小林泰三のレビュー一覧

  • 天獄と地国

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    ーーー頭上に地面、足下に星空が広がる世界。
    人々は僅かな資源を分け合い村に暮らしていた。村に住めない者たちは「空賊」となって村から資源を掠めとるか、空賊の取りこぼしをを求めて彷徨う「落穂拾い」になるしかない。
    世界の果てにもっと住みやすい世界があると確信したカムロギは、
    多くの敵と生き残りを賭けた戦いを繰り返し、
    楽園を目指す旅を続ける。




    小林泰三の傑作短篇を、完全版として長篇化した作品(・∀・)
    同名の短篇は『海を見る人』に収録されています。


    非常に完成度の高いハードSFやわ(^p^)
    いかに生き残るかに全てを賭ける登場人物とそれを裏付ける精密かつ不自然な
    世界。

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    2012年12月30日
  • 海を見る人

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    短編集と思い呼んだが、実は一つの長編であった。
    楽しみ方が幾つも存在し、一度だけではなく二度三度と読んでしまう。

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    2012年10月31日
  • 臓物大展覧会

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    おどろおどろしいタイトルのわりには読後感は爽やか。コメディやハッピーエンドもあり、明るい気持ちになれました。ハズレなしの良作短編集。
    最初の「透明女」だけは安定のグロですが、他はだいたい健全。星新一オマージュの「釣り人」、アイザック・アシモフ的な世界観の「造られしもの」なんて特に上品で、おいおいグロが足りないよどうなってんのというレベル。人に薦めてもドン引きされないバリアフリーな内容だと思います。

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    2012年10月08日
  • 目を擦る女

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    「目を擦る女」は好きなジャンルだと思って読んだら、乗り切れない自分に驚いた(笑)。
    映画ならホラー≧SFなのに、読書だとSF>ホラーな自分の好みを再認識。
    「Σ」「脳食い」「未公開実験」「予め決定〜」はすべて仮想世界をうまく取り入れた作品。それぞれに違った論理性があり、どれも甲乙つけがたい秀作。

    「刻印」はファーストコンタクトもの、なのか?なんかもう凄い(笑)。

    そして白眉は「空からの風が止む時」。堀晃か小川一水しか書けないようなハードSF。読まずに死んでたら悔やんだであろう圧倒的傑作。

    90点(100点満点)。

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    2012年09月18日
  • セピア色の凄惨

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    同一人物がある人の話を聞くという構成からなる短編4つ。
    どれもレベルが高いけど一番いいと思ったのは『ものぐさ』。
    実際に起こらなくもなさそうなところが怖い。ゴミ屋敷の人って面倒くさがりってレベルを超越してるんだろうな。

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    2012年06月17日
  • 海を見る人

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    ハードSF+愛
    SFも愛も理解しがたいからこそそのハーモニーが絶妙なのか
    『キャッシュ』『海を見る人』『門』

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    2012年06月07日
  • 臓物大展覧会

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    読んでるだけで臓物の臭いがしてくる短編集。
    グロを比喩じゃなくて直球で表現してくるから痛い臭い気持ち悪いことこの上ない。
    この人のSFとホラー混じった感じが最高に好き。
    『透明女』が突き抜けてるから他が物足りないかもしれない。

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    2012年05月20日
  • 目を擦る女

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    「その数字は君が計算して初めて存在するのだろうか?
    それとも、計算する前にすでに存在しているのだろうか?」

    (超限探偵Σ/脳喰い/空からの風が止む時/刻印/未公開実験/予め決定されている明日)

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    2012年02月27日
  • セピア色の凄惨

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    長編ですがオムニバス形式なので読みやすかったです。頭のおかしいヒロインが探偵に変な調査を依頼したと思ったら、探偵も頭おかしかったという超展開ワロタ。特に「ものぐさ」が抱腹絶倒。小汚くてシュールな雰囲気が筒井康隆の「家族八景」ぽいと思いました。ただしエロと超能力はない。

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    2011年11月24日
  • 海を見る人

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    「母と子と渦を旋る冒険」が一番よかった。宇宙探査機の近親相姦とは新しすぎる。へ、変態だー!
    時間や空間がねじ曲がった世界、タイムパラドックス、宇宙の謎系ストーリーが好きな人におすすめ。とびきりの非日常が楽しめます。

