小林泰三のレビュー一覧

  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    またもや「ゾンサガ」からの本書。思ったより会話が多い印象。『生ける屍の死』でもそうだったけれど、特殊な状況設定の場合、ルールは厳密に示されて、厳密にルールを守ることが縛りになる。初期の西澤保彦作品も同様。その点、普通の推理小説だと、厳密ではなく無理筋をゴリ押しのパターンもあるのかもと逆に思ったのでした。ゾンビウイルスの感染の話から、家畜がやられて食用肉の調達が難しくなって偽装問題に発展するとか、ゾンビ臓器の活用法などは、ただのホラー小説の枠を超えて、リアル感を感じた。「津波対策と怠った発電所」という発言で現実とも結びつく。

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    2019年03月01日
  • 天体の回転について

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    未知との遭遇、世界の崩壊など、楽しくも恐ろしい8つの体験。表題作は、少年が謎の少女ガイドさんと出会い、宇宙へ旅立つ模様を描く。小林泰三の持ち味である噛み合わない会話文は、ここで真価を発揮する。「あの日」「三◯◯万」もまた然りだ。

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    2019年01月06日
  • 大きな森の小さな密室

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    小林泰三のミステリ短編集です。
    7篇収録されていて、それぞれが特定のテーマに沿って構成されています。
    犯人当て、倒叙ミステリ、安楽椅子探偵、バカミス、??ミステリ、SFミステリ、日常の謎という7つのテーマになっています。
    出てくる登場人物が、ほぼ変人なので、シリアス展開はほぼ無くコメディ展開になっています。
    巻末には登場人物紹介なんてもついてたりしますが、超限探偵Σだけ説明がめんどくさいので作品見ろになってたりとか。
    結構な箇所でニヤリとしたりクスリと来たりするところがあります。
    1本1本は短いので読むのもお手軽ですね。
    面白かったのはSFミステリですね。このまま展開して終わるのかと思ったらも

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    2018年12月31日
  • 天体の回転について

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    ハードSFの短編集。コントみたいなノリの「あの日」、ロボット三原則をネタにした「灰色の車輪」が面白かった。

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    2018年12月13日
  • 海を見る人

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    ハードSFな短編集。時間間隔が違う人同士の恋愛を描いた、書籍タイトルと同じ「海を見る人」が面白かった。

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    2018年12月12日
  • 惨劇アルバム

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    人も羨む幸福な人生を送ってきた美咲。しかし婚約者との結婚を控えたある日、アルバムを遡った美咲は「自分が幼い頃に死んだ」という記憶を取り戻す。

    七奈の章と福の章が読んでいてすごく疲れる…面白いんだけど。
    話の噛み合わなさにイライラする。

    最後の一文にちょっと笑ってしまう一冊。

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    2018年11月23日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

    記憶破断者の文庫版

    題名が変わっているのでわかりづらいですが、同作者の「記憶破断者」の文庫版です。
    面白さは保証しますが二重購入にご注意を。

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    2018年10月09日
  • 目を擦る女

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    SFというととっつきにくいという人もいそうだが、「世にも奇妙な物語」が好きな人ならハマりそう。細かい理論は置いておいて、悪夢のような世界観と構成の妙を楽しむのがよい作品。個人的には「刻印」「予め決定されている明日」が好き。

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    2018年09月25日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    ミステリ。ホラー。SF。
    死ぬとゾンビになる世界。
    ミステリとして読むと、平凡。☆2。
    ゾンビコメディとして読むと、素晴らしくぶっ飛んでいて良い。☆5。
    平均して☆3.5くらい。
    惚けた感じの会話も含め、良くも悪くも小林泰三さんらしい作品。好き。

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    2018年02月20日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    新しい世界観と、何が自然なのかわからなく成ってくるやりとりで、不思議な感覚になってきます。
    アリス殺し、おやすみ人面瘡、コンテクスト・オブ・ザ・デッドが、思い出されました。

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    2017年11月07日
  • 脳髄工場

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    犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。健全な脳内環境を整えられることが証明され、いつしかそれは一般市民にも普及していった。両親、友達、周囲が「人工脳髄」を装着していく中で自由意志にこだわり、装着を拒んできた少年に待ち受ける運命とは?人間に潜む深層を鋭く抉った表題作他、日常から宇宙までを舞台に、ホラー短編の名手が紡ぐ怪異と論理の競演。(背表紙)

    脳髄工場
    友達
    停留場まで
    同窓会
    影の国

    C市
    アルデバランから来た男
    綺麗な子
    写真
    タルトはいかが?

