あらすじ
夢の中では間抜けな“蜥蜴のビル”になってしまう大学院生・井森建。彼は郷里に帰省して小学校時代の同窓会に参加する予定だったが、駅前の食堂で気絶してしまう。そして失神中に見た夢の中で、活発な少年ピーター・パンと心優しい少女ウェンディ、妖精ティンカー・ベルらに遭遇し、ネヴァーランドと呼ばれる島へ行くことになる。だが、ピーターは持ち前の残酷さで、敵である海賊のみならず、己の仲間である幼い“迷子たち”ですらカジュアル感覚で殺害する、根っからの殺人鬼であった。そんなピーターの魔手は、彼を慕うティンカー・ベルにまで迫り……『アリス殺し』シリーズ第4弾。
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最後やりすぎな程にトラウマを植え付けられて読んでるだけで苦しくなってしまいました。
メルヘン殺しシリーズの中で個人的に1番楽しく読むことが出来ました!常識外れという言葉が1番似合う小説だと思います。ミステリーでは常識外れが当たり前ですが、こんな非常識を知ってしまうとこの本の沼から抜け出せなくなってしまいます(^^♪♪
アリス殺しを最初に読んでから、小林泰三先生の癖を理解しつつ推理しながら読むのですが、相変わらず思い込ませるのがとても上手で、毎回「そうだったの?!」と驚いてしまいます。最初から確かに違和感はあったのにしっかり策略にハマってしまってお手上げ状態です。自語りですが、私はとても頭が悪く国語のテスト毎回赤点ギリギリの理系なもので、頭の良い人に読ませて色々感想を聞きたいなぁなんて思ってしまいます。ですがそんな私でもとても楽しく読めてしまうのですから、読書が苦手な人にも読んで欲しいと思ってしまいますね。井森がループを抜け出す最後の最後までこのシリーズを読みたかったのですが、小林泰三先生の最後のメルヘン殺しシリーズとなってしまって残念です。
その時その時で考えて書くのではなく、続きまでしっかり考えて書いていると考えると、この先どんな物語になったのかなぁと気になります。
メルヘン殺しシリーズは理系の私でも読みやすく、ティンカーベルなどは特に有名どころで世間に知れ渡っていてより読みやすいと思います。気になる方は是非アリス殺しから読んで見てほしいですね!
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自分やキャラクターの予想がたくさん(?)覆されていってイライラもしたが、だとしたらなんなんだ?…とその答えを知りたいという好奇心もわいた。
とても良い作品だった。
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メルヘン殺しの4作目、ディズニーアニメ映画しか知らないピーター・パンとは、あまりにも違い過ぎて驚愕だった。
ジェームズ・マシュー・バリーの原作とディズニーアニメを、読みたい(観たい)と思うほど衝撃な作品。
そして、小林節が炸裂して、とても楽しく読めた。
解説の創元編集部の方が書かれているところによれば、次回は「かぐや姫殺し」であり、シリーズの最後には再度、鏡の国での活躍が決まっていたそうだ。
本当に、亡くなられたのが残念でならない。
もっともっと、小林泰三の作品を読みたい。叶わぬ願いと知りつつも願わなくてはならない。
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メルヘンシリーズハマって全部読み続けて、3作目で「そろそろこの設定で続けるのもネタ切れかなぁ?」って思ってたけど、今回は犯人が分かった上で進む、このシリーズでは新しい手法で面白かった!
ラストの方は個人的にはメルヘンシリーズ史上一番イヤなグロさで読後は若干病む。けどこの感じがクセになってきっとまた次作も買っちゃう
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アリス殺しからのシリーズ最終巻。
もう続きがないのがわかってて読むのは残念だけれど相変わらずビルが愛おしくて面白い。またアリスから読みたくなりました。
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全体的に残虐性が高くていつも通り!って感じ
富久がフックではないのは引っかけで分かりやすかったし双子が2組いるのはわかったけど、誰が双子かまでは考えが至らなくて結局犯人あてできなくて悔しい…
ピーターが2人いるなんてわかるか!ずるい!って思ったけどよく読むと一人称僕と俺でわかるようになってるんやなあ…
混乱して何回か読み直した
結局アリス殺しの伏線(?)のレッドキングとかこの夢のリンクについての詳細は分からないまま作者が亡くなってしまって本当に悲しい…
井森くん、平穏な日常が戻るといいね…
とても面白かった!!!!
