小林泰三のレビュー一覧

  • 逡巡の二十秒と悔恨の二十年
    2022年、1冊目は、小林泰三の短編集。

    今回は、一言コメントを添えて。

    玩具:タイトルからしてデビュー作を彷彿させる。そして、やはり。

    逡巡の二十秒と悔恨の二十年:自分とヤスミンとの出会いのきっかけになった一編。

    侵略の時:SF的一編。

    イチゴンさん:大人のダーク・ファンタジー。大好物で...続きを読む
  • 再生 角川ホラー文庫ベストセレクション
    表題「再生」は伊藤潤二の「富江」のような不気味さがあり、
    それを受け入れてしまう語り手もまた気持ち悪すぎる。

    「鳥の巣」の結末にもひんやりとさせられた。

    「依って件の如し」
    「ぼっけぇきょうてぇ」でも読んだけど
    今読み返しても岩井志麻子の作品はこの作品集のなかでも圧倒的だと思う。

    明治時代(?...続きを読む
  • 人外サーカス
    小林さんの特徴でもある、予想もしてなかった角度からのどんでん返しが満載。圧倒的な力の差からの絶望で、走り読みが止まりません。表現はグログロで想像もできない域だけど、夜読んだらさすがに怖い。登場人物の心理描写がいまいち冷静なのがシュールだけど、メインはグロ表現と伏線の少ないどんでん返し展開だから問題な...続きを読む
  • 逡巡の二十秒と悔恨の二十年
    比較的最近の、ここ数年の単行本未収録作品を集めた短編集。

    表題作は素晴らしく、過去作と若干の繋がりを見せる作品も幾つかある。
    お気に入りは侵略の時、草食の楽園、食用人、サロゲートマザー

    価値観が違えば立場も変わるというのが少し変わった世界で上手く描かれているのは流石。
  • ドロシイ殺し
    アリス殺し、クララ殺しと続いてメルヘン殺しシリーズ第三弾!
    作中にも書いてありましたが、このドロシイ殺しの舞台となるオズの国は雰囲気がアリス殺しと似ています。相まってストーリー展開もアリス殺しに少し似ていたように思いました。クララ殺しでミステリーとしての難易度がおもいっきり上がって、正直置いていかれ...続きを読む
  • クララ殺し
    タイトルからアルプスの少女ハイジが題材かと思うと意外な展開。トカゲのビルの、惚けているけど禅問答のようになる会話が面白いです。
  • ドロシイ殺し
    アリス殺しからクララ殺し、ドロシイ殺しと進むにつれ難しくなっている。1番謎なのは、クララもドロシイも最後にアリス殺しの場面の一部が描写されていること。さらに続きのシリーズがでるにつれこの謎がどの様に解明されていくかが気になる。
  • クララ殺し
    アリス殺しよりも複雑な内容だった。
    犯人は判明したけど結局完全な解決には至ってない…?
    終わり方も意味深だったし、続きが気になる。
  • 殺人鬼にまつわる備忘録
    記憶できない男と記憶を改竄できる男(殺人鬼)の対立劇。相変わらずの微グロシーンと、いい意味で気持ち悪いセリフのやりとりが小林泰三さんらしさ。
    自分の頭の中にある記憶と、ノートに書かれている記録とどちらが「真実」なのかも考えさせられる。雲英の能力もいいように使えば、すごく役に立つ能力なんだろうけど。
  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション
    前回のベストセレクション「再生」よりもこっちのほうがずっと好み。
    であるが故に、過去に読んだ話が半分くらい…
    平山夢明氏と小林泰三氏が一冊に入ってるアンソロジーだから買って後悔はない。

    背表紙の著者名が小林泰三氏になってて、新しく本棚に氏の本が並んだのも嬉しい。
  • クララ殺し
    前回はあっけなく退場してしまった井森くん、今回とても活躍して、とても心強かったです。
    ビルも頑張っていて応援したくなる回でした。

    謎解きの難易度がとても上がりましたね。
    期間をあけて少しづつ読んでいたのでついていけないところが少々ありましたが、全て謎が解けて整理してみるとはぁ〜なるほどねぇと感服さ...続きを読む
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。
    なかなか複雑な内容で、面白かったけど理解するまで何度かページを読み返した。あとがきで、特殊設定ミステリ作家と我孫子先生が言われていたが、本当にその通りだと感心した。ゾンビまでは昔からからよくある体だが、プラスαが凄い。パーシャルゾンビなんて、誰が思いつくだろう。部分的に死んでいるだけだから、生きてい...続きを読む
  • ドロシイ殺し
    ● 感想
     アリス殺し,クララ殺しに続いて,今回もアーヴァタールの誤認トリックを仕掛けているのかと思ったら,そうではない。カンザスが地球のカンザスではなく,オズの魔法使いのカンザスだったという世界誤認トリックが仕掛けられている。これは,シリーズものであることを逆手にとったトリック。また,誰が誰のアー...続きを読む
  • クララ殺し
    ● メモ
     不思議の国に住む蜥蜴のビルは,道に迷い,溺れかけたのちに,ホフマン宇宙という世界に迷い込む。ビルは,クララという少女とドロッセルマイヤーという老人に出会う。
     前作,アリス殺し同様,地球と異世界との間で,アーヴァタールという存在がある。今作では,地球とホフマン宇宙との間で,アーヴァタール...続きを読む
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。
    相変わらず読んでるうちに訳がわからなくなる掛け合い満載で面白い。
    解説で我孫子武丸氏が、ミステリ読みにとってはエモさが大事なので、小林泰三氏はいまいちミステリ界で評価されないのかもって書いてたのになんとなく納得。
  • クララ殺し
    私はアリス殺しより好きだった!
    登場人物が多くてカタカナの名前ばっかだしごちゃごちゃになったけど面白かった。推理してた人凄すぎ!
    ドロシイ殺しとかティンカーベル殺しも早く読みたい
  • ドロシイ殺し
    言葉の齟齬があると大きな問題になると思った作品。犯人はとてもシンプル。
    「オズの魔法使い」のキャラクターとビリーの掛け合いはとても面白い。
  • ドロシイ殺し
    普通の推理小説より面白い
    普通の推理小説なら犯人はある程度絞れるけれど、地球とあちらの世界の殺人とかアーヴァータールとリンクしてる人が分からないとか、考えることが多いから犯人が絞りづらい
    ビルも含めてオズの国の住人たちの掛け合いが面白いし飽きない
    ただこの掛け合いのせいで話が進まなかったり犯人探しが...続きを読む
  • 失われた過去と未来の犯罪
    これは人間の魂と記憶の物語だ。魂は肉体に宿るのか、それとも記憶の中に存在するのか…人々から長期記憶が失われた世界で、様々な事例となる物語が紡がれ、問いと答えが重ねられていく。
    魂と記憶なんて全然別モノだろうと思って読んでいたのに、なんだかどんどんアヤフヤになっていく感じが怖いね。自分として生きている...続きを読む
  • 百舌鳥魔先生のアトリエ
    久しぶりの小林泰三。
    オワ〜〜そうそう、これが小林泰三…という感じの短編集でした。
    とてつもなくグロい。そして雰囲気が暗い。
    クトゥルフ神話が好きなので「ショグゴス」は題名からニヤリとしながら読んでいたのですが、結末が「そうきたか…!」となる面白い発想だったので、個人的にはこれが一番すきです。
    「朱...続きを読む