小林泰三のレビュー一覧

  • 百舌鳥魔先生のアトリエ

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    ーーー「あなた、百舌鳥魔先生は本当に凄いのよ!」妻が始めた習い事は、前例のない芸術らしい。言葉では説明できないので、とにかく見てほしいという。…(表題作)。他に初期の名作と名高い「兆」も収録。生と死の境界をグロテスクに描き出す極彩色の7編!


    小林泰三のホラー短篇集

    読み進めていくと、いつの間にか今までの理屈が通じない"関節の外れた世界"に迷い込んでしまうこの感覚はやはり秀逸。

    収録されている七篇の中では『兆』と『密やかな趣味』が良かった。
    どちらも寒気が背筋を走る瞬間があって素晴らしい。




    もう血の色は消えかけていた。

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    2014年09月17日
  • 臓物大展覧会

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    痛くて気持ち悪い、怖い、ゾクゾクする、気持ち悪い、痛い痛い痛い。でもどんでん返しにゾワッとして、それが面白くて、こんなに面白いけれど、絶対に人には薦められなくて悩ましいね。
    9つの短編集。
    描きおろし作品の「透明女」と「悪魔の不在証明」の終り方の気味悪さは異常。「攫われて」はもう目眩がするくらい怖かった。

    「エヌ氏」が出てきたり、やたらと深呼吸を勧める変な刑事が出てきたり、SF戦隊物が急に始まったりと、変に緩急のある小説だった。

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    2014年09月09日
  • 臓物大展覧会

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    ホラー短編集ですが、SFありコミカルな話もありで多彩。グロテスクなものもありますが、不思議と後味は悪くない。
    初めの「透明女」が恐ろしくえげつないなと思えば、次の「ホロ」が綺麗なSFでびっくり。
    「攫われて」は痛そうで読むのが辛かった。
    後半四編「SRP」「十番星」「造られしもの」「悪魔の不在証明」はどれもお気に入り。

    「SRP」
    妖怪SF。稲生物怪録に科学特捜隊というすごい組み合わせ。楽しい。
    「十番星」
    ベタベタなホラーSF。少年向け古典SFホラーっぽさがよく出てて懐かしい気分になる。
    「造られしもの」
    ロボットSF。これも古典的ロボットSFの名作を意識している感がありますね。哀愁漂う。

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    2014年08月27日
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ

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    ネタバレ

    ■ ショグゴス (★★☆☆☆)

    ブラックジョーク強めの SF 作品。いかにも小林泰三っぽいストーリー。裏を返すと、あまり印象には残らなかった。


    ■ 首なし (★★★★☆)

    小林泰三というと現代から近未来のイメージがあるのだけど、本作のように舞台設定が近代 (明治?) なのもなかなか良いじゃないですか。

    オチは分かりやすいものの、首なしのイメージが強烈で楽しめた。


    ■ 兆 (★★★★★)

    「ゆがんだ闇」で何度も読んでいる本作。個人的に「本」と並ぶ小林泰三の最高傑作の一つで、やはり抜群に面白いです、はい。

    ちなみになえ子が兆と対峙した本当の日は 8/4 ということで良いのですかね

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    2014年08月14日
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ

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    ネタバレ

    なんだこれ?おおミステリーか、いやグロい、ひゃーどんでん返し!と一冊でいっぱいおいしい小林泰三らしい1冊。

    **ネタバレ**
    ・ショグゴス
    わけわかんない生命体と人類との戦い。わけわかんないのにこわいのは敵と味方が曖昧だからか。クトゥルー神話は知らないので知ってたらもっと楽しめるのかも。
    ・首なし
    だって好きになってしまったのだから仕方ないのです。あのひとじゃなきゃ嫌。だから私を守ってくれたこのひとはあのひとに違いない。狂気に満ち溢れていて悲しいのに美しい。何をそこまで好きになってしまったんだろう。
    ・兆
    SFチックで好きじゃなかったけど壊れていく感じ、表と裏の使い分けは好き。
    ・朱雀の池

