小林泰三のレビュー一覧
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ホラー短編集ですが、SFありコミカルな話もありで多彩。グロテスクなものもありますが、不思議と後味は悪くない。
初めの「透明女」が恐ろしくえげつないなと思えば、次の「ホロ」が綺麗なSFでびっくり。
「攫われて」は痛そうで読むのが辛かった。
後半四編「SRP」「十番星」「造られしもの」「悪魔の不在証明」はどれもお気に入り。
「SRP」
妖怪SF。稲生物怪録に科学特捜隊というすごい組み合わせ。楽しい。
「十番星」
ベタベタなホラーSF。少年向け古典SFホラーっぽさがよく出てて懐かしい気分になる。
「造られしもの」
ロボットSF。これも古典的ロボットSFの名作を意識している感がありますね。哀愁漂う。 -
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ネタバレ■ ショグゴス (★★☆☆☆)
ブラックジョーク強めの SF 作品。いかにも小林泰三っぽいストーリー。裏を返すと、あまり印象には残らなかった。
■ 首なし (★★★★☆)
小林泰三というと現代から近未来のイメージがあるのだけど、本作のように舞台設定が近代 (明治?) なのもなかなか良いじゃないですか。
オチは分かりやすいものの、首なしのイメージが強烈で楽しめた。
■ 兆 (★★★★★)
「ゆがんだ闇」で何度も読んでいる本作。個人的に「本」と並ぶ小林泰三の最高傑作の一つで、やはり抜群に面白いです、はい。
ちなみになえ子が兆と対峙した本当の日は 8/4 ということで良いのですかね -
Posted by ブクログ
ネタバレなんだこれ?おおミステリーか、いやグロい、ひゃーどんでん返し!と一冊でいっぱいおいしい小林泰三らしい1冊。
**ネタバレ**
・ショグゴス
わけわかんない生命体と人類との戦い。わけわかんないのにこわいのは敵と味方が曖昧だからか。クトゥルー神話は知らないので知ってたらもっと楽しめるのかも。
・首なし
だって好きになってしまったのだから仕方ないのです。あのひとじゃなきゃ嫌。だから私を守ってくれたこのひとはあのひとに違いない。狂気に満ち溢れていて悲しいのに美しい。何をそこまで好きになってしまったんだろう。
・兆
SFチックで好きじゃなかったけど壊れていく感じ、表と裏の使い分けは好き。
・朱雀の池
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短編七つを収めた一冊なのでそれぞれの感想を述べようと思いましたが、いかんせん文章力がないのでタイトルの作品のみの感想だけ記述します。
泰三節の出てる短編作品の中ではベスト3に入る好きな話。
テーマが『融合』ということと、小林泰三さんという事でファンの方々なら直感的にどういう流れになるのかはワクワクという気持ちと共にわかると思います。未読の方はドキドキしながら世界に浸ってください。
さて融合。セックスや心の繋がりという面以外での(むしろそれを含む)融けて一つに合わさる行為、ある種、究極とも言える。
世間一般でいう普通という単語を使うなら、それは子を産む事に同意する。ただ、この作中では子はいない -
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おいおい、旧作の『目を擦る女』を3篇入れ替えて出版しました、ってひどくね?
ファンだから買っちゃうけどさ。
んでまた既読のものも再読したわけだが、新作が読めて嬉しい反面、前のほうが良かった気もするなー。
密室なんて言ってるけど、ほとんどSFだかんね。
「探偵助手」はQRコードを読み取って始めて真相がわかる作品。同じようなのを袋綴じ小説として泡坂妻夫がやってたね。
「忘却の侵略」はシュレディンガーネタですごいの作っておられます。矛盾を回避するために何やらうまいことやってて面白い。
「囚人の両刀論法」はまぁまぁでした。ダークな方向に進むのは面白いけど、いまいちキレがなかったかなぁ。
な -
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第43回星雲賞受賞(日本長編部門)。
タイトル、ぼーっと見ていると書き間違えるのでご注意。堅い本かと思っていたけれどとんでもない。
明らかに「異世界」を感じさせる世界設定で、物語のつかみはOK。導入で、少し説明的なセリフも多かったりするけど、最初のうちだけなのでまあ許容範囲か。
一旦物語が動き出すと、序盤から、何となく、ちょっと前のロボットアニメを思わせるようなハイペース/ハイテンション(燃える?)で進んでいく。こういった、次々とイベントが起こり飽きさせない展開や、ほぼ全編会話で進む文体(ライトノベル的?)。攻略法を見つける、ゲーム的な展開。イマドキの読者が触れている、小説だけでない、マンガ、