池上彰のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
池上氏と佐藤氏が2020年大学改革を巡り、『高校』『大学受験』『大学』といったテーマについて、対談する一冊。最終章は山本廣基大学入試センター理事長を交えた対談となっている。
本書は2019年4月に出版された本であり、記述式の導入・四技能の測定の見送り・延期の決定前の話である。
両者が倒れた今、高大接続改革はとん挫したかのように見える。
しかしながら、池上氏・佐藤氏、そして山本理事長の三者のコメントから、今回の決断がその結果が予期されていたこと、そして改革は決して終了していないことがわかる。
文部科学省が実行しようとした『上からの改革』は急進的過ぎて失敗した。
ただし、改革の背景に存在する、 -
Posted by ブクログ
新聞の読み方という題であるが、「新聞に斬り込む」という題の方が適切だと感じた。この本では、毎日13紙もの新聞に目を通している著者が、会社による記述の違いやコラムから透けてくることを読者にわかりやすく説明している。本の中では、新聞を比較して読むことで得られる情報量の凄まじさと、比較の違いを考えることによる思考力が身につくことを主張している。印象的であったのは、新聞が発行されるまでの過程で100人以上が校閲に関わってるとのことだ。如何に誤字に厳しく、信頼性を大事に発行しているのかが理解できた。今後、ネットニュースだけでなく、新聞に目を通し、信頼に足る情報をインプットしていきたい、そう思わせる一冊で
-
Posted by ブクログ
わかりやすさで定評のある著者が情報が溢れている世の中から正しい情報を選別し、きちんとした自分の意見を持つ方法、つまり「知る力」を解説している。著者曰く、説明を聞いた受け手がすべて納得した気になって、その先を考えないことが増えているとのことだ。その実態に危機感を感じこの本を執筆したとのこと。実際に、EU離脱に関して国民投票を実施したイギリスを例にとると、フェイクニュースに踊らされてしまい、意図せず離脱に投票した国民も多くいたとのことだ。そのような、知る力がない故に踊らされるといった事態を防ぐため、読書や新聞を読む術、報道の実態を語っている。自分はこの本を契機に、日々の生活の中で読書を取り入れ始め
-
Posted by ブクログ
著者の解説シリーズは分かりやすい。本書ではテーマを6つに絞り、現在の情勢を基本に立ち返って解説されていた。とても勉強になった。
欠点は、…これは著者が悪いのではなく編集部の問題だと思うのだが、「おとなの教養」というタイトルと本書の中身はミスマッチしているのではないかと感じた。その「教養」をどうやって身に付けるべきか、を説いているのだろうという期待を寄せるタイトルではないのか。まだ、前著『おとなの教養』なら、このテーマを学びなさいという趣旨を感じることが出来たが、残念ながら今作は期待を裏切る。その期待に応える本を著者はほかにも出しているから、そっちを読めばいい。
あと、中身の7割方は『知ら -
Posted by ブクログ
第2次世界大戦への日本の自己反省の手法が不十分であることのほか、第2次世界大戦後の世界の内戦や地域戦争を米ソ対立にかぎらず、アフガン・イラク・コソボ・カンボジア・ソマリア・アンゴラなど、わりと満遍なくとりあげているので、CNNやBBCがケーブルでしか視れず、紛争に関する世界情勢に関心が薄くなりがちな日本人がこれを俯瞰するには手にとりやすい分量。結局、抽象的に帰納するとこういうことになる「世界から戦争が無くならないのは、勝者が歴史から学ばず、戦争による成功体験を引きずり、他者を見くびり、自らの利益のみを追求し、弱者を弾圧し、都合の悪いことは隠す。 そんなことを繰り返しているから」。ラグビーWCに
-
Posted by ブクログ
これからの未来を議論するために、歴史を紐解いているため大変勉強になった。
私は原子力について、経済が活性化するためには必要なものだと考えていたが、第五福隆丸の事件等を知り、考えを改めさせられた。
人がコントロールできないものは必ず問題が膨れ上がる。
また、ネット社会となったことで人の考えが偏ることも議論されていた。情報や人の意見を鵜呑みにせず、自ら考え、編集していく力が大切だと感じた。
核問題については地政学を用いていた。最近よく聞く地政学についての話を聞き、興味を持つきっかけにもなった。
歴史や地政学、文化への理解が未来を予測するためには必要だと感じた。こうした背景知識を基に情報を編集 -