小林泰三のレビュー一覧

  • 幸せスイッチ

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    ネタバレ

    『怨霊』
    探偵Σが登場。懐かしい。解決策がバカバカしすぎるけど、バターになるの好きだな。
    『勝ち組人生』
    貧乏描写が鬼気迫っていて、辛い。ループ。
    『どっちが大事』
    なんとなく、奥さんの春子の冷たさに新藤みを感じた。
    『診断』
    頑なに自分以外の考えを受け入れない母親の姿に逆に好感のようなものを抱いた。強い。
    『幸せスイッチ』
    常々考えていたことを小説として出されて満足。いやほんと脳を騙して生きていきたい。それって生きるってことなのかっていう定義付けの話は脇に置いて。ほんとに。この世は地獄すぎる。
    『哲学的ゾンビもしくはある青年の話』
    書き下ろし短編としてのまとめのような、そんな面もありつつ、主

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    2020年09月26日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    ネタバレ

    好きな作者の方のミステリーで今回もハラハラしながら一気みできた。
    途中の古田さんが出てきたあたりからの殺人鬼との攻防や、ノートだけでうまく生活していく様子なんかも楽しく読めた。
    ただラストはよくわからなかった。この作者さんの小説でしょっちゅうラストで??ってなるからそういう人だと割り切るべき??私の技能不足で読み取れてないだけかもだけど読み終わって疑問に思ったところをメモしておくので読み解けた方がいたら教えてくれると嬉しい。

    北川先生はどうなったの?
    キラは??
    徳さんは何者だったの??
    「夏生」は誰なの?
    最後の女は夏生なの??
    なんで二吉の部屋にいたの?

    徳さんと夏生と最後の女について

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    2020年09月26日
  • 大きな森の小さな密室

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    色々なタイプの事件の短編ミステリー集です。

    ・大きな森の小さな密室(犯人当て)
    ・氷橋(倒叙ミステリ)
    ・自らの伝言(安楽椅子探偵)
    ・更新世の殺人(バカミス)
    ・正直者の逆説(??ミステリ)
    ・遺体の代弁者(SFミステリ)
    ・路上に放置されたパン屑の研究(日常の謎)

    「殺人鬼にまつわる備忘録」の謎をすっきりさせたくて読みましたが、直接関係はなさそうです。

    「備忘録」にも出てきた岡崎徳三郎(徳さん)が「路上に放置されたパン屑の研究」にも登場します。田村二吉との普段からのやり取りがそのまま伺えます。
    この短編を読んでから「備忘録」を読んだ方が、ほんの少しですが、ひっかかりがなくて良いかもし

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    2020年08月20日
  • 神獣の都―京都四神異譚録―(新潮文庫nex)

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    やすみんのシン・ゴジラのようなウルトラマンのような特撮モノのような。最終バトルは好き放題に京都を壊していて面白かった。

    会話のテンポがリズムよくてめちゃくちゃ気持ち良いし笑えるしで最高。会話を重ねることで本質を探ろうとしてていいし、そこまで突き詰めずにそうかもね程度に濁らせているのが、落ち着く感じ。

    5行説の属性相性関係については最後まで結局覚えきれなかったので、そこだけ図は欲しかったなあと思った。棟梁毎の能力バトルや能力者vs非能力者のバトルも良かった。

    京都についてある程度地図の把握をしていたので、地名が出る度にあそこか~となって楽しい。でもやっぱこれも地図欲しいな。
    あと表紙イラス

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    2020年08月16日
  • 杜子春の失敗~名作万華鏡 芥川龍之介篇~

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    最後の「白の恐怖」の万華鏡のくだりがよく分かりませんでした(涙)?
    マルコビッチの穴みたいな感じ?
    新藤礼都が突然出て来てビックリ!!
    何故に礼都さんが・・

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    2020年08月12日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    これは読む人によってラストの解釈が違ってしまう話という認識で良いのだろうか。