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    2014年08月07日
  • 海を見る人

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    数学的に図形を使って誰か解説してくれ

    こんなにネットが発達した時代になぜそんなサイトが、うごのたけのこのように存在しないのか

    そんな日は永遠にやって来ないのか

    SNSの発達のせいで良質な評論サイトが減っている

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    2014年06月18日
  • 天体の回転について

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    数学的に図形を使って誰か解説してくれ

    こんなにネットが発達した時代になぜそんなサイトが、うごのたけのこのように存在しないのか

    そんな日は永遠にやって来ないのか

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    2014年06月18日
  • セピア色の凄惨

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    静的恐怕→怪秘→丑怪。。未确定的,连作恐怖。・。・那么,完结。「放心」「英雄」真的恐怕。作者是真的搞「金鱼」「猫」「狗」的实验的吗?

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    2014年05月16日
  • 密室・殺人

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    タイトル通り密室がテーマである本格ミステリなんですが、クトゥルフ神話の要素なんかも入ってくるので、単純にミステリとして読むと戸惑うかもしれないです。
    なかなか核心に迫っていかない感じがあって、中盤までは読み進めるのがちょっとつらく感じました。謎の組み立てと解決はなかなか面白いですが、とらえどころが難しい作品でもありました。

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    2014年05月11日
  • 惨劇アルバム

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    ネタバレ

    物語に登場する人物の個性が強すぎると言うかなんというか。
    おじいちゃんの話はグロかったですけど、自分の正義を貫いているのが良かった。
    七奈の完璧主義、迩の担任の先生の考え方はなんか気持ち悪くておぞましい感じがまたたまらない。
    美咲が七奈(母)に洗脳されていると思ったら、妄想と言うか二重人格?だった事には驚きで最後までおもしろく読めました。

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    2014年02月26日
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ

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    かなりグロい。
    特に密かな趣味なんて、想像をしながら読むと、かなりヤバイ。
    でも、グロい方が楽しめるからいいか。
    初読みの作家さん。
    アリス殺しなんかも読んでみたいわ。

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    2014年02月07日
  • 密室・殺人

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    事件は、被害者が入った部屋が密室となり、部屋の外では被害者が死んでいます。どういう意味があるのか分からない密室と、どの様な手段を用いられて死んだのか分からない被害者。表題通り「密室・殺人」とでも形容すべきもので、かなり魅力的な謎でした。トリックはまずまずでしたが、あまり必然性を感じないところにやや不満を感じました。
    最後に明かされる真相はかなり衝撃的でした。好みは分かれるかもしれませんが、作者の周到な企みは評価に値すると思います。

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    2014年03月08日
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ

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    短編七つを収めた一冊なのでそれぞれの感想を述べようと思いましたが、いかんせん文章力がないのでタイトルの作品のみの感想だけ記述します。

    泰三節の出てる短編作品の中ではベスト3に入る好きな話。
    テーマが『融合』ということと、小林泰三さんという事でファンの方々なら直感的にどういう流れになるのかはワクワクという気持ちと共にわかると思います。未読の方はドキドキしながら世界に浸ってください。
    さて融合。セックスや心の繋がりという面以外での(むしろそれを含む)融けて一つに合わさる行為、ある種、究極とも言える。
    世間一般でいう普通という単語を使うなら、それは子を産む事に同意する。ただ、この作中では子はいない

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    2014年01月28日
  • 見晴らしのいい密室

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    ロジックこねくりまわしにこねくりまわす、SF+ミステリーな短編集。

    読むのに、理解するのに、カロリー消費します。短編地宇野が、敷居を下げてくれてます。

    しんどいけれど、おもしろいんだよね。
    「未公開実験」「囚人の両刀理論」がそういう点では、しんどくもありおもしろくもあります。
    「目を擦る女」「予め決められた明日」は、サイコさんの印象が強くて怖いですね。ホラー。

