鷲田清一のレビュー一覧
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本書では、自らが行う「仕事」について、労働と余暇といった二項対立の議論では収まらず、双方が相互に「入りくんでいる」様相であり、現実的に対処できないことを示している。この説明にあたっては、例えば、「目的の有無、価値の生産と消費、効率と非効率、規律と自由、まじめとあそび、つらさとたのしさ」(p.11)や自由と自律というように対比させ、これらを軸としている言説は、巷のエッセイやSNS上でもよく目にする。著者はそうした背景には、多くの人々が《労働社会》に生きていることが生活の基盤となっているためと指摘する。その背景には仕事を含めた日常生活における様々な過程で求められる「前のめり」の意識と姿勢があるとい
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高校生が文章を読むに当たり、基本的な考え方をあたえてくれる、良本。
平川克美「人口減少社会について根源的に考えてみる」ではグラフの見方とともに、当たり前のようにように言われている言説について批判的な見方を示唆する。
仲野徹「科学者の考え方-生命科学からの私見」ではパラダイムシフト、疑う、シンプルに考えるなど科学を発展させている考えが書かれている。
白井聡「消費社会とは何か-『お買い物』の論理を超えて」ではボードリヤールの考えを援用し、いわゆる「消費」的な感覚が政治や教育にも適用させようとする現在の社会のゆがみと弊害を述べる。
山崎雅弘「『国を愛する』ってなんだろう」では、政治的無関心が生む危険 -
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【読書メモ】
p185
・何のために勉強するのですか?
自分の頭で考え、自分の言葉で自分の意見を言う。ただそのためだけに勉強するのです。山本義隆
p190
・同じことを、違った側面から考える視点を与えてもらうためにディスカッションをするのです。当たり前のことですが、自分は自分の考えに染まりきっています。そこへ、違う刺激を与えてもらって、自分の考えを方向転換させたり、バージョンアップさせたりすることが重要なのです。
p103
・科学がグローバルである最大の理由は、真実をあつかうからということです。
…科学的な視点は予測できない社会を生きるうえでの全員にとってマストなものの見方なのかもしれ -
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最近本当に「大人」が減ってしまったように思う。
そんなことを考えていたら、本書に出会った。
大人について考えるところから始まって、どんどん派生していく。
本当に大人のいない国になってしまっては、困る。
今の日本は、システムが優れているため大人でなくても上手く回ってしまうというような記述があったが、確かにハードがしっかりしている分、ソフトはいまいちでもやっていけるところがあるのかもしれない。
社会環境に左右されないように、家庭や地域など小さなコミュニティで大人を育む必要があるのだろう。
成熟するためには、どうしたらいいのだろうか。
まず、自分が未成熟であることに気付くこと、そして成熟を目指して努 -
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京都の魅力とは。学生時代にひしひしと感じていたもの、なんとなくは理解できていたと思うが、ある程度鮮明となった。
よくいう京都が歴史都市であるというのはちょっと違う。歴史の深さなど時間軸で表現されること、つまりは《垂直的》なことっていうのは案外表面的な魅力なんだと。
それよりも、自分自身がひしひしと感じていたことは、本書に多数書いてあることもそうだが、古本屋が多かったり、喫茶店がいい感じだったり、JAZZに陶酔できたり、伝統的価値とか言いながらアバンギャルドであったり、どこかノスタルジックであったり、なんというか「幅」というか、「拡がり」というか、「つながり」というか、どこか《水平的》な価値 -
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縮小社会・日本に必要なのは強いリーダーではない。求められているのは、つねに人びとを後ろから支えていける人であり、いつでもその役割を担えるよう誰もが準備しておくことである。新しい市民のかたちを考える。
「BOOKデータベース」より
リーダーになりたいなんて思ってないし、リーダーになれ、と言われても断るような自分には半分不要な本.働くときに傍(はた)を楽(らく)にしながら仕事をしようと思っている人にも半分不要な本.リーダーになれと無責任に言う側の人間が読むべき本.
自分に必要と思う半分は、頭ではわかってるんだけどね.という感じ.これほどまでに冠婚葬祭のみならず生きるに必要なことの大半がお任せにな -
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著者は、人間においての「自然」である身体が、過剰に観念化され硬直してしまっている現代の危機を「パニック・ボディ」と名づけています。
「幸福とはなにか」という問いに対し、著者は「幸福について考えずにすんでいること」と答えます。同様に、身体もそれが機能しなくなってはじめて、その存在が意識されるようになります。ところが現代人は、健康や美容の観念にとりつかれ、身体をみずからの意識の支配のもとに置こうと努めています。これは、「身体」が自然にもっていたはずの適度な「ゆるみ」が失われてしまっていることを意味していると著者は考えます。
さらに、身体はその振る舞いを通じて、われわれが世界とつながることのでき