鷲田清一のレビュー一覧
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新聞のコーナーに寄せられた相談に「乗って」返した言葉と書き下ろしエッセーを載せた一冊。今悩んでいる人が読んでもすぐには役には立たなそうな回答が続くが、それを辛抱して読み進めてからの巻末のエッセーは深い内省を呼び起こす。読み通して再度頭から読み直すとまた違った風に読める。そういう意味でもまさしく二枚腰...続きを読むPosted by ブクログ
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自分とは何者か?を語ること、定義することって今までも本当に難しいと思ってましたが、その難しい問題をとことん色んな角度から考察して突き詰めようとする試み。
とてもいい思考の練習になりました。
私って何?自分らしさって?とアイデンティティに悩んでいる人は読んでみるといいですよ。著者がとことんその悩みに...続きを読むPosted by ブクログ -
講演集。当然、高村薫のところだけを読む。3.11がらみであって、新しい知見もあtったけど、それほど長い話でもなく物足りないというのが率直な感想。Posted by ブクログ
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「わたしとは他者の他者としてはじめて確認されるものだ」
私とはだれか、1人部屋の中で考えていても答えは見つからない。この本は繰り返し語る、わたしとは他者の他者である。言い換えてもおり、他人の中にじぶんが意味のある場所を占めているか、だそうだ。なかなか理解が難しい言葉だ。極端な例を挙げるとボランティア...続きを読むPosted by ブクログ -
労働、勤勉が、資本主義の中で神聖化されていく。マルクス主義の観点でも、実は「労働者の提供する資源」という形で神聖化される。余暇や快楽までが消費の対象になる。
ついには「たえず変化していなければならないという強迫的な意識が、(逆説的にも)惰性的に反復されてきたのが、二十世紀社会なのであった」(P86)...続きを読むPosted by ブクログ -
ファッションとは、自己の表現であるとともに、他人へのホスピタリティの表出であるとの考え方に激しく同意した。Posted by ブクログ
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この本を理解できるほど頭が良くなかった。
背景となる考え方・知識のレベルが違うので言葉を辿ることができずふるい落とされてしまう。
読者の立場としてはもう少し歩み寄って来てくれたほうがありがたい。
話のまとまりが見えず、話すために話しているようだった。Posted by ブクログ -
二人の対談は話が深く理解が難しい。京都に対する理解もないので、なかなかなるほど、とはならなかった。求められる学者についても、専門的な狭い視野しかないものではダメで、話を聞ける広い視野を持った学者が必要だと言った矢先にバカな学者、ただ知ることを楽しむためだけに研究に励む学者は大事だという。なかなか理解...続きを読むPosted by ブクログ
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京都に生まれ京大で哲学を学んだ著者が親しんだ京都の日常について語ったエッセイです。京都駅から東山を北上する206系統の市バスのコースに沿って案内しています。
京都の街と人について温かいまなざしが注がれています。本書を京都案内として京都の街を歩いてみる、というのは少し難しいように思いますが、観光客と...続きを読むPosted by ブクログ -
様々なケアの現場の方への取材と、その後の考察が紹介されています。
人と人とが接する場面について、一冊の本の中でこれほど多角的に考察されたものとの出会いは私自身初めてで、興味深く読みました。
模擬患者と医師との面談についての部分については、対人援助職に就く身として、ひやりとするような、はっとするよ...続きを読むPosted by ブクログ -
近代において成立した労働と余暇の二項対立を乗り越え、他者とのつながりのなかで生きる自己のあり方に注目しながら、「働くこと」の意義について考察している本です。
フランクリンに代表される近代人は、勤勉・勤労に何よりも大きな価値を認めました。一方、1960年代以降に青年たちを中心に広がったカウンター・カ...続きを読むPosted by ブクログ -
旅のお供の一冊。
さくさく読める本でした。
「ネガティブ・ケイパビリティ」につながる内容だったので、今の私にぴったりでした。Posted by ブクログ