だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

1,045円 (税込)

5pt

ことばを、
・だんまり
・つぶやき
・語らい
の三つの層で考えてみるというお話に入ろうと思います。
最初にひとつだけ質問させてください。
みんな、ことばって好きですか? 好きなひと、ちょっと手を挙げてくれます?
はい。ありがとう。
嫌いなひとは?
あら……。そうか、どちらでもないひとが圧倒的に多いみたいですね。
ことばが嫌いなひとがものすごく少ない。これ、ちょっと驚きです。
ぼくはですね……じつはことばが苦手、というか、嫌いな人間なんです(笑)。
それで、いまの若い世代の人って、ぼく以上に嫌いなのかなって思っていたんで、虚を衝かれました。
でも、みなさん。だれかとしゃべる、ひとと話すことって、読むとか書くよりしんどくないですか?
しゃべりたくないときでも、黙っていると場から浮いてしまうんじゃないか。
メールが来たらすぐ返さないと、なんか悪くとられてしまうんじゃないか。もうつきあってもらえなくなるんじゃないか
とか、いろいろありそうですね。
しゃべりたくないときには黙っている、しゃべりたくなったら口をひらくのがいちばんラクだと思うのに、なぜかいつもしゃべらないといけないような空気みたいなものがある。ぼくはそれを敏感に感じるほうです。
ことばって面倒くさいじゃないですか。
じゃないですかって、挙手をみるかぎり、みなさんのほとんどがそう思っていないようですから、ちょっと困るところではありますが(笑)、ぼくは、ことばってすっごく面倒くさいものだと思っているんですね。
というのは、たいていの場合、ことばのほうが過剰か過少であり、ピタリ、ズバリはまずない。そのアンバランスというか、チグハグさにひとは苦しみ悶える。……

2020年10月15日、コロナ禍のなか愛知県立一宮高等学校でおこなわれた講演の記録。碩学のあたたかい語りかけと生徒たちの真摯な応答に読者はいつしかわが身をふりかえることだろう。

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    鷲田清一さん、高校生のとき国語の教科書で出会い、文章にびびっとくる感覚を教えてくれた人。
    やっぱり鷲田さんの言葉は心にスっと入ってきて、自分の話だと思える感覚がある。

    だんまり、つぶやき、語らい
    だまって相手の言葉を待つこと、綺麗な文章になっていない言葉の大切さを知った。今までそれらをコミュニケー

    0
    2024年09月22日

    Posted by ブクログ

    学校の先生を「さん」付けかあ。中々、勇気がいるなあ。それに、学校の先輩を「さん」付けなんて、無理だろうなあ。

    0
    2024年05月27日

    Posted by ブクログ

    めっちゃ面白かった。
    ことば=気持ちを100%表すものではない。
    自分を再構成するための語らいを私ももっとやりたい。
    一宮高校の生徒いい質問するなあ。

    0
    2023年04月19日

    Posted by ブクログ

    言葉は、難しい。自分のその時のたまたまの状況によって発せられるものが異なり、受け取られ方も違う。そしてそれは、取返しがつかないような状況になる。黙ってたほうが良かったのか、と悩むこともある。この本を読み、違いを違いとして受け止められず、間違いとして受け止める自分がいることを気づかせてもらった。

    0
    2023年03月18日

    Posted by ブクログ

    コロナ禍の中、高校で行われた講演録。
    わかりやすい言葉で、「ことば」について語られている。

    鷲田氏は「ことば」は面倒くさいものだと言う。
    自分について語りたい時、過剰になってしまったり、過小になってしまったりしてちぐはぐになってしまう。
    でも、ことばがあるからこそ、ちぐはぐであやふやな自分の感情を

    0
    2022年02月28日

    Posted by ブクログ

    深い問題意識を前提にしながら、語られる言葉は極めて平易。言葉のこわさ、貴重さ、その間での自己のあり方を、丁寧に語りかける。
    高校生達と一緒に講演を受けた気分で、自分の言葉との向き合い方を振り返ってみたところである。

    0
    2021年11月21日

    Posted by ブクログ

    コロナ禍に開催された学生向けの講演会から。私たちの生き方、コミュニケーションの取り方について、共に考える。自分とは何かを考えながら、他人を慮る話。

    0
    2025年11月05日

    Posted by ブクログ

    講談、講義の内容を本にしているため鷲田清一の本にしては非常に読みやすく進めることができる。

    しかし内容の厚みはしっかりとあり、講義を聞いていた生徒との掛け合いの中から色々と語らい、言葉について考えさせられる。

    0
    2024年07月28日

    Posted by ブクログ

    メモ。
    自分の言いたいこと(言葉の意味)ではなく、言いたいというその気持ち(言葉の肌理)を受け止めてほしいもの。存在の肯定が語らいにおいては大切。

    0
    2023年12月20日

    Posted by ブクログ

    語らう中で、これまで気付いていなかった自分にチューニングしていくという表現がすとんとおちた。とても読みやすい。

    0
    2023年03月19日

だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

鷲田清一 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す