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    2011年11月20日
  • 海を見る人

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    時間の流れが違う場所に暮らすふたりの恋。
    時間という隔たりに嘆いて、事象の地平面である海面に飛込んでしまうことで、女の子の姿は広がり続ける。
    それによって主人公や残された人たちの主観の中では、少女の恋をした時間は永遠に思えるような年月のなかで引き伸ばされつづける。ありえない恋をしたふたりのお話「海を見る人」。とても味わい深いお話でした。
    他にもとても広がりのある世界観のお話がたくさん収められた短編集。

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    2011年09月23日
  • セピア色の凄惨

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    コメディ?ホラー?
    いいえ、一度味を占めると抜け出せない、これぞ泰三ワールド。

    いつもは一つ二つくらいハズレがあったんだけど、今作は一貫性があったからか、全てが面白かった。
    特に「ものぐさ」、と「安心」は笑いこけた。

    目を背けたくなるようなグロテスクな箇所が多かったけれど、全体を通して貫き通される屁理屈も、ここまで通せば逆に爽快!

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    2011年04月03日
  • 天体の回転について

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    表紙を除いて最高だた。
    コミカルな部分、ロジカルなSF部分、グロな部分が揃ってた

    表紙がアレじゃなきゃ小林泰三入門としてみんなにオススメするのに…

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    2010年10月26日
  • 海を見る人

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    短編集。
    「海を見る人」「門」を再読。
    いくつもある箱庭的な世界観の中で、やはりこの2作品は素晴らしい。

    「海を見る人」は、場所によって時間の流れが異なる世界でのひと組の男女を巡る物語。悲劇的な内容なのだけど、恐ろしいほど綺麗な結末に身震いする。

    原因は結果となり、結果は原因となる。
    そんな作品「門」は、壮大な世界観の片鱗を示しつつも実はとても純粋なラブストーリー。もしくは宿命の物語。

    ハードSFと称されるとおり、その科学的描写の大部分を理解することはできない。でも、奇抜な設定は読者の想像力を刺激するに足るものだし、卓越した結末は読者の心を見事に射止めるものがある。

    解りづらいから好み

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    2011年12月04日
  • 脳髄工場

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    犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。
    健全な脳内環境を整えられることが証明され、いつしかそれは一般市民にも普及していった。
    両親、友達、周囲が「人工脳髄」を装着していく中で自由意志にこだわり、装着を拒んできた少年に待ち受ける運命とは?
    人間に潜む深層を鋭く抉った表題作他、日常から宇宙までを舞台に、ホラー短編の名手が紡ぐ怪異と論理の競演。

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    2009年10月04日
  • 忌憶

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    アイディアが凄く好きで、人間の記憶の持つ怖さというか…常識と認識の狭間というか…

    怖いです。

    難解なテーマだと思うけど、とても面白くてスイスイ読めました(笑)

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    2009年10月04日
  • 脳髄工場

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    衝撃的。

    本当に世界が誰かによって操作されてたらどうしようって考えた。

    どうしようもないけど・・・。

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    2009年10月04日
  • 目を擦る女

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    どれもこれも、小林泰三色が濃く出てて、ファンとしては美味しい一冊。
    あぁっ、もう大好きなんです。小林ワールド。

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    2009年10月04日
  • 目を擦る女

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    短編7作すべてにはずれがまったくなく、すべてが最高に面白い。

    『目を擦る女』
    ある女性が、引っ越してきた隣に住む女に、「この世界は自分が見ている夢だから、自分が目覚めると消えてしまう。現実の世界は酷い有様になっている。」とおかしなことを言われ、現実と夢との区別がつかなくなっていく。
    女が現と夢の両方の世界に対して、感想を述べるような場面があるのだが、両方に共通した評価がひとつだけあった。これに気づいた瞬間、物凄く怖くなった。

    『超限探偵Σ』
    探偵の友人の視点で描かれるミステリー。
    そして、読み終わるとこの話がミステリーではなかったことに気づく。
    そんなのありか?とも思える話を

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    2009年10月04日
  • 脳髄工場

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    11の物語の短編集
    5ページで終わるほど短いものもあり、とても読みやすい本でした。
    小林泰三にしては設定が普通な感じもありましたが、「さすが!」と思わせる場面もあり、十分に楽しめました。

    『脳髄工場』
    周りのほとんどの人々が脳髄に機械をとりつけ、極端な感情を抑制されている世界で、自由意思を尊重し、機械の取り付けを拒んでいた少年の見た事実は少年を落胆させ、少年の人生を大きく変えてしまう。

    『友達』
    ひ弱な僕が想像した強い僕。彼に名前をつけ自分と彼との区別をし始めた頃から彼と僕の関係はおかしくなり始める。

    『停留所まで』
    幽霊の出るバスに間違って乗り込んでしまったわたし、、

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    2009年10月04日