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アーヴァタールが殺されたら本体が死のループから抜け出せるって思ったけど、アーヴァタールが本体と別人格認識だったら死の選択肢すら持たないし、そもそも死のループに入った時には本体が冷静に判断できる状況じゃないし、どっちみち死亡エンドになるからどうやっても報われない。
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このシリーズの世界観が好きで、文庫化をずっと楽しみにしていました。途中から違和感はあったのに、気付けなかったことが悔しい。もう一度最初から読みたくなる一冊です。
小林泰三先生が逝去されたので、惜しくもシリーズ最終巻です。巻末に書かれているティンカー・ベル殺しの後の構想を読んだだけでわくわくしたし、心底最後まで読みたかったと思わされました。
ここまでのめり込める作品を生み出していただいて、ありがとうございました。
Posted by ブクログ
小林先生のメルヘン殺しシリーズ最後の本。
相変わらず井森大好き。もちろん日田もいいキャラしてた。好き。
ピーターパンの残忍性がとても良かった
途中でトリックに気づいてからは「あー!!」って感じでするする読めて楽しかった
もっとメルヘン殺しシリーズ読みたかったな
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シリーズで一番ミステリ度が高いのでは?推理しながら読んだけど違和感を感じてもカオスに紛れてすり抜けちゃうんだよなあ。比較的、正気を保ったキャラが多いので読みやすい…と思っていたら終盤新たなトラウマを植え付けられました。
げらげら。
あくまで個人的にだけどカオス度が高いのがアリス、ドロシイ。ミステリ度が高いのがアリス、ティンカーベル。ビルが一番可愛いのがクララ。という印象です。異論はありまくるだろうな。
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メルヘン殺しシリーズ
第4弾!!
今度はネヴァーランドに迷い込んだビル。
ピーターパンとビルの会話が。。笑
意外といいコンビな気がする笑
相変わらず誰が誰のアーヴァタールかを
推理しながら読むんだけど
ムズい笑笑
今回もたくさんグロかったりしたけど
面白かった!!
Posted by ブクログ
メルヘン殺し最後の作品。ティンカーベルを殺したのは誰か?犯人がわかった時、つい前のページを遡って自分がどこで錯覚したのか確認してしまいました。登場人物が多いのもありますが、ビルを始めとした人物たちの会話の複雑さがより読者も惑わせる世界観はすごく引き込まれます。
現実世界でまさかこいつはあのキャラクターなのか?と考えていると、え!まさかのそっち!?二転三転ひっくり返されてより複雑さがシリーズの中で多いと思います。
そして最後、恨めしく思うあの人がスカッとする最後で気持ちよかった(笑)
最後の言葉は私の中でまた惑わされる言葉に感じましたが、これは読む人によって解釈がかなり違う場合もあるんじゃないでしょうか
Posted by ブクログ
ピーターパンがサクサクっと人の命を奪っていく。しょっぱなから衝撃を受けつつ始まったお話。
ティンカーベルが残酷で無残な死を遂げ、物語は進んでいく、びっくり仰天なミステリー作品でした!読み応えあり!
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井森の結末の構想も考えられていたようで、最後まで読み届けることが出来ず非常に残念。
シリーズ通して有名な児童作品の世界とリンクしたちょっとグロめのミステリー。
登場人物の繋がりを考えながら事件を解決していく過程はとても面白かった。
Posted by ブクログ
アリス殺しから読み始め4作目。
この本を読もうとした時に、小林
泰三さんが亡くなったことを知る。
まだまだ、次のシリーズを読みた
かったのに…
ティンカーベル殺しは、世界観も
わかりやすく、読みやすい作品
だった。
アバタールの無限ループは、恐い!
