小林泰三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
短編7作すべてにはずれがまったくなく、すべてが最高に面白い。
『目を擦る女』
ある女性が、引っ越してきた隣に住む女に、「この世界は自分が見ている夢だから、自分が目覚めると消えてしまう。現実の世界は酷い有様になっている。」とおかしなことを言われ、現実と夢との区別がつかなくなっていく。
女が現と夢の両方の世界に対して、感想を述べるような場面があるのだが、両方に共通した評価がひとつだけあった。これに気づいた瞬間、物凄く怖くなった。
『超限探偵Σ』
探偵の友人の視点で描かれるミステリー。
そして、読み終わるとこの話がミステリーではなかったことに気づく。
そんなのありか?とも思える話を -
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11の物語の短編集
5ページで終わるほど短いものもあり、とても読みやすい本でした。
小林泰三にしては設定が普通な感じもありましたが、「さすが!」と思わせる場面もあり、十分に楽しめました。
『脳髄工場』
周りのほとんどの人々が脳髄に機械をとりつけ、極端な感情を抑制されている世界で、自由意思を尊重し、機械の取り付けを拒んでいた少年の見た事実は少年を落胆させ、少年の人生を大きく変えてしまう。
『友達』
ひ弱な僕が想像した強い僕。彼に名前をつけ自分と彼との区別をし始めた頃から彼と僕の関係はおかしくなり始める。
『停留所まで』
幽霊の出るバスに間違って乗り込んでしまったわたし、、 -
Posted by ブクログ
10作品の短編集
系統はバラバラ
表題の作品は文章は著者っぽい感じがしたけど、オチというか内容はわりとありきたりな感じ。
著者っぽいかはわからないけど、めちゃくちゃ笑えたのは
「メリイさん」
本文の表現を借りれば“洋風の名前“なのに話は落語調。その上、都市伝説的な怪談話が入ってきて、かなりふざけた展開(そのへんは落語っぽいとも言えるのか?)
最後の最後まで馬鹿らしくて面白かった。
「侵略の時」
インベーダーが出てくる分かりやすいSF。だけど、なんか緊張感がないというか、平常な感じが星新一を思い出させた。
(息子には星新一さんは全然そんな感じじゃないよって言われたけど)
あとは、著者 -
Posted by ブクログ
歯切れの良いタイトルに惹かれて読んだ。ただのグロ小説なのかと思ったら違った。
短編9作品からなる本なのだが、全て読んでいてぐっと引き込まれるような物語となっている。それぞれのジャンルはSFからファンタジーまで様々。
9作品のうちどれが好みかでしばらく語り合えそうなくらい色とりどり(描写は真っ赤)で楽しかった。私は「ホロ」が好みだった。
グロ描写が読んでいて吐き気を催すレベルでエグいので誰も勧められなそう。特に「透明女」、何を食ったらあれを思いつくのか…。
概ね好みだったのだが、音として出てくるひらがなの羅列が安っぽくてあまり好きではないのでげんなりしてしまった。
例:人が吐いている時の「おええ -
Posted by ブクログ
単行本で出版された時から気になって仕方なかった題名なのですが、とうとう文庫化まで読む機会にめぐまれませんでした。題名からどんな話なのだろうと想像を逞しくしていたのですが、表題作はぼくの感想としては意外にスタンダードだなという感じ。少々スプラッタなので読者を選ぶかもしれないけど。クトルフ神話にしてしまったのは余分ではないかとも思いました。あれなしでも十二分に成立する怖さがあるので。
むしろ面白かったのは併録の「酔歩する男」のほう。失われた恋人を巡ってのふたりの男の確執と、それに伴って崩壊していく世界の描写がとてもいい。量子力学がらみの話というのはこのようなくらくらするような感じを与えてくれるので