鷲田清一のレビュー一覧

  • 所有論

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    所有とは何かという途方もない問いを徹底的に掘り下げた論考です。
    これだけ骨太の大作を読み進めるのは、エネルギーとまとまった時間と集中が必要でしたが、一定ボリュームを読み進むことができるとリーダーズ・ハイが訪れました。
    古今東西の巨人を数多く引用されていますが、その中でも意外な関連に小気味良さを感じています。

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    2026年08月16日
  • 所有論

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    「所有」という概念をめぐる哲学的な考察を通じて、その問題とオルタナティヴな可能性をさぐる試みがおこなわれています。

    哲学の伝統のなかで、所有という概念の問いなおしをおこなった論者たちは、しばしば存在と所有という問題設定のなかで議論を展開してきました。しかし著者は、西洋の諸言語で所有を表わすことばが状態動詞に近い意味をふくんでいたことを指摘して、存在と所有を対置する考えかたでは所有の概念がはらんでいる哲学的な問題を解明することができないと主張します。

    つづいて著者は、「所有」という概念の哲学的な由来をさかのぼり、ロック、ヒューム、ヘーゲルらの議論を検討し、とくにヘーゲルにおいて所有することは

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    2026年08月13日
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

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    高校生に向けての講演会の記録
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    できるだけ、人生の文脈がこれまでも、そして現在も遠く隔たっているような人と話す。あえて、そういうひとにぶつかっていくことが、じぶんをひらいていくときの心がまえとしてもっともだいじ…。
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    でもそれって怖いし、しんどそうだと思った。あえてそれをするにはかなりのエネルギーを宿しておかないと難しそうだ。現実世界では難しそうだけど、本を読むことでそれを成し得ることは可能だ。

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    2026年08月08日
  • 「透明」になんかされるものか 鷲田清一 エッセイ集

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    流石の鷲田清一で、きれいな日本語が多い。エッセイ集だが、なかなかハード。だけど面白い。結論を急がずに、考え続けること。無呼吸のまま潜水し続けられる体力こそが知力。

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    2026年07月08日
  • 「透明」になんかされるものか 鷲田清一 エッセイ集

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    ネタバレ

    電車の中でちょっとずつ読んで終了
    日頃の生活のなかで感じとったことや、言葉の意味から物事を考え直したり…
    読んだ本からフレーズやエピソードが出てくるのはいったいどんなふうに読んでれば頭に定着するんだろう。

    4章は特に書評に特化しており、
    哲学書ならふつうの本と違ってまったく分からなくても、ワンフレーズでも腑に落ちただけでうれしく思うというところに共感した。

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    2026年06月09日
  • 哲学の使い方

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    哲学のことを非常に 哲学的な言葉で書いているため さっぱりわからない。 使い方も何も これでは何も使いようがない 読み ようがないではないか。 時間の無駄なので 精読 は諦めて 流し読み に終始した 。とはいうものの 高橋源一郎のよんじゃいなよを読み進めるために最後まで流し込んでいたがどんどんはまっていってしまった。 哲学的な言葉で書いてあることの自己否定が くどいほど 中盤にかけて出てきて なるほど これは大いなる伏線だったということに気づく そうなのか?最後は結構 感動的に終わったことにびっくり。

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    2026年04月24日
  • 岐路の前にいる君たちに ~鷲田清一 式辞集~

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    入学卒業シーズンにぴったりの一冊。

    鷲田清一先生が大学の入学式や卒業式で
    学生たちに贈った式辞をまとめたものです。

    一貫して「教養ある賢い市民になること」の大切さを伝えています?

    教養とは、知識の量ではなく
    一つの問題に対していくつもの思考の補助線を引けること。

    そのためには
    専門とは無関係に見える本もたくさん読み、
    自分の関心の外にある思考や表現にも触れること。
    そして、地域の生活からグローバルな政治経済まで、社会のさまざまな現場にアンテナを張り、想像力を届けること。

    答えがわからないままでも、それでも何かを選択していかなければならないのが
    私たちの生きる現実世界。

    だからこそ

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    2026年03月28日
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて

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    やはり印象に残ったのは「大学は就職という死を迎えるまでの余生である」という言葉。
    働くことが苦しいことというイメージを強く残すこの言葉は確かに核心をついていると感じた。大学で遊び続け、就活が面倒になる。そんなときにどのように労働を捉えていくかが大事だと感じた。

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    2026年01月31日
  • オノマトペの現象学 新版 「ぐずぐず」の理由

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    「言われてみればたしかに」と思わされるオノマトペの仕組みや構造を知ることができ、とても興味深かった。オノマトペを通じて、私たちが音や声をどのように捉えているのかを改めて意識させられる。饒舌さや雄弁さに対して、なぜか信頼しきれないと感じてしまう理由など、オノマトペの解説を手がかりに、日常の中にある違和感が整理されていく点も面白い。身近な言葉から思考を深めていく、刺激的な哲学書だった。

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    2026年01月03日
  • 超楽器

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    京都コンサートホールを題材に著名人が自由にエッセイを記したもの。
    音楽の受け止め方をこう言うふうに言語化できるのか、と失礼ながら感心しました。

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    2025年12月29日
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて

