麻見和史のレビュー一覧
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殺人分析班と並んで、大好きなシリーズ。
いやぁ、今回も面白くてほぼ一気読みしてしまった。
最後の方で殺人に至る経緯やそれらに関するオチが色々と出てくるけれど、胸がギュッと締めつけらるような切なさに襲われた。それまでの猟奇的な展開からして想像もつかない流れだから上手だよなぁ、持って行き方が。
そして相変わらず個々のキャラ設定が素晴らしいのだけれど、出ました!新キャラ、夏目さん!
この夏目さんがまた良いのよね、キャラが。
めちゃくちゃ体育会系(外見)で正義感強くて、情に弱くすぐ泣いちゃう。そして、ちょっとヌケてる?ところがあって。でもそのヌケてるところが思わぬ展開を生んで。。。あぁ、もう好きずき -
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麻見和史『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』角川文庫。
『警視庁文書捜査官』シリーズの新作書き下ろし。相変わらずの面白さ。
事件か悪戯か判然としない事案に文書解読班がSITに召集されるという不穏な幕開けから物語は始まる。目的不明で正体不明の犯人の暗号めいたメッセージに鳴海理沙たち、文書解読班が挑む。
千代田区の東京文学博物館の敷地内で、封筒に入った奇妙な文書と写真が発見され、片仮名と平仮名混じりの奇怪な文書と写真から拉致監禁の事件性が疑われた。
この事件の捜査のために神田署に召集されたのは、警視庁捜査一課科学捜査係の鳴海理沙たち文書解読班の他に岩下管理官肝入りの早峰優梨率いる新設の情報分析班 -
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ネタバレタイトルを見て、遂に待望の鷹野の過去に関係する話かと思ったのですが、微妙に期待した話と違ってて、その点では少々落胆。
けれど、今回は塔子が事件に巻き込まれることによるこれまでにない緊張感の高さと、犯行グループとは関係がないと思われていた人物たちが実は犯行に加担していたという意外性の高さもあって、かなり楽しめたと思います。
加えて、江本=阿川猛が敵役としてなかなか魅力的だったのも良かったです。惜しむらくは彼が最後に捕まってしまったこと。逃げおおせて、鷹野と塔子の強力なライバルとして立ちはだかってくれたほうが、後々よりスリリングな事件や展開を期待できるかな、と。
なので、今後は鷹野の過去話に -
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麻見和史『凪の残響 警視庁殺人分析班』講談社文庫。
シリーズ第11弾。リーダビリティが高く、毎回楽しみにしている警察ミステリー小説。冒頭から異様な事件の発端が描かれ、瞬時に物語に引き釣り込まれた。前作の『鷹の砦 警視庁殺人分析班』をシリーズ最高傑作ではと評価したが、本作は前作にも優るとも劣らない面白い作品であった。
都内の青海地区にあるショッピングモール内のカフェで客の男が飲み残したクランベリーソーダのグラスの底に沈む切断された二本の指。同じショッピングモール内のアクセサリーショップにも同じ風体の男が二本の指を残し立ち去る。何者かに監禁され、左手の五本の指を切断された女性……警視庁捜査一課 -
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文字や文章を偏愛する鳴海理沙警部補率いる文書解読班が難事件を解決するシリーズ、外伝を含め7冊目。
今回は、ハイジャック犯達と人質の命を賭けた死の推理ゲームに挑む。はたして、その結末とは?
いつもは、警視庁内でも『倉庫番』と揶揄される影の存在でしたが、今回は新たな展開(表舞台)ですね。
ハイジャック犯達の要求は4つ。
・燃料を満タンにすること。
・金塊を50kg用意すること。
・後続の飛行機を羽田空港に到着させること。
そして、府中刑務所に収監されている犯罪者を連れてくること。
4つの要求が満たされるまで、犯人達から出される推理ゲーム。解けなければ、一人また一人と人質が傷つけられていく。 -
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麻見和史『銀翼の死角 警視庁文書捜査官』角川文庫。
シリーズ第7弾。今回、鳴海理沙の活躍の場は羽田空港だ。珍しくインドア派の安楽椅子探偵が外の世界に出て活劇を繰り広げるというのだから面白い。また、次から次と犯人を巡る謎が渦巻き、一体どんな結末が待ち受けているのかという興味にページを捲る手が止まらない。
冒頭から緊迫の描写が続く。札幌から羽田に向かう380人余りの乗客を乗せた旅客機が4人の犯人によりハイジャックされる。犯人の永尾から挑まれた水平思考パズルに解答出来ないと乗客の1人が傷付けられるという極悪非道な理不尽なゲームに困惑するSITは文書解読班のメンバーを緊急召集する……
テレビでド -
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麻見和史『鷹の砦 警視庁殺人分析班』講談社文庫。
シリーズ第10弾。もしかしたらシリーズ最高傑作ではなかろうか。ストーリーはダイナミックに展開し、事件の真相に向かって二転三転、紆余曲折、ページを捲る手が止まらない。
都内で発生した殺人事件。被害者男性の交遊関係から被疑者が浮上し、如月塔子らは被害者を追い詰める。しかし、その被疑者は若い男女を人質に取り、山中にある化学肥料販売会社に立て籠る。あろうことか塔子は女性人質と交換で被疑者の人質となり……
窮地に陥りながらも、無事事件を解決した如月塔子は刑事としてまた一歩成長を見せるのだった。
本体価格780円
★★★★★ -
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『暗イトコロハ、好キカ?』
奇妙な声に怯える少女。
そして、それが悲劇の始まりとなった。
救急医療の現場をモチーフにした、慟哭のミステリー。
消防署への奇妙な匿名の通報
『少女が閉じ込められている、早く助けないと死ぬ...』
舞川中央消防署の救急隊・真田隊長は、チームの工藤、木佐貫とともに、現場へ急行する。
そこには、血まみれの少女が大型冷蔵庫の中に監禁されていた。更に、コートには、奇妙なシールが貼られていた。
誰が、一体なぜこんなことを?
そして、続く第二・第三の事件。
被害者は、皆、狭い所に閉じ込められ、背中にシールが貼られていた。
やがて、5年前のトレーラートラックの横転事故との -
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面白かったし 読みごたえがあった。
こんな切ない結末になるとは思わなかったなぁ。
初めてこのシリーズを読んだ時 塔子にはあまり魅力を感じなかったし 2作目3作目くらいまでは それが変わることはなかったような。でも いつからか どんどん魅力を増して イキイキと動き始めた塔子。体力的には 男性にかなわないけれど 女性に というか 塔子にしかできない仕事が少しずつ確立されてきたというか。まだまだ揺れながら 他の刑事には時に甘いと言われながらも 自分なりの立ち位置で犯人や関係者に向かい合う 決して器用ではない その姿勢に惹かれるのかもしれない。