鷲田清一のレビュー一覧
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「生き方」シリーズ。渡辺和子さんの著書に「エレベーターの閉ボタンを押さないようにしようと思う」という記述があり、「待つ」ってことを考えてみようと購読。確かに現代は、スマホやアプリのおかげで待たなくて良い時代になっている。確かに便利なのだが、待たされる=価値がないと短絡的になっていないか、待つことの価値もあるのではないか、ということを考えさせられる。例えば、子育ては待つことの方が多いが、待ったことの結果として(笑った!言葉を話した!歩いた!大きくなった!)などの大きな喜びがある。傾聴というのも「相手の発言を待って聴く」というもので、信頼関係を築くコミュニケーションに必要な姿勢である。著者は、「み
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ネタバレ待つのが苦手、というか待てるけどすぐにイライラしちゃう性格で(自覚あり)、おだやかに待てる人になれるヒントを求めて読んでみた。
時の流れとか、待つの対象だとかガチ考察(臨床哲学)に触れてみて、少しだけ冷静に待つことができるようになった気がする。
「待つ」って、もはや人生のテーマ。
p.14~15 香月泰男のシベリア抑留中の随想の文章があって、テンション上がった。
p.41には、武蔵と小次郎の引用があって、山口県民ちょっと嬉しい。
p.16 「忘れていいことと、忘れたらあかんことと、ほいから忘れなあかんこと」映画『沙羅双樹』より
p.25 「いま」の幅についての考察。「いま」エモい! -
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Posted by ブクログ
2020年の8月くらいに書かれた内田樹さん編のアンソロジー。
コロナをへてポストコロナに対しての中高生・大学生
に向けて30代・40代・50代・60代・70代の著作者が
指針というかメッセージ集です。
前書きの内田樹さんの『各代の著作者からの想定読者にたいするいうべき言葉は『ごめんなさい』』という部分は非常に
心に残る内容です。
20人の人からの言葉のなかで、一番よかったなあと思うのが、今回は平川さんでした。
昨年の8月と現在(2021年1月)とはまたフェーズが
変わってきているコロナの状態ですが。
やはりいろいろな矛盾が表出してきているなあと
思います。
たしかに、自分の息子も含めて、若い人 -
Posted by ブクログ
"芸術は何か人びとの鑑賞にたえる美しいものを創り上げる活動というより、日々の暮らしの根底にあるべき一つの〈態度〉のようなものかもしれません。死者をどう弔うのかという態度。他者の悲しみにどう寄り添うのかという態度。人びととどう助けあうのかという態度。政治的なものにどう参加するのか、さらには自分自身とどう向き合うのか、生き物としての、あるいは身体としての自分の存在にどうかかわるかについての態度、それらを貫く一つの確かな〈態度〉として芸術はあるのです。"(p.65)
"わかっていることよりもわかっていないことをきちんと知ること、わからないけれどこれは大事ということを