Posted by ブクログ
いわゆる「メルヘン殺し」シリーズ第4弾。アリス、クララ、ドロシィと続き、今回はティンカーベル。相変わらず、地球とが存在する世界で物語が展開される。
アーヴァタールが死亡すると地球上で対応する人物が死亡するが、地球上で死亡してもそれは「夢」という形で残り、アーヴァタールが死亡するわけではない。共通する登場人物は、地球上では大学院生の井森建であり、そのアーヴァタールは「不思議の国の喋る蜥蜴」ビル。基本設定はそのままで、様々な世界で犯罪が起こる。
今回はピーターパンの世界が舞台。井森は雪山の旅館で開かれる同窓会に参加している。ピーターパンに対応する人物は日田半太郎。同窓会の参加者や旅館の従業員にも、ピーターパンの世界に対応するアバターを持つ者がいる。ピーターパンは無差別に殺人を繰り返し、その度に同窓会の参加者や旅館の従業員が犠牲になる。
シリーズのお約束として、地球上のAという登場人物のアバターがBに見せかけて実はCだった、という展開が今回も登場する。今回は、同窓会に参加している教師・富久が「フック船長」に見せかけて、実は「ウェンディ」だったことがポイントだ。しかし、富久≠フック船長は明白で、富久=ウェンディも予想内であり、意外性には欠ける。
さらに今回は、富久が地球上で死亡し、夢という形で過去に遡る特性を利用している点が新しい。物語の大きな特徴として、双子が1組しか存在しないと見せかけ、実は2組の双子が登場。そのうちの1人が犯人だった、という叙述トリックが使われている。ティンカーベルを殺害する場面では「ピーター」という名前が登場し、ピーターパンが犯人だと誤解されるよう描かれているが、実際にはピーター・ダーリングという人物が真犯人だった。この点は意外性があるが、伏線が露骨で驚きは薄い。
謎解きを行うのは地球上では樽井友子、ピーターパンの世界ではウェンディ。樽井友子=ウェンディと思わせる記述もあるが、細かな点を考えると、樽井友子は実はマブ女王であると明かされる。
また、双子がウェンディを殺害しようとした動機も重要なポイント。双子がウェンディ=富久を殺害しようとした動機は、地球上で富久が教師として生徒に性的な悪戯を行い、そのせいで双子の将来が台無しになったため、富久=ウェンディを殺害しようとしたのだ。この動機はアーヴァタールと地球上の関係を踏まえたものであり、物語の核心をなす。
この作品はシリーズ全作を読んでいることを前提としており、新規読者への配慮は少ない。アーヴァタールの特性を登場人物が利用し、それが動機や展開に深く関わる点は進化を感じさせるが、複雑さゆえにマニアックになりすぎている面もある。著者の小林泰三が亡くなったことでシリーズは幕を閉じたが、これ以上複雑化しなかったことは結果的に良かったのかもしれない。
叙述トリックの巧妙さやアーヴァタールの特性の活用など、全体の完成度は高い。しかし、純粋な驚きは薄く、上手い作品だと感じるものの、突き抜けた要素には欠ける。評価はギリギリの★4。
Posted by ブクログ
言葉遊びの相手が、ビル以外にもう一人増えて、今回はビルが多少まともに思えてしまいました(笑)。
今までのお話も、殺人のハードルが低かったですが、これを読んでしまうと、まだまだだったんだなと思ってしまいます。殺人事件の容疑者を探しているはずなのに、事情徴収がてら殺していくっていう、矛盾を突き進む感が凄いです。息をするように殺しまくるピーターパンが、どこまでも怖い。参考文献の本が読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ
まず小林先生のご冥福をお祈りいたします。
不思議の国を探し続けて、三千里、相変わらず蜥蜴のビルは彷徨っていた。今回、彼が紛れ込んだのはネヴァーランド。
そこでは殺人鬼さながら、ピーター・パンが海賊や仲間である迷子、赤膚族・陽性を気ままに殺していた。
殺伐としたその島へ約束を果たすべく戻ってきたウェンディ。
無邪気な殺意を誰にも向けるピーター・パン。その殺意はティンカ・ベルにも向けられて……。
シリーズの最後まで読みたかったです。それはかなわない夢となってしまいましたが、この作品も楽しく読ませていただきました。
Posted by ブクログ
ものすごくバタバタと人が消えていった…
犯人は分かってるのに何のための調査??と思いながら読み進めていましたが、…ティンカー・ベルだけは理由がある普通の?犯行でした。
ラストも、どうまとまるのか?と思いましたが、うまいこと悪い人は悪い目にあっていたので、まあ…スッキリ…
でも、ちょっとグロかったかな。
今回に限ってではないですが(^_^;)
Posted by ブクログ
このシリーズではアリス殺しに次いで良かったかも。
比較的タネはわかりやすかったと思うが、現実世界とネバーランドの対応を推測しながら読むのは楽しかった。
でも、さすがに死人出すぎ。