小林泰三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これは読む人によってラストの解釈が違ってしまう話という認識で良いのだろうか。
前向性健忘症で、数十分しか記憶がもたないという二吉。
備忘録をノートにメモしているのですが、ある日、記憶を改竄できる超能力を持った殺人鬼、雲英光男(きらみつお)に出会います。
この殺人鬼の能力と、二吉の健忘症との相性が悪く、殺人鬼にとって二吉は邪魔な存在になります。
なくなる記憶と、重要な殺人鬼に纏わるメモ、記憶を改竄しまくる殺人鬼との戦いには目が離せなくなります。
記憶に関するお話しは「失われた過去と未来の犯罪」と似たような印象がありましたが、数十分しか記憶が持たない点以外は全く趣旨が違うものでした。
小 -
Posted by ブクログ
ネタバレ他の本と併読しようという腹づもりで読んでいたのだが、どの篇も多彩な表現やロジックで魅了してくるためそれどころではなかった。
まず、すぐに世界観を把握させるのが上手いと思う。ああ、そういうことねとその篇の世界のルールを頭から諒解させられるので、物語がすっと頭に入ってくる。
実際に話す時もそうだが物語においても掴みは肝心なのだ。
しかもその時点で重要な伏線を張っていることがあるので以前読んだ『玩具修理者』同様油断ならない。
個人的に大好きなのは「未公開実験」、
それから「忘却の侵略」「囚人の両刀論法」、「目を擦る女」
おや大体好きだな。
「未公開実験」は当人たちが真面目なのにも関わらずやりと -
Posted by ブクログ
小林泰三さんの小説はアクが強い、というのが自分の中のイメージ。独自のユーモアやブラックジョーク、ナンセンス、詳細なロジック、特異なキャラクターに文体、そしてグロ描写と、合わない作品はどうにも合わないのですが、ハマるときはハマる、そんな不思議な作家さん。
この『海を見る人』に関して言うと、文章や独自のユーモアやといった小林さんのアクの部分は大分抑えめな印象。一方で精緻なSFの論理と世界観のこだわりであったり、通常の概念を揺さぶるような物語のテーマは健在。「綺麗な小林泰三さん」というべき短編集かも。(他の作品のイメージが、どんなんなんや……と思われそうだけど)
収録作品は全6編。そしてそれぞれ -
Posted by ブクログ
これは発想がおもしろいなぁ。
本書は2部構成。突如として記憶が短時間で消えてしまう「大忘却」が発生した世界を舞台に、第1部では大忘却発生から事態の把握とトラブルの回避に努める人々を描きます。一方、第2部では時を進め、人々が記憶を外部記憶装置に頼ることになった時代、そして大忘却後に生まれた人々が繰り広げるドラマを通じ、人間の本質や世界の姿を考察するところまで至ります。
第1部はドタバタ劇と泰三流ロジカルを楽しめましたが、第2部の最初のドラマを読んで、ああ1部は序章に過ぎなかったのだな、とてもおもしろいテーマを扱ったな、と痛感しました。最初のドラマとはちょっとした事故で他人の外部記憶装置を間違って -
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Posted by ブクログ
小林泰三のミステリ短編集です。
7篇収録されていて、それぞれが特定のテーマに沿って構成されています。
犯人当て、倒叙ミステリ、安楽椅子探偵、バカミス、??ミステリ、SFミステリ、日常の謎という7つのテーマになっています。
出てくる登場人物が、ほぼ変人なので、シリアス展開はほぼ無くコメディ展開になっています。
巻末には登場人物紹介なんてもついてたりしますが、超限探偵Σだけ説明がめんどくさいので作品見ろになってたりとか。
結構な箇所でニヤリとしたりクスリと来たりするところがあります。
1本1本は短いので読むのもお手軽ですね。
面白かったのはSFミステリですね。このまま展開して終わるのかと思ったらも