小林泰三のレビュー一覧

  • 見晴らしのいい密室
    「探偵助手」のQRコードは面白かった。
    「忘却の侵略」は一番気に入りの、シュレディンガーの猫や波動関数収束や未知危険生命体のネタを組み込んだ淡い甘い恋物語。
    「予め決定されている明日」算盤計算でヴァーチャルリアリティを構築という逆テクノロジー設定も中々素敵。
  • 家に棲むもの
    ホラー短編集。不安と狂気に満ちてるのに、どこかユーモアがある。
    一話目の表題作「家に棲むもの」が秀逸。嫁いだ先の旧家には見えない何かが潜む。過去の住人の話も織り込みながらじわじわ不安を煽ってくるサイコサスペンス的な進行と妙に生々しい描写が怖い王道の屋敷ホラー。オチを生かす構成と伏線も上手い。
    「お祖...続きを読む
  • 忌憶
    記憶破断者の方から読んでしまったけれど、二吉が記憶を失うまでが多少なり補完できてよかった。

    「奇憶」「器憶」「垝憶」の三つの記憶にまつわる連作短編集。

    奇妙で奇怪な別の世界にいってしまったどうしようもない男の「奇憶」がわりと好きだな。ああショゴス二号。
  • 幸せスイッチ
    怨霊がお気に入り

    Σのキャラがよい
    怨霊と交渉する会話が愉快

    理系っぽい理詰めな
    悪く言えば、講釈たれでイライラするキャラが出てくる
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ
    2015年、30冊目は小林泰三。

    今年に入って、『忌憶』『目を擦る女』と読んだが、イマイチ当たってない印象。果たして今回は……?

    短編七編収録。今回はランダムに(というか、『兆』は既読なので、最後にとおもったため)よみました。では、極々簡単に内容を……。

    「ショグゴス」共生と従属関係の話。ユー...続きを読む
  • 幸せスイッチ
    光文社ヤスミンの力の抜け方はクセになります。
    コレという話は特にないのに、ついつい読んでしまう。
    論理的な整合性と倫理的な破綻のバランスが、気持ち悪くて気持ち悪くて最高。
    でもやっぱりSFを書いて欲しい今日この頃。
    80点(100点満点)。
  • 惨劇アルバム
    いや〜面白かった!狂った家族の物語。登場人物すべてが狂ってる!最高!小林泰三作品には珍しく、カタルシスを感じられるラストだった。グロ度・ホラー度は低め。
  • 密室・殺人
    『大きな森の小さな密室』作者の本を書店で売ってるのを見つけて、内容(登場人物)に気付かず買ったんだけど、あの作品に出てる人もちらほら。
    元はホラー作家さん?なんですね。ある意味ホラー?オカルト?的話っちゃそうなんだけど、それだけじゃない。
    密室殺人ではなく 密室・殺人というタイトルが既にツボでしたが...続きを読む
  • 密室・殺人
    この満載の遊び心がたまらない。
    密室の中にいたはずの被害者の死体が密室の外にあるという謎。奇妙な探偵とその助手の存在がそもそも謎。地域に伝わるおどろおどろしい伝説。一癖も二癖もある登場人物たち。
    ホラー要素も織り込みつつ二重三重の謎をいったいどう着地させるのかと楽しみに読めた。一応の論理的解決はあっ...続きを読む
  • セピア色の凄惨
    普通の人からすると狂気としか思えないそれぞれの理屈や価値観で生きる人々の日常。
    全体通してのオチはいまいちわからないなと思ったら『密室・殺人』を先に読んでればよかったようですね。でも一つ一つの話が十分面白いので問題なし。
    『ものぐさ』『安心』が気持ち悪さと不快感が半端ないけど読む手を止められないとい...続きを読む
  • 見晴らしのいい密室
    SF、ホラー、ミステリとジャンルに富んだ短編集。テーマは論理性。世界観を覆すような論理、現実を侵食する奇妙な論理、狂人の論理。様々な論理を巧みに操る奇妙な味の短編集。
    他で既読の短編がちらほらありましたが、粒ぞろいで満足。
    緊迫した状況なのにユーモア溢れる『忘却の侵略』とホラー寄りの『目を擦る女』が...続きを読む
  • 人造救世主 アドルフ・クローン
    面白かった。続編が読みたい。これまで自分が読んだ小林氏の作品の中では低年齢層向け?という印象でした。捕まったのにカップラーメン食べてるヒロインが一番面白かった。
  • 臓物大展覧会
    夏の終り頃購入し、長く積読にしていた1冊。
    完全にタイトル買い。購入後、同作者の『玩具修理者』『人獣細工』『肉食屋敷』『アリス殺し』(順不同)と別作品を発掘 、先に読んでしまって……。
    タイトル、プロローグと本編との関わりは薄く、期待していたモノとは異なるが、色とりどりの9編を取り揃えたあたりは大展...続きを読む
  • 臓物大展覧会
    透明女はグロかった。透明女には悪気はなかったんだろうけど…。
    攫われてはなかなかの怖さだった。てっきり"僕"は犯人だと思ったけど、読み返してみると馨のようにも思えるし…どっちなんだろ。
    十番星はきいきいきい。
    造られしものはSFだけど衝撃のラストだった。本人は知らずに死ねたけど…。
    悪魔の不在証明も...続きを読む
  • 海を見る人
    最初の「時計の中のレンズ」が唐突すぎて何回読んでも世界観がイメージできなかったので、長らく放置してあった。久々に読み直し、脳内チューニングが合ってくるにつれて生き生きと読めるようになった。

