小林泰三のレビュー一覧

  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    記憶できない男と記憶を改竄できる男(殺人鬼)の対立劇。相変わらずの微グロシーンと、いい意味で気持ち悪いセリフのやりとりが小林泰三さんらしさ。
    自分の頭の中にある記憶と、ノートに書かれている記録とどちらが「真実」なのかも考えさせられる。雲英の能力もいいように使えば、すごく役に立つ能力なんだろうけど。

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    2021年10月14日
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    前回のベストセレクション「再生」よりもこっちのほうがずっと好み。
    であるが故に、過去に読んだ話が半分くらい…
    平山夢明氏と小林泰三氏が一冊に入ってるアンソロジーだから買って後悔はない。

    背表紙の著者名が小林泰三氏になってて、新しく本棚に氏の本が並んだのも嬉しい。

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    2021年10月03日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    ネタバレ

    なかなか複雑な内容で、面白かったけど理解するまで何度かページを読み返した。あとがきで、特殊設定ミステリ作家と我孫子先生が言われていたが、本当にその通りだと感心した。ゾンビまでは昔からからよくある体だが、プラスαが凄い。パーシャルゾンビなんて、誰が思いつくだろう。部分的に死んでいるだけだから、生きているなんて。その為か、巧妙なトリックではなかったが、伏線は見事だった。ただ、コンタクトに関しては❓のままで…。パーシャルゾンビでも目は白濁するから、人間と区別つかないめに、一条は作った。でも、葦土はゾンビに扮装した時に、コンタクトを使った。もともとパーシャルゾンビなのに❓どっち用のコンタクト⁉️考える

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    2021年09月08日
  • ドロシイ殺し

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    ネタバレ

    ● 感想
     アリス殺し,クララ殺しに続いて,今回もアーヴァタールの誤認トリックを仕掛けているのかと思ったら,そうではない。カンザスが地球のカンザスではなく,オズの魔法使いのカンザスだったという世界誤認トリックが仕掛けられている。この作品でも、誰が誰のアーヴァタールかで叙述トリックを仕掛けているかと思いきや,世界そのものを誤認させる叙述トリックが仕掛けられていていたものであり、シリーズ作品であることを逆手にとったトリックといえる。
     派手なトリックで,衝撃はなかなか。作中でもビルが「えええええええええええええええええええええええええええええええっ!!」と驚くほどなので,作者も,このトリックには自

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    2021年08月24日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    相変わらず読んでるうちに訳がわからなくなる掛け合い満載で面白い。
    解説で我孫子武丸氏が、ミステリ読みにとってはエモさが大事なので、小林泰三氏はいまいちミステリ界で評価されないのかもって書いてたのになんとなく納得。

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    2021年08月16日
  • クララ殺し

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    ネタバレ

    ● メモ
     不思議の国に住む蜥蜴のビルは,道に迷い,溺れかけたのちに,ホフマン宇宙という世界に迷い込む。ビルは,クララという少女とドロッセルマイヤーという老人に出会う。
     前作,アリス殺し同様,地球と異世界との間で,アーヴァタールという存在がある。今作では,地球とホフマン宇宙との間で,アーヴァタールという記憶を共有する存在を有する者が登場する。
     ホフマン宇宙とは,19世紀初頭に活躍したドイツの作家,エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンの小説の世界であり,黄金の壺,くるみ割り人形と鼠の王様,砂男,マドモワゼル・ド・スキュデリといった作品の登場人物が,今作には出てくる。
     クララ殺しは,

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    2021年08月20日
  • アリス殺し

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    ルイス・キャロルの言葉遊びをつまんなくしちゃってたなー。現実味のないミステリーだったので、なんでもありじゃんと思ってしまった。

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    2025年12月16日
  • ドロシイ殺し

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    言葉の齟齬があると大きな問題になると思った作品。犯人はとてもシンプル。
    「オズの魔法使い」のキャラクターとビリーの掛け合いはとても面白い。

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    2021年07月27日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    再読。
    出てくる人物が理屈っぽい。
    なかなか理屈で話せる人がいないので羨ましく思ったりもする。


    理屈っぽいのが、それらしい。新刊を読めないかと思うと悲しい。

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    2025年02月11日
  • ドロシイ殺し

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    ネタバレ

    普通の推理小説より面白い
    普通の推理小説なら犯人はある程度絞れるけれど、地球とあちらの世界の殺人とかアーヴァータールとリンクしてる人が分からないとか、考えることが多いから犯人が絞りづらい
    ビルも含めてオズの国の住人たちの掛け合いが面白いし飽きない
    ただこの掛け合いのせいで話が進まなかったり犯人探しがややこしくなってる
    あちらの世界とのリンクをうまく使った叙述トリックに気づくかがポイントだった

