あらすじ
玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも……死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く……。現実なのか妄想なのか。生きているのか死んでいるのか――その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。
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よくあるホラーというより
コズミックホラー・SF。
それでも恐怖に至る描写は読みやすいホラー小説のそれ。「初心者おすすめのホラー小説」に飽きてきた人が、こういうジャンルの恐怖があるのか、と楽しむのにちょうどいい。
2編からなる短編集だが、一作目はラヴクラフトの前提知識があればより楽しめるもの。
無神学的な日本人だが、改めてクトゥルフを深掘りしようと思ったきっかけになった。
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好きすぎる。一作目の『玩具修理者』のグロ具合がとにかく好きだし、二作目の『酔歩する男』は天才小林泰三にしか書けないSFホラー。本読んでて初めて目眩がしてくるような感覚になった。手児奈はなんなんだ、教えてくれええっ。
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自分の中に小林泰三ブームが到来している。
表題作「玩具修理者」も秀逸な作品だと感じたが、「酔歩する男」はすごい。奇妙な導入からこの結末はまったく想像できなかった。現実世界がぐらぐら揺さぶられるような不快感が却って心地好く思える作品だった。
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生死の境界表現の一つとしてとても完成されていて感銘を受けた。
『酔歩する男』も純粋に設定や内容がとても面白かった。特に講演会の絶対的な絶望の描写がとても良かった。
波動関数を再発散させずに安寧の暮らしを続けられるかな
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再読。
傑作。
人生で初めて読んだホラー小説。
表題作『玩具修理者』の短編集とは思えない破壊力と『酔歩する男』の読書初心者ながらに感じた、「これ、なんか嫌」という感覚。
数年ぶりに読んだが、その読み心地は色褪せるどころか、昔に抱いた感覚以上に、より凶々しい笑顔で迎えられるかのような、恐怖を感じた。
『玩具修理者』
「小林泰三」がこの作品の時点で出来上がっている。
いちいちグロい、いちいち会話がまどろっこしい、この読めば読むほど味がする「小林泰味」が50頁足らずの短編に濃縮されている。
読んだことない人は是非、登場人物である男の視点で読んでいただきたい。
『酔歩する男』
SF強めのホラー。
昔に読んだ時は上記の感想だったが、改めて読むと、結構怖い。
幽霊や化け物等は一切出ないが、根源的な恐怖を想起させる、拒みたくなる、受け付けたくない状況と文章が波のように押し寄せてくる為、好き嫌いは別れるが、かなりゾワっとする。
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表題作である「玩具修理者」は第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。その時の大賞は「パラサイト・イブ」だったようです。もっと早く読んでおきたかったと思いました。「酔歩する男」もSF的な要素が強いですが、ゾクゾクしました
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玩具修理者のあらすじに惹かれて購入。
全体的にセリフの言い回しが古いですが、読みやすかったです。
続きが気になって読み進めちゃうくらいでした。
世にも奇妙な物語が好きな人には刺さるのではないかなと思います。
また別の作品も読んでみたいです。
玩具修理者
話自体は面白かったですが、結構呆気なく終わってしまって驚きました。
また、私にはオチが少しだけ予想出来てしまったのでそこは少し残念に思いました。
酔歩する男。
期待はしておらず、本書の半分以上を締める話なのでもったいないと思い読んだ程度でしたが、かなり面白かったです。
玩具修理者よりも気に入りましたし、小林さんの作品というのはこういうものなのか、ということが感じられました。
量子力学など、理系分野の話が出てきて、学のない私にはさっぱりでしたが、それでも最後まで楽しく読めました。
※きちんと理解できたとは言えないです。
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さてさて、また、黒い本!角川ホラー文庫を読も!
表紙から、怪しい!良い感じ!
「玩具修理者」
何でも治す修理屋さん!
子供たちが壊したオモチャも一つ一つ分解してから、確認して!
あら!なんて事でしょう!オモチャがちゃんと動き出す!
でもな…ここからや、これ生き物にするねんで。人にも…
頭割って、脳みそも右脳と左脳に分けて…
あっ!前頭葉も分けな〜ゲロゲロ。
マグロの解体ショー違うんやで!
それ、また、元通りに戻して完了!