    こんなによく計算されて、一般人にも理解できる程度のSF観、全部短編だけじゃもったいない!もっと詳しく説明して...続きを読む
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ
    ーーー「あなた、百舌鳥魔先生は本当に凄いのよ!」妻が始めた習い事は、前例のない芸術らしい。言葉では説明できないので、とにかく見てほしいという。…(表題作)。他に初期の名作と名高い「兆」も収録。生と死の境界をグロテスクに描き出す極彩色の7編!


    小林泰三のホラー短篇集

    読み進めていくと、いつの間に...続きを読む
  • 臓物大展覧会
    痛くて気持ち悪い、怖い、ゾクゾクする、気持ち悪い、痛い痛い痛い。でもどんでん返しにゾワッとして、それが面白くて、こんなに面白いけれど、絶対に人には薦められなくて悩ましいね。
    9つの短編集。
    描きおろし作品の「透明女」と「悪魔の不在証明」の終り方の気味悪さは異常。「攫われて」はもう目眩がするくらい怖か...続きを読む
  • 臓物大展覧会
    ホラー短編集ですが、SFありコミカルな話もありで多彩。グロテスクなものもありますが、不思議と後味は悪くない。
    初めの「透明女」が恐ろしくえげつないなと思えば、次の「ホロ」が綺麗なSFでびっくり。
    「攫われて」は痛そうで読むのが辛かった。
    後半四編「SRP」「十番星」「造られしもの」「悪魔の不在証明」...続きを読む
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ
    ■ ショグゴス (★★☆☆☆)

    ブラックジョーク強めの SF 作品。いかにも小林泰三っぽいストーリー。裏を返すと、あまり印象には残らなかった。


    ■ 首なし (★★★★☆)

    小林泰三というと現代から近未来のイメージがあるのだけど、本作のように舞台設定が近代 (明治?) なのもなかなか良いじゃな...続きを読む
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ
    なんだこれ?おおミステリーか、いやグロい、ひゃーどんでん返し!と一冊でいっぱいおいしい小林泰三らしい1冊。

    **ネタバレ**
    ・ショグゴス
    わけわかんない生命体と人類との戦い。わけわかんないのにこわいのは敵と味方が曖昧だからか。クトゥルー神話は知らないので知ってたらもっと楽しめるのかも。
    ・首なし...続きを読む