鷲田清一のレビュー一覧

  • 「聴く」ことの力
    改めて人の話をただ聴くだけということの難しさを思い知らされた。饒舌は沈黙の優しさに及ばないこともあるというのは、なかなかわかったところで身につかないものではあるのだが。難題は多いのだが確実に前に進むための哲学ではある。
  • 「聴く」ことの力
    現代の名著。哲学に行き詰まりを感じたら、読むといい。その先はまだ闇だが、確かな可能性を与えてくれる。
  • 大事なものは見えにくい
    高校の頃に知ってから度々読んでる鷲田清一さんのエッセイ集 『間合い』『違い』の章が特に楽しかった 所々当たり前に進められる論理に?となることがあっだけど多分それは世代による価値観の違いか自分の教養が足りないんだろうなって思いながら読み進めた 身近にこんな堅苦しいおじさんがいたらたまに会いたくなるんだ...続きを読む
  • 臨床とことば
    対談だが、話の主導は鷲田さんの方だと思う。
    鷲田さんは「河合先生」と先生と言っている。河合さんは鷲田さんを名指ししている場面はない、呼ばないようにして喋っている感じ、あんまり仲が、友達的ではない、先輩と後輩って感じ。
    鷲田さんが河合さんを訪ねて会談している感じ。
  • じぶん・この不思議な存在
    古代ギリシャ、ソクラテスの時代には存在していた、「『わたし』とは何か」という問いに、易しい言葉で切り込んでいく、哲学的思考の入門書。

    「わたしたちは普通、成長するということは様々の属性を身につけていくことと考えているが、ほうとうは逆で、年とともにわたしたちはいろいろな可能性をうしなっていくのではな...続きを読む
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)
    鷲田さんと山極さんの対話形式で進み、様々なテーマについてそれぞれの知識や経験から考え出された事を分かりやすくまとめてくれてあり、どれも面白かった。お二人のようにに開かれた専門家を目指したい。
  • 「待つ」ということ
    「待つ」ことの失敗は、本当にたくさんある気がする。その人の中の何かを結局信頼できないし、待っているその時間が煩わしいと感じるからだろう。
    閉じ続けないと不安だ。その場にも空間にも溶け込み、相互に流れるものを自由に享受できるようになるためには何が必要なのだろうか。
    何かを「待つ」ことの放棄が、真の「待...続きを読む
  • 二枚腰のすすめ――鷲田清一の人生案内
    「相談」への「答え」がどのように出てくるのか、ドキドキしながら読みました。

    予想通りの回答もあれば、「その角度から応答されるのか!」と新鮮な驚きに包まれる回答も。

    「コンプレックスは強さのしるし」
    「まずは応援にきちんと応える」
    「苦労は取り除くべきものではなく、分かちあうもの」

    など、今の自...続きを読む
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば
    メモ。
    自分の言いたいこと(言葉の意味)ではなく、言いたいというその気持ち(言葉の肌理)を受け止めてほしいもの。存在の肯定が語らいにおいては大切。
  • 岐路の前にいる君たちに ~鷲田清一 式辞集~
    朝日新聞の「折々のことば」で響く言葉を書かれている鷲田清一さんが阪大、京都市立芸術大学の総長、理事長をされていた時の式辞をまとめた本。想像力の重要性、ものの見方、問い方、考え方を広げるための一般教養の重要性を説いている。
  • 素手のふるまい アートがさぐる<未知の社会性>
    命や魂といったものを全力で雑巾絞りにした時に、ようやく垂れた一滴…のようなこの読後の感覚は一体なんであろうか。
    創作が個人になろうが、協同になろうが、結果的に多くの人が参与して(見た人も含めて)絞られる、その行為自体を「アート」と呼ぶのか。だとしたら「アート」は「社会」の中で立ち上がってくるものと言...続きを読む
  • 二枚腰のすすめ――鷲田清一の人生案内
    著者の豊かな人生経験から出た回答も良かったが、何より最後の章の二枚腰のすすめがこころに響いた。生きること全てに人の助けが必要な遠藤さんを例にして、弱さをさらけ出すことで踏み出すことの出来るものがある。物事を1つの方向からだけでなく、いろいろな方向から見ることで見えてくるものかある。歴史の中で、社会の...続きを読む
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて
    解決策が見えたわけではない。でも、そのなりクリアに労働の問題について理解ができたように思う。特に、常に未来に投資し続けて現在を疎かにするような働き方への問いかけには頷きっぱなしだった。少し時間をおいてまた読みたい
  • 二枚腰のすすめ――鷲田清一の人生案内
    読売新聞掲載の人生相談を抜粋したもの。読売新聞は時々ホテルに置いてあるのを読むぐらいだけど、新聞の相談って面白いよね。何やってる人かと思ったら、哲学の先生だった。でもデザインのこととか、いろいろやってきた人だということは最後のを読んで分かった。その最後のやつが面白くて、紹介されてた遠藤さんという障害...続きを読む
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば
    語らう中で、これまで気付いていなかった自分にチューニングしていくという表現がすとんとおちた。とても読みやすい。
  • 死なないでいる理由
    鷲田さんの本を通しで読むのは初めてかも。「死」やその周辺のテーマ(と鷲田さんが感じているもの)についての思索的なエッセイ集。ひとつの問いを深く掘り下げていく形ではなく書名についてバシッと鷲田さんの答えが出ている訳でもないので肩透かしをくらう人もいるかも。

    鷲田さんの思索の方向性は今の自分にはむしろ...続きを読む
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内
    京都市出身の哲学者が語る普段の京都。
    市バス206系統に沿って都市案内も愉快。著者の年代とは時代が変われども京都のディープな面の観察はおもしろい。
    そう思うとだんだん京都も「おもろない」処になってしまったかもしれんけど。奇人変人もすくのうなったんとちゃうの。
  • 死なないでいる理由
    鷲田清一氏による哲学エッセイ。自己の存在、社会の在り方、幸福論などを軸に『死なないでいる理由』を語る。しかし『死なないでいる理由』が明確に解答として書かれている訳ではない。そのあるか無き輪郭をそっとなぞっているに過ぎない。人によっては肩透かしを食らったような気分になるかもしれないが、答えなのい問いを...続きを読む
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば
    ことばの生成について、「だんまり」「つぶやき」「語りあい」という3つの段階からのお話で、とても興味深く読みました。

    いま必要なのは、「話しあい」ではなく「黙りあい」なのではないか、という問いかけにも納得でした。

    慌ただしく、先を急ぐ会話ばかりだとへとへとに疲れてしまい、そして虚しさばかりが残るの...続きを読む
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ
    面白かった〜
    30代から70代の、それぞれ生業が違う著者による寄稿集。
    世代によってか、なんとなく色が分かれてたのがまた興味深い。
    引用してるデータはもちろん、参考文献が結構かぶってるのも興味深かった。
    対象読者である大学生の知り合いに贈りたいし、こういうテーマについてよく話す友人にも読んでほしい。