鷲田清一のレビュー一覧

  • 所有論

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     長い、そして難しかった…。
     
     近代以降の国内外の膨大かつ複雑な「所有」をめぐる哲学・思想から、「所有」とは何かを精緻に定義しようとする試み。
     
     本書の内容を正確には理解できていないが、「所有」は「わたしのもの」ではなく、過去あるいは現代の人から適切に配置された「受託」にすぎない、これを「わたしのもの」って国、社会、個人が誤解しているところに収奪、搾取や戦争、紛争が起きるってことなのかなあと。端的に言えば、人は他の人と共生し世代的に連続してるんだよ、そのことを忘れて好き勝手しちゃだめだよってことだと思う。それはおそら著者の思想的・価値的な核だと考えられる。この点には共感できるところもあ

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    2026年01月16日
  • じぶん・この不思議な存在

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    お勧めの哲学書ということで手に取ってみました。ひらがなの多い優しい言葉遣いで掴みは良かったのですが、やっぱり眠くなってしまい、最初と最後だけ目を通しただけで積ん読書に認定。

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    2026年01月10日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    まだコロナ騒動が始まって6年弱しか経ってないけど、もう今AIの普及も含めて新たな日常があり、かなり昔のことのように感じられた。

    AIとか物価高とか終身雇用の終わりが進んでいることとかけっこう変化を感じることがある一方で、既得権とか同調圧力とかあんまり当時と変わってないなと思った。

    社会のことについてもそうだけど、自分の人生においてもあっという間に6年弱が過ぎている実感。一日一日を大事に生きないとな、と思った。

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    2026年01月09日
  • じぶん・この不思議な存在

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    三宅香帆さんがオススメされていたので読んでみました。

    哲学的な要素も含まれていてまあまあ難しかったが、知ることができて良かった一冊。

    この本の冒頭に書かれていた「〈大好きだ!〉攻撃」というタイトルの例が面白かった!
    (後半の答案含め)

    ボランティアの話はとても興味深い内容でした。

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    2025年12月07日
  • じぶん・この不思議な存在

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    ネタバレ

    読書メモ&感想


    わたしってだれ?
    顔・身体こそ自分が1番知らない
    性格や性の差異は社会の中で形成される
    「わたし」という言葉も社会に認められて適応する
    →個人の私的可能性を捨て社会秩序の中に入れ込んでいる
    成長で属性を身につけている訳ではなく、色々な可能性を失っているのでは。これが生きるということ

    私たちは物事を解釈し区別して生きている
    自分を他者ではないものと認識する
    「ふつう」とは世界の解釈を共有していることにすぎない
    自分は「非わたし」と差異化して分かることなのに、内部に問う

    「アイデンティティはn個の属性によるn次空間上の座標」って良いね
    他者にとって意味のある存在とし

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    2025年10月04日
  • じぶん・この不思議な存在

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    ネタバレ

    自分が存在するためには、他者に他者として認められなければならない。だから、親族のためにする家事、介護では、奉仕が当然と受け止められてしまい、自分の存在価値を認めることが出来ない。
    しかしながら、自分という存在がぼやけることにはある種の快感があり、他者への異常な献身が例にあたる。(近年の推し活ブームもこれかも)
    じぶんになるということは、ありえたかもしれない自分を棄てること。
    親に「子供とは気が合わない」と言われたら、親は子を他者として認めたということであり、こちらの勝ちである。
    〜ここまで本の内容〜
    人生というものを一貫したストーリーとして捉えるのは間違っているが(筆者の主張)、昨今自分の人生

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    2025年08月16日
  • じぶん・この不思議な存在

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    自分とは何か、大人になるとなかなか考える機会は無くなってくる中で、久しぶりに読んだ。
    自分とは今までの人生のいきさつによって自分が確立していくという見方もあるが、逆にそれによって自由を奪われ、何者でもあり得た存在を脱し(死んで)、「じぶん」になっているという観点は、改めて考えさせられる。
    難しく頭がこんがらがる部分もあったが、結論、卑しい考えなく、純粋に「他者」にとって意味のある存在になることが自分のアイデンティティの確立につながるのだと感じた。