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    ・「冒険する組織のつくりかた;安齋勇樹著」本を読み進めている中で、そもそも“仕事のやり甲斐“の意味は何かと疑問に思い、久々に本書を再読しました。
    ・仕事は社会的な営み故に、他者・他社との関わりに応じて「仕事のやり甲斐」は絶えず変化していく。
    ・鷲田さん(著者)の主張は、変化を楽しむ「冒険的組織」を目指す上で押さえるべきポイントと感じました。“仕事を通じた自己実現“と“組織を通じた社会的使命“が結びついた時に「仕事のやり甲斐」を得られ、深い満足感に達することが出来るのかもしれません。ただ「自己実現と社会的使命」は抽象度が高い言葉の為、これらの言葉に振り回され無いよう、自分なりの具体的な回答を見

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    2025年12月14日
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

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    コロナ禍に開催された学生向けの講演会から。私たちの生き方、コミュニケーションの取り方について、共に考える。自分とは何かを考えながら、他人を慮る話。

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    2025年11月05日
  • じぶん・この不思議な存在

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    確固たる物語としてのじぶんを探せば探すほどただただ虚しくなる。自分とは独立して立ち上がる概念ではなく、その外側の世界、他者との関係性のネットワークの一結束点として、他者の眼差しの中に占めている景色のかけらの寄せ集めなのである。若かりし頃に多くの人が通るであろう悩みに、答えを与えるわけではないが、ただ自分という概念を解いて曖昧にすることで、世界の中で息するだけの心の隙間を与えてくれるだろう。

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    2025年10月18日
  • 街場の平成論

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     内田樹篇の平成を振り返るエッセイ集。最初に内田氏が言っているように、自由に書いてもらったので統一感はないが、それぞれの書き手の専門分野に応じて、いろいろな平成の断面が見える。中には内田氏ファンである読み手の存在を忘れているのではないかと思われるものもあったが、総じて興味深く読めた。面白かったのはブレイディ氏の英国的「ガールパワー」と日本的「女子力」が全く真逆の意味になるという指摘だった。前者は、女が、女たちの支持を得て女たちをインスパイアすることだったが、後者は、女が、男たちの支持を得て男たちに愛されてほかの女たちより上に立つことだという、なるほど、双方の国民性の一端を垣間見せてくれている。

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    2025年10月13日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    『13歳のハードワーク』がいちばん興味深くわかりやすい内容。これを最初の章に持ってくるべきでした。本当に中学生に読んでほしいと思うなら、まず読みやすい文章から載せるのがいいと思います。「こんな難しいこと書いてるオレってすごいでしょ、みんなついてこれる?」って思ってる大人の文章から始められると読もうとする気持ちがなくなります。
    中学生は小説以外の文章を読む機会が少ないし、意外とまじめなので本は常に最初から読もうとします。興味のあるところから読もうとは思いません。

    そしてこれを書いているおじさんたち、子どもがいるなら精一杯育児に関わったでしょうか?中学生、高校生の息子、娘にしっかり向き合ったとい

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    2025年09月20日
  • 「透明」になんかされるものか 鷲田清一 エッセイ集

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    鷲田さんの著作は「読むとは、読書とはこういう営みだった」ということをいつも思い出させてくれる。スラスラと、流れるようにページを捲ることなどまあできない。何度も同じ文章を行ったり来たりして、一度顔を上げて頭を休めて、また戻ってくる。そうすると、さっきよりもほんの少しだけ言葉が宙を舞わなくなる。「読む」ということ「分かる」ということ、その手触りを思い出させてくれる。

    コロナ禍や戦争があったこの時代、社会が何も変わっていない訳などなく、「変わっているのに何にも気づけない」人、日々の瞬間瞬間のスピードに飲み込まれ、考えることを放棄せざるを得ない人が、自分を含め本当に増えているのだと思う。
    そのことに

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    2025年07月03日
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

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    京都人哲学者による気楽な京都市紹介本。市内を環状線のように走るバスから眺める(あるいは下車して訪れる)形で京都のありのままを味わい深く読み取ることができた。終には京都市にまつわる「哲学」が語られるが、それも幼い頃から馴染んだ京都への愛情が溢れていると思った。

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    2025年06月06日
  • 夢のもつれ

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    わたしが〈わたし〉でありうるためには、わたしは他者の世界のなかに一つのたしかな場所を占めているのでなければならない。(略)……《他者の他者》としての自分の存在の欠落なのである。p27
    (自己主張なしでいると相手に飲み込まれる)

    電車内……みんなが同じ意識の拘束を受けている。p30

    世界に自分を充満させるか、世界から自分を消し去るか。

    ぼくたちの日常生活はまさにこの種の強迫観念によって仕立てられているからだ。p47
    (ルールという強迫観念)

    ディーププレイ 鶏との同一化p59

    マイクロフロー活動 マルチチュード

    「お前はこの世界へ生まれてくるかどうか、よく考えた上で返事をしろ」『河童

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    2024年12月16日
  • 大人のいない国

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    今の私にとって、救いを感じる本でした。

    大人になるということは、どういうことか。

    大きな声に、一方的な訴えに、ぶつけられる正論に、ただひたすら受け止めて答えなくてはと、へとへとになっていましたが、言葉を発する時にはその先にいる相手に対して敬意を抱くことも大事だし、受け取り方は受け手が選んで良いのだという趣旨のことが書かれていて、肩の荷が下りる思いでした。

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    2024年09月16日
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

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    講談、講義の内容を本にしているため鷲田清一の本にしては非常に読みやすく進めることができる。

    しかし内容の厚みはしっかりとあり、講義を聞いていた生徒との掛け合いの中から色々と語らい、言葉について考えさせられる。

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    2024年07月28日