    前向性健忘症で、数十分しか記憶がもたないという二吉。
    備忘録をノートにメモしているのですが、ある日、記憶を改竄できる超能力を持った殺人鬼、雲英光男(きらみつお)に出会います。

    この殺人鬼の能力と、二吉の健忘症との相性が悪く、殺人鬼にとって二吉は邪魔な存在になります。

    なくなる記憶と、重要な殺人鬼に纏わるメモ、記憶を改竄しまくる殺人鬼との戦いには目が離せなくなります。

    記憶に関するお話しは「失われた過去と未来の犯罪」と似たような印象がありましたが、数十分しか記憶が持たない点以外は全く趣旨が違うものでした。

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    2020年08月10日
  • 杜子春の失敗~名作万華鏡 芥川龍之介篇~

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    上手い、座布団一枚! という作品が多くて、読み終えてスッキリという感じです。
    芥川龍之介が本科取りなら、こちらはそのオマージュかな。

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    2020年06月26日
  • 見晴らしのいい密室

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    ネタバレ

    他の本と併読しようという腹づもりで読んでいたのだが、どの篇も多彩な表現やロジックで魅了してくるためそれどころではなかった。

    まず、すぐに世界観を把握させるのが上手いと思う。ああ、そういうことねとその篇の世界のルールを頭から諒解させられるので、物語がすっと頭に入ってくる。
    実際に話す時もそうだが物語においても掴みは肝心なのだ。
    しかもその時点で重要な伏線を張っていることがあるので以前読んだ『玩具修理者』同様油断ならない。

    個人的に大好きなのは「未公開実験」、
    それから「忘却の侵略」「囚人の両刀論法」、「目を擦る女」
    おや大体好きだな。

    「未公開実験」は当人たちが真面目なのにも関わらずやりと

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    2020年06月23日
  • 天体の回転について

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    SF。ホラー。短編集。
    「時空争奪」は既読。
    作者らしさ溢れる一冊。定期的に挟まれるグロ描写が印象的。
    「性交体験者」が特に好き。異様な世界観でのミステリという、自分好みのジャンル。白井智之さんっぽさを感じた。
    表題作、「灰色の車輪」、「三〇〇万」も良い。

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    2020年06月08日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    ネタバレ

    普通は大人になる前に怒りの感情を抑えないと自分が損することを学習して覚えるが
    稀に学習できない人間がいて、そのような人物は社会不適合者とされる
    この文章にとても感銘をうけた。

    ラストは気味悪く、他の作品を読んでいないのでちんぷんかんぷんだったが、序盤からずっと面白く
    ページを捲る手が止まらなかった。
    記憶を書き換えられるのはとても怖い
    されていないと断言できないのも怖い

    最終的に北川先生はどうなったんだろう…

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    2020年06月08日
  • 海を見る人

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    小林泰三さんの小説はアクが強い、というのが自分の中のイメージ。独自のユーモアやブラックジョーク、ナンセンス、詳細なロジック、特異なキャラクターに文体、そしてグロ描写と、合わない作品はどうにも合わないのですが、ハマるときはハマる、そんな不思議な作家さん。

    この『海を見る人』に関して言うと、文章や独自のユーモアやといった小林さんのアクの部分は大分抑えめな印象。一方で精緻なSFの論理と世界観のこだわりであったり、通常の概念を揺さぶるような物語のテーマは健在。「綺麗な小林泰三さん」というべき短編集かも。(他の作品のイメージが、どんなんなんや……と思われそうだけど)

    収録作品は全6編。そしてそれぞれ

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    2020年05月10日
  • 失われた過去と未来の犯罪

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    実際に外部記憶装置に記憶を記録出来る時代がやってきたら本当にこの本に書かれてる出来事が起こりそう…

    ってかよくこんな話思いつくな…と深く感心した

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    2020年04月03日
  • 失われた過去と未来の犯罪

