小林泰三のレビュー一覧

  • 恐怖 角川ホラー文庫ベストセレクション

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    「家が呼ぶ」に大興奮して以来、すこしずつ朝宮運河さん編纂のアンソロジーを買い集めている。今作も大興奮!

    ✂-----以下ネタバレです-----✂








    はじめに収録されたタイトルドンピシャの「恐怖」は、短くもラストにドキッとする極上の作品。最初からこの作品…もう期待しかないが、続くは小松左京「骨」。じっくり掘り進められた恐ろしく壮大な情景が、蘇る記憶とともに一気に駆け抜ける大迫力に感動…。
    「夏休みのケイカク」「正月女」は現代の割と身近な景色を思い浮かべつつ読み進めていたけど、オチに違ったカラーのダークさがあり面白い。
    今回すごく好きだった「ニョラ穴」は、SFチックな作風。日本のこういう作品って初めて読んだんじゃないかな。世界が広がって面白い。アンソロジーの良さ。
    「或るはぐれ者の死」、「雛」は現代のどこかで広がっている異様な光景に思いを馳せるような話。「雛」の、チラッと見たら鬼の形相になっているっていう映画的な描写良かったなあ。
    そして一番怖かったのは最後の「人獣細工」!
    冷たく鋭く人間の尊厳に切り込んだ作品で、一番本能的な恐怖をおぼえたかもしれない…。何度も「冒涜だ…おそろしい…」とつぶやきながら、ページを捲る手が止まらなかった。
    面白かったのでシリーズ前作の「再生」も買おうっと♪

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    2024年06月28日
  • 脳髄工場

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    はじめての小林泰三さん作品。
    「脳髄工場」という度肝を抜くタイトルと、一度見たら忘れられないカバーイラストに惹かれて手に取りました。

    短編集でかなり短い(数ページの)お話から、結構長い話まで様々なものを詰め込んだ、欲張りセットのような様相。

    私のお気に入りは、
    ・やはり何と言っても表題作の「脳髄工場」
    ・無気味さ、ホラー要素が際立つ「影の国」
    ・ループ物が大好物なので「声」
    ・ホラー×SF要素満載の「綺麗な子」
    です。

    「C市」も「わけのわからなさ」が好きだと感じましたが、この「わけのわからなさ」は自分が科学やら物理やら、そう言ったものに疎いせいもあるかな? と挙げるのは保留に(笑)

    どの作品も単に怖い、無気味、奇妙というだけでなくて、「考えさせられるテーマ性」を帯びているのが素敵なところです。

    「脳髄工場」では“本当の自分とは何か”というテーマが見え隠れします。本来のナチュラルボーンな自分と、人工脳髄を装着した後の自分はどちらが自分なのか? という主人公の懊悩は、現代人の私たちにとっても、ある意味共通の悩みなのではないでしょうか。
     例を挙げるとすれば、飲酒の前後の自分はどちらが本物か? という問いは、これに似たものがありますよね。

     次はどの作品を読もうかな……新しい楽しみが増えました。

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    2024年06月03日
  • 人獣細工

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    これは面白かった!
    ブタの臓器を移植され続けてきた少女、吸血鬼を殺そうとする少年、本による狂気に巻き込まれた女性の3編を収録。
    どことなくクトゥルフ神話を想起させるように感じた。
    特に第3作『本』には「名状しがたきもの」という表現もあるし、クトゥルフ好きにはニヤリとさせられると思う。
    邪悪で狂気に満ちた短編集だが、クトゥルフという狂気に染まっている自分としては、なかなか楽しませてくれるような小説だった。

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    2024年05月20日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    表紙の動物さん(ねずみ?)のイラストがあまりにかわいくてつい購入。

