小林泰三のレビュー一覧

  • 人外サーカス
    廃業寸前のサーカス団と吸血鬼の一団の戦いを描いた作品です。ややスプラッター要素はありますが、ホラー感はあまりありません。
    戦闘力に絶対的な差があるなか、団員たちがいかにして吸血鬼を倒すのかが読みどころです。ミステリーの要素も少しあります。
  • 逡巡の二十秒と悔恨の二十年
    軽い語り口の妖怪もの(関西弁はホラーに合わないね)から、やや皮肉交じりなスプラッターな人食いものまで。人肉の話は人によっては受け付けないかも。なんか本能的な嫌悪感がありますね。
  • 神獣の都―京都四神異譚録―(新潮文庫nex)
    京都を舞台に青龍、朱雀、白虎、玄武の四神に麒麟を加えた御柱の神獣とその眷属の戦いを描いたファンタジー。
    シリアスなのかドタバタなのか、最後までつかみきれなかった。京都の街が壊滅状態になるほど激しい物語ではあるんですが、登場人物たちにいまいち緊張感がないので、街があっさり破壊されるところも含めてギャグ...続きを読む
  • 殺人鬼にまつわる備忘録
    前向性健忘症を患った男が主人公「失われた過去と未来の犯罪」にも繋がるようなテーマです。主人公がすぐに忘れてしまうという状況で、よくもこれだけの物語を紡げるものだと思います。ラストはちょっとむずむずする感じ。すっきりとした後読感ではないです。
  • 因業探偵 リターンズ~新藤礼都の冒険~
    因業探偵の第2弾。2冊目でも探偵事務所を開くには至らずです。終盤ちょっとオカルトが入ってきます。
    新藤礼都は性格は悪いけど、基本的にはいい人なんでしょうね。
  • 因業探偵~新藤礼都の事件簿~
    ある意味ではお仕事小説。もしくは勝手に潜入捜査という感じ。ちょっと変わった探偵小説。結構ブラックユーモアが効いています。
  • 安楽探偵
    安楽探偵なので探偵は事務所から一歩も出ません。というか依頼人の回想を除けば、物語はすべて探偵事務所の中で進行します。
    お話はだいぶブラックユーモアが効いています。叙述トリックも少し入ってます。読み手を選ぶかもしれませんが、楽しめる1冊でした。
  • 失われた過去と未来の犯罪
    ある日突然全人類が10分程度しか記憶を保持できなくなる、というSFです。よくもこんなシチュエーションを思いつく。
    出会いがしらの人格の入れ替わりは使い古されたテーマですが、それをここまでSF的なロジックに落とし込んだ作品を私は見たことがありません。作中では言及されていませんが、外部メモリを悪用すると...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    綾辻先生以外のお話は読んだことがなかったので、どっぷりと楽しめました。今邑彩さんと小池真理子さんのお話はどっぷりホラー。福澤さんのはラストが不気味。何より初岩井志麻子さん。いや、こんな硬派で素敵な文章を書かれる方だと思わなかったのでわびっくり。他の本も読んでみたくなりました。こうした編者がテーマに沿...続きを読む
  • クララ殺し
    『アリス殺し』より混み入った内容になっています。登場人物が人形だったりロボット記憶を改竄できる能力を持っていたりと現実ではあり得ない設定がてんこ盛りですが事件はしっかり論理的に解決されるという不思議な世界観にクラクラします。


    「クララ」からアルプスの少女ハイジを連想しましたがハイジとは全く関係な...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    依って件の如し、良かったなぁ。
    読んでいるだけで灰色の空とじっとりとした空気を感じられる作品でした。
  • 人外サーカス
    怖い・グロい・続きが気になるの最悪の組み合わせで夜にビクビクしながら読み進めて、夜怖くて寝れなかったし枕の皺が吸血鬼に見えた、、
    表紙の可愛い女の子がサーカス頑張るみたいな話だと思ってたのに...でも面白かった!
    最初から最後までグロいし、コンソーシアムの事もよく分からず読んで最後でちょっと安心。
    ...続きを読む
  • 完全・犯罪
    ブラックユーモアたっぷりの短編集。SFあり、正統派ミステリあり、ホラー味あり、グロはほぼ無しで著者の本を初めて読む人にオススメです。
  • 大きな森の小さな密室
    丹地陽子さんの表紙、久しぶり。「アリス殺し」が私的にはいまいちだったのであまり期待はしていなかった。 癖はあるものの、クスッと笑えるとこもあり、どれも面白かった。「正直者の逆説」(??ミステリ)が好き。あちこちに出てくる岡崎徳三郎、(通称徳さん).ときには鋭い探偵タイプなのに、どこかうすら惚けたとこ...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    澤村伊智、岩井志麻子、鈴木光司さんの作品は既読だったので、それ以外の作品を。こういう感じの怖さか、という作品が多かったけど、中では鳥の話が面白かったです。短編は手っ取り早く面白くていい。
  • クララ殺し
    元になる物語を知らないキャラがチラホラ出て
    きたので誰?と思いながら読みました。本編後の
    解説を読んでなるほどと思いました。
    面白かったです。
  • 天体の回転について
    表紙で敬遠してたのだけど、紙で買えなくなりそうだったので入手しました。
    「あの日」がユーモアたっぷりで面白かった。
    「盗まれた昨日」は例によって「失われた過去と未来の犯罪」の習作。短くまとまっていて、SFは哲学と紙一重なのを気づかせてくれる良作。
    ハードSFというほど敷居が高くはないので、ミステリ好...続きを読む
  • 殺人鬼にまつわる備忘録
    初読みの作家さん、書店のポップに惹かれ購入、読み応えのある佳作であった。


    特殊設定が前提にある、主人公は前向性健忘症なる精神疾患があり、記憶が数時間しか保持できない、ということ。つまりは夜眠って起きたら昨日の記憶は全くない!とのことである。そして悪役には超能力が備わっている、他人の記憶改竄が可能...続きを読む
  • ドロシイ殺し
    やっと文面に慣れてきましたが、慣れてきても私の頭では複雑さにはついていけないのが悔しいです。ビルの不毛な掛け合いが面白く、案山子やライオンの心無い残忍さにヒヤッとさせられるところも面白いです。

    ただ、世界と人をまたいだ推理に、全くついていけないんですよ。私が。それが、理解できれば、もっと楽しめると...続きを読む
  • クララ殺し
    ナンセンスな会話はアリス殺しから引き続き。
    グロは抑え目(というかほぼ無いに等しい)なので前作が苦手だった人も今作は読めるかもしれない。
    登場人物の名前を覚えるのが結構大変(カタカナ苦手……)。
    事件の真相は複雑極まりなかった。