あらすじ
21世紀の戦争は「お金を得るための戦争」だった?
これまで誰も指摘してこなかった、「資本主義社会における“戦争”の位置づけ」に池上彰が切り込む!
「なぜ、世界から戦争がなくならないのか?」
世界の戦争史を振り返っても、侵略のためだったり独立のためだったり、
宗教による争い、資源の独占、内乱などなど、その要因はさまざまです。
しかし、21世紀に突入してからの戦争に目を向けると、「お金儲けのための戦争」、
すなわち「戦争ビジネス」という側面が浮かび上がってきます。
そう、世界には「戦争」によって生活が成り立っている大勢の人々がいるのも真実なのです。
本書では、戦争がなくならない原因に向き合うことから、戦争に対する解決の糸口を探ります。
「戦争が世界のビッグビジネスである」という新たな切り口から、
資本主義社会における「戦争」を客観的にとらえることができる1冊です。
2016年2月12日にフジテレビで放送され、
大反響を呼んだ「金曜プレミアム 『池上彰緊急スペシャル』」を書籍化!
「素晴らしい内容」「戦争に対する心ある警鐘」「あらゆる世代に見てほしい」
「ぜひ再放送を!」などの視聴者からの声も多数寄せられた、高視聴率番組。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なぜ人の世に争いが絶えないのかと言えば、「人の寿命は有限なのに欲望は無限だから」に尽きる。だが、それではいかにも抽象的に過ぎるから、具体的な事例に突っ込み、「戦争を生み出す欲望」の正体を突き止めようとした試みが本書である(元々はフジテレビ系列で放映された特番で、内容を再編集して書籍化)。戦争に参加あるいは巻き込まれて無残に死ぬ人がいる一方、国が戦争をしなければ、失業して飯を食えぬ人がいる。なんともやり切れない気分になった。
Posted by ブクログ
戦争に負けた国は反省するが、買った国はまた始めてしまう、直接ではなく間接支援が戦争を大きくしている…いろいろな事象が重なり合って戦争がなくならない
Posted by ブクログ
ロシアによるウクライナ侵攻が続く今だからこそ、あらためて生徒にも紹介したいと思います。
「戦争は悪いことだ」「平和は尊い」ということは自明の理ですが、また戦争が始まってしまいました。それはなぜなのか。
「始まってしまったのであれば、勝たなければしょうがない」と国民の中で戦争を推進する雰囲気が醸成されることや、戦争によってもたらされる「利益」のために戦争へと世論を誘導する者がいることが、中学生にもわかりやすく解説されています。
とくに後半の、ドイツで行われている歴史教育(戦争責任の自覚)やメディアのあり方への検証は、これからの国際社会の中で日本がどのように歩むべきなのか、一人一人がどのように考え、行動すべきなのかを考えるきっかけになると思います。
いざ戦争(戦闘行為)が始まると、自軍を応援するような愛国心を鼓舞する報道が心地よく感じられ、そのまま国全体が戦争継続の方向に流れてしまうということはこれまでの歴史が証明しています(アメリカのCNNによる湾岸戦争のニュース報道や、FOXニュースが米軍に帯同して「我が軍」の活躍を紹介することで視聴率を上昇させたことなど)。一方で、本書の最期に紹介されているフォークランド紛争の際のBBCのように、客観的な立場を保つ報道もありました。
政治家やマスメディアが発信するメッセージにどのような意味が込められて(隠されて)いるのか、そこを読み解くことが必要ですし、そのためには世界全体の動きを正確に把握し、自分の頭で考えることが不可欠なのだと改めて感じます。
Posted by ブクログ
2016年に放送されたテレビ番組の内容をまとめたもの。池上さんらしいわかりやすい文章。欲を言えば書籍化にあたりもう少し掘り下げてほしかった。戦争で生計を立て、バンバンお金を儲けている企業や国がある限り、戦争がなくなることはないと改めて実感し、悲しくなる。
クウェートの少女ナイラの虚偽証言がかなり衝撃的だった。おかげでニュースを見ていても、ロシア・ウクライナどちらの証言も「これがフェイクの可能性もあるのか」とぼんやり考えるようになった。早くウクライナに平和な日常が戻ってきますように。
Posted by ブクログ
世界各地で戦争が起きている。誰しも平和な世の中をのぞんでいるにも関わらず。
なぜなのか?
