麻見和史のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
銀座のショーウィンドーに飾られるように遺棄された遺体。
続く拉致事件と不可解な手がかりに、捜査は難航する。
殺人分析班が、歪んだ犯意の核心へと迫る。
安定の面白さで、導入のインパクトから一気に物語へ引き込まれる。
猟奇的な事件でありながら、殺人分析班による筋読みやプロファイリングが丁寧に積み重ねられていくことで、読者も一緒に推理していく感覚を味わえるのがこのシリーズの魅力だと改めて感じた。
事件の異様さだけで引っ張るのではなく、捜査の積み重ねによって少しずつ輪郭が見えてくる構成が心地よく、クライマックスに向けて緊張感が途切れない展開もさすが。
そして今回は、事件の背景が明らかになったあと、塔子と同じように思わず同情の念が湧いてしまった。単なる善悪では割り切れない感情が残る点も、この作品の印象をより深いものにしている。
また、長期シリーズでありながら登場人物たちの言動や役割にブレがなく、それぞれの立ち位置がしっかりと活きている点にも安心感がある。
シリーズ作品としての安定感と、読み応えのある事件性がバランスよく融合した一冊だった。 -
Posted by ブクログ
被害者が残した血文字の「SOS」。
捜査線上に浮かび上がったのは、心を閉ざした一人の小学生だった。
警視庁殺人分析班が、少年の不可解な行動の裏に隠された真実を追うシリーズ第8作。
今回は謎の小学生の存在が物語の鍵となる。なぜ彼は心を閉ざしているのか。不可解な行動の理由は何なのか。どうすれば少年の心を開くことができるのかと、読み進めるほどに気になり物語に引き込まれた。
事件の謎を追う面白さはもちろんだが、本作はどちらかというと人間ドラマ寄りの印象。少年の背景や人の心の複雑さが丁寧に描かれていて、そこも読みどころだった。
殺人分析班の面々の活躍も安定の面白さ。鷹野と塔子の関係性もこのシリーズの魅力の一つで、二人のやり取りを読むのも楽しみ。今回は公安も絡み、捜査パートの緊迫感もあり、シリーズの魅力がしっかり詰まった一冊だった。楽しめた。 -
購入済み
事件の内容は残忍かつ冷徹なんですが、なぜだかスルッと読みやすい印象です。
女性主人公視点で展開するためでしょうか、刑事もの特有の堅さや重さはそれほど感じず、なんか"今"っぽいなと。普通にスマホ時代の話かと思ったらワンセグとか掲示板が出てきてびっくりしました。
中盤に第三の被害者に勘づいてしまったのですが、そこからまた二転三転して一筋縄では行かなかったのが面白かったです。
ただ、他の方のコメントにもあるように鷹野さんのあれはちょっと腑に落ちず……。
ですが調べると鷹野さんの別シリーズがあるようなので、実は鷹野さん特殊能力があってわかる人には納得の流れだったりするのでしょうか。うーん気になる。