小林泰三のレビュー一覧

  • クララ殺し

    Posted by ブクログ

    死の描写が過激な割に淡々としていて、ああ痛そう。と思うのに、癖になってきてしまう。キャラクター皆魅力的ですけど、特にビルはずっと頑張ってるのでそろそろご褒美あげて欲しいですね。トリックが厄介で残虐なかわいいダークファンタジーミステリ♡

    0
    2025年09月01日
  • 失われた過去と未来の犯罪

    Posted by ブクログ

    表紙の可愛さに釣られて何も知らず買った人が可哀想(褒め)「アリス殺し」の時も思ったけど台詞のみの文が続いてもキャラが立ってるので誰の台詞なのかちゃんと分かる特に原発のシーン!好き。終盤かなりブラックなSFだけど読みやすくて一気読みでした〜

    0
    2025年09月01日
  • 海を見る人

    Posted by ブクログ

    物理学の知識が少しだけあれば大変楽しめる短編集
    表題作は見事なSF恋愛物語
    時間の流れの違いから生まれる切ない物語はたくさん例があるけれど短さも相まってわかりやすく心に刺さるし描かれる映像もSFならでは
    時間ってよく恋愛ネタにされるけれどある程度パターン化していると思うのでいかに場面映像が良いかに掛かっている気も
    他の短編も粒揃いなお買い得本でした

    0
    2025年08月24日
  • アリス殺し

    Posted by ブクログ

    面白かった。

    伏線が綿密に張られていて、綺麗に回収された。

    『不思議の国のアリス』知識がなくても面白い。

    0
    2025年08月18日
  • 目を擦る女

    Posted by ブクログ

    『目を擦る女』
    引っ越してきた操子が隣に越してきた女に挨拶に行くと謎めいた女、八美が現れる。
    八美は指の付け根で目を擦りながら、大きな声は出さないでと頼む。何故ならあの子が目を覚ますから。しかし、八美には子供はおらず、目を覚ますのは私なのだと言う。

    思い出したのはフロム・ソフトウェアのゲーム『Bloodborne』のこと。
    上位者によって作られた獣狩りの夢の中を彷徨う主人公は、その獣狩りの夢から抜け出そうとするというもの。
    それに比べると規模はかなり小さくなりアパートの一室に収まる。
    夢から覚めることで何が起きるのかわからない。こちらも『Bloodborne』同様に夢が引き継がれていく。

    0
    2025年08月06日
  • 密室・殺人

    Posted by ブクログ

    密室の中ではなく、外に死体があるというシチュエーション。それを調査する探偵・助手。
    ミステリーとしても一捻りあり、他にも驚きの展開あり。
    終盤は色々畳み掛けてくるので時間ある時に読みましょう。

    0
    2025年08月01日
  • 天獄と地国

    Posted by ブクログ

    小林泰三の天獄と地国。天地の重力が逆転している世界(天=人間の上方に引力がある)。そこでは細々とわずかな資源をめぐって空賊が跋扈していた。カムロギたちは空賊が略奪した後おこぼれを狙う「落穂拾い」と呼ばれる最底辺の仕事に従事していた。カムロギはある日巨大なロボットを発見しそれに乗り込むと、三か国が所持する巨大ロボット同士の戦いに巻き込まれていく。カムロギ、ナタ、ヨシュアの三人がロボットに乗り込んで巨大ロボットを知恵を振り絞って撃退するロボットアクションがとてもいいし、三人がトリオ漫才のように掛け合いをするのが面白い。亡き作者のあとがきではまだまだこの世界観を続けたい意向があったようだが、残念だ。

    0
    2025年08月01日
  • アリス殺し

    Posted by ブクログ

    夢の中という誰しもが体験したことのある独特な雰囲気を見事に文章で表しており、気味の悪い浮遊感がずっと付き纏っていた。突拍子の無さや現実味の無さが大事な役割を果たしていた作品だった。

    0
    2025年07月26日
  • 玩具修理者

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ドロシィ殺しで玩具修理者のことが出てきたので、読みました。

    小林泰三さんらしい作品だなと思いました。グロテスクではあるが、読み進めてしまうところが魅力だと思います。

    玩具修理者は短いながらも背筋がヒヤリとするような作品でとても満足感が高いです。

    酔歩する男は正直自分の頭ではあまり理解が出来なかったです。ただ、タイムトラベラーへの認識が変わりました。そんな風に考えるのかと驚きました。

    0
    2025年07月25日
  • AΩ 超空想科学怪奇譚

    Posted by ブクログ

     童話作家の主人公が宇宙生命体とのコンタクトを経て壮絶な戦いに身を投じることになるホラー×ハードSFで、地球人と宇宙人の生体の違いや大怪獣との戦闘シーン、暗躍する新興宗教団体など複数の要素が絡み合って地上を地獄絵図に変えていくのが恐ろしくも独特の世界観にはまっている自分がいた。例えるならR指定版ウルトラマンといったところかな…

    0
    2025年07月20日
  • 因業探偵~新藤礼都の事件簿~

    Posted by ブクログ

    新藤礼都のファンとしてはとてもおいしいお話ばっかり!色んな新藤さんの顔が見れてよかったなー!
    特に「後妻」と「散歩代行」は良かった!

