小林泰三のレビュー一覧

  • 忌憶

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    「奇憶」「器憶」「キ憶(キは土遍に危)」の3作品を収録。
    連作短編小説と銘打ってますが、繋がりはほとんどないのでどこからでも読めます。以下、それぞれの感想↓

    『奇憶』
    直人のダメ人間描写っぷりが素晴しい。こんな風になる前にちゃんとしよう、と決意させてくれる。
    平行世界についての説明が詳しくなされている事により、ただの不思議で怖い体験ではなくなり、論理立てられたこの世の真理として誰もが巻き込まれる可能性のある怖さ、となっている。
    「ショゴス」「シュレディンガーの猫」「ブラックホール」などの単語に反応できる人は読むと良いと思う。

    『器憶』
    「腹話術師」と「腹話術人形」の話。
    とくればある程度予想は付くわけで、いわばそれをどう魅せるか、というのが作者の力量となる。
    で、小林泰三である。
    その一。
    発音についてやたら詳しく解説してみせる。マニアックな感じで面白い。
    その二。
    意識をコンピュータのプロセスに例えて論理的に説明してみせる。なんか思わず納得されかける。
    その三。
    なんだか妙なところで頭の良い主人公が逆転劇をしようとする。ハラハラ。
    その四。
    最後はさらっとブラック。このさらっと具合が素晴しい。
    というわけで、とても面白い。

    『キ憶』
    初読時は「え、これで終わり?」と思ったが、読み返すと底が抜けるような恐怖がある。
    そもそも、主人公の状態を考えると謎が解決されたところで意味がないのだ。ただの繰り返しである。
    後味は一番悪い。

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    2009年10月04日
  • 脳髄工場

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    表題作を含むSF・ホラー11作品を収録。
    SFとホラーってもの凄く良く似合うよなぁ、と「綺麗な子」を読んで思った。
    「停留所まで」「アルデバランから来た男」の様なテンポの良い短くトリッキーな話を私は好む。
    「影の国」「声」「タルトはいかが?」は終わらせ方が良いな、と思った。特に「タルトはいかが?」のラスト一文はこれ以外に有り得ないだろう、といった感じ。

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    2009年10月04日
  • 忌憶

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     小林泰三の最新単行本です。三編の短編からなる単行本です。
     奇妙な記憶に悩まされる男の物語『奇憶』
     腹話術の人形を購入した男の物語『器憶』
     前向性健忘症に罹患した男の物語『キ憶』
     この三編はいずれも人間の記憶に焦点を当てた物語で、いずれも奇怪な味が印象的な作品です。三編には登場人物のつながりという意味で、関連性はありますが、それが何か一つの大きな流れとなっている訳ではないですね。
     今作でもクトゥルフ関連の単語が出てきます。『ショゴス』ですね^^

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    2009年10月04日
  • 脳髄工場

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     相変わらずいやーな感じの作品が並んでいるところが素晴らしいですね。
     ですが、特筆すべきは、そうした「いやーな感じ」はあんまりない『C市』という作品。
     これまでの作品でもクトルゥフ神話に対する傾倒を見せていた作者が、真っ正面からクトルゥフ神話に挑んだ作品で、ホントイイ!大好きです。本作は中編ですが、小林氏にはいつか長編のクトルゥフ物をやって欲しいなあと思います。

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    2009年10月04日
  • 幸せスイッチ

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    『アリス殺し』以来、久しぶりの小林泰三。

    サクッと読める狂気補充。非常に読みやすい構成と台詞回しで、明らかに何かがおかしいのに、登場人物たちは理屈を重ねながらどんどん先へ進んでいく。

    お金、愛情、常識、幸福、そして人間の意識まで。どの話も一つの考えを突き詰めた先に、とても分かりやすい狂気が待っている。そして、とても理解できない春子。

    胸糞もあり、妙な可笑しさもあり、最後まで小林泰三らしい理屈と狂気を手軽に補充できる短編集だった。

    ぐるぐる回ってバターになりたい。

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    2026年10月08日
  • こんなはずじゃない ホラー傑作選

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    辻村深月目当てで買ったら既に持ってた「ふちなしのかがみ」だったけど他にも神作に出会えた!
    「ルボワットの匣」「よいぎつね」個人的に好き

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    2026年10月05日
  • アリス殺し

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    夢で見ていた「不思議の国のアリス」の世界と、現実で登場人物や出来事がリンクしていることに気付いた栗栖川亜理が、連続殺人の容疑をかけられたアリスを助けるべく、夢と現実で犯人を捜すミステリー。

    「不思議の国のアリス」の世界で、現実の理論がまかり通らない所がもどかしい…

    まんまとやられました!
    夢と現実がリンクしているという設定が、犯人捜しの取っ掛かりにもなるし、難しくもなる、というのが面白かった。

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    2026年10月04日
  • 玩具修理者

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    不気味な雰囲気を全体に纏い、文章でもしっかり気分が悪くなるくらいのグロテスクな表現。
    からの衝撃の結末にしっかり驚かされた。
    いや〜これは…拍手喝采。
    絶対に実写化作品は見たくない!!

