小林泰三のレビュー一覧
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ネタバレ癖になりそうな面白さ。
独特の読後感。ミステリというより世界観が面白い。現実と夢の境目が薄くなることも、不思議の国が現実で地球が夢でという転換も、どこか夢遊病に近いそそられる体験だった。ミステリとしても配役のミスリードを素直に読んでいて気づかなかった。犯人が死刑になるシーン、単純な言葉で子供が行ってるような残虐性が描かれていて不気味だった。殺伐としてるのに、設定やキャラのバカな掛け合いがクセになる味を出してた。最後地球という夢が終わるところも、まるで夢から覚めたような終わり方で好み。この物語自体も仮想世界の1つなのかもと、寝ぼけ眼に思わされた不思議な読後感で、後を引く。言葉にしきれない奇妙な世 -
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【短評】
早逝の天才・小林泰三によるホラー短編集。
昔々『酔歩する男』という作品に大層感銘を受けたことを良く覚えている。本作を読んでも感じたが、この人の作品には「自己認識」という領域に対する偏執的とも言える関心が垣間見える。
「私とは何か?」「私は本当に正しいのか?」「私に作用するものとは?」
異なるアプローチに基づくスタンドアロンな作品達の根底に、何故だか同じ衝動を感じさせるのは穿ち過ぎというものだろうか。短編集は各話の好き嫌いが発生するため、総合的な点数が伸び悩む傾向にあるが、トリを飾る『本』は図抜けた傑作だと感じた。この一本に出会えただけでも手に取った価値は十二分にあろう。
①人獣細工 -
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ネタバレ「テセウスの船」は知ってるだろうか。
古代ギリシャの伝説で、英雄テセウスが使った船にまつわる話。
老朽化した船の木材を次々と新しいものに交換していき、長い年月をかけて最終的にすべての木材が新しくなったとする。
このとき、「この船は本当にテセウスが乗っていた船と言えるのか?」という疑問が生じたことに由来する。
さて、これが人に行われたのが本書だ。
とある少女が臓器移植の専門医である父に、長い年月をかけて豚の細胞を移植し続けた。
少女:夕霞は先天性の病気で生まれた時から多くの臓器に血管があり、赤ん坊の頃から臓器移植のを繰り返して生き延びてきたと説明されている。
心臓、腎臓、肝臓から始 -
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【2025年135冊目】
やることなすこと全て上手く行かない男。男を断ち切ろうとした結果、腹話術に妄執する男に囚われる女。記憶障害を抱えながら生きる男。記憶に纏わる三つの連作短編集!
ホラーというよりもSFみが強い物語たち。文体も不思議なものが多く、最初の方はお酒が入った状態で読んでいたので、余計に混乱しながら読んでいました苦笑
どのお話も不思議でしたが、一番最後が一番好きでした。何も解決してないし、わからないまま闇の中って感じでしたが、まさに登場人物と同じ状態に陥っていった感じでした。
現実と虚構の中を彷徨いたいときにおすすめです(?) -
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まだまだ続く、故・小林泰三の角川ホラー作品新装版!本書は、表題作を含む7篇が収録された短篇集となっている。
収録作品は以下のとおり。
『家に棲むもの』
『食性』
『五人目の告白』
『肉』
『森の中の少女』
『魔女の家』
『お祖父ちゃんの絵』
著者お得意の吐き気を催す(誉め言葉)肉々しい(?)筆致と、ラストで「あっ」と言わせ、「ゾワッ」とさせる構成は相変わらず。(「驚愕のラスト7連発!!」の帯キャッチコピーは伊達じゃない!)
とまあ、どの話も楽しめはしたのだが、著者の他の作品と比較すると少々刺激不足で、記憶に刻まれるような作品には出会えなかった。
一番良かったのは、やはり表題作の『家に棲 -
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【2025年119冊目】
ある日妻が芸術に目覚めた。絵画?彫刻?陶芸?どれにも当てはまらないらしい、百舌鳥魔先生に出会って「芸術」を知ったのだという。やがて妻は飼っている魚を生きたまま部分切除するなど、常軌を逸した行動を始めて――表題作「百舌鳥魔先生のアトリエ」を含む7作の短編集。
「ショクゴス」と「首なし」は比較的理解できて面白かったのですが、「兆」からちょっと様相が変わっていき、「朱雀の池」と「試作品三号」はちょっと理解するのが難しかったです。
「密やかな趣味」はひたすらにグロい、でも最後の一文で「えっ、どっち?」と思わされる面白さがありました。「百舌鳥魔先生のアトリエ」はメリーバッド -
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「玩具修理者』
第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞したデビュー短編集。
ホラー小説として紹介されますが、単なる恐怖譚に収まらない、不条理で寓話的な世界が広がっています。
冷静で冷酷、どこか禅問答めいた雰囲気すら漂い、読み手をじわじわと追い詰める。
ホラーという括りでは説明しきれない不思議な読後感が残りました。
とりわけラストの収め方が好みで奇妙な納得と戦慄が同居します。
クトゥルー神話的存在の名前を、あえて ひらがな表記 で使われているようです。よほど好きでないとわからないかも。
『酔歩する男』
会話劇のような形で進みながら、登場人物たちが心理的に追い詰められていく短編。
ホラー小説であ