あれ?違うの混じってる_| ̄|○
「酔歩する男」
何か、女性助ける為に、時間の壁を破るみたいな話やったのに、もう、時間の壁を破ってしまった事の影響に振り回されてる感じで、本来の目的失ってないか?
なぁ!どうなん!そこ!
寝て起きたら、違う日に!
こんな毎日、未来へ過去へ行ってたら、もう混乱の極み!
で、私も混乱して来て内容が入って来なくなったとさ〜♪
朝起きたら、どこの時代におるか分からんって、タイムトラベル要素あるんやけど、どことなく、1日しか記憶が保てない感じと同じ感触…
時間の感覚も脳が支配してると考えると同じことなんかな…
*****【映画鑑賞】(°▽°(°▽°)°▽°)じぃー。。。*****
今日はお家で、ネトフリで、シャーリーズ・セロンさん主演の〜
「エイペックス・プレデター」
この辺の女優さんは、年を重ねてもキレイやわ!
今回は、着飾る感じやないけど。
内容はというと、簡略にまとめると、
「イッちゃってる殺人鬼と秘境で死の鬼ごっこ」
ですわ!www
こんなキレイな人が、山の中一人で行ったらあかんて!狙われるに決まってるやん!
案の定、MAXな異人が!山で遭難した人らディナーにしてるヤツと。
タロン・エガートンさんの怪演は光るけど、シャーリーズ・セロンさん、今更、こんな作品出んでも…(^◇^;)
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玩具修理者、めちゃくちゃ面白い!
最後は声を上げた。
次のやつも面白い、けど頭がおかしくなりそう(笑)よくあんなの書けるな。図にしたりしたのかな。小林さんの本は初めて読んだけど他のも読んでみよう。ウナイテコナも気になる。
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単行本で出版された時から気になって仕方なかった題名なのですが、とうとう文庫化まで読む機会にめぐまれませんでした。題名からどんな話なのだろうと想像を逞しくしていたのですが、表題作はぼくの感想としては意外にスタンダードだなという感じ。少々スプラッタなので読者を選ぶかもしれないけど。クトルフ神話にしてしまったのは余分ではないかとも思いました。あれなしでも十二分に成立する怖さがあるので。
むしろ面白かったのは併録の「酔歩する男」のほう。失われた恋人を巡ってのふたりの男の確執と、それに伴って崩壊していく世界の描写がとてもいい。量子力学がらみの話というのはこのようなくらくらするような感じを与えてくれるので好きなのだが、読後に自分の存在というものがとても不安に思えてきて仕方ない。
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2026年2冊目
表題作含む短編2作で構成されていました。
表題作は意外と短く2作目が長めでした。
世にも奇妙な物語的な面白さがありあっという間に読んでしまいました。
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昔読んだことがあって、オーディブルで改めて聞き直しました。
SFというジャンルはほとんど読んだことがなかったから衝撃だったのを覚えてます
今まで生きてきた世界の足元が崩れるような感覚があってすごく好き。
酔歩する男、というタイトルも好き
ふわふわと記憶も朧げに足元もおぼつかず進んでる感じ
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気持ち悪さMAX(褒め言葉として捉えてください)です。
『玩具修理者』は、昔のエピソードについて女性と男性の二人が会話してるのですが、最後の最後で、二人の関係に気付いた時「え?この二人の会話だったの!?」となりました。
『酔歩する男』は、真剣に読むと、こちらの精神もおかしくなりそうなストーリーでした。かと言って、真剣に読まないと少し設定が複雑で分からなくなる…。
不気味な話だけど、その世界に吸い込まれてしまう本でした。
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友人に勧められて手に取った本。
『玩具修理者』と『酔歩する男』の二篇から成っている短編集だが、個人的には『酔歩する男』が好みだった。
