鷲田清一のレビュー一覧

  • 大人のいない国

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     内田氏との対談本。内田氏の著書を数冊読み、哲学、身体論、武道との関連が次第にイメージできてきていた。そして本書での国家論?(違うか)全てがつながる、という視点はまだ持てていないが、本書はかなりすんなりと入ってきた。少しは氏の主張が理解できつつあるのか、と思いながら読む。
     

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    2014年12月12日
  • 〈弱さ〉のちから ホスピタブルな光景

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    著者に敬意をもって、「わけわからん」といいたい。
    単行本も読んだことがあるのだけど、鷲田さんがさきさき自分の世界を行っているその背中を、ただただ見ているだけ、そんなかんじ。
    ケアの反転、ということの意味はわかるしそういうこともあると思うけど、これに書かれているひとや場面がそれにあたるかどうかは、わたしの感性では、まったくわからない。鷲田さん、まったくすごいひとだ。

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    2014年12月11日
  • 「聴く」ことの力

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    哲学という学問を、「上空飛翔的な非関与的な思考としてではなく、じぶんが変えられるという出来事として」、「臨床哲学」というものを、「他者」をキーワードにして試みようとする。
    哲学という学問分野における「エッセイ」が果たす枠割というものも、たいへんに興味深いものがあった。

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    2014年11月29日
  • 哲学の使い方

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    鷲田さん、書下ろしなんて久しぶりじゃないのか。
    大好きな著者なので、読んでみた。でも、ちょっと読んでみてこれはむずかしそうだと思ったので、それから少し間を空けての再チャレンジ。
    結果、わかったりわからなかったりの部分があって、理解できたのはたぶん全体の二割くらい。
    でも、それでも、このひとにくらいついていけば何かが見えてくるんじゃないか、と、そんなふうに思える数少ないひとです。
    いつかまた読みます。すばらしい文章を、ありがとうございます。

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    2014年11月20日
  • 大事なものは見えにくい

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    まだ、読みかけだけど…
    私が存在している理由って何?
    という長年悶々と考えているテーマが語られていて
    面白い。

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    2014年11月11日
  • 大事なものは見えにくい

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    哲学書。自分とは何か、死とは何か、今の教育とは、言葉とは、など、じっくり物事を考え直す機会を与えてくれる本。水筒の話が好きだった。

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    2014年10月14日
  • 哲学の使い方

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    受験生にはぴったりの本です。タームが少し高校生には難しいですが。鷲田エッセイの組み立て方などを書いてあるので、哲学的思考のエッセイを読む上では、役に立ちます。
    特に実社会と孤立しがちな哲学について、社会との対話を重視するスタンスはおもしろいです。一枚剥ぐと、通俗になりそうなところが、うまく締めていると思い、すごいです。
    西洋哲学の人にこういうことを言っても、無駄とは思うのですが、現代哲学をやると二項対立はだいたいメルロ・ポンティか、その辺り。これにはいつも東洋人の私には違和感を覚えます。おまえだって使っているではないかと言われそうですが、漢文の「対」の概念の方がしっくりきます。「対」については

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    2014年10月02日
  • 「自由」のすきま

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    『おとなの背中』に続いて、タイトルがこれまたいい。
    ただ、今回の内容については、むずかしいところが多くて、ちょっと読みづらかった。
    でも、鷲田さんのものごとを視る視線、なんともいえないくらいに好きです。こんな文章が書けたらなぁ、と思う。

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    2014年09月09日
  • 大人のいない国

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    内田樹さんと鷲田清一さんの対談が最初と最後にあり、そのあいだに、両者それぞれ2,3編の短い文章が収められている。
    正直に言うと鷲田さんの論説はさほど面白くなかった。やはり内田さんの方が冴えているように見える。
    同胞愛と同義であるような愛国心は不可能である、という前提をまず受け入れなければならないとする「愛国心論」ともいうべき『大人の「愛国論」』、ネットに飛び交う他者攻撃の言葉の鋒を「呪い」と定義する『呪いと幻論』が非常に良かった。かなり共感できた。特に後者は、ネットを覆う憎しみの嵐を適切に分析して、『呪いの時代』なんかよりも短い文章できっちりと論じている。すべてのネット民にこの文章を読んでもら

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    2014年08月01日
  • 「聴く」ことの力

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    非常に読むのに時間がかかった本。話の半分も理解していないが、そもそも理解すること以外にも文章のリズムを楽しむ本ではないかと感じた。聴くことによって、他者を感じているのではなく、自分自身を鑑みているということを学んだ。何回も読むしかない。

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    2014年06月21日
  • 大人のいない国

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    この本を読んでの感想…じゃないかも。
    この本は読んでよかったけど。

    私は、大人かなぁってよく思う。

    自分でもびっくりするような小さなことにイライラしてしまったり、八つ当たりではないけれど、人に冷たくするような態度をとってしまったり


    心に余裕がないときに、

    自分の行動、今のは正しかったのかなぁなんて、

    よく考える。わたしは、プライドが高いのかなぁ。


    それで、とても悲しい気持ちになる。


    「あんたはさ、そこにいるだけで目立つわけ。だからやっかみの対象にもなるし、あんたがいくら目立たないようにしようとしたって、そうすればそうするほど目立つのよ。人に気を使うとかそんなことしても無駄っ

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    2014年05月28日
  • 日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟

