小林泰三のレビュー一覧

  • 脳髄工場
    はじめての小林泰三さん作品。
    「脳髄工場」という度肝を抜くタイトルと、一度見たら忘れられないカバーイラストに惹かれて手に取りました。

    短編集でかなり短い(数ページの)お話から、結構長い話まで様々なものを詰め込んだ、欲張りセットのような様相。

    私のお気に入りは、
    ・やはり何と言っても表題作の「脳髄...続きを読む
  • アリス殺し
    終盤にくる2転3転する怒涛の展開が凄く好き!
    最後の処刑はある意味因果応報で、個人的に大好きな部類です。
    読み返すとよく伏線が引かれてるのが分かるのが良い。
    視点がコロコロ変わるのが苦手な人は厳しいけど、スッキリするから読んで欲しい。
  • 人獣細工
    これは面白かった!
    ブタの臓器を移植され続けてきた少女、吸血鬼を殺そうとする少年、本による狂気に巻き込まれた女性の3編を収録。
    どことなくクトゥルフ神話を想起させるように感じた。
    特に第3作『本』には「名状しがたきもの」という表現もあるし、クトゥルフ好きにはニヤリとさせられると思う。
    邪悪で狂気に満...続きを読む
  • 玩具修理者
    小林先生のメルヘン殺しシリーズを読み、登場人物達のキャラの濃さに「元ネタがあるかも」と調べてみると過去の作品に登場しているということで読んでみました。大学時代にクトゥルフ神話TRPGを齧っていたので、すごく刺さる内容でした。夏の夕暮れ時の蒸し暑さ、非現実的だが納得せざるを得ないタイムトラベル等、臨場...続きを読む
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
    表紙の動物さん(ねずみ?)のイラストがあまりにかわいくてつい購入。

    怪奇小説7篇、どれも本当におもしろくていずれの作家さんももっと読んでみたいと思えるものばかりでした。

    なんかおもしろい短編小説読みたいなという方にはほんとにおすすめです。
    表紙がかわいい。
  • 玩具修理者
    読んでいて頭がごちゃごちゃになる感覚が堪らないし個人的には酔歩する男がドストライク。限られた理解力しか持たないわれわれの脳があまりにも複雑な世界に対面した時に壊れてしまわないために脳自身が設定した安全装置が因果律っていう文章が超好きで、なんて言うか自分が生きてる時間は存在してると考えるのかとかまだま...続きを読む
  • 人獣細工
    ヤバい超面白かった☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆最初は人間のために豚の臓器を移植してると思ったんだけど読み進めていくうちにこれ逆パタなのではと勘づいてしまい結果図星。小林先生の書くホラーというかサイコパスというかなんて言うか人間のリアルとっても好きなのでこれ超刺さった。最終章の本が1番ヤ...続きを読む
  • 玩具修理者
    面白い。玩具修理者(短編)と酔歩する男(中編)の二本から構成されている。グロテスクな表現が食欲を失うほどリアル。どちらも最後のページで鳥肌が立つ後味の悪い(褒めている)ラストが待ち受けている。ぜひホラー、ミステリー好きに薦めたい!
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
    現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
    かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そ...続きを読む
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集
    現代ホラーの傑作が揃った短編集。全編おすすめといえる高い完成度の1冊です。「芙蓉忌」は古い家屋の隙間から見える女に魅入られた話。女が誰か探る途中、警告を受けるも男はもはや止まる事が出来なくなり…
    謎の猿を追う「シュマシラ」も良い。
  • アリス殺し
    スナークは ブージャムだった

    グロ、ナンセンス、トリック、すべてをとっても素晴らしいではないか!!!!

    主人公が惨たらしく殺されてしまう…んだろうなとタイトルからして推測できる。いい意味で期待に沿うし、いい意味で裏切られる。倫理無視した言葉になるが、グロ耐性がある方は「実に良かった」と読み終えた...続きを読む
  • 玩具修理者
    酔歩する男

    ホラーSF本の中で一番衝撃を受けた。
    時間の概念、タイムトラベルもの
    読後、めまいが起こったのは初めて
    この体験を是非してほしい
  • アリス殺し
    タイトルと表紙が好みで読みました。
    初めの揚げ足の取り合いのような埒が明かない会話も人間味があって個人的にはスラスラ読めてしまいました。
    終盤になるにつれてどんどん伏線が回収されていくので物語に引き込まれてしまいました。
    表現が所々グロテスクな部分がありますが作者がそういったのを好む方だと知っていた...続きを読む
  • 逡巡の二十秒と悔恨の二十年
    初っ端からキツい
    全話心臓やら胃、脳みそにまでに、色々くる
    キツい
    グロホラー(?)(ジャンル分けがよく分からない)というジャンルだとしたら文句なしの星5
    1回読めばお腹いっぱい、というか胸焼けで二度と食べられない
  • クララ殺し
    前作読んでたのでこの世界の仕組みはなんとなく理解してる(といっても未読だった場合と比べたら1ミリ程度の知識)。
    でもここは前作と違うと言われたら…そうなんだね!とビルみたいに思ってしまう。
    話してるとイライラするだろうけど、ビルのキャラが良い。頭が足りないように見えて鋭く本質をついてくる。

    解説ま...続きを読む
  • 玩具修理者
    結局玩具修理者の素性も発する言葉の意味も何もわからないまま終わるのめちゃくちゃ怖い。クトゥルフ由来との事。
    なんとなく、喋り方に葛葉ライドウシリーズのイッポンダタラを想起させる玩具修理者、ちょっと好き。

    酔歩する男、タイトルの印象から夢遊病の追体験のような、足元の覚束無い所感のあるお話だろうか、と...続きを読む
  • アリス殺し
    言葉が噛み合わない、長い会話や、やっと事件が解決しそうだったのに、ミスをしてすべてを台無しにする場面が多く少し(結構?)イライラするので最後に謎が解けたときとてもスッキリする開放感が味わえると思う。
    全て自分の思い道理になっていると考えている人物(悪役?)を否定するときはとてもいい気分になった。(と...続きを読む
  • 玩具修理者
    最高に面白い
    酔歩する男
    200Pも無いが、本当に面白い作品 酔っているような感覚に陥る
    結局てこなとはなんだったのか?主人公はどうなっているのか そこはモヤモヤしている
    ただ主人公の親友 の語り が話の9割を占める 主人公の親友の状態は読めば理解出来る 本当に恐ろしい状態だと思う 初めは羨ましいと...続きを読む
  • 肉食屋敷
     肉食屋敷…地球外生命体がテーマの話。結末はバッドエンド?
     ジャンク…ある意味純愛もの。ただ設定が特殊なだけで。
     妻への三通の告白…読み進める度に見方がガラリと変わる。
     獣の記憶…ジャンルはミステリー。叙述トリックではあるがこのラストは読めなかった。
  • 玩具修理者
     「玩具修理者」目当てで読んでみたが、読後は「酔歩する男」の方が印象に残った。ただただ「タイムトラベルなんてするもんじゃない。」という気持ちになった。