小林泰三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中編二本セット。
一つ目はなんでも直してくれる森奥の老人、玩具修理者に誤って死なせてしまった弟を担ぎ込む姉の話。
こちらはわかりやすくグロテスクで常識のギリギリを攻める。モノと人間の境目とは?面白いのだが…精巧な話に対してグロが露骨でどこか冷めてしまうような思いにもなった。
二つ目の酔歩する男は白眉。
とある脳の実験に成功してしまった男の話。
論理的に組み立てられた作者の理論により、恐ろしい結論に達するSFホラー。
SFホラーといえばエイリアンや物体Xなど、建て付けがSFであるホラーを連想することが多い。
しかしこの短編はSF的な「説明」によって恐怖を覚えさせるものである。
いうなれば「この世界は基本的に不確定で、量子的に考えるとあなたの見ていない間、月は存在しないんですよ」といった、存在論的な恐怖に近い。
読者の足元を直接攻撃してくる稀有なホラー
すごい -
Posted by ブクログ
現時点での読書人生TOP5くらいのワクワクでした。間違いなく星5です。 ベッドをゴロゴロしこの本を手にとった自分やどこかの神に感謝しました。
一人称視点で始まり、認知できる情報から仮説を立てていく描写が非常に上手く読んでて悶えました。
人物が単に行動するのではなく、現在の自分の能力では完璧な理解はおそらくできないと認識した対象について、どう対応するか、理解しようと手こずりながら進んでいく姿がドツボで心踊ります。
テーマにも引き込まれました。緊急事態に人々が連携しようと動く姿、必死に今それぞれでできる事に取り組む人類の様子に胸熱でした。こういう世界がいい。
登場人物たちが、自分のためだけじゃなく世界や日本のために動く、人間として非常に高い好感をもてる人たちで未来への希望を感じました。
後半からは、登場人物の重要な選択がその人物の筋からは外れているように感じたり(成長し変わったということか?)
想像のつく世界の普通っぽい話になってしまい残念でしたが、この本に触れることで脳が空想のために爆走できたので間違いなく星5です。
『殺人鬼にまつわる備忘録』を同時に読み、あちらは結末も結構気に入ったので同作者の本をこれから読み倒す事に決めました。
素敵な出会いに感謝します。