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    真宗大谷派の親鸞フォーラムでの講演をまとめた内容。
    震災を経て、震災を受け止めかたりなおすこと。
    日本・日本人が右肩上がりの思想を見直しダウンサイジング
    すべきではないかということ。
    震災直後はみんなそう思ったはずなのに、自民党の安倍
    政権などはまた成長戦略とかいっているが本当に罪深い
    のではないか・・・
    4人の講演のなかで特に鷲田先生の話はとてもいいと
    思います。
    大げさに言うと国民みんな特に若い人には読んでもらいたいと思う内容です。

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    2014年03月07日
  • 語りきれないこと 危機と傷みの哲学

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    鷲田さんの本何冊か読んでるけど、ですます調で書いてあるの初めてな気がする。
    それだけ慎重に言葉を選んで書いてるんでしょうね。

    鷲田さんの専門や難しい話は一切なく、読みやすい。

    「いつでもさりげなく時間を空けられる関係」

    「絶対になければならないもの、あったらいいけどなくてもいいもの、端的になくていいもの、あってはならないことの見分けられることが教養」

    「言葉は心の繊維」

    「言葉の意味ではなくて言葉の感触。その背後にあるじかんをくれているということ。そのなかに、話された内容とは無関係に人をケアし、支える真実があると思います。」

    「ケアの現場は、ケアの゜小さなかけら゜が編みこまれたもの

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    2014年02月20日
  • 「待つ」ということ

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    待っても仕方がないとじぶんに言い聞かせ、待つことを放棄するなかではじめて、待つということのほんとうの可能性が到来する。

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    2014年01月07日
  • 大人のいない国

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     私のとって気になる論客お二人が揃い踏みした著作です。
     鷲田氏の言では、「幼稚な人でも政治や経済を担うことができて、それでも社会が成り立っている」日本は、ある意味、成熟した社会とのこと。しかし、その社会は、安定を損なうような想定外の事象が発生した際、それを制御できる「大人」不在の社会でもあります。
     「大人」というキーワードを発想のトリガーにして、魅力的な個性を持つ論客が「現代日本社会の幼児性」を縦横に評した、とても刺激的な著作だと思いますね。

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    2013年12月31日
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

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    京都案内
    京都人論
    都市論
    そんなふうに僕はこの本を読んだ

    まず京都案内
    京都人が慣れ親しんだ店を案内するだけあって
    とても気になる
    店の来歴や著者とのかかわりから記述されるせいか
    食べログのレビューの表面的な店の批評とは異なり
    もう気になって仕方が無くなるのだ

    それから都市論
    どこに書いてあったかわからなくなったけど
    都市には住む人と訪れる人
    それぞれのための顔というか面が必要とか
    新しい町には
    宗教施設と大木とあとなんか・・・がない
    とか
    都市の本としてものすごく面白かった

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    2013年12月24日
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

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    ネタバレ

    古い都市であることの条件として、異界への口があいていること。
    京都で生まれ育ち、学び今だにそこに住む著者による観光ガイドではない「平熱」の京都は市バス206番に乗って、という設定だが、そこここで寄り道もあり、またガイドではない、と断りながらもお勧めの店なども紹介してくれる。しかして本書は京都人へ向けて書かれているのではないか?最後の方、京都人がついに自信を失いかけている、とある。何をどうしろ、ということはない。少し元気を出して、嫌味なくらいの自信をとりもどしましょう、ということか。鈴木理策の写真が利いている。

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    2013年12月22日
  • 大人のいない国

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    大人のいない国。日本にたいしての警鐘
    大人になるということはどういうことか
    大人がいなくても社会的に成り立つように成熟した社会
    哲学者としての2人の造詣の深さ
    難解さを感じながら、少々読むのに苦労しましたが
    面白かった。

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    2013年11月15日
  • 「聴く」ことの力

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     著者は元大阪大学学長の哲学者で、専攻はたしか現象学。
     本中に「臨床哲学」という言葉がでてきますが、これは何かというと、哲学を使う感じ、よくわからないけれど。机上の空論としての哲学じゃなくて、哲学をフィールドワークするってことで、とてもアクティブな人。
     哲学者としての専門は確か現象学なんですが、「モードな身体」なんかではファッションについて考えてみたりと、いろんなことに口をだしている。
     で、地上に降りて哲学を実践する場面において、「聞く」という態度のアクチュアルな側面を考察した本書。彼の文章はどこかの試験の問題文にもなっているらしく。とても豊かな日本語で書かれています。読みやすくはあって

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    2013年11月04日
  • 大人のいない国

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    内田樹さんの〝追っかけ〟になってから5年くらいは経つでしょうか。書棚にずらりと並んだ内田作品の背表紙を眺めて、「はて、初めて読んだのはどれだっけ?」と考え込みました。でも、他の書き手が書かないようなことを選択的に書きながら、読み手を説得してしまう手腕に舌を巻いたのを今でも覚えています。恐らく、これが内田さんの魅力でしょう。
    でも、それだけではありません。作品全体に流れる自由さというか、風通しの良さも内田さんならでは。読み手との距離が近いと言ってもいいかもしれません。
    学者さんの書いたものって、偉そうなのが多いじゃないですか。特に文系の学者さん。甚だしいのに至っては、読み手に学術的成果を伝えると

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    2013年10月29日