鷲田清一のレビュー一覧

  • 京都の平熱 哲学者の都市案内
    「京都」というコトバには独特の響きがありますね。
     本書は、京都生まれの哲学者鷲田清一氏による「京都の町」「京都の人」をテーマにしたエッセイ風の読み物です。
     鷲田氏流の京都案内の中に、これまた鷲田氏流の哲学的エスプリがトッピングされていて、京都に馴染みのない私にとっては、「なるほど」と首肯できるく...続きを読む
  • 大人のいない国
    私は内田樹が大好き。文章の感じが好き。
    タイトルは大人のいない国(もちろん日本のコトですね)ですが、今の日本がよくないとか、今の若者は…(これはちょっとあるか)というより、もっと本質的に「大人ってこういうことなんじゃないの?」って言いあってる感じです。
    私が感じたのは一面的でなくたっていいんじゃない...続きを読む
  • 大事なものは見えにくい
    鷲田清一の単独著書を読むのは本書が初めて。
    臨床哲学を標榜するだけあって、日常にマッチした柔らかな語り口で鋭い視点を投げかけてくれる。
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内
    じっくり読みました。
    僧侶と舞妓さん、そして祇園。。

    細い路地を、目的もなくぶらぶらするのは気持ちいい。
    雨が止んだあと、町屋が濡れている景色にはいつも心惹かれる。

    本多さんの「ALONE TOGETHER」の意味を、「うどん」の考察に見つけました。
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内
     案外、京都人は京都のことを知らないのでないか。
     本書は、京都人による京都人のための京都案内である(勿論、京都人以外も楽しめる)。
     JR京都駅から京都市バス206番に乗ってぐるり市内を一巡する趣向で、京都生まれ育った筆者が京都の町を案内してくれる。
     しかしそれは単なる旅行ガイドではない。京都と...続きを読む
  • じぶん・この不思議な存在
    受験期に何度か読んだのを再読。
    「わたしは誰?」というあてのない問題を巡って、筆者が身近な事例と照らし合わせつつ、考える手伝いをする。
    〈わたし〉は結局〈他者の他者〉という形でしか存在しえない、その事実に否応なく気づかされる。一人でいるのが好きで、一人が一番落ち着くというのに、その一人を保証している...続きを読む
  • 語りきれないこと 危機と傷みの哲学
    強くて優しい言葉。
    卓越した文章を書く人って、アナロジーの能力が高いのかな、なんて思ったりしました。
  • 大事なものは見えにくい
    鷲田清一さんの最新刊。『噛みきれない思い』の文庫版です。
    本書を読んで思ったけど、やっぱり、自分はこのひとが考えているようなことを考えるのが好きなんやなあと。
    やさしくて、深くて、思考を促される。いつの間にか「うん、そうやんな」って頷いてしまうような、そんな感覚。
    むずかしい部分もあるけど、鷲田さん...続きを読む
  • 「待つ」ということ
    自身が「待つ」事が必要になった時に手に取りました。私は哲学等には明るくないが、著書はそんな人間にもわかりやすく書かれており、むしろ哲学というより人間本来の「機能」に回帰する事が正に待つという行動なのかと感じた。本当に聡明な方の言葉は、誰にでもわかりやすく小難しくないものだと感銘をうけた一冊。
  • 「待つ」ということ
    「待つ、ひたすら待つ。その姿は痛々しいものである。」

     僕は今、明確な期限を持たない”待つ”という状況に置かれています。そんな中でこの本と出会い、学ぶことが多く有りました。この本を読み待つことの意味、そして待つことが人に何を及ぼすのか、待つことそれ自体のあり方を様々な側面から思考してみることで、今...続きを読む
  • 悲鳴をあげる身体
    読み始めました。
    (2012年10月29日)

    痛快。
    (2012年11月1日)

    これは、よい本です。
    お薦めします。
    (2013年1月23日)

    読み終えました。
    まだ読んでない人は、ぜひどうぞ。
    体をデザインできるという錯覚に陥っている人は、必読。
    (2013年2月1日)
  • 「待つ」ということ
    ものを長い眼で見る余裕がなくなった。仕事場では、短い期間に「成果」を出すことが要求される。どんな組織でも、中期計画、年度計画、そしてそれぞれに数値目標を掲げ、その達成度を測らないといけない。

    せっかちは、息せき切って現在を駆り、未来に向けて深い前傾姿勢をとっているようにみえて、実は未来を視野に入れ...続きを読む
  • 「待つ」ということ
    あとがきより。

    『待つということにはどこか、年輪をかさねてようやく、といったところがありそうだ。痛い思いをいっぱいして、どうすることもできなくて、時間が経つのをじっと息を殺して待って、じぶんを空白にしてただ待って、そしてようやくそれをときには忘れることもできるようになってはじめて、時が解決してくれ...続きを読む
  • 語りきれないこと 危機と傷みの哲学
    推薦理由:
     阪神・淡路大震災を経験した著者が、東日本大震災から1年経った時点で著した本である。哲学者の立場から被災者の心のケアについて考え、現代社会の問題を指摘し、これから私達がどう生きるべきかを示唆している。柔らかい語り口で、心に響く言葉が紡がれている。

    内容の紹介、感想など:
     人生とは、自...続きを読む
  • 「聴く」ことの力
    頂き物。大学入学前にに読み、傾聴の困難さと重要性を知る手だてとなった本。「他者」と己の補完性を臨床哲学の原点として考察する。
  • 語りきれないこと 危機と傷みの哲学
    成安造形大学の近江学研究所の特別公開講座の講師になった著者の講演を聴いたばかりです。生老病死という基本的能力を「士」という専門家に任せることで発展した社会が、未曾有の震災に対処することができないことが分かった。専門家なしで何もできなくなった。子供が隔離された社会のなかで、大人の視線から守られなくなっ...続きを読む
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて
    子どものころからの、評価される自分は偽の自分である、という感覚と、仕事をしていてその意味づけに苦労したり、誰かの役に立っているという実感をもとめたりすることが無関係ではないと気付きました。
    仕事について書かれた本だけど、これからどうやって生きようか、整理して考えることができます。

    阪神大震災の後に...続きを読む
  • 「聴く」ことの力
    じっくり味わっていると
    じわじわしみ込んでくる文章。
    ほーってため息のでるような
    お気に入りが数か所。
    またきっと読みます。
  • 「ぐずぐず」の理由
    私は大好きです。このように、色んな日本語にああだこうだ、書いてくださる著者は日本の宝だと思います。心から尊敬いたします。
  • 「ぐずぐず」の理由
    言葉が伝える「世界の感触」に深く共感する。「腑に落ちる」というのがよくわかる。
    話の内容よりも「話し振り」に強烈な魅力を感じさせる人が確かにいるし、逆もある。ということを連想した。