目を覚まさないように気をつけて」隣室に棲む土気色の肌の女は言った。指の付け根で目を擦りながら――この世界すべてを夢見ているという女の恐怖を描いた表題作、物理的に実行不可能な密室殺人を解明する驚天動地の推理劇「超限探偵?煤v、無数の算盤計算によって構築された仮想世界の陥そう「予め決定されている明日」ほか、冷徹な論理と呪われた奇想が時空間に仕掛ける邪悪な七つの罠。(裏表紙より)
宇宙船クラーク号乗組員・西山下腕彦はドッキングした有人基地A3の内部で頭部を切り離された五人の男女の死体を見つける。その中には喧嘩別れしたままの頭角河子がいたのだ。「脳食い」
空から吹く風の正体に興味を馳せていたオトは、計算の結果、自分の世界の重力が衰退していっていることに気付く。「空からの風が止む時」
日本にエイリアンが現れたというニュースを見た直後、トイレのドアを開けると、そこには等身大の蚊がいた。言葉の通じない“彼女”を蚊子と名付けてみたものの……。「刻印」
古くからの友人・丸鋸遁吉に呼び出され、向かった“わたし”と鰒(あわび)と碇の三人は、丸鋸に発明品を見せられる。その名もターイムマスィーーン。丸鋸は両手で奇妙なポーズをとった。「未公開実験」
・「目を擦る女」
夢と現実が混在する作品は多数見受けられるが、慄然と逆転させているのが新鮮だった。
・「超限探偵?煤v
内容的に前編後編に分かれている。核シェルターの事件で、〇オチを使っておいて、地中の棺の事件では〇想〇実とは。笑かしてくれる。
・「脳食い」
異形コレクション『夢魔』収録作。夢を食うのは獏だが、こちらは脳を食う猿と蛙の中間形である。『ソラリス』を彷彿とさせる、ただのファーストコンタクトあるいは宇宙パニックものではないところが憎いし、怖い。
・「空からの風が止む時」
本作では、浮いた感じのSF作品。ホラーではないが、あっさりとしたラストの反転に出る作者の人の悪さが胸に残る。
・「刻印」
個人的ベスト。
蚊=〇〇鬼のリンクは奇抜ではないが、映画『タイムマシン』の切なさを思わせる純愛が重なれば、仰天せざるを得ない。
・「未公開実験」
ネタは珍しくない。白眉はターイムマスィーーンに尽きる。わたしはポーズを(ry
・「予め決定されている明日」
算盤計算で構築された仮想世界て(笑)
なんとなく藤子不二雄の世界観を想起させた。しかし、ラストは(苦笑)
作者は天才。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸
小説・文芸