    0
    2025年07月20日
  • 人獣細工

    Posted by ブクログ

    表題作の『人獣細工』
    先天性の病気が理由で生後間もなく
    ブタの臓器を全身に移植され続けてきた少女の話
    何故こんな事をしたのか
    亡き父の記録を調べていくうちに
    彼女が辿り着く真実は、、
    倫理観を問う話だった

    2作目の『吸血狩り』
    ちょっぴりエロティックな
    ノスタルジーを感じさせる田舎が舞台で
    吸血鬼から従姉を護る少年の話、、

    3作目の『本』
    どこかリングを感じさせた

    どれも短編なのに、とても完成度が高い
    久々のホラー作品で、初読みの作家さんだけど
    良かった

    0
    2025年06月29日
  • アリス殺し

    Posted by ブクログ

    無理に背景を描こうとせずに会話文で説明をしてくれたので難しい感じがせず、飽きずにスラスラ読めた。ちょっとグロめ、寝る前に見たのをちょっと後悔している。

    0
    2025年06月26日
  • クララ殺し

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    メルヘン殺し第2弾

    「不思議の国」の住人である蜥蜴のビルは「ホフマン宇宙」と呼ばれる世界に迷い込む。そこに住む「クララ」は脅迫文を受け取っていた。判事「ドロッセルマイヤー」によってビルは捜査官に任命される。
    そのころ地球でも「露天 くらら」にも同じ脅迫文が届いていた。ビルのアーヴァタールである井森 建は大学教授「ドロッセルマイヤー」に捜査を依頼される。

    難解な設定とナンセンスな会話の応酬。読み進めては登場人物一覧に戻り、読み進めては理解が追いつくのを待つ。
    ちょっと心折れそうになるけど、先が気になる。不思議な登場人物達に引き込まれてゆく。
    井森君が死にすぎて心配になる。
    マドモアゼル・ド・

    0
    2025年06月08日
  • アリス殺し

    Posted by ブクログ

    登場人物が多く期間を空けて読むと何が何だか分からなくなります。一気読みがおすすめです。話はとても面白いですがキャラクターの性格上同じ話を繰り返す場面が多く読み飛ばしたくなるところもありました。あと結構グロいです!

    0
    2025年06月07日
  • 玩具修理者

    Posted by ブクログ

    怖い。久々にこんなに怖い小説を読んだ。不安が強いときに読まなければよかった。
    ただ、とにかく怖い本を読みたいときには、またこの本を読むと思う。特に『酔歩する男』はすごかった。

    0
    2025年06月05日
  • 密室・殺人

    Posted by ブクログ

    小林さんの文庫とても嬉しい!
    四ツ谷ちゃんはふわっとしてる気がしたけれども
    より頭のいい人がいるからそう思えるだけでちゃんと頭が良くかっこ良い。
    流石小林さんと言う感じでした!

    0
    2025年05月24日
  • 見晴らしのいい密室

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    各話どれもしっかりと世界観が作り込まれていて、楽しく読みやすかった。

    笑えるオチだったのは「忘却の侵略」
    主人公があれこれ必死で考えて好きな相手や世界を守ってたところ、肝心の好きな相手はちゃっかり物理で殴って侵略者を倒しているのが笑えた。(これも主人公が侵略者を「地球人で倒せる相手」に確定してくれたからかもしれないけど)
    見えない侵略者を観測して正体を確定出来た主人公が、好きな人の心の内は長い年月が経過しても分からないままなのも良かった。



    好きな話は「囚人の両刀論法」
    どうなれば利他的社会を形成できるのか、それが形成された結果どうなるのかの1つの答えとして考えさせられるものがある。

    0
    2025年05月10日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

    Posted by ブクログ

    よくこんな設定の小説書けるなぁ。時間軸とか構成しっかりしてないと書けないよなぁと感心しながら、先が気になって、あっちゅーまに読んでしまった。繰り返しの描写が多いから、多少進展がもたつくのも読者を焦らすためだとしたら、私にはとても効果的でした‥そこはいいから先に進め!って何度思ったか。
    久々にあれこれ考えず素直に物語を楽しんだ気がする。でも最後のヨメ‥あれは誰‥?

    0
    2025年05月07日
  • 玩具修理者

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「玩具修理者」と「酔歩する男」の2篇。

    どちらも独特な話だった。
    読後は、遠い昔の思い出を、毎日会う人を、日常の風景を疑ってしまいそうになる。

    「玩具修理者」では、子どもが見た暑い夏の白昼夢のような体験について、会話する二人の関係が分かると、ぐっと気持ち悪くなる。

    「酔歩する男」では、手児奈をめぐってタイムトラベルをすることになった小野田の混乱と絶望と空虚感が生々しい。小野田の語る因果律や波動関数の話が、時間の概念をぐちゃぐちゃにしてくるのが気持ち悪い。

    読後は、しばらくモヤモヤしてぼんやり考えこんでしまった。



    「物語を聞いたからには、その物語の語り手は実在しなければなら ───

    0
    2025年04月20日