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    2025年07月24日
  • 「透明」になんかされるものか 鷲田清一 エッセイ集

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    久々の鷲田清一。

    老いや身体の不自由さを身を以て体感しているからだろうか、上手くいかなさをはらんだ言葉の運び方になったような気がする。

    「やましさ」という言葉と、面と向き合う機会になった。

    災害や争いで苦しんでいる人を知りながら、自分だけがのうのうと生きていることへの罪悪感。

    どうして人は、人と比べてしまうのだろう。
    知らなければ、比べなければ、味わうことのない感情が沢山ある。

    コロナ禍におけるエッセイも沢山詰まっている。

    身体や場について論じてきた著者が目の当たりにしたソーシャルディスタンス。
    けれど、著者自身も、自身の生のために守らざるを得ない規範であったことだろう。

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    2025年06月08日
  • 大事なものは見えにくい

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    ・様々なテーマから、「表層」への享楽が浮かび上がる

    哲学教師の職を得た三十代には、ひとが科学の基礎づけなどという「重い」仕事をやっているときに、顔や皮膚というもっとも表層的な主題に没頭した。そのあと、二十世紀の思想史から消え、だれも見向きもしない二つのテーマ、所有と幸福の問題に取り組んだ。  こだわる対象は刻々と変わってきたけれど、こだわりそのものは全然変わっていない。が、そのかたちには心なしかうらぶれたところがないではない。そう、洗い場の使い古したスポンジのように。
    >>>本書、p214

    この部分で出てくる、「表層」が、ケアや政治の言説、デザインからファッション、ブラン

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    2025年04月22日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    コロナ下で思う事はそれぞれの人に沢山あったなと思い出させる本。
    エッセンシャルワーカーありがとうとメディアで流しつつ、近づくなと差別する。大事といいながら低収入を改善しようとしない。ありがとうと言っておけばこき使っていいと思ってるよね。これからは少子化でエッセンシャルワーカーがますます減ってくる。その際にどうするのかな。

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    2025年01月11日
  • 大人のいない国

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    ⚫︎対談形式が多いからサクッと読めるね
    ⚫︎内田さんは日本辺境論は面白かったし、わかりやすくて読みやすい。ゆっくり読めば咀嚼できる丁度いい内容。あ、これ以上いくと無理だなってとこで止まる絶妙な文体。
    ⚫︎成熟した大人がいないのは、まあしょうがないのかもなあとか、そもそも自分だってなあとか…政治家は国民のレベルを写す鏡だから、結局日本人が成熟していないってこと?でもそれもなんだか安易な自虐論理みたいで嫌だなあ。
    ⚫︎内田さん、ネットだとよく炎上しているイメージだけど、本はしっかりしているよね。大学の教授だったこともあり、話が分かりやすい。
    ⚫︎なんというか、ちょっと神霊的な話も出てくるけど、それ

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    2024年05月12日
  • 〈弱さ〉のちから ホスピタブルな光景

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    ディベートをさせると、震災の時に援助をすることを考える人は多くいるが、補助を受けさせるためにはどうすればいいのかを考える人がいないというのを読んでいて、確かにそうだなと思った。

    色々な制度があったとしても、本当に必要な人にはその情報がいかないこともある。

    そして、人は誰しも弱い部分がある。
    その弱さを認めるということはとても大切で、それを力に変えられることができれば、とても強いエネルギーが出るのではないかと思った。

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    2024年04月26日
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

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    学長などを経験した哲学者による高校での講演会録

    コロナ禍で、言葉やコミュニケーションについて、高校生向けに優しく温かい語り口が印象的。
    質問時間や懇親会の様子も良い雰囲気そう。

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    2024年04月24日
  • 悲鳴をあげる身体