こんな事有り得ない!と思いつつ、ちょっと考えさせられるというか、しかしでも……いやいや真逆……と不安にさせられる感じが好き。
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「玩具修理者」は、グロいけど分かりやすくて上手く短編としてまとまっていて良いと思った。
「酔歩する男」は悪夢のSFだった。変な名前の登場人物達。頭がこんがらがるけど、これはこれで面白かった。
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ドロシィ殺しで玩具修理者のことが出てきたので、読みました。
小林泰三さんらしい作品だなと思いました。グロテスクではあるが、読み進めてしまうところが魅力だと思います。
玩具修理者は短いながらも背筋がヒヤリとするような作品でとても満足感が高いです。
酔歩する男は正直自分の頭ではあまり理解が出来なかったです。ただ、タイムトラベラーへの認識が変わりました。そんな風に考えるのかと驚きました。
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怖い。久々にこんなに怖い小説を読んだ。不安が強いときに読まなければよかった。
ただ、とにかく怖い本を読みたいときには、またこの本を読むと思う。特に『酔歩する男』はすごかった。
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ホラー小説大賞短編部門を受賞した「玩具修理者」と独特の視点からタイムトラベラーを描いたSF「酔歩する男」の二編。
・玩具修理者
ある夏、喫茶店にて、男女の会話は幼いころに出遭った「玩具修理者」の思い出に移る。 なんでも直してくれるという事で近所で評判だったその人物にあの夏転落死してしまった弟を預けたというのだが・・・。
・酔歩する男
飲み屋で出会った男は、大学の同窓生であり、昔は親友であり、今は無関係だという。 私は目の前の男に何の覚えもない。 それでいて相手は私のことをよく知っている。 大学時代の過去の話とその顛末を聞くうちに私の意識は揺らぎ始める・・・。
独特なSFじみた非現実的設定と小林氏のどろっとした描写で狂気的なホラーとして仕上がっている。 特に酔歩する男での時間遡行の斬新な捉え方には感嘆。
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ヤバい本に出会ってしまった。
特に「酔歩する男」。
この本は私が信じてきたこの世界を、根こそぎひっくり返してきた。
これはもしかしたら死ぬまで忘れられない本になるかもしれない。
とにかくみんな読んで。
グロが苦手な人は「酔歩する男」だけでもいい。
(「玩具修理者」もそんなにグロじゃないから、少しなら大丈夫って人はぜひ)
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面白かった。
表題作の「玩具修理者」はグロテスクな描写により、内臓や血管がキュッとなった。オチがいい感じ。
「酔歩する男」はSFホラーといった感じ。
これを読んだら、タイムトラベルなんてしたくなくなる。
また、量子論を交えたSF設定は無理がありそうだが面白かったので気にならない。
不気味な雰囲気を出すのが上手い作者だと思った。
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・酔歩する男
よくわからないまま読み進めてラストになったら何かしらわかるだろうと思っていたら、理解力がなくて結局よくわからなかった。
理系の人ならわかるんだろうか?
・玩具修理者
茹だる暑さの中肉がぼとっと落ちる表現が、鮮明に想像できて怖かった。
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玩具修理者
描写がグロいな〜と思いながらも、ラストの落ちが好きだった
酔歩する男
すごい、よくこんなこと思いつくなぁと感心してしまう。
かなり難しくて置いていかれそうにもなりながら必死に読んだけど自分の脳みそでもギリ面白いと感じられた!良かった!