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    これは発想がおもしろいなぁ。
    本書は2部構成。突如として記憶が短時間で消えてしまう「大忘却」が発生した世界を舞台に、第1部では大忘却発生から事態の把握とトラブルの回避に努める人々を描きます。一方、第2部では時を進め、人々が記憶を外部記憶装置に頼ることになった時代、そして大忘却後に生まれた人々が繰り広げるドラマを通じ、人間の本質や世界の姿を考察するところまで至ります。
    第1部はドタバタ劇と泰三流ロジカルを楽しめましたが、第2部の最初のドラマを読んで、ああ1部は序章に過ぎなかったのだな、とてもおもしろいテーマを扱ったな、と痛感しました。最初のドラマとはちょっとした事故で他人の外部記憶装置を間違って

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    2020年03月09日
  • 失われた過去と未来の犯罪

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    はじめは「殺人鬼にまつわる備忘録」でうんざりするほど読まされたやり取りをまた…?と思ったけど、こういう方向に持っていくのか!
    知の共有が究極的には個人へ回帰されるという流れは結構好きです。

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    2020年01月02日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    まずタイトルがインパクト大。内容は設定がかなりアクロバティックですが、勢いにのり一気に読めました。密室の謎、とかよりこの設定自体に重きをおいているように感じました。好き嫌いはあるかもしれませんが、私は面白かったです。でも、グロい表現もあるので、その手のものが苦手な人にはツラいかも。

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    2019年11月27日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    「自分の記憶は数十分しかもたない」
    衝撃の警告文から始まる本作は、新しい記憶を長期記憶に移行できない前向性健忘症の主人公の物語だ。そして彼は今、記憶を改竄する超能力を持つ殺人鬼と戦っている。
    ……とこの時点で抜群に面白い設定だが、最強の殺人鬼とその能力に最も相性が悪い健忘症の主人公という組み合わせが複雑でスリリングな展開を創り出していく。目の前の男が殺人鬼かどうかも忘れてしまうのだから。
    そしてこの物語にも「記憶」と「意識」というテーマがある。記憶の代わりに記録を残すなら、記録こそが意志なのかもしれない。
    これについてはこの小説に先んじた『垝憶』でもそうだし、比較的最近の『失われた過去と未来の

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    2019年11月09日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    *『記憶破断者』改題*

    小林泰三作品を読むのは3作目。
    他人の記憶を改ざんできる力をもつ殺人鬼という有り得ない設定ながら、数十分しか記憶がもたない男vs記憶を操作できる男という構図が面白い。

    過去の自分が書いたノートだけを頼りに、人智を超えた能力をもつ殺人鬼をジワジワと追い詰めていく様子に引き込まれて一気読みした。
    犯人との頭脳戦が主で、サスペンスドラマを見ているような気持ちで読んでいたら、ラスト一行で突然のホラー感。思わずページを戻って確認してしまった。

    結局徳さんは何者なのかモヤモヤ。
    あと、数十分ごとに記憶がリセットされるため、同じようなやり取りが繰り返されるのは仕方ないとはいえ、

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    2019年10月25日
  • 失われた過去と未来の犯罪

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    ある日突然、記憶力がなくなり長期記憶が出来なくなった人類の話。
    そして、未来のイタコのお話になる。
    想像すると怖い設定の世界だけど、実際その当事者になると全く怖くないと言う不思議な世界。

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    2019年09月22日
  • 因業探偵~新藤礼都の事件簿~

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    むふふ。久しぶりに読んだ小林泰三。
    なんだこれは面白いではないか。
    どんでん返し的なミステリーも多々あって楽しめました。

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    2019年06月16日
  • SF JACK

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    計11作収監。どれもコンパクトながら、難しくて・・・。だけど、どの作品にも流れているのは、”人はどう在るべきか”という問いなのだと思う。難しかったが、面白かった。

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    2019年05月07日