辻村深月のレビュー一覧
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ネタバレ純愛ミステリーのような構成。
キャラ付けや人の気持ちの機微の描き方が繊細。
女性的な視点での心理描写が多く、もどかしい気持ちになる部分も多い。上下巻に別れており文章量も多いため、展開がゆっくりであるが、その分丁寧に気持ちの移ろいを表現している。
ただ、とっとと気持ちを伝えてしまえば良いのに!!じれったい!!と思った。
ミステリーとしては個人的にはイマイチだった。
当初からθの正体は浅葱と分かっており、iとのゲームを進めていく中でiの正体に迫る構成となっているが、オチが二重人格とは、、、
月子の記憶喪失についてもご都合主義すぎて残念。
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「スロウハイツの神様」からのスピンオフ。
作家チヨダ・コーキの作中作「V.T.R」が約200ページの単独小説として文庫化。
カバーには著者チヨダ・コーキとして書かれ、解説はスロウハイツの主人公、赤羽環が脚本家として書いている。王子千晴の名前も。
これ、辻村さん楽しかっただろうなー。
他人の作品として書くのって、文体も発想も別物になる。それがちゃんと成り立ってる。
ただ、軽口のティーの脳内発言は鼻につく。ライトノベルみたい。と思ったけどチヨダコーキがラノベ作家なんだから、これでいいのだ。
ラストはさすが。
でもそこまでがちょい退屈ではあったかな。
環の解説も、響く。良い。 -
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勧められて読みました。
少しみんなより大人になったフミちゃんが学校で飼っているうさぎの世話当番で朝早く、風邪を引いた僕の代わりに登校した時、市川雄太という医大生が、うさぎをバラバラにして殺していた。その時から気持ちを失ったフミちゃんをなんとかしたいと思う僕。実は僕には家系的に人に〇〇しないと、〇〇になると暗示をかける力があり、もう1人の子の力の持ち主、大学教授の秋山先生に、この力の使い方について、詳しく教えてもらう。僕は市川雄太と面会するにあたり、この力を使い、市川を懲らしめようとする。先生とは反省しないと人間以外の動物が見えなくなるということを約束したが、実際は。僕の首を絞めないと医学部には -
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ネタバレ自分たちはもちろん、周囲のすべてをも喰らい尽くしてしまうような。煮えたぎるように熱く、底なし沼のように暗くて冷たい、盲目的な、恋と友情の話。
とにかく留利絵視点がグロテスクすぎる。自己肯定感が低すぎるあまり肥大化した自己愛や、自他境界の曖昧さ、重度の愛着障害、見捨てられ不安が純粋培養された病的な依存と妄執、どれも直視できなかった。痛々しい、気持ちが悪いと憎悪すらしてしまうのは、私もまた留利絵と同じ種類の人間だからなのだろう。つまりはただの同族嫌悪なのだ。
自分を守るために目を閉ざし、耳を塞ぎ、自分にも他人にも嘘をつき、どんどん認識の中で事実が捻じ曲げられていくさまに、背筋が凍った。「 -
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ネタバレとある青年の、孤独と、罪と、愛の話。
ものすごく正直な感想を言うと、残酷な殺人ゲームにも、よくある可哀想な多重人格設定にも、あまりときめかなかった。かなり最後の方までふわふわした気持ちで、いまいち没入感が得られないまま読んでいた。
この物語の感想は、木村浅葱に対して抱いた感情によって大きく変わると思う。私は正直、冷めていて、病んでいて、すべてを諦めている浅葱のことはあまり好きになれなかったけれど、月子という他者を求めながらも愛に怯え、最後まで生を諦めきれない、そんな不器用で人間くさい木村浅葱を心底愛おしいと思った。愛し方も愛され方も分からなくて、大切なものまで全部その手で壊してしまう青 -