小林泰三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【2024年215冊目】
吸血鬼の間で、ある噂が立ち上がっていた。コンソーシアムと呼ばれる吸血鬼ハンターの集団が、サーカス団に偽装して各地を回っているらしい。中でもランディと呼ばれる男は手練で、口八丁で騙し討ちをかけてくる。ハンターを殲滅するため、吸血鬼達はとあるサーカス団に目をつけ、襲いかかるのだが――。
最初はすっとぼけているのか、それとも欺く前提なのかわからんぞ、と思って読んでましたが、物語が進むにつれ、シンプルに不運なサーカス団に同情することになりました。あまりにも共通する特徴があったために起こった悲劇すぎる。
明かされた真相は想像してなかったもので結構びっくりしました。ちゃんと伏線は張られていたみたいですが、気づきませんでした、悔しい。しかし、バックパッカーのじっちゃまが強すぎるしかっこよすぎる。何者なんだ、過去話読みたいぞ。 -
Posted by ブクログ
1冊目。
3編の物語で構成されている。、1つ目の人獣細工は読みやすく、1番分かりやすい面白さだった。ある程度展開は想像出来てしまうものの最後の1文は衝撃的で読み終わってからより面白さが際立つ。2つ目の吸血狩りは最初は普通の吸血鬼の話だと思うが、読み進めていく内に違和感を感じ想像もしない展開に気づく。主人公の従姉への依存、執着が現実を歪ませ主人公を正当化する世界を作り出してしまっている。3つ目の本はただただ狂気的。現実とはなにかを考えさせられる。面白いが芸術論のところは読むのが苦痛。そして自分の知識では理解できないところがあったため少し難しい話な印象。 -
Posted by ブクログ
この作家の本は初めて読んだ。
「人獣細工」、「吸血狩り」、「本」の三篇を収録。
どれも読み終わった後の後味が悪かった。
「人獣細工」は狂った医学者が自分の娘に豚の臓器を次々と移植するお話。
プロットの設定としては、有りがちかもしれないが、最後のどんでん返しが気持ち悪い。
「吸血狩り」は、ホラーによくある設定の吸血鬼が出てくる。
吸血鬼と対峙するのは、大人ではなく、子供だ。
最後には子供が吸血鬼を滅ぼすが、その意外などんでん返しに、後味が悪い。
「本」は、あのホラーの傑作、リングと同じ感じ。
リングはビデオを見ると呪われるが、本作では「本」を読むと呪われる。
「本」に記述してある内容は、あまり意味がない。
「本」には芸術論や共生体のことが書いてある。
パソコンのハードウェアやソフトウェアについても書いてある。
意味不明の記述もある。
最後に読んだ「本」は、私には意味が良くわからなかった。
映画の「マトリックス」のような、仮想現実を表したかったのか? -
Posted by ブクログ
【2024年126冊目】
私は人彘なのだ――「人獣細工」
従姉を助ける、取り返しがつかなくなる前に――「吸血狩り」
呪いを広げる芸術論を騙る書物――「本」
表題作「人獣細工」を合わせた三編からなる中篇集。
表題作が読みたくて買ったのですが、どれもこれもパンチが強くて「また増えたな現代の奇書が」って思いながら読みました。
まず、まずね「彘」こんな漢字初めて見たんですけど?じわじわ絶望で攻めてきて耐性をつけさせてくれているのかと思いきや、最後の最後で這い上がれないほどの絶望に突き落としてくるの最高でした。くそー好き。
「吸血狩り」はフェアな吸血鬼にきゅんとしました。えっ、優しくない…?結末が不服でしたが。
「本」途中の文章は読み飛ばしたので、私はおもむろにダンスを踊り出す心配はなさそうです。読者を煙に巻く「結」も良かったですね。
話によって文体や雰囲気もがらりと異なる作者さんです、見事。 -
Posted by ブクログ
ネタバレメルヘン殺しシリーズ2作目も面白かったです。
前作は不思議の国のアリスの世界だったけれど、今回はアルプスの少女ハイジだと思ってたらくるみ割り人形とネズミの王様か〜あんまり覚えてない。というか、すずの兵隊とごっちゃにしていることに気付きました。なぜ、、、
「コッペリア」はガラスの仮面の知識しかない。
シリーズといっても、ビル/井森が巻き込まれててんやわんやでした。不思議の国では周りも気が違ってる人ばかりだったのでそうでもなかったけど、今度のホフマン宇宙ではビルの間抜けも際立ちます。