この本を読むと「戦争はいけない。やめよう。」と単純に言うことはできず、利権が絡んでいたり、ビジネス、メディアの影響、国家戦略と様々なものが絡んでいる。
ただ、自分は知らないことがたくさんありすぎる。
もっと学ばないとなと思う。
Posted by ブクログ
池上彰が戦争について語った一冊。
ヒューマニズム的に反戦が訴えられる反面、戦争によって潤う戦争ビジネスがあるという実態。
元々TV番組だったこともあり、わかりやすかった。
Posted by ブクログ
複雑に思うような中東情勢についても、これまでの歴史についても、ほんとにわかりやすーく書いてある。大学の時複雑に思ってたけどこんなあっさり説明できるんやな。
深掘りする前におさえとくにはいい本だと思う。
武器三原則のうちの1つである武器輸出禁止が防衛機器にすり替わってたのなんか知らなかった。国際情勢専攻してた身として恥ずかしい。
あとホワイトハウスが仕向けてアメリカの高校代理店が嘘の広告で煽った話も知らなかったし、その子の英語の流暢さとかに誰も疑問を持たなかったことも、知らなくて驚いたんだ。
ドイツの、戦争の責任はドイツとドイツ国民にあるという教育は日本も見習うべきであると思う。戦争賛成論にもっていったのは国民が賛同したからであって、これは絶対にあってはならないことである、というのを日本の教育にもっと出していいのでは。
池上さんは本の最後の方でメディアの報道責任について最終的には言及してるけど、自分たちも偏った見方をしないように気をつけていかないといけないと思う。投票率をあげて政府をしっかり監視することも必要だと思う。
Posted by ブクログ
池上彰のテレビでの特集を書籍化したもの。
さすが、わかりやすい文章でまとめられていて、図や画像も多く、とても読みやすかった。
これまでに起きてきた主な戦争・紛争について、なぜ起こったのか・戦争で得をするのは誰かなどの解説、直近のイスラム国についても書かれている。
特に、ドイツでの戦争の学び方についての記述は、力が入っている。おそらく、日本もそうすべきだとの池上氏の思いが入っているのだろう。戦争をなくすためには、戦争について学び続けるしかない。
最近のニュース報道などを見ていても、メディアに関しての記述は「繰り返されている」ことが懸念されるだけに、こういった視点は貴重。多くの方に読まれて欲しい。
Posted by ブクログ
なぜ戦争がなくならないのか、
☆戦争はビックビジネスだからだ。儲かるからだ。
平和のため、自由のため、あるいは国を守るためといろいろな目的が掲げられてとにかく戦争するしかないんだという流れが一旦起きると、誰も止められなくなってしまう。そこで意義を唱えると、それこそ「非国民」と言われて、その流れに突き進んでしまう。その恐ろしさ、メディアの在り方について考えさせる内容。
Posted by ブクログ
みんなが疑問に思っている事に池上氏が斬り込んでいます。戦争とメディアと軍事産業という観点から解説されています。巻頭には中東情勢の解説等もありタイムリーな一冊だと思います。個人的にはイスラム過激派の長期計画が恐かったです。
Posted by ブクログ
文字数も短く、読みやすかった。戦争をする事でいかに経済が回るかがわかった。不況を改善するためには、軍事費を上げることが一つの手のようだが…それが人の命を奪う戦争に使われるのは悲しいと感じました。
Posted by ブクログ
テレビ放送の書籍版なので内容はシンプル、体系的で読みやすい。これを読んでからまたより深い書籍など読むとなお理解が深まると思う。利権、思想、経済、地政学、宗教、ビジネスなど様々な角度から戦争はなくならないことがわかる。コレといった結論がいまいち感じ取れなかった。まだまだ疑問に思うことは多い学ばなければならない。
Posted by ブクログ
2016年2月12日に放映された番組を新書化したもので、文章として見るとあっさりとした解説という印象が強く、著者ならではの深掘り、ツッコミがほとんど感じられない。
戦争には、様々な動機が絡みあっているから戦争をなくすのは難しいで終わっては本書の意義が薄い。どうしたら戦争をなくせるのか、というゴールが示されなかったのが残念。
Posted by ブクログ
新刊書店で-300円特価で販売されていたのでゲットした。戦争が無くならない大きな理由の一つにそれを商売にしている団体が結構あるからということ。思えば自衛隊の装備費用もある時期は世界で2番目まで行ってなかったっけ?今も世界6位。米国企業を中心に儲けようとしているのがたくさんいる訳だ。それはマスメディアも言えて、FOXテレビはアラビア方面のドンパチを米軍寄りに放送して人気を出した。古くは朝日新聞もそんなことをしていたと。己の利益の為にケシかけるのだから、こんなのに乗せられてはいけないと思った。
Posted by ブクログ
戦後ドイツの取り組みと我が日本の違い。我々は、このドイツの姿を知らなかった人が多いと思う。それとも、日本国民から意図的に知れされなかったのか。