小林泰三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
インクレディブル・サーカス所属の手品師・蘭堂は、過去のトラウマを克服して大脱出マジックを成功させるべく練習に励んでいた。
そんなある日、突如サーカス団が吸血鬼たちに襲われる。残忍で圧倒的な身体能力と回復能力を持つ彼らに、団員たちは空中ブランコやアクロバットなどの特技を駆使し、命がけで反撃を試みるが……。
様々な事情から廃業寸前の弱小サーカス団と、吸血鬼の戦いを描いた小説です。
人間離れした身体能力、飛行能力、回復力を持つ残虐な吸血鬼の集団に、ただの人間であるサーカス団員たちがどう立ち向かい、勝利するために何を使いどう動くのかが読みどころ。
サーカス団員たちが、どんなに追い詰められても決して仲間を見捨てないところや、どんなに勝ち目が薄い戦いでも知恵と経験、勇気で状況を打開しようとする姿に、儚くも力強い命の輝きを感じます。
血や内臓などがドロドロに飛び散りまくるので結構グロテスクですが、アクション映画やスプラッタホラー映画のような雰囲気もあり一気に読めてしまいます。
ラストも爽やかさもありながら物悲しい。
インクレディブル・サーカス団、冷静に考えると不運すぎて同情してしまう。何もしていないのにとんでもないとばっちり受けててかわいそうすぎます。 -
Posted by ブクログ
【2024年215冊目】
吸血鬼の間で、ある噂が立ち上がっていた。コンソーシアムと呼ばれる吸血鬼ハンターの集団が、サーカス団に偽装して各地を回っているらしい。中でもランディと呼ばれる男は手練で、口八丁で騙し討ちをかけてくる。ハンターを殲滅するため、吸血鬼達はとあるサーカス団に目をつけ、襲いかかるのだが――。
最初はすっとぼけているのか、それとも欺く前提なのかわからんぞ、と思って読んでましたが、物語が進むにつれ、シンプルに不運なサーカス団に同情することになりました。あまりにも共通する特徴があったために起こった悲劇すぎる。
明かされた真相は想像してなかったもので結構びっくりしました。ちゃんと伏線は張られていたみたいですが、気づきませんでした、悔しい。しかし、バックパッカーのじっちゃまが強すぎるしかっこよすぎる。何者なんだ、過去話読みたいぞ。 -
Posted by ブクログ
1冊目。
3編の物語で構成されている。、1つ目の人獣細工は読みやすく、1番分かりやすい面白さだった。ある程度展開は想像出来てしまうものの最後の1文は衝撃的で読み終わってからより面白さが際立つ。2つ目の吸血狩りは最初は普通の吸血鬼の話だと思うが、読み進めていく内に違和感を感じ想像もしない展開に気づく。主人公の従姉への依存、執着が現実を歪ませ主人公を正当化する世界を作り出してしまっている。3つ目の本はただただ狂気的。現実とはなにかを考えさせられる。面白いが芸術論のところは読むのが苦痛。そして自分の知識では理解できないところがあったため少し難しい話な印象。 -
Posted by ブクログ
この作家の本は初めて読んだ。
「人獣細工」、「吸血狩り」、「本」の三篇を収録。
どれも読み終わった後の後味が悪かった。
「人獣細工」は狂った医学者が自分の娘に豚の臓器を次々と移植するお話。
プロットの設定としては、有りがちかもしれないが、最後のどんでん返しが気持ち悪い。
「吸血狩り」は、ホラーによくある設定の吸血鬼が出てくる。
吸血鬼と対峙するのは、大人ではなく、子供だ。
最後には子供が吸血鬼を滅ぼすが、その意外などんでん返しに、後味が悪い。
「本」は、あのホラーの傑作、リングと同じ感じ。
リングはビデオを見ると呪われるが、本作では「本」を読むと呪われる。
「本」に記述してある内容は、あまり意味がない。
「本」には芸術論や共生体のことが書いてある。
パソコンのハードウェアやソフトウェアについても書いてある。
意味不明の記述もある。
最後に読んだ「本」は、私には意味が良くわからなかった。
映画の「マトリックス」のような、仮想現実を表したかったのか? -
Posted by ブクログ
【2024年126冊目】
私は人彘なのだ――「人獣細工」
従姉を助ける、取り返しがつかなくなる前に――「吸血狩り」
呪いを広げる芸術論を騙る書物――「本」
表題作「人獣細工」を合わせた三編からなる中篇集。
表題作が読みたくて買ったのですが、どれもこれもパンチが強くて「また増えたな現代の奇書が」って思いながら読みました。
まず、まずね「彘」こんな漢字初めて見たんですけど?じわじわ絶望で攻めてきて耐性をつけさせてくれているのかと思いきや、最後の最後で這い上がれないほどの絶望に突き落としてくるの最高でした。くそー好き。
「吸血狩り」はフェアな吸血鬼にきゅんとしました。えっ、優しくない…?結末が不服でしたが。
「本」途中の文章は読み飛ばしたので、私はおもむろにダンスを踊り出す心配はなさそうです。読者を煙に巻く「結」も良かったですね。
話によって文体や雰囲気もがらりと異なる作者さんです、見事。 -
Posted by ブクログ
ネタバレメルヘン殺しシリーズ2作目も面白かったです。
前作は不思議の国のアリスの世界だったけれど、今回はアルプスの少女ハイジだと思ってたらくるみ割り人形とネズミの王様か〜あんまり覚えてない。というか、すずの兵隊とごっちゃにしていることに気付きました。なぜ、、、
「コッペリア」はガラスの仮面の知識しかない。
シリーズといっても、ビル/井森が巻き込まれててんやわんやでした。不思議の国では周りも気が違ってる人ばかりだったのでそうでもなかったけど、今度のホフマン宇宙ではビルの間抜けも際立ちます。
ビルは間抜けが過ぎるけど、井森は不注意が過ぎます。地球のほうが夢とはいえ、なぜ3回も殺されるんだ。。
地球のドロッセルマイヤー教授と新藤さんは井森に対して協力するようなしないような……と思っていたけど違和感くらいだったので、正体にはびっくりでした。
優しいスキュデリさんも。
グロシーンそんなになかったけれど、井森が何度も死ぬ感触をビルがきちんと覚えてるのが気の毒でした。
今回もラストシーンが素敵でした。世界はリンクしているけど、今度はきっと新しい夢。