池上彰のレビュー一覧
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「資本蓄積の結果、労働価値が上昇するということは、現実には、賃金労働者が自分自身で鋳造した金の鎖が大きく、また重くなることによって、その鎖に以前よりもたるみが許容されるようになる、ということにすぎない。」
古典を読もうということで、まずは資本論をと思ったんですけど、きっと難しく量が膨大なので、手っ取り早く理解できそうな池上彰講義バージョンを読みました、うたい文句は高校生でもわかるです。
「共産主義やマルクス経済学については微妙だけど、マルクスの資本主義分析は精緻で鋭い」というのを聞いていて、じゃあということで読んでみました。
革命闘士にはならなかったけど、資本主義というものがなんとなく -
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相手に"わかりやすく"伝えるためにどんな事をしているか、してきたか、池上彰さん自身の経験を踏まえて説明されています。
ジャーナリストをはじめ、多方面で活躍する池上さんらしい、読みやすい文章でした。
今回も、なるほど!と、本を読みながらうなずかされました。
毎日の生活の中で、自分が理解できていない点を常に見つけるようにすること。そして、人に何か説明する時は「手垢のついた表現(抽象的な表現)」を避けること。聞き手に回った時は、「相手を認める聞き方」を心掛けること。
もし不意に、陳腐でありきたりな表現や、理解が難しい高尚な表現を使って、説明から逃げてしまいそうになったら、し -
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ネタバレ2018年、1冊目です。
第5章 「分断される世界は人類共通の問題を悪化させる」の中で、私たちには何ができるのかという問いに対して、
先ずは”知ること”であると書かれている。無知の恥とトランプ大統領は言われいるそうですが、私たち一人一人が自分のできる範囲から少しでも多くの事実を知ることで、分断や軋轢が緩和されるということだと思います。
その中のひとつの事例として、日本人として「ヒロシマ」を説明できますかという問いかけがあります。「過ちは繰り返しません」という碑文の意味を説明できるか?言い換えれば、「ヒロシマ」で起きたことをどう認識し、どう伝えていくべきかの考えが定まったいるかだと思いました。
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ネタバレ「世界から格差がなくならない本当の理由」 池上彰
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生まれた環境で、人生が決まってしまう社会―格差はいろいろな原因によって起きています。「原因はこれだ」「こうすれば解決できる」とは一概に言えません。たまたま生まれた家がお金持ちだったからいい教育を受けられる、あるいは貧しかったから教育を受けられないということではなく、どんな子供もスタートは同じにする。その後は、本人の努力によってそれなりの差が出るのは仕方がない。でも、まずはスタートを同じにする。そのために、私たちができること・ -
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「書く」という行為についての新聞人と放送人の対談。対談というところがこの新書を本質的なものにしていると思いました。ふつう「話す」は相手があって成立するもの、「書く」は一人で行う作業、と思いがちですが、実はそうじゃない。ペンなりキーボードなり自分の内側にあるものを文字として外側に出す、そいう外在化された自分と対話する行為が「書く」ということ。だから「書く力」とは「一回、文字にした自分と対談する力」、そう言っていると感じました。だから人はついつい実物以上な自分としての名文にこだわるのかな、あるいはかっこ悪い自分に会いたくないから書くことを遠ざけたりするのかな、とか。この本の二人の達人は、自慢っぽい
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95歳になった瀬戸内寂聴さんと、池上彰さんの共著。
まだまだ好奇心衰えず、知りたいことがたくさんあるという寂聴さん。社会、政治についての疑問を池上さんにぶつけつつ、今の日本人は自分さえよければよいという考えになってしまってダメだと嘆く。出家前と出家後の自身の私生活についても快活に語られているが、出家後は仏教のおかげで厳しくも道を外さず生きてこられたという。せっかくいただいた命を大切に生きたいという言葉は印象に残った。
後半の池上さんによる超高齢化社会についての解説は、さすがのわかりやすさ。これほどの高齢化社会はいまだかつてなく、だからこそ我々には老い方のレッスンが必要で、宗教の役割もそこにある