ビルは間抜けが過ぎるけど、井森は不注意が過ぎます。地球のほうが夢とはいえ、なぜ3回も殺されるんだ。。
地球のドロッセルマイヤー教授と新藤さんは井森に対して協力するようなしないような……と思っていたけど違和感くらいだったので、正体にはびっくりでした。
優しいスキュデリさんも。
グロシーンそんなになかったけれど、井森が何度も死ぬ感触をビルがきちんと覚えてるのが気の毒でした。
今回もラストシーンが素敵でした。世界はリンクしているけど、今度はきっと新しい夢。 -
Posted by ブクログ
1994年~2011年の間に設けられていた、日本ホラー小説大賞・短編賞を受賞した作品を集めたアンソロジー。(自分にとっての)新しい作家に出会えることを期待して、手に取ってみた。
収録されているのは、以下の5作品。
・小林泰三『玩具修理者』(1995年・第2回)
・沙藤一樹『D-ブリッジ・テープ』(1997年・第4回)
・朱川湊人『白い部屋で月の歌を』(2003年・第10回)
・森山東『お見世出し』(2004年・第11回)
・あせごのまん『余は如何にして服部ヒロシとなりしか』(2005年・第12回)
『玩具修理者』のみ既読で他4作は初見だったが、一番面白かったのはやはり『玩具修理者』。テキストから滲み出るグロさ、おどろおどろしさ、それだけに終始しないストーリーテリングと衝撃的な展開。間違いなく他よりも頭一つ二つ抜けていた。
『D-ブリッジ~』、『余は如何に~』は生理的嫌悪感に奔り過ぎて物語としての面白さがイマイチで、『白い部屋で~』は設定・展開的に十分に良作となる要素があったように感じたが、うまく魅せることが出来ておらず消化不良な読後感。『お見世出し』は作品としての完成度が高い優等生的作品だが、ちょっと優等生が過ぎたか、インパクトに欠けていた。
「やっぱり小林泰三は面白いな!」という結果に落ち着いてしまい、素敵な出会いは得られなかったが、めげずに次は集成2に当たろう。 -
Posted by ブクログ
ある家族を描いた連作短編集。御茶漬海苔先生のカバーイラストとタイトルから凄惨な内容を勝手に期待してしまった私が悪い(するな 笑)。でもたしかに先が気になって急いで読んでしまったので、面白いことは面白い(のか?)。
幸せ過ぎる自分の人生に疑問を持った辺野古美咲。ある日幼少時の写真を見て当時の記憶がよみがえるが、それはなんと自分の死の記憶で……
この美咲の話もだが連作集全体が屁理屈というか、ああ言えばこう言うの会話劇なのでイライラしてくる人もいるかも。それが作者の狙いなのかもしれないけど(笑)。
一番ウワーとなったのは美咲の母七奈の話「清浄な心象」。完璧な子どもが欲しいとして、添加物を食べただの風邪薬飲んでしまっただの、そんな理由で堕胎を繰り返す女だと言えばその異常さがわかってもらえるだろうか。
この不条理展開劇、どこかで読んだ感じと思ったら、あれだ、筒井康隆のギャグぎりぎりのホラーと似てるんだ。
最後に美咲から驚くべき真実が明かされ、物語は急に悲劇に……いや、狂気だよね。 -
Posted by ブクログ
地球上のすべての生物がウイルスに感染し、いずれ誰もがゾンビ……活性化遺体になる世界。
ある細胞活性化研究者が、先端的な重大発表を控える中密室でゾンビ化するという事件が発生する。彼はいつ死に、どのようにゾンビになったのか。
取り調べが行われる現場に、探偵・八つ頭瑠璃が現れ、その謎に迫る。
死んだら誰もがゾンビ化してしまう地球で起こる、特殊設定ミステリです。
作者さんらしい、理屈っぽく不気味で、シュールな世界観が魅力。世界観や伏線は緻密です。
登場人物たちは皆どこか冷淡に見えて個人的にはあまりハマらなかったかもしれませんが、ラストはほんのり甘くて良かったです。
ミステリ・ホラー、あるいはSFであると同時に、強烈に倫理観を問われる作品でもありました。ゾンビ牧場、食用ゾンビ、野良ゾンビを踊り食いするゾンビイーター。人はどういう状態まで人として扱われるのか。扱われるべきなのか。
特に序盤結構グロテスクなので、苦手な方はご注意ください。
読後肉に対する食欲が減退するかもしれません(笑)
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ゾンビ系ミステリは色々あるけど、テイストが近いかなと思ったのはこれかな?
『そして誰も死ななかった』白井智之(角川文庫)