あらすじ
世の中、間抜けばかり――あんな簡単な事件の真相も見抜けないなんて。自らの才能を生かすべく探偵事務所開設を計画する新藤礼都だが、まずは先立つものが必要だ。資金作りにアルバイトを掛け持ちする中、次々と奇妙な事件に遭遇して……。容赦のない発言と冷徹すぎる推理。抜群の頭脳と最悪の性格を併せ持つ女探偵が縦横無尽に活躍する、異色の連作ミステリー。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ヤバい。
人間の思い込みってやつを死ぬほど味わわされた。
当たり前の様に感じていた事が最後にガラッとひっくり返される。
特に『後妻』は圧巻で、思わずお見事と呟いてしまった。
流石は小林泰三、発想が柔軟でしなやかな作者の力量を思い知らされる傑作。
Posted by ブクログ
ついにあの人が主役に! 性格最悪でしかも○○までやっちゃってるけど、探偵としてはとっても有能な新藤礼都が活躍する連作ミステリ短編集。ずけずけと歯に衣着せない辛辣な物言いは実に爽快です。……だけど、実際には付き合いたくないよねこの人(笑)。というよりも、他にも関わり合いになりたくないような人がいっぱい登場します。実に癖の強い作品。
お気に入りは「パチプロ」。なんとも奇妙な状況の物語で、なかなか真相が見えませんでした。ううむ、なんとまあ手間暇のかかることを……!
「散歩代行」も凄いなあ。真相、なんとなく見当がつくのだけれど。まさかそれはなかろうと思っていましたよ。あまりにぶっ飛んでます。
Posted by ブクログ
ブラックユーモアミステリ短編。面白かった!噛み合わない会話がテンポよく進んでいって、悪人が破滅していく。「散歩代行」のご近所さんみたいに街全体でちょっとズレてる感が気持ち悪い。礼都さんとお近づきにはなりたくないわ…。
Posted by ブクログ
小林泰三さんの作品。
新藤礼都はドロシィ殺しに出てきた人か。(あれは別の世界線だと思うけど)
主人公は切れ者で冷たい(キツイ)超現実主義者というのは独特かな。
小林泰三さんらしく思い違いという手法を使ったりしているが、いかんせん短編集なのでライトノベルのような感じで軽く物足りなかった。
Posted by ブクログ
"「わたしが彼女にこの家を教えたのよ」礼都は答えた。
「なんで勝手なことをするんだ?」さすがに俺も礼都の身勝手に腹が立ってきた。
「わたし、困っている人を見たら、放っておけないのよ」
「困っているのは俺たちの方だぞ」
「だから、あんたたちを放っておけないの。困っている人は大好物よ」礼都は舌嘗りをした。
「この女異常よ!」母は叫んだ。
俺もそうかもしれないと感じ始めていた。
「この人探偵だって言ってたわよ」幸実が言った。「トラブルを解決してくれるって」"[p.273_パチプロ]
「プロローグ」
「保育補助」
「剪定」
「散歩代行」
「家庭教師」
「パチプロ」
「後妻」