小林泰三のレビュー一覧

  • 目を擦る女
    短編7作すべてにはずれがまったくなく、すべてが最高に面白い。

    『目を擦る女』
    ある女性が、引っ越してきた隣に住む女に、「この世界は自分が見ている夢だから、自分が目覚めると消えてしまう。現実の世界は酷い有様になっている。」とおかしなことを言われ、現実と夢との区別がつかなくなっていく。
    女が現と...続きを読む
  • 家に棲むもの
    やっぱり小林泰三(ヤスミ)は面白いなぁ、と実感する短編集

    〈家に棲むもの〉
     昔殺人があり、丘の中腹にぽつんと建つ、継ぎ接ぎだらけの家。
     そこに住む嫁は、姑がぼけ始め奇妙な行動をするのを我慢しながら、夫の単身赴任からの帰りを待つ。
     姑は独り言を言い始め、娘は知らない全裸のお婆さんをちょ...続きを読む
  • 玩具修理者
    「玩具修理者」は、耽美な美しさと、気味の悪いグロテスクさが共存した良質な短編ホラー。途中で出会った友達の質問攻めがたまらない。最後の「実は主人公が弟」は予定調和だけど、綺麗なオチ。

    「酔歩する男」は、今ではよく見る「死んでしまったあの子を時間を遡って助ける」というテンプレ展開なのだけど、そこに収ま...続きを読む
  • アリス殺し
    かわいい表紙なのに描写が思っていたよりグロくてびっくり…
    不思議の国のアリスのようなへんてこな会話で話が進むのがすごい 続きが気になるタイプ
  • 脳髄工場
     11編の短編、掌編が収録されており、どの作品も、今自分が抱いている価値観や常識がどれほどあやふやなものかを鮮明に表していることに「よくこんな狂った世界観がかけるなぁ。」とホラーの完成度と相まって驚いた。特に『脳髄工場』『友達』『綺麗な子』が面白かった。
  • アリス殺し
    作品から惹かれる。
    夢と現実世界とのリンクが面白い。会話はユニークで終盤はグロいが、謎解きは良かった。
  • アリス殺し
    不思議の国で登場人物は皆頭おかしいのに推理がちゃんと論理的に成り立っているのが面白かった。
    後半から主要人物のビル(井森)の死や、実は不思議の国の方が本体だったり、アリスの正体など、まさにどんでん返しという言葉がふさわしすぎると思った。
    不思議の国のアリスの内容をよく知っていればもっと楽しめたとも思...続きを読む
  • 安楽探偵
     探偵が事務所から一歩も出ることなく依頼人から話を聞くだけで真相を解き明かす安楽椅子探偵形式のストーリーで助手がシャーロック・ホームズのワトソンのように書き記していく展開が続いたかと思いきや、最後の『モリアーティ』で全ての事件が根本から覆される描写に驚き「だから『モリアーティ』なのか。」という納得感...続きを読む
  • アリス殺し
    やはり小林ワールドでグロかった。
    物語は二転三転以上の展開に。

    交互に視点が変わり、どんどん不思議な世界にハマっていってへんてこな気分に。
    これはちょっとすごい寓話小説。
  • アリス殺し
    不思議の国と地球とのリンク、空回りの会話は面白かった。だんだんと残酷になってきて驚いた。
    こっちが夢だったんですね。
  • アリス殺し
    面白かった…「不思議の国のアリス」も小林泰三先生にかかると不条理に拍車がかかってて良きです。
    不思議の国の住民たちだいたい間抜けだけど、特に帽子屋と三月兎は突出してアレなのが再現されててすごい。オリジナルキャラ・ビルくんも間抜けなのでこの3人との会話は気が狂いそう……眠り鼠がアリスのポッケにいるの何...続きを読む
  • アリス殺し
    会話がなかなか進まない感じが最初は戸惑ったがだんだんハマって不思議の国での会話が面白かった。展開は予想できなくておもしろくて一気に読めた。私は不思議の国のアリスを詳しくは知らなくてわからないものもあったので、不思議の国のアリスを読んでもう一度読み直したい!
  • 安楽探偵
    簡単に読める。感想としては多少正直オチが弱いと思う話もあったり、「あぁ。」の一言しか心に残らなかった話もあった。しかし私の心を射止めた話としてダイエットの話がある。あれは読んだ後にニヤニヤしてしまった。アイドルのストーカーの話は読んでいて、とある映画を連想した。
    いずれにせよ楽しめたので満足でした。
  • 人獣細工
    世にも奇妙な物語に出てきそうな話だった。
    人獣細工の、最終的に全身が豚だったとわかったときはゾッとした。
    後味が悪い短編集。
  • クララ殺し
    メルヘン殺しシリーズ第二弾目。

    前回アリス殺しを読んで面白かったのですぐに探して読んでみたが、これまた面白い。


    最後の《アレ》は、《アリス殺しの前》な訳ではなく 《またレッドキングが眠りについた》と解釈しておく。いいね、こういうの大好き。


    前に《人外サーカス》を読んだので、【徳さん】の事は...続きを読む
  • アリス殺し
    揚げ足を取り合うような会話文は読むのが面倒だったが途中から慣れた。あの堂々巡りの会話文で不思議の国の知性の乏しい感じを表現できているのがすごいと思う。
    種明かしパートは気持ちよく読めた。
    地の文がほぼ皆無なのにグロテスクなシーンは細かく描かれていて不気味だった。未知の生物とグロの取り合わせが苦手で途...続きを読む
  • 臓物大展覧会
    グロ多めで嬉しい
    人違いで誘拐される話が大好きなのでありがたかった
    透明女の動機がかなり良かった 自分を助けてくれた人たちに恩返しがしたくて、自分が今1番素晴らしいものを共有してあげよう(押し付け)としているの、順当に人とコミュニケーション取ってこなかった人特有の思考でいい 自分が欲しいものは他人も...続きを読む
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。
    特殊設定ミステリと、小林さんの独特なセリフ回し(これ大好き)がたまらなかった。
    死ぬとゾンビになる世界で起きた密室殺人事件。
    瑠璃の秘密もずっと気にはなっていたけど、そういうことだったのねと。
    混沌の世界観の中での最後清々しさがあるのご良き!
  • アリス殺し
    アリスの世界と地球(でいいのかな)での姿の組み合わせを誤認させてくるのは絶対あるよなぁと思ってましたが、ハム美がそっちだとはさすがに気付きませんでした…ハム美………怖かったよねハム美………

    過去作がホラーの棚でよく見かける書名(玩具修理屋 怖そうすぎて読んだこと無かった)だったので、全体的な不穏さ...続きを読む
  • 見晴らしのいい密室
    QRコードだけやけに見覚えがあったけど前に読んだのか?記憶になかった、何度も楽しめてたらラッキー

    タイトルに密室って入ってたからミステリ期待したけどどっちかといえばSFに軸があった。

    ・見晴らしのいい密室
    表題作になるほど?読者視点では外の世界も二次元だからそんなに面白くなかった。夢オチは好き。...続きを読む