    怪奇小説7篇、どれも本当におもしろくていずれの作家さんももっと読んでみたいと思えるものばかりでした。

    なんかおもしろい短編小説読みたいなという方にはほんとにおすすめです。
    表紙がかわいい。

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    2024年04月28日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    現代ホラー小説傑作集。これまた全部再読なのだけれど、傑作揃いというほかのないセレクションです。
    かるかやシリーズの「芙蓉忌」、実はシリーズ他の作品に較べると印象が薄かったのですが。再読してみると、なかなかに怖いしひっそりとした切なさも感じる名作でした。なによりこのアンソロジーがこの一編で幕を開け、そしてラストが「七つのカップ」で優しく終わるという構成も素敵なのですよね(ラスト一歩手前が「あまぞわい」でとことんどんよりしたあとだというのもまた)。
    小林泰三さんの「お祖父ちゃんの絵」をセレクトするというのもまたなんとも。これ、最初に読んでいるうちは「お祖母ちゃんの絵」の間違いじゃないの? って思うんですよね。それがタイトルの意味を知った時、なんという酷い意味なんだ、と。小林泰三作品にしてはまだましだと思ったのが、良い意味で裏切られた作品でした。

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    2024年02月28日
  • 七つのカップ 現代ホラー小説傑作集

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    現代ホラーの傑作が揃った短編集。全編おすすめといえる高い完成度の1冊です。「芙蓉忌」は古い家屋の隙間から見える女に魅入られた話。女が誰か探る途中、警告を受けるも男はもはや止まる事が出来なくなり…
    謎の猿を追う「シュマシラ」も良い。

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    2024年02月22日
  • 逡巡の二十秒と悔恨の二十年

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    ネタバレ

    初っ端からキツい
    全話心臓やら胃、脳みそにまでに、色々くる
    キツい
    グロホラー(?)(ジャンル分けがよく分からない)というジャンルだとしたら文句なしの星5
    1回読めばお腹いっぱい、というか胸焼けで二度と食べられない

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    2024年02月01日
  • クララ殺し

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    前作読んでたのでこの世界の仕組みはなんとなく理解してる(といっても未読だった場合と比べたら1ミリ程度の知識)。
    でもここは前作と違うと言われたら…そうなんだね!とビルみたいに思ってしまう。
    話してるとイライラするだろうけど、ビルのキャラが良い。頭が足りないように見えて鋭く本質をついてくる。

    解説まで読み終わり、ホフマンの物語をしっかり読んでおきたいと思った。
    このシリーズはめちゃくちゃで、でもしっかり繋がってて…。今回も引き込まれてしまった。
    決めた。このシリーズは続けて読む。

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    2024年01月24日
  • 肉食屋敷

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    ネタバレ

     肉食屋敷…地球外生命体がテーマの話。結末はバッドエンド?
     ジャンク…ある意味純愛もの。ただ設定が特殊なだけで。
     妻への三通の告白…読み進める度に見方がガラリと変わる。
     獣の記憶…ジャンルはミステリー。叙述トリックではあるがこのラストは読めなかった。

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    2023年12月28日
  • 肉食屋敷

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    めちゃくちゃ面白かった!
    どの作品も本当に面白かった。
    サクサクっと読める。
    そしてよくこんな世界が思いつくなあ、っとびっくりしてる!

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    2023年12月22日
  • 殺人鬼にまつわる備忘録

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    面白いです。
    ほんとに面白いです。
    現実に起こり得ないこと(私の知る限り)が交えてある為
    好き嫌いは分かれるかもしれませんが、
    私にはどハマりでした。
    既に3回は読みました。
    小林泰三先生の文章が読みやすいことと、ストーリー展開が追いつきやすいので、とても読みやすいのだと思います。
    ぜひ読んでください。

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    2023年10月19日
  • ティンカー・ベル殺し

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    メルヘンシリーズハマって全部読み続けて、3作目で「そろそろこの設定で続けるのもネタ切れかなぁ?」って思ってたけど、今回は犯人が分かった上で進む、このシリーズでは新しい手法で面白かった!
    ラストの方は個人的にはメルヘンシリーズ史上一番イヤなグロさで読後は若干病む。けどこの感じがクセになってきっとまた次作も買っちゃう

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    2023年09月24日
  • 安楽探偵

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    ネタバレ

    "街いちばんの名探偵"が事務所にいながらにして謎を解く、安楽椅子探偵物の連作短編ミステリー。助手的な立場である"わたし"の目線から語られる。"意外すぎる結末"という表紙のキャッチコピー通り、それぞれのお話で予想していた結末から裏切られた。最終話で仄めかされた物語全体の"意外すぎる結末"も面白かった。

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    2023年09月03日
  • ティンカー・ベル殺し

