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鬱蒼とした森に覆われた謎の施設で、何不自由ない生活を送っていたサブロウ。 ある日彼は、自分が何者であるかの記憶すらないことに気づく。 監獄のような施設からの脱出は事実上不可能、奇妙な職員は対話もできず、どこか不気味なロボットのようで……。 サブロウは諜報担当のエリザ、戦略家のドック、メカニックのミッチと協力し脱出計画を立ち上げる。 脱走劇の末に彼が直面する、驚愕の真実とは? 鬼才・小林泰三の遺作となった脱獄SFミステリ。
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Posted by ブクログ
初・小林泰三さん。独特の会話劇は人を選ぶと思いますが、自分にとっては最高に面白かった。次第に明らかになっていく主人公達が置かれた世界の構造、途中のスパイ映画のような冒険活劇、ラストの真相解明、全てが自分の好みだった。
「殺人鬼にまつわる備忘録」のSF版…と思いきや、ラストでぐるりと印象が変わる。確かにホラーだ。 相変わらずの思考実験めいた会話が楽しい。
最近自分が老人でなくとも、今覚えていることを、これからも覚えていられる根拠がなくて怖くなる。昔より記憶しておくことへの集中力が無くなった気がする。主人公達はおよそ100歳の高齢者なので記憶があやふやでも当然のように思えるが、身体と記憶以外はどこか若々しく違和感を感じた。協力者のメッセージを受け取り、...続きを読む導かれるように施設からの脱出を試みるが、、。2章からの怒涛の展開、世界観の構築がすさまじくて引き込まれたのでもう少し掘り下げて読みたかった。余韻のある終わり方も良かった。俺も洋服溶かし液噴出全身触手人間になりたい。
至れり尽くせりの福祉施設(のような所)からの脱出を目指す老人たちの話。前半は状況が見えずに少しモヤモヤとしますが、主人公が脱出に成功して以降はなかなかに壮大なお話になります。最後ちょっと尻切れ感はあるかも。
ちゃんぽんSF。設定はよく出来てるのに、いろんな要素を欲張り詰め込みすぎ&ストーリー駆け足&コメディだかなんだか判断しかねる軽いノリのせいで安っぽく見えてしまって勿体ない感……。話の大半が会話なので読みやすいことは読みやすいのですが、特に「脱出」後の世界についてはほぼ概略説明で済ませてしまっている...続きを読むので、もっとページを割いて丁寧に描写してほしかったかも。 生成AIやらデザイナーベビーやら、近年流行の話題や技術ネタもふんだんに散りばめられているのですが、散りばめ過ぎてひとつひとつが浅い印象を受けてしまうのも残念でした。 車椅子でのもどかしい移動や記憶力との戦いなど、ご老体×SFらしいおとぼけ感は楽しめましたが、「老人と宇宙」や「スペースカウボーイ」ほどには揺さぶられませんでした……。 あとなんか、表紙イラストの「コレジャナイ」感も凄まじかったです。コレジャナイ……。
外界から隔離されたサンクチュアリ。管理された生活からの脱出。そこで知った世界の真相とは… よくあるプロットかもしれませんが、小林泰三の描く物語はちょっとばかり異質。少しずつでも前進ある終わり方だと信じたい。
主人公のサブロウは何不自由の無い生活を送っていたのだがある日気がつく 『このスポーツの映像は昔の録画では無いか?』 サブロウの中で疑問は渦を巻き自分が置かれている状況と自分の記憶にも疑いを持ち始めた時、サブロウはメッセージを発見する・・・ “このメッセージに気付いたら、慎重に行動せよ。気付いている事...続きを読むを気付かれるな。ここは監獄だ、逃げるためにヒントはあちこちにある。ピースを集めよ” 100歳前後の老人達の施設脱出サバイバル! 悠々自適の施設暮らしを捨て、老人達は真の自由を掴み取れるのか!!? 自分は悠々自適の生活と自由を天秤にかけたら悠々自適な生活を選択すると思います。 隣の芝生と空の色は青く見えるだけ・・・
自分がなぜ「施設」にいるのか記憶のないサブロウ。「施設」から脱出を計ろうと仲間を見つけて実行するが… 第2章から怒涛の展開。 相変わらずの小林泰三ワールド。SFなのに本当にそういう未来が起こるんじゃないか、起こりつつあるんじゃないかという気になるし。 小林さんの作品に特徴的な会話の応酬も、軽く脳が麻...続きを読む痺するような感じで好き。
老人ホームのような施設で暮らすサブロウ。 どれだけ考えても過去の記憶がない。 年寄りだから仕方がない・・にしてはおかしい。 謎を解くために仲間を作って脱出を試みるも、記憶をなくして施設に戻される、の繰り返し。 面白かった。 これが遺作とはなんとも残念。
森に囲まれた施設で何不自由ない生活を送っていた老人サブロウは自分の過去に関する記憶が残っていないことに気付く。周りの老人たちも同じような状況であることを知ったサブロウは偶然にも自身の日記帳に脱出を促す何者かのメッセージを見つける。この施設が監獄である疑いを持ったサブロウは仲間を集め脱出を試みるが森の...続きを読む先にあった光景は想像を絶するものだった・・・。 長編として小林泰三氏の遺作となった作品。車椅子生活を送る老人たちが施設からの脱出を図るスリラー小説だ。そして本作はSF小説である。主人公のサブロウは20世紀生まれで100歳を迎えているのだが記憶の片隅には21世紀の記憶どころか22世紀の残像が残る。タイトルは「未来からの脱出」、本当の戦いは森を抜けた光景を見た後に始まる。
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未来からの脱出
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小林泰三
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