    本自体は二本立てで「酔歩する男」も収録されていて、こちらは別の雰囲気の気持ち悪さがあった。
    こっちはSFとかミステリー味のある物語だった。

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    2026年10月02日
  • 人獣細工

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    最初の人獣細工は表現が鮮明で興味深かった。手術の工程とかの文がわたし的には飽きなかったけど最後のオチが読めちゃったのがどうしてもちょっと残念な気持ちで終わる

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    2026年10月01日
  • ティンカー・ベル殺し

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    ネタバレ

    面白かった。

    犯人が丸わかりなので、証拠を探すことがメインなのかなと思った。そして、まんまと思い込んでしまい、トリックにやられた。

    作者が亡くなってしまい、もうこのシリーズの続きを読めないことが残念でなりません。

    あとがきに書いてある、続編の予定だった「かぐや姫殺し」や最終作として考えてあった「鏡の国のアリス殺し」はぜひとも読んでみたかった。

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    2026年09月23日
  • 玩具修理者

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    表題の「玩具修理者」は案外短く、読みやすい作品。オチも結構好き。小長編の「酔歩する男」はレオナルド・ディカプリオ主演の映画「インセプション」を思い出させた。何度も何度も転送されて今この瞬間を疑い続けなければいけない地獄。人生で1番味わいたくないかも。
    「私の時間の記憶がひとつなぎで良かった」、「人生が終わりのあるもので良かった」そう思わせてくれる作品です。そういえばこんな話、世にも奇妙な物語でもみたことあるな〜。懲役30分だったっけ?5億年ボタンに通ずる時間の怖い話でした。

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    2026年09月22日
  • こんなはずじゃない ホラー傑作選

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    読んだことある話が半分くらい。
    「今頃、わが家では」はオチが想像できたにもかかわらず、それでも面白かった。

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    2026年09月21日
  • ドロシイ殺し

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    ネタバレ

    安定した面白さ。ビルのキャラが良い。

    そして、まさか「玩具修理者」、「酔歩する男」などの要素が入って来るとは思わなかった。
    先に読んでおいたので面白さが増した。
    逆に読んでおかないと意味不明な場面があるのでは?

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    2026年09月21日
  • クララ殺し

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    ネタバレ

    面白かった。個人的には「アリス殺し」の方が好みだったけれど。

    「アリス殺し」のように2つの世界を用いたトリックが面白い。ただ、前作より登場人物が多く、その上名前がカタカナなので少し読みにくかった。

    ビルの間抜けさは相変わらずで、ここまで来ると可愛げすら感じる。

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    2026年09月17日
  • 玩具修理者

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    ネタバレ

    面白かった。

    表題作の「玩具修理者」はグロテスクな描写により、内臓や血管がキュッとなった。オチがいい感じ。

    「酔歩する男」はSFホラーといった感じ。
    これを読んだら、タイムトラベルなんてしたくなくなる。
    また、量子論を交えたSF設定は無理がありそうだが面白かったので気にならない。

    不気味な雰囲気を出すのが上手い作者だと思った。

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    2026年09月15日
  • アリス殺し

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    ネタバレ

    栗栖川亜理
    中沢研究室。

    田中李緒
    亜理の一年上の大学院生。

    王子玉男
    中之島研究室の博士研究員。

    井森建
    他学科から途中編入してきた。石塚研究室。

    篠崎
    教授。

    ハム美
    亜理が飼っているハムスター。

    広山衡子
    准教授。篠崎研究室。

    田畑順二
    助教授。

    久御山
    篠崎の秘書。

    谷丸
    警部。

    西中島
    巡査。

    武者砂久


    不思議の国
    アリス

    白兎
    アリスを目撃したと証言した。

    メアリーアン
    白兎に雇われている。

    ハンプティ・ダンプティ
    堀から落ちて死んだ。

    ビル
    蜥蜴。

    眠り鼠
    毛玉。

    公爵夫人
    女王から庭の管理を任されている。

    三月兎

    帽子屋
    女王陛下から特命捜査官に任命された。

    グリフォン
    殺された。牡蠣が喉に詰まって窒息死。

    チェシャ猫

    女王陛下

    国王陛下

    偽海亀

    海象

    牡蠣の子供

    ドードー

    レッドキング

    バンダースナッチ

    トゥイードルダム

    トゥイードルディー

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    2026年09月10日
  • 安楽探偵

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    泰三さんにしてはライトな推理もの。相変わらず登場人物がちょっとずれていてどんどん進む会話は異質な感じに変化していく。個人的にこの真相だったらなーにはならずで残念。その真相ならいつもの泰三さんだけど、素直すぎるもんなぁ。

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    2026年09月07日
  • 人獣細工

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    表題の「人獣細工」を含んだ3編から成る短編集。
    同じ小林泰三先生作品の『玩具修理者』や『アリス殺し』は面白かったんだけど、今作はちょっと微妙だったかな。ただ、世界観は相変わらずユニークで好き!
    3編の中では「吸血狩り」が一番好きかも。「本」はなんだかよくわからんかったw

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    2026年09月02日
  • アリス殺し

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    二つの世界を行ったり来たり。会話主体でどんどん進んでいくので、途中まではすごく大変でした。
    不思議の国のアリスを知っていれば、もっと読みやすかったし楽しかったかも、と思います。

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    2026年08月30日
  • 日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1

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    【日本ホラー小説大賞《短編賞》集成1】
    怖いというよりも寂しいような悲しい短編が多かった印象。『D-ブリッジ・テープ』、『白い部屋で月の歌を』は切ない気持ちになっちゃいました^^;
    小林泰三さんはデビュー作からブレてない印象が強いです∑(°口°๑)

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    2026年08月30日