麻見和史のレビュー一覧
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上野の空きアパートで発見された、顔と腕を損壊された遺体。残されたのは謎めいた数字と聖人カードだけ――。如月塔子ら「殺人分析班」は、連続殺人を予感しながらも次の事件を防げず、捜査は迷路のように絡み合っていく。数字が示す意味、犯人の意図、すべてが霧の中で進む緊迫の推理戦。
シリーズ5作目。猟奇性と緊張感に支配される物語に一気に引き込まれた。用意された仕掛けは読者の予想を軽々と裏切り、どんでん返しに心を揺さぶられる。事件の背後にある動機や人間模様は単なる犯罪譚ではなく、哀しさや切なさを濃く刻み込んでいる。善悪の線引きが揺らぎ、読み終えた後もしばらく思考がまとわりつくような余韻。
ミステリーとして -
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麻見和史『骸の鍵』双葉文庫。
警察小説の新シリーズの開幕だろうか。
麻見和史の警察小説シリーズと言えば、『警視庁犯罪分析班シリーズ』、『警視庁文書捜査官シリーズ』など女性刑事が主人公を務めるシリーズが目立つ。主人公は、如月塔子、鳴海理沙と推理力や捜査能力に長け、魅力的な女性刑事ばかりである。
本作も警視庁捜査一課殺人犯捜査第6係の筋読みに優れた女性刑事である城戸葉月が主人公を務める。これまでの麻見和史の警察小説シリーズの女性主人公とは少し毛色が異なり、例えるなら誉田哲也の『姫川玲子シリーズ』の姫川玲子に似ている。そして、ストーリーは二転三転しながら全く予想もしなかった結末へと進んでいく。 -
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麻見和史『最後の告発 警視庁文書捜査官』角川文庫。
テレビドラマ化された異色の警察小説シリーズのの第11作。今回もまた書き下ろし。
『警視庁文書捜査官』シリーズの面白さは、鳴海理沙を中心に、奇妙な事件を犯人が残したメモや脅迫状、或いは暗号などから事件を解決に導くプロセスにある。しかも、描かれる事件は皆、時勢を反映した現実味があるところが魅力の一つなのだ。
ある日、警視庁文書解析班に1通の告発状とも取れる手紙が届く。その手紙には7年前に行方不明になった人物についての再捜査依頼と共に疑わしい人物の名前が記され、再捜査しない場合は差出人自らが犯人を殺害すると書かれてあった。
鳴海理沙率いる矢 -
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麻見和史『魔弾の標的 警視庁殺人分析班』講談社文庫。
知らぬ間にシリーズ第14弾を数えた。このシリーズは非常に面白く、毎回楽しみにしている。
相変わらず見事なプロットだ。恐るべき連続監禁殺人犯の正体を簡単には読者に悟らせず、幕間に描かれる母子の物語で少しずつ事件の真相を見せていくのは本当に見事である。
今回、如月塔子がコンビを組むのは鷹野秀昭ではなく、門脇仁志というのも新鮮であり、事件が決着しても背後にゲーム・マスターという謎の人物が居たことを匂わせ、第15弾、第16弾へと話をつなげていくというのも憎い演出だ。
空家で発見された異様な男性の遺体。男性は全裸で動物用の檻に閉じ込められ、 -
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麻見和史『殺意の輪郭 猟奇殺人捜査ファイル』朝日文庫。
新シリーズ。
謎に包まれた惨殺された被害者の関係、なかなか見えぬ犯人の姿、何故犯人は猟奇的な殺人を続けるのか……
タイトル通り『殺意の輪郭』が少しずつ明らかにされる、相変わらずリーダビリティの高い警察小説だった。
深川署管内で起きた奇妙な殺人事件。被害者はパートで運送会社で働く手島恭介で、土中に埋められ、何故か溺死していたのだ。深川署の刑事、尾崎隆文はモデル並みの美貌の女性刑事、広瀬佳純とコンビを組み、捜査にあたる。しかし、広瀬の様子が明らかにおかしく、尾崎は捜査の傍ら、広瀬の行動を注視する。
そんな中、第二の殺人事件が発生し -
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麻見和史『追憶の彼女 警視庁文書捜査官』角川文庫。
『警視庁文書捜査官』シリーズの第10作。書下ろし。相変わらずのリーダビリティの高さ。シリーズを重ねても全く飽きることが無いのが凄い。
今回は冒頭から警視庁文書解読班の矢代朋彦が休日に7年半前に起きた事件を単独で調べるという一風変わった展開で物語は進む。もしかして今回は鳴海理沙は登場しないのかと思ったのだが、それは杞憂だった。
7年半前、矢代の幼馴染の水原弘子が田端で階段から転落し、死亡したのだ。付近では何者かと言い争う声がしたとの証言から他殺の可能性が高かった。手掛かりは犯人と思しき男が所持していた古い型のカメラで、矢代はカメラから犯 -
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麻見和史『偽神の審判 警視庁公安分析班』講談社文庫。
公安に異動した鷹野秀昭を主人公にした警視庁殺人分析班シリーズの姉妹作にして、警視庁公安分析班シリーズの第2弾。先日、読み逃していたことに気付き、慌てて購入。前作『邪神の天秤 警視庁公安分析班』で描かれた『鑑定士』による政治家と大学教授の惨殺事件の解決編が描かれているので読み逃す訳にはいかないのだ。
刑事捜査が身に付いた鷹野と公安分析班のメンバーとが反目し合いながらも、『鑑定士』に迫る過程が面白い。そして、思いも寄らぬ『鑑定士』の正体には驚かされた。さらには『鑑定士』逮捕後の驚愕の展開と、2作に渡り描いただけのことはある。
前作『邪神の -
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ドラマ→本書
いやはや、ドラマと全然違うやないかーい!笑
ドラマではこのシリーズで鷹野主任が居なくなってしまうので、その辺どうなるのだろうと思いながら読んでいました。
最初からいつも通りじゃない鷹野主任。
鷹野主任からお荷物扱いのようなことを言われる塔子。
ギクシャクする2人。
そんな折に鷹野主任は負傷し、今度は尾留川とコンビを組むことになった塔子。
今作で尾留川の刑事としての働き、中々関心しました。
舐めてた。ごめんね尾留川さん。
最後に鷹野主任と話す所超イイネ!!!
『主任』と『さん』
別にどっちでもいいけど……とか言いつつ『さん』で呼んで欲しいんだろわかってるって!!
本当に毎回この