小林泰三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2015年、30冊目は小林泰三。
今年に入って、『忌憶』『目を擦る女』と読んだが、イマイチ当たってない印象。果たして今回は……?
短編七編収録。今回はランダムに(というか、『兆』は既読なので、最後にとおもったため)よみました。では、極々簡単に内容を……。
「ショグゴス」共生と従属関係の話。ユーモラスな面もある、SF系。
「首なし」近世日本が舞台の猟奇的ヤンデレ話。
「兆」いかにも、小林泰三らしい作品。『ゆがんだ闇』以来、約1年ぶりに読んだが、やはり好き。
「朱雀の池」ドッペルゲンガー(?)な歴史曲解(?)モノ。
「密やかな趣味」ブラックな、だからこそ超絶極まりないスプラッター。
「試作品三号」SF妖怪譚。エヴァのフレーバーも少々。
「百舌鳥魔先生のアトリエ」グロ系小林泰三全開。気味悪くも引き込まれた。
個人的好みとしては、「兆」「百舌鳥魔先生~」「密やかな趣味」「首なし」の順かな。残り三編は横一線。ソレでも★★★★☆評価 -
Posted by ブクログ
夏の終り頃購入し、長く積読にしていた1冊。
完全にタイトル買い。購入後、同作者の『玩具修理者』『人獣細工』『肉食屋敷』『アリス殺し』(順不同)と別作品を発掘 、先に読んでしまって……。
タイトル、プロローグと本編との関わりは薄く、期待していたモノとは異なるが、色とりどりの9編を取り揃えたあたりは大展覧会。
「ホロ」ヴァーチャル・オチ的なのは個人的に、あまり好みじゃないかな。
「少女、あるいは自動人形」は世界観は好きだけど、アレレ?って感じ。
ショートショート的「釣り人」のオチは、ソコへ至るまでとのギャップに、思わず笑ってしまった。
「透明女」「攫われて」はスプラッター描写に目を奪われがちだが、オチのスッキリしない感が好き。
そして、後半4編はベクトル異なるが、ドレもイイ。
「十番星」少年主人公モノ。環境問題を逆手にとり、人間が元凶かと思いきや、きいきいきい(←ふざけてるわけではありません)。
「悪魔の不在証明」途中で何となく、オチの予想がついたが、イイ意味でモヤモヤする。
「造られしもの 」ロボットSFモノ。オチとともにこのタイトルが秀逸。
「SRP」コメディタッチのB級特撮モノ臭がプンプン。設定も、キャラも、オチまで大好物!
以上が、全9編のザックリした、感想でした。
そして、エピローグはプロローグと呼応し、ちょっとオドロな感じなのだが、9編目のラストの余韻を、逆に、醒ましてしまってんじゃないかな?なくても良かったような……。 -
Posted by ブクログ
ホラー短編集ですが、SFありコミカルな話もありで多彩。グロテスクなものもありますが、不思議と後味は悪くない。
初めの「透明女」が恐ろしくえげつないなと思えば、次の「ホロ」が綺麗なSFでびっくり。
「攫われて」は痛そうで読むのが辛かった。
後半四編「SRP」「十番星」「造られしもの」「悪魔の不在証明」はどれもお気に入り。
「SRP」
妖怪SF。稲生物怪録に科学特捜隊というすごい組み合わせ。楽しい。
「十番星」
ベタベタなホラーSF。少年向け古典SFホラーっぽさがよく出てて懐かしい気分になる。
「造られしもの」
ロボットSF。これも古典的ロボットSFの名作を意識している感がありますね。哀愁漂う。
「悪魔の不在証明」
小さな村に現れた宗教家と神の存在を議論するうちにとんでもない結末に。狂気だ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ■ ショグゴス (★★☆☆☆)
ブラックジョーク強めの SF 作品。いかにも小林泰三っぽいストーリー。裏を返すと、あまり印象には残らなかった。
■ 首なし (★★★★☆)
小林泰三というと現代から近未来のイメージがあるのだけど、本作のように舞台設定が近代 (明治?) なのもなかなか良いじゃないですか。
オチは分かりやすいものの、首なしのイメージが強烈で楽しめた。
■ 兆 (★★★★★)
「ゆがんだ闇」で何度も読んでいる本作。個人的に「本」と並ぶ小林泰三の最高傑作の一つで、やはり抜群に面白いです、はい。
ちなみになえ子が兆と対峙した本当の日は 8/4 ということで良いのですかねえ。
■ 朱雀の池 (★★★☆☆)
「京都に原爆が落とされなかったのは、その文化的価値がアメリカに認められていたからだ」というデタラメな俗説を小林泰三流に切り捨てた、これまたブラックジョークの強い作品。
作中にもある通り、「胡蝶の夢」も題材になっている。このおかげで、これまでの小林泰三作品とはまた違う、何とも不思議な感覚を覚えた。
■ 密やかな趣味 (★★★☆☆)
最初のページに注意書きを載せても良いくらい、猟奇的な描写が激しい要注意作。ほぼすべての小林泰三作品を読んできたが、本作は読むのが相当しんどかった。
流し読みをおすすめするが、最後の一行を読むのをお忘れなく。
過去作の「吸血鬼狩り」と同じく文章だけからはどちらでも解釈可能になっているが、恐らく「吸血鬼狩り」と逆のパターンだろうということで、読後感は結構和らいだ。
■ 試作品三号 (★★☆☆☆)
ハード SF テイストの怪獣 (というか妖怪) 作品、ということで「ΑΩ」に近いか。個人的にはこのノリにいまいちついていけない。
■ 百舌鳥魔先生のアトリエ (★★☆☆☆)
表題作だけど、うーん、劣化版「玩具修理者」という印象しか受けなかった。
■ 総評 (★★★★☆)
良く言えば原点回帰、悪く言えばネタ切れ感を多少感じた。
しかし、近年の小林泰三作品の中では歩留まりの良い良作だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなんだこれ?おおミステリーか、いやグロい、ひゃーどんでん返し!と一冊でいっぱいおいしい小林泰三らしい1冊。
**ネタバレ**
・ショグゴス
わけわかんない生命体と人類との戦い。わけわかんないのにこわいのは敵と味方が曖昧だからか。クトゥルー神話は知らないので知ってたらもっと楽しめるのかも。
・首なし
だって好きになってしまったのだから仕方ないのです。あのひとじゃなきゃ嫌。だから私を守ってくれたこのひとはあのひとに違いない。狂気に満ち溢れていて悲しいのに美しい。何をそこまで好きになってしまったんだろう。
・兆
SFチックで好きじゃなかったけど壊れていく感じ、表と裏の使い分けは好き。
・朱雀の池
良かれと思ってしたことが上手くいかないのは後味が悪くて、もうほんとに、ああ。虚しさと不快感が素晴らしい。
・密やかな趣味
オチは読めたけれど(読めていたから?)残酷な描写が痛くて痛くてこわかった。普通のひとがやりかねない、一歩踏み込んだだけの裏側だって思うと一層恐ろしい。いちばんグロいから好みは分かれそう。流し読みで勘弁してください。
・試作品三号
かっこいー。バトルものっぽくてアニメにできそう。密やかな趣味で強張った心がほぐれていった。圧倒的な強さの前には何もできない。何故か妖怪ウォッチのキャラが浮かんでしまい微笑ましくなった。
・百舌鳥魔先生のアトリエ
生きているってなんなんだろう。私たちはなんで生物なんだろう。そういったことを訴えかけてくる君の悪さがあった。綺麗にまとめたな、って感じで気に入りました。