鷲田清一のレビュー一覧

  • 「待つ」ということ
    待つということに関して様々な視点から鷲田清一の考えがまとめられている。

    最初の導入から社会的な待つということに関することかと思ったが日常や私たちの生活、ケアに関する所まで述べられている。

    私も仕事柄待つということが多くある。人が急に変わることはないし、変えることはできない。ただひたすらに自分がで...続きを読む
  • 岐路の前にいる君たちに ~鷲田清一 式辞集~
    鷲田清一氏がこれから社会に旅立っていく若者へ贈った言葉と(卒業式式辞)、そしてこれから大学で学びを始める若者へ贈った言葉(入学式式辞)が集められた本だから、当然、そこには鷲田氏が「生きていく上で重要だ」と考えていることが表明されている。臨床哲学を提唱されてきた氏の言葉だから、それはそのまま「生きるヒ...続きを読む
  • 哲学の使い方
    哲学とはなんだろうか。
    哲学を使うということはどういうことだろうか。
    この本を買ったときに思いました。
    読み終えた後もこの疑問に対する答えが得られたとは言えません。
    けれども、なんとなく、哲学というのは考えに考えて考え抜くことなんじゃないかと思えました。
    当たり前のことを当たり前で済まさないで、もう...続きを読む
  • 「待つ」ということ
    自分はまさに「待つ」をしているな、という自覚をしているところだった。そんなとき、この本を読んだ。
    この本は決して、"つまり「待つ」とはこれこれこういうことである"のような解説でも、"「待つ」ことがつらかったらこういうふうに考えよう"のようなハウツーでもない。「待つ」という行為をしているときの心情、ジ...続きを読む
  • じぶん・この不思議な存在
    自分って細かいこと気にしすぎなのかな?と自分の性格に悩んで買った本。「だれかのためにお茶をいれる」ただそのことが、これほど難しいこととは思わなかった。無理せず自分らしくあることは素敵なことだけど、それを追求しすぎて辛くならないようにしたい。
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて
    含蓄深い、仕事をめぐる論考。
    始終、自分はこのままで良いのかの反省が出来た。

    身体論、ファッション、また、家事とボランティア、クレーマーの話題が面白い。

    労働と余暇をめぐる歴史的変遷も頭の整理になった。
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内
    読み終えて、とてもびっくりした。

    こんな素人みたいな始まり方で申し訳ないが、この衝撃は、京都について、余所の者とそこに住み続けている者との見方の差異や、京都がこんな街だとは思わなかったとか、そういう事ではなく、あくまでも、街という存在が、目には見えないところで燻っている、底の知れない人と歴史の複雑...続きを読む
  • 大人のいない国
    当たりの本でした。

    大人とは、幅のある人。本音と建前とか。矛盾を理解。
    今は一様、幅がない。
    ・学びの意味、価値は事後的に知る。消費者マインドは受入れ不可。
    ・個性とは他者から与えられるもの。探すものではない。
    ・対話:両義的。善し悪しを理解して変わらないと成果ではない。
    ・周りの大人の価値観はず...続きを読む
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば
    めっちゃ面白かった。
    ことば=気持ちを100%表すものではない。
    自分を再構成するための語らいを私ももっとやりたい。
    一宮高校の生徒いい質問するなあ。
  • わかりやすいはわかりにくい? ――臨床哲学講座
     生きてゆくうえで本当に大事なことにはたいてい答えがない。答えではなくて問うこと、それ自体のうちに問いの意味のほとんどがある。
     大事なことは困難な問題に直面したときに、すぐに結論を出さないで、問題が自分のなかで立体的に見えてくるまでいわば潜水しつづけるということなのだ。

     「受験勉強でついた頭の...続きを読む
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば
    言葉は、難しい。自分のその時のたまたまの状況によって発せられるものが異なり、受け取られ方も違う。そしてそれは、取返しがつかないような状況になる。黙ってたほうが良かったのか、と悩むこともある。この本を読み、違いを違いとして受け止められず、間違いとして受け止める自分がいることを気づかせてもらった。
  • 老いの空白
    私は若くて、周りからは「成長」の話をよくされます。
    でも、「成長」より「成熟」のほうはどうなのか、最近は気になっています。
    この本は「老い」についての本だけど、「老い」を分解していった先にあるいろんな要素、「できなくなる」「疲れる」とか「成熟」とか、人間として私も感じたことはある。
    できるつもりの自...続きを読む
  • じぶん・この不思議な存在
    1996年に発行されたこの本は、発行以来、版を重ねています。そして、大学入試問題にも何度も繰り返し出題されています。受験勉強に即効性のある読書(という表現そのものがそもそも矛盾していると思いますが)を求める人は、すぐにでも読むべき一冊です。著者の鷲田清一は、大阪大学総長も務めた哲学者。現在も多くの著...続きを読む
  • じぶん・この不思議な存在
    ゛自他は相互補完的である゛

    相互補完的とはお互いに足りないところや弱いところを補って、助け合うこと。
    つまり、自己と他者は切り取っても切り離せぬ関係であると。その存在が持つ意味とは。
    色々と考えさせられた。
  • てつがくを着て、まちを歩こう ――ファッション考現学
    わー!おもしろかった!
    モード(ファッション)論ですが、身体についてもかなり触れているので身体論としても興味深いです。
    私は大学の身体論をほとんど理解できなかった人間だけど、この本だとおもしろい視点がどんどん入ってきたので、理解が深められた気がする。

    そしてことば使いがとてもきれいで、読んでいて気...続きを読む
  • つかふ ~使用論ノート~
    つかふことは、わたしとモノとの間の相互変容(相互浸透、相互侵蝕)の関係性が生まれることである。生活におけるさまざまの「つかふ」状況について、よくよく観察してみようと思った。
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内
    はあ、鷲田さんの京都愛がじんわり伝わってきて心がぽかぽかする。特に市バス206番で一周というのがまた良い。なぜならそれは、ガイドブックに乗るような「定番の京都」とは違うので。京都に根を置いている者だからこそ見つけられる、「あっち」の世界への孔。これは単なる京都案内でも紀行本でもなく、京都という都市の...続きを読む
  • 〈ひと〉の現象学
    日本の哲学者の権威ということで手に取ってみた。これがなかなか深い!読んでいて頭の中を駆け巡る自分の思考と対峙する時間は、とても意義深い。哲学書を読み味わう時間は、とても「ならでは感」を味わえる。
    顔は一瞬しか存在しないという言葉が一番印象的だ。
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば
    コロナ禍の中、高校で行われた講演録。
    わかりやすい言葉で、「ことば」について語られている。

    鷲田氏は「ことば」は面倒くさいものだと言う。
    自分について語りたい時、過剰になってしまったり、過小になってしまったりしてちぐはぐになってしまう。
    でも、ことばがあるからこそ、ちぐはぐであやふやな自分の感情を...続きを読む
  • じぶん・この不思議な存在
    >なにをもって「自分」と言えるのか?
    身体、能力、行動、いずれも自分を定義するには不十分。本書での思考プロセスを経るとデカルトの我思う故に我ありもちょっと納得。じぶんとは何なのか?今生きているという実感をもっとも瑞々しく得られる生き方をしていくべき?自分を意味づけるために失っているものはないか?

    ...続きを読む