鷲田清一のレビュー一覧

  • 岐路の前にいる君たちに ~鷲田清一 式辞集~

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    朝日新聞の「折々のことば」で響く言葉を書かれている鷲田清一さんが阪大、京都市立芸術大学の総長、理事長をされていた時の式辞をまとめた本。想像力の重要性、ものの見方、問い方、考え方を広げるための一般教養の重要性を説いている。

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    2023年10月18日
  • 素手のふるまい アートがさぐる<未知の社会性>

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    命や魂といったものを全力で雑巾絞りにした時に、ようやく垂れた一滴…のようなこの読後の感覚は一体なんであろうか。
    創作が個人になろうが、協同になろうが、結果的に多くの人が参与して(見た人も含めて)絞られる、その行為自体を「アート」と呼ぶのか。だとしたら「アート」は「社会」の中で立ち上がってくるものと言えるのだろう。
    ただその時、滴った雫が「アート」なのか、皆の手に残る力一杯絞った跡が「アート」なのか、もしくはその双方が「アート」なのかは、よくわからない。
    ただこれも「汝」に問いかける所作、「われーなんじ」へと繋がる路なのだろうと思われる。

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    2023年10月03日
  • 二枚腰のすすめ――鷲田清一の人生案内

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    著者の豊かな人生経験から出た回答も良かったが、何より最後の章の二枚腰のすすめがこころに響いた。生きること全てに人の助けが必要な遠藤さんを例にして、弱さをさらけ出すことで踏み出すことの出来るものがある。物事を1つの方向からだけでなく、いろいろな方向から見ることで見えてくるものかある。歴史の中で、社会の中で、自分の立ち位置を知り、その中で自分が何をすべきか、何が出来るかを学ぶ、それが学ぶことの意義だと言う。その通りだと気付かされた。

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    2023年07月04日
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて

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    解決策が見えたわけではない。でも、そのなりクリアに労働の問題について理解ができたように思う。特に、常に未来に投資し続けて現在を疎かにするような働き方への問いかけには頷きっぱなしだった。少し時間をおいてまた読みたい

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    2023年04月07日
  • 二枚腰のすすめ――鷲田清一の人生案内

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    ネタバレ

    読売新聞掲載の人生相談を抜粋したもの。読売新聞は時々ホテルに置いてあるのを読むぐらいだけど、新聞の相談って面白いよね。何やってる人かと思ったら、哲学の先生だった。でもデザインのこととか、いろいろやってきた人だということは最後のを読んで分かった。その最後のやつが面白くて、紹介されてた遠藤さんという障害を持った人の話がとても印象的。「こんな夜中にバナナかよ」と似たような感じだけど、この映画見てみたいなぁ。NHKのロッチと子羊も哲学の番組だけど、私は実は哲学も好きなのだと改めて思う。生きるにあたり、何も考えずに暮らすことはできず、それは哲学なのだ。しかし、自分の弱さをさらけ出して人とつながって生きて

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    2023年03月20日
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

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    語らう中で、これまで気付いていなかった自分にチューニングしていくという表現がすとんとおちた。とても読みやすい。

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    2023年03月19日
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

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    京都市出身の哲学者が語る普段の京都。
    市バス206系統に沿って都市案内も愉快。著者の年代とは時代が変われども京都のディープな面の観察はおもしろい。
    そう思うとだんだん京都も「おもろない」処になってしまったかもしれんけど。奇人変人もすくのうなったんとちゃうの。

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    2022年11月14日
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

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    ことばの生成について、「だんまり」「つぶやき」「語りあい」という3つの段階からのお話で、とても興味深く読みました。

    いま必要なのは、「話しあい」ではなく「黙りあい」なのではないか、という問いかけにも納得でした。

    慌ただしく、先を急ぐ会話ばかりだとへとへとに疲れてしまい、そして虚しさばかりが残るのは、こういうところからなのかな、と思いました。

    ことばが、じんわりしみ込んでくる講演録+後日談でした。

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    2022年10月30日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    面白かった〜
    30代から70代の、それぞれ生業が違う著者による寄稿集。
    世代によってか、なんとなく色が分かれてたのがまた興味深い。
    引用してるデータはもちろん、参考文献が結構かぶってるのも興味深かった。
    対象読者である大学生の知り合いに贈りたいし、こういうテーマについてよく話す友人にも読んでほしい。

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    2022年10月29日
  • しんがりの思想 反リーダーシップ論

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    私たちは『いのちの世話の能力を失っている』という言葉にとても納得した。
     指一本で何でも動かせて便利になって幸せ〜って思ってたけど、実はそうではない。
     自分で自分の世話ができてない。お風呂も洗濯もお皿洗いも買い物も全部人間がやらなくなってきている。

     時代の流れもあるし、人に頼ることは必要だけど、いい意味のものではなく、悪い意味で頼りすぎているのかも。


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    2023年01月15日
  • 大事なものは見えにくい

