小林泰三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
“でも、今ならまだ間に合う。即死していないところを見ると、動脈が切れたわけじゃない。手当てさえ早ければ、助かるはずよ。
「みさき、よく聴いて。このままだとあんたは死んでしまう」
「嫌だよ……。死にたく……な……い」
「助かる方法は一つしかない。なんとか電話をとって、そして、一一九に電話するの。そして、ここの住所を言って救急車に来て貰うの」
「でき……ない。難しい……」
「そんなこと言わないの!」わたしは泣き叫んだ。「それしか、助かる方法はないの」
「お母……さん、電話……して……」
ああ。それができさえすれば、どんなにいいだろう。でも、現実にはそれは無理だった。
あまりに面倒すぎる。
みさきの -
Posted by ブクログ
“「僕と話が合うだって!?そんな女、嫌だな。気が休まりそうもない」
「『先生と話が合いそう』と言うただけで、礼都のイメージは的確に伝わったようですけど、好みのタイプと違うというのは意外でした」
「当たり前じゃないか。『僕と話が合う』というのはつまり理屈っぽくて、先読みが得意で、人の揚げ足をとるのが好きってことだろ。そんな者同士で話をしたら、どうなる?しかも、潤滑剤であるべきユーモアを解さないとなると絶望的だ」
「目も当てられませんね」
「しかし、そういう女性が魅力的であることも事実だ」
「どっちなんですか!?」”[P.263]
事件解決後に谷丸警部が傍らですごく多くを語ってるんだよねそこがぞ -
Posted by ブクログ
表紙は「海を見る人」のワンシーン。
こうやって見れば、感傷にとらわれたせつない印象的な恋情場面なんですが。
このきれいだけど、せつない場面は、限られた期間だけの話ですよね。
老人の時間間隔では、おそらくきれいなままで見るだけでしょうけど。老人の死後、どうなっていくのかを考えたときに、ちょっとホラーなんじゃないかな?と思ってしまって、現実に引き戻されました。
なんか、そう思った自分が哀しい。
彼女が、引き伸ばされていくのって、そこまで観賞に耐えれるものですか?
舞台設定を理解するのに、体力使う物語が多かった。入り込むまでに、時間かかりました。
なので、入り込めたと思ったときは、たまらんね。 -
Posted by ブクログ
割と好きな作家さんの奇妙な物語集
でも最初の「見晴らしのいい密室」は夢や仮想世界でがっかり。ディック流の「目を擦る女」の斬新さはいいが、グロさが前面に出るから、テーマが読み取りにくい。
バカも『泰三泰三』言えってな感じの QR コード小説「探偵助手」は中身はさっぱり。
既読の「忘却の侵略」はシュレディンガーの猫ネタだから、やはり楽しい。かなり楽しい。このあたりから、ジャンルというかカテゴリーは SF になる。
オチがわかりにくいのが、難点の「未公開実験」はまぁまぁかなぁ。まさに王道テーマの「囚人の両刀論法」は楽しい SF だ。
そして既読の「予め決定されている明日」。いいね