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    2017年10月27日
  • 大きな森の小さな密室

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    七つのミステリのお題を集めた短編集。犯人当てや倒叙、バカミスにSFミステリ、テーマが先に明示されたところに一筋縄ではいかない小林泰三ワールドが炸裂する。バカミスの『更新世の殺人』はバカすぎて笑う。あり得ない謎にとんでもない解決。そしてそこからの『正直者の逆説』の流れが素晴らしい、こちらはテーマを伏せてあり、趣向が突き抜けていてかなり好みだった。各作品とも他作品に登場する人物がいたりして、小林泰三入門編と言えるだろう。巻末の『小林泰三ワールドの名探偵たち』で気になったキャラを追うのも楽しみが広がる。

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    2017年10月15日
  • 因業探偵~新藤礼都の事件簿~

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    読んでいるうちに主人公の言動にイラっとするのが堪らない(いつもの小林泰三作品だったという意味です)。

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    2017年10月10日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    ネタバレ

    根幹を成すネタバレになるけど、これピノコの話だ。彼女の存在意識して読むと、すべての感動がネタバレになってしまうので言いたくはないけど、ピノコの話だ。

    ゾンビの存在が認知されている社会。その認知が食料として浸透している社会。食人という倫理観が崩れていく過程が淡々語られている部分に、静かな恐怖感じます。あぁ、人間ってどんなタブーでも理屈さえつければ、それがマジョリティになってしまえば、順応していくんだなあ、という怖さ。
    自分たちとは違った倫理観の社会の中でも、さらにきわどい感覚を持つゾンビイーター。ただ、そんな感覚の持ち主でも殺人犯に対しては持つ恐怖感は変わらないというのに、殺人を犯すということ

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    2017年10月13日
  • 安楽探偵

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    連作短編。論理的というか屁理屈の応酬というか、噛み合わずにイライラする会話がテンポよく進むのが楽しい。二話目はさすがに無理があるけど、三話目は上手い!

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    2017年09月19日
  • 因業探偵~新藤礼都の事件簿~

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    ブラックユーモアミステリ短編。面白かった!噛み合わない会話がテンポよく進んでいって、悪人が破滅していく。「散歩代行」のご近所さんみたいに街全体でちょっとズレてる感が気持ち悪い。礼都さんとお近づきにはなりたくないわ…。

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    2017年08月28日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    初小林泰三作品。
    グロイ!!
    でも面白い!
    パーシャルゾンビ、
    ゾンビイーター、なんじゃそりゃ!!
    ミステリーとしては、まぁ……うん。

    でもここまでゾンビで遊んでしまえる
    このくだらなさ、嫌いじゃないわ~。

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    2017年08月26日
  • 安楽探偵

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    小林泰三を読むと「くそ〜〜」という気の抜けた声が出てしまう僕だが、本作も非常にこの作者らしいミステリ。今回の見所は、ミステリファン向けの逆転の一撃(読めばわかる)、小林泰三らしい極端に論理的な屁理屈のような噛み合わない会話、悪魔の証明やオッカムの剃刀を取り入れた展開、鋭く尖ったブラックユーモア、そして安楽椅子探偵へのアンチテーゼ。とにかく会話が面白くてにやけてしまう、それでいて展開はミステリファンを獲物にした技巧的なもので、連作短編ならではの結末もなかなか収まりがいい。捻くれたミステリファンに捧げたい。

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    2017年08月01日
  • 海を見る人

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    自分はハードSF好きだと言ってきたけど、これを読んで反省した。
    ごめんなさい。
    これからはミーハーハードSF好きと言います。
    それくらいきっちりと計算されていたり、科学理論が描写の背景にある。
    何と言っても作者が「ばりばりのハードSFファンの方々には、できれば電卓を片手に読んでもらいたい」と挑発的なことを言っているのだ。
    「がっつり計算してますよ、お前らもやってみろ。ハードSF好きなら当然できるよな!」ということだ。
    そしてこれを受けて解説で向井さんが「天獄と地国」の計算をしている。
    これはもう計算なんか全然できない自分は到底ハードSF好きなんて口幅ったくて言えやしない。
    とは言え、作者が言う

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    2017年03月26日
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ

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    ホラー。短編集。
    ホラーというのは共通だが、SF、オカルト、妖怪、ミステリ、サスペンスなど、多様なジャンルの要素があり、飽きない。
    「ショグゴス」のSF要素が非常に好き。

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    2023年03月25日