小林泰三のレビュー一覧

  • 玩具修理者

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    人生で初めて読んだホラー小説。
    表題作『玩具修理者』の短編集とは思えない破壊力と『酔歩する男』の読書初心者ながらに感じた、「これ、なんか嫌」という感覚。
    数年ぶりに読んだが、その読み心地は色褪せるどころか、昔抱いた感覚以上に、より凶々しい笑顔で迎えられるかのような、恐怖を感じた。

    『玩具修理者』
    「小林泰三」がこの作品の時点で出来上がっている。
    いちいちグロい、いちいち会話がまどろっこしい、この読めば読むほど味がする「小林泰味」が50頁足らずの短編に濃縮されている。
    読んだことない人は是非、登場人物である男の視点で読んでいただきたい。

    『酔歩する男』
    SF強めのホラー。
    昔に読んだ時は上記

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    2025年11月27日
  • アリス殺し

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    本当に良かった。ミステリーというジャンルにハマったきっかけの本。
    グロい描写が大丈夫ならば是非読んで欲しい一冊

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    2025年11月25日
  • アリス殺し

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    不思議の国のアリスの夢を見る栗栖川亜理。ハンプティーダンプティが殺された。起きたら、大学で王子さんが殺されていた。不思議の国と、現実が交錯する世界。割とまあまあ何を言ってるかわからない。でも面白く読めた。

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    2025年11月20日
  • アリス殺し

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    ネタバレ

    伏線もミスリードも世界の謎も読み切った!と思ったら、最後の最後でまんまとやられました。あれも伏線だったのか。確かに違和感はあったけれど、他の伏線に意識集中してたら忘れちゃってました。まんまと手のひらで踊らされた感。楽しい。
    ただ、グロや痛い描写に耐性のない人はお気をつけを。
    最後、意味ないとわかっていても薄目で読みました。面白かったです!

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    2025年11月13日
  • アリス殺し

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    好き嫌い別れる感じだと思うけど私は大好きだった。
    会話のみで進むパートが多くてかなりテンポ良く読める。
    夢と現実を行ったり来たりするような構成で、次は何が起こるのか、誰がどんなことを言うのか気になって一気読みだった。
    不思議の国での会話がほんとにおもしろい。
    直前の記憶しか残らなければこんな会話になるのかな。
    基本ずっとふざけた調子だから、グロ描写は割としっかりあるけどそれすらコミカルで、この残酷さをズーンとならずに描けるの凄いなと思う。
    真面目に想像しちゃうと結構きついけど、そうする隙を与えない軽さとスピード感。
    不思議の国のアリスを知った上で読んだ方が楽しめるだろうけど、知らないキャラクタ

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    2025年10月17日
  • ティンカー・ベル殺し

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    最後やりすぎな程にトラウマを植え付けられて読んでるだけで苦しくなってしまいました。

    メルヘン殺しシリーズの中で個人的に1番楽しく読むことが出来ました!常識外れという言葉が1番似合う小説だと思います。ミステリーでは常識外れが当たり前ですが、こんな非常識を知ってしまうとこの本の沼から抜け出せなくなってしまいます(^^♪♪
    アリス殺しを最初に読んでから、小林泰三先生の癖を理解しつつ推理しながら読むのですが、相変わらず思い込ませるのがとても上手で、毎回「そうだったの?!」と驚いてしまいます。最初から確かに違和感はあったのにしっかり策略にハマってしまってお手上げ状態です。自語りですが、私はとても頭が悪

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    2025年10月02日
  • 家に棲むもの

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    いろんなホラーを読んで厭な気持ちになろう!

    SFっぽかったり哲学めいていたり王道ホラーだったり
    小林泰三らしさを感じられる短編集。

    誰がおかしいのか、もうわかんないよ

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    2025年07月28日
  • 未来からの脱出

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    初・小林泰三さん。独特の会話劇は人を選ぶと思いますが、自分にとっては最高に面白かった。次第に明らかになっていく主人公達が置かれた世界の構造、途中のスパイ映画のような冒険活劇、ラストの真相解明、全てが自分の好みだった。

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    2025年07月04日
  • 密室・殺人

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    面白かった!論理的なのにめちゃめちゃな感じ大好きなんだよな。あとクトゥルフみが強かったのでまさか犯人は名状し難いものとかなのか…?!と一瞬思ったがさすがにそれはなかった。
    あまり推理とかせずに読んでたこともあり、解説を読んで「えっそういうこと?!」となっております。悲しい(´・ω・`)

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    2025年05月29日
  • 人獣細工

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    表題作、一気に読みました。

    「父親」の所業がおぞましすぎる。縫い目に無頓着なの、そういう……。

    人間の定義とは? 定義にこだわらずに生きられないのか? とかいろいろ頭の中ぐるぐる。

    夕霞が救われることはありえるのか。
    通りすがりのパンク野郎が「バンドやろうぜ!!」とか言ってきて、夕霞が出口のない鬱屈を全部ロックで爆発させる未来を想像した。

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    2025年03月14日
  • 肉食屋敷

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    小林泰三氏を余すことなく感じられる様な風味の違った4作が収められている。
    ライトなファンをはじめ、これから読んでみようという人にもオススメできる作品。

