小林泰三のレビュー一覧
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前作のアリス殺しと比べてだいぶ複雑なようなきがしました。それに加えて、前回は広く知られている「不思議の国のアリス」だったのに対して、今回はアリスほどメジャーなものではないので、広くおすすめできるかと言われると少し難しくなってしまいます。ただ「そうだったのか!」と思わせる仕掛けが本当に面白いです。トリックが複雑な分、完璧に推理はなかなか難しいものではあると思いますが、泰三先生の癖を理解しつつ推理してみると、「やっぱりそうだよねぇ」と思う部分があり推理が捗ります。ただ、「やっぱりそうだよねぇ」と思いながらも、実は自分でその線はないなと思ってたパターンの推理が当たっているんですよね。全体がこうである
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Posted by ブクログ
数十分前までの記憶しか思い出せないはずなのにある男に体を触られた途端ニ時間前の記憶が突然生じるという矛盾した状況に、この男は危険だと主人公だけが気付く。という展開がアツい。
以前も書いたけど小林泰三作品の登場人物はどんな絶望的な状況でも最善の行動を取ろうとし続ける所が本当に格好良いんだよなあ…
記憶はないけど自分ならきっとこうしたはず。という過去の自分を信頼して行動するブレなさが凄く魅力的。ブレなさすぎて、あっけらかんとしすぎて、軽薄とも取れるかもしれないけど、そんな所もかっこいい。
そんな冷静でかっこいい主人公仁吉に感情移入すればするほど、ラストのどんでん返しが効いてくる。
本作以外で -
Posted by ブクログ
今回も流血なんてお上品な言葉では表現し切れないシーンが満載で非常〜に人に勧めづらい(通常運転)
絶望的な状況の中、冷酷とも言える程に今出来る最善の行動を取り続ける登場人物達に作者の美学の一端を感じる。
かと言って、必ずしも救われるとは限らないのが小林泰三作品だけど、解説で我孫子先生が使われていた[情]と[理]という言葉を借りるならば『わざゾン』は限りなく[情]に寄った作品であり珍しくハートフル(?)な結末を辿る。
『アリス殺し』で作者のファンになったのでアリス〜のトリックやクララ〜の残酷表現を彷彿とさせるシーンには興奮した♡
メルヘン殺しシリーズが好きなら本書もきっとハマるはず。 -
Posted by ブクログ
『目を擦る女』
引っ越してきた操子が隣に越してきた女に挨拶に行くと謎めいた女、八美が現れる。
八美は指の付け根で目を擦りながら、大きな声は出さないでと頼む。何故ならあの子が目を覚ますから。しかし、八美には子供はおらず、目を覚ますのは私なのだと言う。
思い出したのはフロム・ソフトウェアのゲーム『Bloodborne』のこと。
上位者によって作られた獣狩りの夢の中を彷徨う主人公は、その獣狩りの夢から抜け出そうとするというもの。
それに比べると規模はかなり小さくなりアパートの一室に収まる。
夢から覚めることで何が起きるのかわからない。こちらも『Bloodborne』同様に夢が引き継がれていく。
ク