小林泰三のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ーーー頭上に地面、足下に星空が広がる世界。
人々は僅かな資源を分け合い村に暮らしていた。村に住めない者たちは「空賊」となって村から資源を掠めとるか、空賊の取りこぼしをを求めて彷徨う「落穂拾い」になるしかない。
世界の果てにもっと住みやすい世界があると確信したカムロギは、
多くの敵と生き残りを賭けた戦いを繰り返し、
楽園を目指す旅を続ける。
小林泰三の傑作短篇を、完全版として長篇化した作品(・∀・)
同名の短篇は『海を見る人』に収録されています。
非常に完成度の高いハードSFやわ(^p^)
いかに生き残るかに全てを賭ける登場人物とそれを裏付ける精密かつ不自然な
世界。 -
Posted by ブクログ
短編集。
「海を見る人」「門」を再読。
いくつもある箱庭的な世界観の中で、やはりこの2作品は素晴らしい。
「海を見る人」は、場所によって時間の流れが異なる世界でのひと組の男女を巡る物語。悲劇的な内容なのだけど、恐ろしいほど綺麗な結末に身震いする。
原因は結果となり、結果は原因となる。
そんな作品「門」は、壮大な世界観の片鱗を示しつつも実はとても純粋なラブストーリー。もしくは宿命の物語。
ハードSFと称されるとおり、その科学的描写の大部分を理解することはできない。でも、奇抜な設定は読者の想像力を刺激するに足るものだし、卓越した結末は読者の心を見事に射止めるものがある。
解りづらいから好み -
Posted by ブクログ
短編7作すべてにはずれがまったくなく、すべてが最高に面白い。
『目を擦る女』
ある女性が、引っ越してきた隣に住む女に、「この世界は自分が見ている夢だから、自分が目覚めると消えてしまう。現実の世界は酷い有様になっている。」とおかしなことを言われ、現実と夢との区別がつかなくなっていく。
女が現と夢の両方の世界に対して、感想を述べるような場面があるのだが、両方に共通した評価がひとつだけあった。これに気づいた瞬間、物凄く怖くなった。
『超限探偵Σ』
探偵の友人の視点で描かれるミステリー。
そして、読み終わるとこの話がミステリーではなかったことに気づく。
そんなのありか?とも思える話を -
Posted by ブクログ
11の物語の短編集
5ページで終わるほど短いものもあり、とても読みやすい本でした。
小林泰三にしては設定が普通な感じもありましたが、「さすが!」と思わせる場面もあり、十分に楽しめました。
『脳髄工場』
周りのほとんどの人々が脳髄に機械をとりつけ、極端な感情を抑制されている世界で、自由意思を尊重し、機械の取り付けを拒んでいた少年の見た事実は少年を落胆させ、少年の人生を大きく変えてしまう。
『友達』
ひ弱な僕が想像した強い僕。彼に名前をつけ自分と彼との区別をし始めた頃から彼と僕の関係はおかしくなり始める。
『停留所まで』
幽霊の出るバスに間違って乗り込んでしまったわたし、、