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    2025年01月07日
  • 玩具修理者

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    表題作の『玩具修理者』と『酔歩する男』の二部構成。前者は引き際の潔いキレイな一撃、後者は短いながらプロットの作り込まれたおぞましいSFサスペンスで、どちらも文量に対して満足度が高い。
    小林先生って理系なんですね。機会があったら長編にも手を出そう。

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    2025年01月03日
  • 安楽探偵

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    ネタバレ

    この真綿で首を絞める狂った論理が小林泰三!一話目を読んでそういうことか〜と思いながら楽しみ、きっとラストにひっくり返してくると予想してたら期待通りだった。

    ・アイドルストーカー
    依頼人を狂った中年男性に疑わせておいて本物のアイドルに反転するラストがいい。この話自体が罠になって次以降の話にバイアスかけてくる構成が好き。ストーカーエピソードはめちゃくちゃ怖い。
    ・消去法
    大掛かりなドッキリ。そんな馬鹿なって思うしやりすぎだろと思うけどそれでも超能力より科学的。
    ・ダイエット
    こんなにわかりやすく罠を張られて騙されるんだ……と二度読みでショックを受けた。冷凍ピザをそのままいくの……?
    ・食材
    話を

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    2024年12月15日
  • 玩具修理者

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    久しぶりに面白い小説に出会った。オチはどうでもよくて、ストーリーの進行じたいで充分に面白い。収録されている二篇ともが面白いので、おそらく文体が好みなのだろう。
    小林さんの作品を追ってみたくなる。

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    2024年12月04日
  • クララ殺し

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    シリーズ2作目。ユーザー名の「クララ」はこの作品名から頂きました。
    アルプスのあの作品がモチーフかと思いきや違った。ホフマン作品に馴染みがないので登場人物のイメージが浮かばなかったけど、安定の面白さ。
    終盤は頭がこんがらがってトリックを理解するのに時間がかかった。

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    2024年11月15日
  • ティンカー・ベル殺し

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    自分やキャラクターの予想がたくさん(?)覆されていってイライラもしたが、だとしたらなんなんだ?…とその答えを知りたいという好奇心もわいた。
    とても良い作品だった。

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    2024年11月13日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    小林泰三さんはやっぱり最高だ。以前同著の「記憶破断者」を読んでいたからか、最初は「あれ?これ読んだ?」と思っていた。主人公の田村二吉は10分しか記憶が持たない記憶障害であることと、人の記憶を操作できる殺人鬼と戦っているところも「ん?やっぱり読んだ…か?」と私の記憶を混乱させてくる。物語が進むたびに記憶が刺激されるのだが、面白いのでページを捲る手が止まらなかった。結論、文庫化で改題された同じ内容だった。それでもこの設定は秀逸。自分が二吉になったように感情移入してしまう。「記憶破断者」のレビューも読み返そう。

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    2024年10月13日
  • ティンカー・ベル殺し

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    メルヘン殺しの4作目、ディズニーアニメ映画しか知らないピーター・パンとは、あまりにも違い過ぎて驚愕だった。
    ジェームズ・マシュー・バリーの原作とディズニーアニメを、読みたい(観たい)と思うほど衝撃な作品。
    そして、小林節が炸裂して、とても楽しく読めた。
    解説の創元編集部の方が書かれているところによれば、次回は「かぐや姫殺し」であり、シリーズの最後には再度、鏡の国での活躍が決まっていたそうだ。
    本当に、亡くなられたのが残念でならない。
    もっともっと、小林泰三の作品を読みたい。叶わぬ願いと知りつつも願わなくてはならない。

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    2024年07月21日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    「家が呼ぶ」に大興奮して以来、すこしずつ朝宮運河さん編纂のアンソロジーを買い集めている。今作も大興奮!

    ✂-----以下ネタバレです-----✂








    はじめに収録されたタイトルドンピシャの「恐怖」は、短くもラストにドキッとする極上の作品。最初からこの作品…もう期待しかないが、続くは小松左京「骨」。じっくり掘り進められた恐ろしく壮大な情景が、蘇る記憶とともに一気に駆け抜ける大迫力に感動…。
    「夏休みのケイカク」「正月女」は現代の割と身近な景色を思い浮かべつつ読み進めていたけど、オチに違ったカラーのダークさがあり面白い。
    今回すごく好きだった「ニョラ穴」は、SFチックな作風。日本のこ

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    2024年06月28日
  • 脳髄工場

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    はじめての小林泰三さん作品。
    「脳髄工場」という度肝を抜くタイトルと、一度見たら忘れられないカバーイラストに惹かれて手に取りました。

    短編集でかなり短い(数ページの)お話から、結構長い話まで様々なものを詰め込んだ、欲張りセットのような様相。

    私のお気に入りは、
    ・やはり何と言っても表題作の「脳髄工場」
    ・無気味さ、ホラー要素が際立つ「影の国」
    ・ループ物が大好物なので「声」
    ・ホラー×SF要素満載の「綺麗な子」
    です。

    「C市」も「わけのわからなさ」が好きだと感じましたが、この「わけのわからなさ」は自分が科学やら物理やら、そう言ったものに疎いせいもあるかな? と挙げるのは保留に(笑)

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    2024年06月03日