小林泰三のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小林泰三のミステリ短編集です。
7篇収録されていて、それぞれが特定のテーマに沿って構成されています。
犯人当て、倒叙ミステリ、安楽椅子探偵、バカミス、??ミステリ、SFミステリ、日常の謎という7つのテーマになっています。
出てくる登場人物が、ほぼ変人なので、シリアス展開はほぼ無くコメディ展開になっています。
巻末には登場人物紹介なんてもついてたりしますが、超限探偵Σだけ説明がめんどくさいので作品見ろになってたりとか。
結構な箇所でニヤリとしたりクスリと来たりするところがあります。
1本1本は短いので読むのもお手軽ですね。
面白かったのはSFミステリですね。このまま展開して終わるのかと思ったらも -
Posted by ブクログ
ネタバレ根幹を成すネタバレになるけど、これピノコの話だ。彼女の存在意識して読むと、すべての感動がネタバレになってしまうので言いたくはないけど、ピノコの話だ。
ゾンビの存在が認知されている社会。その認知が食料として浸透している社会。食人という倫理観が崩れていく過程が淡々語られている部分に、静かな恐怖感じます。あぁ、人間ってどんなタブーでも理屈さえつければ、それがマジョリティになってしまえば、順応していくんだなあ、という怖さ。
自分たちとは違った倫理観の社会の中でも、さらにきわどい感覚を持つゾンビイーター。ただ、そんな感覚の持ち主でも殺人犯に対しては持つ恐怖感は変わらないというのに、殺人を犯すということ -
Posted by ブクログ
自分はハードSF好きだと言ってきたけど、これを読んで反省した。
ごめんなさい。
これからはミーハーハードSF好きと言います。
それくらいきっちりと計算されていたり、科学理論が描写の背景にある。
何と言っても作者が「ばりばりのハードSFファンの方々には、できれば電卓を片手に読んでもらいたい」と挑発的なことを言っているのだ。
「がっつり計算してますよ、お前らもやってみろ。ハードSF好きなら当然できるよな!」ということだ。
そしてこれを受けて解説で向井さんが「天獄と地国」の計算をしている。
これはもう計算なんか全然できない自分は到底ハードSF好きなんて口幅ったくて言えやしない。
とは言え、作者が言う