ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
ケータイ電話が日常のコミュニケーションの主流となり、現実とヴァーチャルな世界との境界がかぎりなく曖昧なものになりつつある今日、ファッション、モードの世界はかつての規範から解きはなたれた人びとの思い思いの「てつがく」の交響の場となっている。目まぐるしく変遷するモードの世界に、変わることのない肯定的眼差しを送りつづけてきた著者のしなやかなファッション考現学。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
わー!おもしろかった! モード(ファッション)論ですが、身体についてもかなり触れているので身体論としても興味深いです。 私は大学の身体論をほとんど理解できなかった人間だけど、この本だとおもしろい視点がどんどん入ってきたので、理解が深められた気がする。 そしてことば使いがとてもきれいで、読んでいて気...続きを読む持ちがいい。漢字とひらがなのバランスがすごく好きな感じだった。
良い本だった! ファッションそのものというか哲学の本で、時代に廃れぬまなざしがある。身にまとうものを含めた自分というおしだしについての哲学。 その人がそのまま表出されているすがたというのが一番魅力的なんだと語るような場面(ちょっと受け取り方に語弊があるかもしれないけど)が何度となくあって印象的。ある...続きを読むがままのシワとか、そのひとの人生史(時間の澱という言葉が心に残る)をいつわらぬ顔というものに価値を見いだすこと、それはやはり豊かだよな、かくありたいね、と思える。 そしてなにより言葉選びがつくづくツボで、非常につやっぽい。読んでて無性にどきどきした。乾いた肌に湿り気を取り戻すような読書体験だった
服装ひとつで人の印象はガラッと変わる。 ファッションは自分を表現する手段のひとつ。 どちらもその通りだと思うのだが、「印象(impression)」の反対語は「表現(expresssion)」である。ファッションは元々、夏に着物に薄地の絹織物をはおることで見る人の目を涼ませたり、艶やかな色の服で見る...続きを読む人の心を明るく楽しませたりする、ホスピタリティの精神から来るものであった。だが昨今では、「自分をどう見せるか」という表現の手段として捉えられることがほとんどである。また、その「どう見せるか」という点についても、自分らしさを追求しつつも、流行に乗った結果、結局周りと同じような格好をしているというどうも矛盾した状況にある。 女らしさも男らしさも、スーツのようなパリっとした格好もジーンズを履いたカジュアルな格好も、100%になるとどれも魅力は半減する。女らしさの中に見え隠れする男っぽさ、カジュアルさの中に入り交じる緊張感など、「ゆらぎ」「中途半端さ」の中に魅力がある。 …などなど、「ファッション」を切り口に人間の魅力や個性、現代人の感覚など様々な観点についての哲学的考察。どれも新しい視点で読んでいて楽しかった。
服だけでなく身体、粋、他人への思いやりについて書かれている それらを身につけた上でのファッション はずし、余裕、美学 「おしゃれ」と「個性」という言葉になにか違和感を感じる人には特に読んでほしい 人と違う服を着るのだけがおしゃれじゃあ、ないんだよねぇ
着飾りすぎるのは、格好わるい。そこには他人がいないからである。 ドレスアップと同時にドレスダウンも大事。
「現代の若い子は、なんで寒いのにミニスカートなんかはいてるんだろうなぁ」という素朴な疑問が解決した。
服装が身ごなしを誘導しているという話が印象に残っている。社会的に女性にされていく過程のなかに、服装による影響があることはわかっていたんだけれど、ふるまいへの強制力には気づいていなかった。
2000年前半に書かれている本なので 今現在と比較するとあーそうそうあったわ、そうゆうことも。とか 懐かしいような それでいて、ごもっともと思うこともしばしば。 自分に一番遠い自分とか。 鏡越しで見ないと自分を見れない自分がいて でも自分以外の人からは自分がよく見えるって。 当り前なんだけどごもっと...続きを読むも。 化粧もファッションもなんだかんだでそうゆうことよね、って。 誰かに承認されたいし自分はこうです!っていう理想とか。
「ファッション考現学」というサブ・タイトルがつけられているように、さまざまな雑誌に掲載されたファッション論を集めた本です。 著者は本書の冒頭で、次のように述べています。「ファッションにぜんぜん気がいかないひとはかっこよくないが、ファッション、ファッション……とそれしか頭にないひとはもっとかっこわる...続きを読むい。このふたつ、一見反対のことのようで、じつは同じ態度を意味している。他人がそこにいないのだ」。他者の視線を浴びる衣服は、われわれが世界と出会い、両者が互いにせめぎあう最前線にほかなりません。人びとは着飾ることで、他者の注目を集めたり、他者のまなざしを拒絶したりしながら、自己の輪郭をかたちづくっていきます。そうしたせめぎあいの場において、「自己」はあらわにされています。著者は、表層のファッションの背後に隠された「ほんとうの自己」の存在など信じてはいません。そのつどの状況にあわせて可変的である衣服こそが「自己」であり、流行に追随したり抵抗したり、背伸びをしたり少し気を緩めたりと、そのつどのイメージに揺さぶられながら、われわれはそのつどの「じぶん」を選びとっていると論じられています。 ファッションは、けっしてわれわれの存在の「うわべ」や「外装」ではなく、むしろ「魂の皮膚」だと著者は述べます。ファッションについてセンスよくありたいと願うことは、他者のまなざしを受けるときのひりひりするような感覚にセンシティヴであることに通じているのかもしれません。 ファッションを論じる著者の文章に、センスよくありたい、あるいはセンシティヴでいたいという意識の過剰を感じとって鼻白むひともいるかもしれません。しかし本書を読んで、オタクが自分の趣味について延々と語りつづけるのを聞かされるときに感じるようなどうしようもない倦怠感を覚えることはありませんでした。「好きなもの語り」の臭みを感じさせないファッション時評というのは、もしかするとそれほど多くないのではないかという気がします。
ファッション心理学(?)の本です。 流行に乗っかるも乗っからないもスタイルの一つではあるんだなぁと思いました。 モードは自身を裏切ることを宿命としていると言われると、そうだなぁと思うと同時に じゃあ確かなファッションというものはあるのだろうかと考えてみたり。 他者を慮るファッションという考え方も私に...続きを読むは新しいものでした。 京都生まれで舞妓さん(ドレスアップの極み)とお坊さん(ドレスダウンの極み)を 見て育ったことが著者に影響を与えたそうです。 ちょっと新しい発見が多すぎて何を書こうか迷うくらい面白い本でした。 「モードは、いまなにかが終わり、別の新たななにかがはじまりつつあるという感情を煽る。 つまり、現在という時を、過去と未来を分ける分水嶺として浮き立たせる。」 (ドイツの哲学者、社会学者 ゲオルグ・ジンメル)
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
てつがくを着て、まちを歩こう ――ファッション考現学
新刊情報をお知らせします。
鷲田清一
フォロー機能について
「ちくま学芸文庫」の最新刊一覧へ
「暮らし・健康・美容」無料一覧へ
「暮らし・健康・美容」ランキングの一覧へ
じぶん・この不思議な存在
生きながらえる術
老いの空白
試し読み
大人のいない国
オノマトペの現象学 新版 「ぐずぐず」の理由
語りきれないこと 危機と傷みの哲学
「聴く」ことの力
京都の平熱 哲学者の都市案内
「鷲田清一」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲てつがくを着て、まちを歩こう ――ファッション考現学 ページトップヘ