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    アリス殺しからのシリーズ最終巻。
    もう続きがないのがわかってて読むのは残念だけれど相変わらずビルが愛おしくて面白い。またアリスから読みたくなりました。

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    2023年08月29日
  • わざわざゾンビを殺す人間なんていない。

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    ゾンビに関する映画や小説、たくさんあると思います。
    しかし、この作品は今までに出会ったことがないタイプの物語です。
    内容は事前に知ることなく手にしてみること勧めたいかなと思う一冊なので、内容に関することについては感想を書きません。
    いつかゾンビがいる世界になったとしても生き抜くことは出来そうだなと思たことかな、ということですね。

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    2023年04月30日
  • 逡巡の二十秒と悔恨の二十年

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    「玩具修理人」や「人獣細工」を思い起こさせる話や善悪の区別とは考えさせられる「草食の楽園」、関西弁と怪談がミックスすると落語になるのか「メリイさん」など泰三の魅力がこんなにまで…自己と他者の区別やそもそも自分の意識とは?いとう会話、グロテスクな描写なのに淡々としているからそこまで忌避感の無い文章などうううう本当に惜しい人を亡くしてしまった文学界...

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    2023年04月29日
  • ティンカー・ベル殺し

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    ネタバレ

    全体的に残虐性が高くていつも通り!って感じ
    富久がフックではないのは引っかけで分かりやすかったし双子が2組いるのはわかったけど、誰が双子かまでは考えが至らなくて結局犯人あてできなくて悔しい…
    ピーターが2人いるなんてわかるか!ずるい!って思ったけどよく読むと一人称僕と俺でわかるようになってるんやなあ…
    混乱して何回か読み直した
    結局アリス殺しの伏線(?)のレッドキングとかこの夢のリンクについての詳細は分からないまま作者が亡くなってしまって本当に悲しい…
    井森くん、平穏な日常が戻るといいね…
    とても面白かった!!!!

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    2023年04月23日
  • 人外サーカス

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    先が気になり止まらなかった(≧∇≦)

    一気読み確実!人間VS吸血鬼の大バトル!!



    何だろう、この安心感…(〃´-`〃)

    いや、違うな。安心…というか、癒しの方が近い。

    ホラーもグロもミステリもコミカルな描写も、すべて程よく癒される♡

    小林泰三さんの作品全般、私の心を癒してくれる。

    この作品を読んで『癒された』という人は少ないだろうけど、癒されたんだからしょうがない笑

    吸血鬼が存在する世界。
    こいつらがまた強い強い。
    人間と違って仲間に執着しないから、やる事も残忍でグロい。

    グロ描写が苦手な方は注意。(^▽^;)

    吸血鬼に立ち向かうのはサーカス団!
    果たして生身の人間が勝てるのか?!
    バトル、バトル、バトルの嵐です笑

    小林泰三作品好きの方なら誰もが知っているであろうあの方が出てきますよ( ≖ᴗ≖​)ニヤッ

    ホラーなだけではなく真相もあり、大満足のラストでした!

    面白かったです!⸜(˶ˆ꒳ˆ˵)⸝

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    2023年03月04日
  • ドロシイ殺し

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    ネタバレ

    世界観に慣れたのもあると思うが前作よりかなり読みやすさを感じた
    トリックはクララ殺しより簡単だったのもあると思う
    道雄の行動にちょっと無理矢理感があると思った…
    物理的と言うより心理的な残酷描写(?)、狂気があっておもしろかった!

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    2023年02月26日
  • ドロシイ殺し

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    ネタバレ

    文庫本が発売されたので再読。
    やっぱり泰三の言葉運び好きだなあ、この次のティンカーベル殺しで終わりなんて本当に悲しい。
    ビルだけでなく案山子もわけわからんからいらいらと面白さが2倍で暑苦しい笑。ビルがキャンディマン食べちゃうところとかひどくて本当面白い。
    犯人の動機や映画でドロシイを演じた人の背景を踏まえてたり凄く色々調べてる。
    一見平和で幸福溢れる国にみえるけど完璧な国なんてないのかな、政治とは平和とは何かなって考える。あとその人をその人たらしめるものとは何か、これは他の泰三作品にも通ずるものだと思う。『人獣細工』『玩具修理人』ともリンクしているのでひゃっほ!!!って気分が高揚しながら読み終わった。

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    2023年02月07日