【感想・ネタバレ】玩具修理者のレビュー

あらすじ

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも……死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く……。現実なのか妄想なのか。生きているのか死んでいるのか――その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ドロシィ殺しで玩具修理者のことが出てきたので、読みました。

小林泰三さんらしい作品だなと思いました。グロテスクではあるが、読み進めてしまうところが魅力だと思います。

玩具修理者は短いながらも背筋がヒヤリとするような作品でとても満足感が高いです。

酔歩する男は正直自分の頭ではあまり理解が出来なかったです。ただ、タイムトラベラーへの認識が変わりました。そんな風に考えるのかと驚きました。

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2025年07月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「玩具修理者」と「酔歩する男」の2篇。

どちらも独特な話だった。
読後は、遠い昔の思い出を、毎日会う人を、日常の風景を疑ってしまいそうになる。

「玩具修理者」では、子どもが見た暑い夏の白昼夢のような体験について、会話する二人の関係が分かると、ぐっと気持ち悪くなる。

「酔歩する男」では、手児奈をめぐってタイムトラベルをすることになった小野田の混乱と絶望と空虚感が生々しい。小野田の語る因果律や波動関数の話が、時間の概念をぐちゃぐちゃにしてくるのが気持ち悪い。

読後は、しばらくモヤモヤしてぼんやり考えこんでしまった。



「物語を聞いたからには、その物語の語り手は実在しなければなら ─── 」

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「酔歩する男」は「菟原処女の伝説」を忠実になぞりつつ、そこに数学などの要素を盛り込んでいるのが面白かった。
 「菟原処女の伝説」で手児奈に特に執着していた菟原壮士と弩智壮土は、手児奈が自殺した後も黄泉の国まで追いかけて行き、最終的に菟原壮士と手児奈が結ばれるらしい。
 名前などからも恐らく上記二人をモチーフにしている「酔歩する男」の小竹田丈夫と血沼壮士はどちらが手児奈と結ばれるのだろうかと想像を膨らませていたが…
 タイム・トラベルの能力を身につけた小竹田のほうが手児奈に近づいていると思うが、血沼に語る小竹田の雰囲気からは手児奈に再会できた喜びは感じられない。
 手児奈は自分達の意識が産み出した存在だという考えは、まだ出会えていないからか、それとも出会った上で何か悟るものがあったのか…

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2024年11月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

玩具修理者
最後に固まった。面白かった!途中グロテスク。
酔歩する男
なんだかつらい。ややこしい。
途中で最後が分かってしまった…。

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2024年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「玩具修理者」は、耽美な美しさと、気味の悪いグロテスクさが共存した良質な短編ホラー。途中で出会った友達の質問攻めがたまらない。最後の「実は主人公が弟」は予定調和だけど、綺麗なオチ。

「酔歩する男」は、今ではよく見る「死んでしまったあの子を時間を遡って助ける」というテンプレ展開なのだけど、そこに収まらない不気味さを持った不思議なSF作品。途中の物理的な説明は?だったけど、「脳に時間を制御する部位があり、そこを壊すことでタイムトラベルを可能とする」というのは面白いなと思った。

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2024年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホラー小説大賞短編部門を受賞した「玩具修理者」と独特の視点からタイムトラベラーを描いたSF「酔歩する男」の二編。

・玩具修理者
ある夏、喫茶店にて、男女の会話は幼いころに出遭った「玩具修理者」の思い出に移る。 なんでも直してくれるという事で近所で評判だったその人物にあの夏転落死してしまった弟を預けたというのだが・・・。
 
・酔歩する男
飲み屋で出会った男は、大学の同窓生であり、昔は親友であり、今は無関係だという。 私は目の前の男に何の覚えもない。 それでいて相手は私のことをよく知っている。 大学時代の過去の話とその顛末を聞くうちに私の意識は揺らぎ始める・・・。
 
独特なSFじみた非現実的設定と小林氏のどろっとした描写で狂気的なホラーとして仕上がっている。 特に酔歩する男での時間遡行の斬新な捉え方には感嘆。

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2025年05月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ずっと意味わかんない文法で意味わかんないこと言ってて、でも先が気になるこの感じなんかアリス殺し思い出すな〜とか思ってたらアリス殺しの作者だった

酔歩する男はガチでSF、時かけ系でむずい
時系列行ったり来たりを文法めちゃくちゃで言われると理解に時間かかる

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2024年05月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

玩具修理者
ネフェルピトーの念の元ネタ。グロ描写も怖いが、ラスト1ページで主人公も修理されていたことが分かりぞっとする。

酔歩する男
ホラーというよりは筒井康隆風のSF。話としては分かるようで煙に巻かれた感じもする。

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2024年05月05日

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