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    哲学者、鷲田清一さんのエッセイ集。
    わたしは「いない」より「いる」ほうが本当に良かったの…60歳近くまて生きてきて、この問いからわたしはまだ放たれていない。いまは、じぶんの存在をそのまま肯定することが難しい時代なのだと思う。
    最初の方だけでも一読の価値ありです。
    別書『岐路の前に立つ君たちへ』もオススメです。

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    2022年10月04日
  • 大事なものは見えにくい

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    ケアする側の職業に就いている一人として、身の引き締まる思いというか、自分の価値観を読みながらまた再構築していくような気持ちだった。全体的に批判が多いような気がしたが、腑に落ちる部分もあり。この人の考えに全て納得するわけではないが、「これからの日本、どうなるのかなあ、自分たちが少しずつ変えていかなければいけないんだよなあ」と読んでて思わされる文章が多かった。

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    2022年08月05日
  • 街場の平成論

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    平成元年は1989年、「ベルリンの壁」の撤去が始まった年であり、その後の東西ドイツ統一、ソ連を含めた東側陣営の崩壊、東西冷戦の終結へと向かっていく最初の年であった。また、この年の12月29日には、日経平均株価が38,915円の最高値をつけ、バブル経済の絶頂を迎えている。この年が絶頂であったということは、平成の時代を通じて、日本の経済は停滞あるいは衰退を続けていったということだ。
    平成が終わったのは、平成31年、2019年のことだ。昭和が終わり平成が始まったのは、昭和天皇のご崩御によったわけであるが、平成が終わり、令和が始まったのは、平成天皇・明仁天皇が自ら退位の意思を示されたからであった。

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    2022年06月11日
  • しんがりの思想 反リーダーシップ論

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    大学の推薦図書で読みました。題名と内容が一致する部分は少ないが、現代社会の問題、といってももっと根本的な考え方の問題に触れている。なるほどなと思った。しんがりという言葉が好きになったし石工みたいになりたいと思った。

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    2022年02月03日
  • わかりやすいはわかりにくい? ――臨床哲学講座

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    わかりにくい問いをわかりやすい形にパッケージングし答えを出すことが知的な営みと思われる節があるが、わかりやすくする中で削ぎ落とされてしまうものの中に本質が宿っているかもしれない。
    本質を失った問いは解いても解いても解決には向かわない。
    まずはそのまま受け入れる、向かい合う事が良く生きる為の第一歩かもしれない。

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    2022年01月29日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    中高生向けとして編まれた本
    私は三十代のおっさんだが、内田さんをはじめとした学者、活動家の方々がどういうメッセージを送るのか興味深く読めた。

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    2022年01月11日
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

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    物凄く平易な言葉で物凄くモノの本質を語っている。同じものを見て同じように感じる人とより、差異を感じる人との方が「語らい」となる。言葉を通してお互いの本質を感じ取る、それこそがコミュニケーションである。

    何度も何度も読み返したくなる。

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    2021年11月30日
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

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    京都旅の折に、京都を中心として展開している大垣書店で購入。鷲田清一は哲学者で、さまざまな文章を書いていて、僕にとっての初めての鷲田の文章は高校生の時の現代文の時だったと記憶している。自身が京都で生まれ育ち、京都大学で哲学を専攻していた学生だった。市を走るバスの206号系統の道筋をなぞり筆者独自の京都への眼差しを追体験する。京都にいながら読むことで臨場感や思いを馳せることのできた本。

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    2021年11月06日
  • 「待つ」ということ

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    私は迎えにいくのでなくただ待つという行為に意義を見出したいらしい。哲学者であるからロジックの正偽説明もあるが興味ないのでそこは読み飛ばした。以降は本からの引用です。//待つというより迎えにゆくのだが、迎えようとしているのは未来ではない。ちょっと前に決めたことの結末である。偶然を待つ、じぶんを超えたものにつきしたがうという心根をいつか喪ったのだろうか。なんの「応え」もないままそれでも「応え」を待つということ、それはその「応え」をいつか受け容れるものとして、それまで身を開いたままにしておくということである。何も希望しないという最後のこの希望がなければ待つことはあたわぬ…。意識が緊張すればするだけ、

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    2021年10月17日
  • 哲学の使い方

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    とてもおもしろい。
    哲学に興味があり、本を読む中でもともとおもしろい哲学者だと思っていた。一つ一つの話は短いが、説明がわかりやすく、それでいておもしろいと思う。

    当たり前だと思っていた常識、生活などについて鋭く切り込んでおり、疑問を投げかけたり、矛盾点を洗い出したりしていた。そのため、ハッとされられた話がいくつもあった。世界の見方が変わった。
    違いの章は仕事について考えされられ、この章の話は、考えさせられた。専門性の罠、悲しい目、水筒、うなぎが良かった。

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    2021年09月24日