鷲田清一のレビュー一覧

  • 濃霧の中の方向感覚
    エッセイ詰め合わせなので細切れだし重複もあるが読みやすい。
    自らのいのちの世話ができなくなってしまった(消費者に成り下がってしまった)ことについてがとても重く響いた。自分の不安を言い当てるものに感じた。
  • 濃霧の中の方向感覚
    1つ1つが短く、新聞などの連載が多かったので、とても読みやすかった。でも、何度も何度も途中で考えながら読むので、速く読めたわけではない。
    内田樹先生の本より、ずっと前から鷲田さんの本に親しんでいたなぁと改めて思い出した。いつからか出版点数の違いからか、ブログやTwitterの影響からか、ワッシーから...続きを読む
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内
    浮ついていない京都案内。
    湖のように涼しく静かな口調で、狂乱の魔都を語る。

    哲学者である著者の目線は独特であり、地べたを這いずり回るような土着性と熱に浮かされたような祝祭性に付きまとわれているようである。
    ちょっと視点の変わった観光ガイドとしても使えて、京都訪問が5回目くらいでぼちぼち飽きてきた人...続きを読む
  • 街場の平成論
    ☆☆☆2019年8月レビュー☆☆☆


    内田樹を編者として、稀代の論客が「平成」をテーマに持論を展開する。共感できるところもあれば、できないところもある。
  • 転換期を生きるきみたちへ
    結構難しい本。これを読む中高生はすごい。
    いじめはあるけど、いじめはない。
    本当に何でもそうなんだ。ちゃんと見ないと、
    何にも見えない。
  • 街場の平成論
    それぞれの先生の平成論を読み、自分自身が個人的にあまりにも暗いので、なんだかますます暗くなった。
    そして、そんなつもりはなかったのに、私にとっての平成を振り返り、「なぜこんなことになってしまったのか」「30年前にはまさかこんなことになるとは思わなかった」と同じことを感じて暗くなった。
    救いは、鷲田清...続きを読む
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)
    そもそも人間とは社会とはを、人類も生物の一種類であるという原点に立ち返り、専門家からの示唆にとても興味深い良著。
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内
    京都出身の鷲田センセイが、京都の美味いものや、思い出などを語るエッセイ。

    若干哲学的なカタイ話もなくはないけれど、ほとんどは軽くて読みやすいものだった。旅行ガイドとしてはあまり役に立たないけれど、読み物としてなかなか面白かった。

    以前にテレビで紹介されていたお好み焼き屋の夢屋に何年か前に行ったら...続きを読む
  • 濃霧の中の方向感覚
    数ページずつのエッセイ風のような、独り言のような短編集。変わらず読みやすい文章で、ちょっと世の中のことを哲学的に捉えたくなったときに手に取るのにほどよい。
  • 転換期を生きるきみたちへ
     中学生、あるいは高校生ぐらいの読者を対象にしているシリーズの一冊。ほかの出版社の、ぼくは気に入っている「よりみちパンセ」のシリーズより少し年上の読者が想定読者か?
     内容は、あれこれあるのだけれど、高橋源一郎の、アメリカの大統領だった、オバマの広島訪問演説に対する解説(?)が俊逸、さすが「ゲンちゃ...続きを読む
  • 大人のいない国
    鷲田清一と内田樹の大人のいない国を読みました。

    日本は、人が成熟せず、大人にならなくても生きていける国になってしまった。
    クレーマーやモンスターペアレントが横行する国になってしまった、ということが議論されています。

    面白いと思ったのは、内田樹の以下のような主張でした。
    SNSなどでの匿名のメッセ...続きを読む
  • じぶん・この不思議な存在
    「アイデンティティの衣替え」という言葉が一番しっくりと腑に落ちた。「他者の他者」であるために、様々な他者に合わせて付け替えている面...。そのことによって自身の生を、存在を感じる感覚...。没個性的な自身を詰るのはもうやめよう。
  • 死なないでいる理由
    鷲田清一のエッセイは感情的に好きなので時々読む。そして泣く。彼の言っていることが一般に確からしく感じるということではなく、何か出口が見えてくるものでもない。でも「思いの宛先」の無い私は「さみしいね」「そうだね」という宛はないけど、何となく通じる他者とやりとりをしているような気になる。まあとにかく腹が...続きを読む
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内
    よく知っている京都の街並みを思い浮かべながら、京都という街の構造についての話を聞いている感じで面白かった。鷲田清一氏の文章は、大学受験の頃よく読まされて苦手意識があったが、今回は思ったより内容がすっと頭に入ってきた。

    奇人の話、歌舞伎における「しるし」の話、服装のリミットの話では、なんとなく実感は...続きを読む
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)
    模試の文章で使われていたのが面白くて原典を見つけたので読んでみた。

    鷲田さんも山極さんも現代日本でもトップクラスの知の巨人だが、お互い違うジャンルなことを生かして色々な視点から現代社会を見ていく。対談形式で文章も非常に読みやすかった。

    ・教育(特に大学教育)が向かうべき方向性について
    ・人間そし...続きを読む
  • 「自由」のすきま
    綻びだらけの生き方のなかにしか、思いやりというものは生まれないと思うから。思いやりがなくなったとき、人の世は崩れると思うから。
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて
    生産性の論理、すなわち目的に敵う手段としての、もっとも効率的でもっとも合理的な、最短経路で目的を達成するために一切の遊びのない論理。勤勉と節制の道徳はこの論理を労働に、果ては余暇に適応した。さらに自己意識がこの論理を内在化し、自らの意識を合目的化し、また身体ですら合目的化させるに至った。『目的に敵う...続きを読む
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)
    様々な知識と広い見識を持つ2人の多岐にわたるテーマの対談はどの話題を取っても好奇心が擽られ読みながらワクワクする。

    ミーティングでは相手を役職名ではなく必ず「さん」付けで呼ぶ。呼び方一つでその場の空気が明らかに変わる。

    リーダーとは自分がいなくても周りがうまく動くようにセッティングする人の事。g...続きを読む
  • 「待つ」ということ
    結構骨があり簡単には読み進められないが、かと言って歯が立たないという風でもない。蔵書にしてこれから何度か開いてみたいと思わせる何かを感じる。

  • 転換期を生きるきみたちへ
    このレベルの本が一番わかりやすい。厭世的な世の中で、誰も意思決定をしない状態が続いている。日本を正常な形に戻すべきだね。その方法論は今国会で審議されている改憲論ではないことだけはわかってる。頑張れるかな、戦争も安保も知らない世代が。問われてるね。この世代の役割が。