SFはいいなぁ
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「玩具修理者」姉の顔はどこまでが修理されたのか、弟は本当に弟なのか…なにより玩具修理者とは何なのか…。
「酔歩する男」当たり前の日常が見知らぬ親友との出会いで崩壊していく。SFホラーというのかな。眠ったら次はどの日に目覚めるのか、数多の分岐点から広がる世界は無限にあるのか…。
どちらも不穏な疑問を残して終わっていく余韻強めのお話だった。面白かった。
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ホラーというより、怪奇小説とSF小説っぽい。個人的には二つ目の「酔歩する男」の方がおもしろかった。
表題の玩具修理者は、生物と非生物の対比が意図的に歪められている。修理可能性は両者にとって等しく魔法的で、生物の定義を揺らがせる提示としては説得力に欠けており、不気味さの基盤としては弱いと感じた。
酔歩する男では、眠るごとに意識の区切りがあって、未来に飛ぶと波動関数が収束し、過去に飛ぶと波動関数が発散してしまう。時間軸を失って、人生が何一つ確定されなくなってしまった小竹田。収束させる能力が壊れて、不確定な世界に怯える血沼。単なるタイムスリップじゃなくて、認識する世界が波状のまま定まらない感じが奇妙でおもしろい。
ヒロインの手児奈の由来は「真間の手児奈」という実在の伝説かな? あとで読んでみよう
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表題作の「玩具修理者」よりも、個人的には「酔歩する男」の方が面白かった。
「玩具修理者」はなんかよく分からないうちに終わったという感じ。でも嫌いじゃない。
「酔歩する男」は途中冗長さは感じたけど、ああいう古典SFっぽい世界観や展開は好き。
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「玩具修理者』
第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞したデビュー短編集。
ホラー小説として紹介されますが、単なる恐怖譚に収まらない、不条理で寓話的な世界が広がっています。
冷静で冷酷、どこか禅問答めいた雰囲気すら漂い、読み手をじわじわと追い詰める。
ホラーという括りでは説明しきれない不思議な読後感が残りました。
とりわけラストの収め方が好みで奇妙な納得と戦慄が同居します。
クトゥルー神話的存在の名前を、あえて ひらがな表記 で使われているようです。よほど好きでないとわからないかも。
『酔歩する男』
会話劇のような形で進みながら、登場人物たちが心理的に追い詰められていく短編。
ホラー小説でありつつ、強いSF色を感じます。
時間のずれ、人間関係のずれが次々と現れ、読者は不可解なパラドックスに巻き込まれていく。
筋立てを無理に理解しようとすればするほど、かえって不快感や不安が増していく――その感覚こそが本作のホラー性だと思います。
この作品は、瀬名秀明『パラサイト・イヴ』と同じ第2回日本ホラー小説大賞から生まれています。
瀬名作品が「科学的リアリティに根差したサイエンスホラー」なら、小林作品は「人間存在が不気味に映る論理的ホラー」。
同じ年に違う方向性のホラーが認められて楽しさが増えたんですね。
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玩具修理者、いや〜なグロさが良かった。
酔歩する男、難しい……。でも、意味のわからない悪夢をずっと見続けてるような不快感があって、玩具修理者とは別ベクトルで怖くて良かった。
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表題作「玩具修理者」と「酔歩する男」という二編が収録。いずれも「死」という絶対的な境界線を踏み越えようとする物語であり、死体の再生や蘇生というSF的発想を出発点としながら、その発想が徐々に狂気へと変質していく様が描かれる。狂気のホラー短編集。
「玩具修理者」は、壊れた銃やおもちゃ、さらには死んだ猫までも“修理”してしまう謎の男が登場するホラー作品です。
死体の損壊した部位を銃の部品で補うなど、修理の定義が常軌を逸しており、生き物と無機物の境界が曖昧になっていく過程が濃密に描かれています。短いながらもテンポよく、異様な存在感を放つ“修理者”のキャラクターが魅力的で、ブラックユーモアと不安が共存する印象的な一作でした。
対して『酔歩する男』は、よりSF色が強い作品でありながら、その飛躍した発想と奇妙な論理展開により、むしろホラーとしての側面が色濃く感じられます。「あなたは初対面だが、私はあなたと親友だった」という不可解な一言から始まる物語は、過去と未来、記憶と因果が入り乱れる異常な世界に読者を放り込みます。しかしながら、物語中盤以降の設定説明がやや冗長で、思考実験的な内容に引っ張られすぎて物語の勢いを削いでしまっている部分も否めません。論理性を保ちながらも突飛すぎる展開は、理屈でねじ切られたホラーとも言うべき独特の読後感を生み出しています。
両作に共通するのは、「生と死」「人間と物質」といった境界の揺らぎに対する問いかけです。しかし、それは哲学的な思索に留まらず、極端な状況に置かれた人物たちの狂気を炙り出すための装置として描かれており、結果として読む者の感性をじわじわと侵食してきます。
総じて、『玩具修理者』はホラーと哲学とSFが絶妙に混ざり合った異色の短編集であり、特に「玩具修理者」は短編としての完成度も高く、怪しげでダークな世界観を好む読者には強くおすすめできる一作です。対して「酔歩する男」は、その独特な論理展開に付き合えるかどうかで評価が分かれるところでしょう。読者を選ぶ作品ではありますが、その異様な世界観に触れてみたい方には、ぜひおすすめしたい一冊です。