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    2013年08月25日
  • 見晴らしのいい密室

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    おいおい、旧作の『目を擦る女』を3篇入れ替えて出版しました、ってひどくね?
    ファンだから買っちゃうけどさ。

    んでまた既読のものも再読したわけだが、新作が読めて嬉しい反面、前のほうが良かった気もするなー。

    密室なんて言ってるけど、ほとんどSFだかんね。

    「探偵助手」はQRコードを読み取って始めて真相がわかる作品。同じようなのを袋綴じ小説として泡坂妻夫がやってたね。

    「忘却の侵略」はシュレディンガーネタですごいの作っておられます。矛盾を回避するために何やらうまいことやってて面白い。

    「囚人の両刀論法」はまぁまぁでした。ダークな方向に進むのは面白いけど、いまいちキレがなかったかなぁ。

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    2013年06月04日
  • 天獄と地国

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    第43回星雲賞受賞(日本長編部門)。
    タイトル、ぼーっと見ていると書き間違えるのでご注意。堅い本かと思っていたけれどとんでもない。
    明らかに「異世界」を感じさせる世界設定で、物語のつかみはOK。導入で、少し説明的なセリフも多かったりするけど、最初のうちだけなのでまあ許容範囲か。
    一旦物語が動き出すと、序盤から、何となく、ちょっと前のロボットアニメを思わせるようなハイペース/ハイテンション(燃える?)で進んでいく。こういった、次々とイベントが起こり飽きさせない展開や、ほぼ全編会話で進む文体(ライトノベル的?)。攻略法を見つける、ゲーム的な展開。イマドキの読者が触れている、小説だけでない、マンガ、

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    2013年06月02日
  • 天獄と地国

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    「以前の短編の設定を…」の短編が思い出せなかったのが、読み始めてすぐに思い出しました。リングワールドの外側で生存するとしたら…、興味深い設定です。本編の記述からは、リングワールドとダイソン球の中間をイメージしました。戦闘場面等での力学法則を意識した描写が非常に見事です。最終場面から後は、本編と違う設定もしくは追加の設定を利かせた物語になることが予想されるので、続編があるにしても一旦ここで終了するのは納得がいく展開です。既出の短編の設定を活かしたこの手の長編化をもっと期待しています。

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    2013年05月07日
  • 見晴らしのいい密室

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    ネタバレ

    ”探偵助手”の行間にQRコードが仕込んであって、読まなくても支障ないんだけれど、貧乏性なのでスキャンせずにはいられなかった。速く読めなくて面倒くさーーいと思っていたら・・・。


    QRコード部分は読まなくても支障ないんだけれど、オチがQRコードの中にあってひっくり返りました。
    えええええっ!?なんじゃこりゃーっ!


    QRコード部分読まないと、別の小説になっちゃうと思います。
    支障ないけれど、二通りの読み方ができます。やられた!

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    2013年04月29日
  • 脳髄工場

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    ホラーよりのSF短編集。
    グロとロジック!

    「綺麗な子」のラストがいい。きれいはきたない。きたないはきれい。
    「同窓会」なんかは世にも奇妙にありそうな感じ。好き。

    全体的にわかりやすくて、この前読んだのより真面目にホラーでした。

    表紙カバーとタイトルのインパクトが非常によい。

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    2013年04月25日
  • 見晴らしのいい密室

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    初読、小林泰三。
    ホラーSFの名手!

    最初の二篇はミステリ仕立てで、ちょっと微妙。
    ミステリとして出さずにSFとして出した方がよい。

    「忘却の侵略」「未公開実験」「囚人の両刀論法」、これがめちゃくちゃ面白かった。

    相対性理論、タイムパラドクス、仮想現実、囚人のジレンマ。
    科学と理論とSFとホラー。
    道満晴明あたりにコミカライズしてもらいたい感じである。

    ターイムマスィーーン。ポーズ。

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    2013年04月11日