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    オキシトシンが分泌されるような深い共感体験もオキシトシンの体への影響という意味で、「体を通す」体験と言えるだろうか。
    体を通して何かを味わうことが、ヒトを人間たらしめると言えるのか。自己の隙間部分に他者を入れることによってしか安定した「私」は感じられないということだとすると、人間は他者に依存しないと生きられないというのも、さもありなんといったところだ。

    p132より
    黙過は身体に秘められている。それが他者との「出会い」を通して現れざるを得ない時(何かを破壊する文脈時)に、二人の共謀として現れる。その意味で黙過は常に共創造されたものと言えるのではないか。

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    2024年03月29日
  • 語りきれないこと 危機と傷みの哲学

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    震災経験を経た人たちの傷みを、聴くということで、癒していく

    いつか来る瞬間が来た時に、納得することができたらそれで良い

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    2023年10月16日
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて

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    ネタバレ

    本作の内容は、さらっと言えば「自分らしいキャリアの築き方」、敢えてそれっぽい言い方をすれば「「労働」という概念における実存的間主観性の地平」、でしょうか笑

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    四章+補章の計五章の小品ですが、一章から三章は労働と余暇という二つの概念の分析で、いかにもテツガクっぽい話で、残念ながら私のサメ脳にはあまり入って来ませんでした。

    おすすめは、四章と補章で、こちらはアツめで面白かったです。

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    そこでは、家事という無給の仕事をとっかかりに、ボランティアという無給仕事を対比させ、さらに阪神淡路大震災以降のボランティア熱の高まりから、労働に必要とされる新たな要素を抽出します。

    これからの労働

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    2023年09月03日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    2020年、COVID-19が席巻した世界では次々と社会の歪みが露呈した。そのコロナ期とポストコロナ期に、次世代の若者たちがどう生きるべきかを内田樹をはじめとした様々な年代の言論人たちが語る。

    内田さんが声をかけて集まった様々な分野の今をときめく著名人たちがコロナとコロナ後の世界をテーマに執筆しました。内田さんのセレクトだけあってみんなけっこう尖っていて(偏っていて)どれも読み応えのある内容でした。中学生向きということで平易な文章で一編が短いのも読みやすくていいと思います。そしてみんな分野が違うので、コロナ期というものを違う角度から見ているのも面白い。また、分野が違っても結局、多くの著者が今

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    2023年08月11日
  • しんがりの思想 反リーダーシップ論

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    社会は変わり人も変わり生き方も時代も変わった。かつて戦後復興から奇跡的に世界のトップにまで上り詰めた高度成長。何をするにも働き手が不足し「24時間働けますか?」の掛け声の元、土日返上寝るのも惜しんで人は働き続けた。実際私の父も土曜日は当たり前の様に働き、日曜に仕事に行く事も何度もあった。今考えたら一体いつ休んでいたのだろう。家にはテレビ、冷蔵庫、エアコンは当たり前、何不自由なく生活できた上に、小学生の時には家も建て替えられ、自分の部屋を持って自分専用の本棚、一人で占有するベッド。何もかもがあった。パソコンだって今では考えられないハードディスク装置(今はFlash、SSDが当たり前だが)すら無い

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    2023年07月04日
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて

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    古本屋で見かけてタイトルに惹かれ購入。答えが得られたわけではないが、まあまあ納得できた。著者の主張を自分なりにまとめると、

    仕事か遊びか、労働か余暇か、といった二分法ではなく、労働に「深い遊び」すなわち存在を賭ける真剣さを取り戻さなければならない。労働に目的があれば充実するわけでもない。労働自体がその目的の手段に過ぎなくなるから。労働の「目的」よりも労働の「限界」に向き合った方が良い。自分では自分の存在に意味を与えられない。将来の自分のためでなく今の他者のために、存在を賭ける真剣さで労働することで充実感がもたらされる。

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    2023年03月11日
  • ポストコロナ期を生きるきみたちへ

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    中高生を想定読者とした、現在30代〜70代の20名からのメッセージ。今回のパンデミックであらわになった日本社会の欠陥について、こんなに不出来な社会を後続世代に遺すことになってしまった責任を感じ、補正しきれなかった悔しさがにじむ。

    世代が変わると考え方や行動も変わる。是非、現状を反面教師として欲しいです。

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    2023年01月05日