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    2021年06月24日
  • 失われた過去と未来の犯罪

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    これは人間の魂と記憶の物語だ。魂は肉体に宿るのか、それとも記憶の中に存在するのか…人々から長期記憶が失われた世界で、様々な事例となる物語が紡がれ、問いと答えが重ねられていく。
    魂と記憶なんて全然別モノだろうと思って読んでいたのに、なんだかどんどんアヤフヤになっていく感じが怖いね。自分として生きている自覚が持てないことは辛い。自分の中に他人を積み重ねるより、ちっぽけでも唯一無二の自己でしょ、やっぱり。

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    2021年05月06日
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ

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    久しぶりの小林泰三。
    オワ〜〜そうそう、これが小林泰三…という感じの短編集でした。
    とてつもなくグロい。そして雰囲気が暗い。
    クトゥルフ神話が好きなので「ショグゴス」は題名からニヤリとしながら読んでいたのですが、結末が「そうきたか…!」となる面白い発想だったので、個人的にはこれが一番すきです。
    「朱雀の池」はただただ切なくなりました…そんな…
    いちいち細かいところまで丁寧にグロいんだよな…でも、小林泰三だ〜と安心できるのでサラッと流しながら読んでいます。

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    2021年04月30日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    ネタバレ

    記憶が数十分しかもたない男が殺人鬼に挑むミステリー。
    記憶がリセットされてしまうため何度も繰り返す主人公の思考を読むにつれ、読み手には不安や混乱が蓄積されていく。不確かな記憶に頼りきっている自分に気づきゾッとした。
    登場人物はごく少ないのに、先が気になる緊張感で一気読みだった。
    そしてラストの不穏さ。主人公が不憫になる。

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    2021年04月27日
  • 失われた過去と未来の犯罪

    購入済み

    人格とは、魂とは、記憶とは、何だろう?
    人類が記憶する能力を失った混乱を描く第一部と、外部記憶する事で生きていくようになった人類の悲哀を描く第二部からなる。

    #深い #ダーク #エモい

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    2021年04月21日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    ネタバレ

    殺人鬼が犯罪を犯すシーンは見ていてとても胸糞悪かった。サイコパスってこういうことなんだなぁと思った。
    物語のテンポが良く、200ページくらいを一気に読みました。最後が情報量が多く、私の読解力が至らないせいだと思いますがよく分からなかったです。
    何となくこうかなーという解釈は自分なりにしましたが、他の人の感想も読んでみました。
    そうすると自分でもわかってなかった疑問点が出てきてしまってより混乱してしまいました

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    2021年03月07日
  • 神獣の都―京都四神異譚録―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    和風ファンタジーで面白いです。個人的には好みです。
    ただ、現代的な感じなので作風に見合った時代でも良かったのかなと思います。なのでこの評価です。
    最後の方は京都がめちゃくちゃになってるのを想像してありえないと思いながらも楽しませていただきました。
    最後の朱雀が何とも軽い感じの会話をしている場面がありちょっと笑ってしまいました笑(⌒‐⌒)

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    2021年01月27日
  • 臓物大展覧会

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    冒頭の「透明女」がグロすぎで心折れそうになりますが、それを除くと、SFありミステリありのちょいグロバラエティ短編集といったところ。「悪魔の不在証明」は、緻密な論理展開とちゃぶ台ひっくり返しラストが小林泰三氏らしくて素晴らしい。読んでください。

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    2021年01月03日
  • 杜子春の失敗~名作万華鏡 芥川龍之介篇~

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    杜子春とカンダタはちょっといい話だったのに後半…
    随所にこれまでの小林泰三作品が散りばめられているところに、切なさを感じる。
    大好きな作家さんでした。ご冥福をお祈りします。

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    2020年12月30日
  • 失われた過去と未来の犯罪

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    小林泰三は大抵読んでるけど、これ表紙とタイトルのイメージでなんとなく積んでたのですよ。読んでみたらけっこうなハードSF。記憶/精神の保存、肉体はただの器といったオルタードカーボン的なサイパーパンクの王道でむしろ好み。

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    2020年12月05日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    ネタバレ

    全体的にテンポが良く、ページをめくる手が止まらなかった。主人公の対応力と冷静な判断に感心し続けていた。「新しい記憶を失う」という主人公の特性上、出来事の時系列の整理が難しかった。ラストの女性は、最初にピンポン連打した人だとは思うが、あの警戒心が強い主人公が部屋に招き入れた理由が全くわからない(徳さんが関係してるのか)ので、他の読者の方の考察を拝見したいと思います。後書きに作者様の他作品にこの本の登場人物が現れるようなので、そちらも拝読したいです。

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    2020年12月01日