鷲田清一のレビュー一覧

  • 転換期を生きるきみたちへ

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    中高生にとって必読の書であるのはもちろん、私たち大人も読んでおくべき1冊。
    以下、印象に残ったフレーズを。

    「この世に『最低の学校』というのがあるとすれば、それは教員全員が同じ教育理念を信じ、同じ教育方法で、同じ教育目標のために授業をしている学校だと思います(独裁者が支配している国の学校はたぶんそういうものになるでしょう)。でも、そういう学校からは『よきもの』は何も生まれません。これは断言できます。」(p10:内田樹)

    「疑うというのは『排除する』とか『無視する』ということとは違います。『頭から信じる』でもなく、『頭から信じない』でもなく、信憑性をとりあえず『かっこに入れて』、ひとつひとつ

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    2020年05月14日
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)

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    ふむふむ なぁるほど
    と これまでの著書を辿らせてもらった
    お二人
    哲学者の鷲田清一さん
    そして
    人類学者の山極寿一さん

    お二人の対談集
    お二人の対談を拝聴しながら
    あれやこれやのことを
    考えさせてもらったり
    途中で
    あの本にあったなぁ
    と振り返させてもらったり

    いい時間を
    過させてもらえました

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    2020年05月09日
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

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    京都で学生生活を送ったことのある人なら面白い。「京都」がどういう街であるかを、具体的な街や店の様子を紹介しつつ、自らが暮らしてきた肌感覚に即して語っている。「哲学者の都市案内」というサブタイトルに偽りなし。

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    2020年03月25日
  • 岐路の前にいる君たちに ~鷲田清一 式辞集~

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    興味深く読みました。

    誰にも見えているはずなのに、誰も見ていない領域である、「隙間」を大切にすること。
    「価値の遠近法」、なくてはならないもの、見失ってはならないもの、なくていいもの、あってはならないことを見極める力を持つこと。
    消えそうな声を聴く耳を持つこと。
    他者を他者の方から理解しようとすること。
    わからないことに、わからないままきちんと出会うこと。

    式辞のときにこの言葉と出会えた学生さんたちのことを、こころの底から羨ましく思いました。
    卒業式、入学式シーズンに読めてよかったです。

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    2020年03月17日
  • じぶん・この不思議な存在

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    「自分とは他者の他者である」
    他者にとって意味のある存在(ポジティブ、ネガティブニかかわらず)になって初めて自分‹わたし›を認識できる。

    自分を理解するためには他者と距離を置き自分の内側を探索するのではなく、他者との距離を図る必要がある。

    「あなたにとってわたしは誰なのか?」
    というシンプルな問の答えが、紛れもない‹わたし›なのである。

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    2020年02月24日
  • 濃霧の中の方向感覚

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    エッセイ詰め合わせなので細切れだし重複もあるが読みやすい。
    自らのいのちの世話ができなくなってしまった(消費者に成り下がってしまった)ことについてがとても重く響いた。自分の不安を言い当てるものに感じた。

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    2019年12月22日
  • 濃霧の中の方向感覚

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    1つ1つが短く、新聞などの連載が多かったので、とても読みやすかった。でも、何度も何度も途中で考えながら読むので、速く読めたわけではない。
    内田樹先生の本より、ずっと前から鷲田さんの本に親しんでいたなぁと改めて思い出した。いつからか出版点数の違いからか、ブログやTwitterの影響からか、ワッシーからタッツーに流れて行ったのだった。内田先生のものをたくさん読んで、鷲田さんの本に戻るとき、共通の考え方が書かれていることに気づき、この考え方は内田先生、鷲田さん独自の考えというより、哲学界?の基礎知識みたいなものなのかなと気づくことも多い。
    哲学を身近なものにしてくれた、日常遣いにしてくれた、私自身を

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    2019年11月17日
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

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    浮ついていない京都案内。
    湖のように涼しく静かな口調で、狂乱の魔都を語る。

    哲学者である著者の目線は独特であり、地べたを這いずり回るような土着性と熱に浮かされたような祝祭性に付きまとわれているようである。
    ちょっと視点の変わった観光ガイドとしても使えて、京都訪問が5回目くらいでぼちぼち飽きてきた人には大変便利だと思う。
    とはいえ京都で生まれ育った著者だから、街の裏側まで見透かし分析を試みる。エッセイとしても秀逸。

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    2019年10月17日
  • 街場の平成論

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    ☆☆☆2019年8月レビュー☆☆☆


    内田樹を編者として、稀代の論客が「平成」をテーマに持論を展開する。共感できるところもあれば、できないところもある。

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    2019年08月11日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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    結構難しい本。これを読む中高生はすごい。
    いじめはあるけど、いじめはない。
    本当に何でもそうなんだ。ちゃんと見ないと、
    何にも見えない。

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    2019年07月19日
  • 街場の平成論

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    それぞれの先生の平成論を読み、自分自身が個人的にあまりにも暗いので、なんだかますます暗くなった。
    そして、そんなつもりはなかったのに、私にとっての平成を振り返り、「なぜこんなことになってしまったのか」「30年前にはまさかこんなことになるとは思わなかった」と同じことを感じて暗くなった。
    救いは、鷲田清一さんが引用されている橋本治さんの、失われたものを数えるのではなく、失われてれていないもの、残されているものの数を数える、というところだろうか。同じことを別の本で内田先生がおっしゃっていたのも思い出す。
    私と日本と世界と…

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    2019年06月29日
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)

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    そもそも人間とは社会とはを、人類も生物の一種類であるという原点に立ち返り、専門家からの示唆にとても興味深い良著。

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    2019年06月15日
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

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    京都出身の鷲田センセイが、京都の美味いものや、思い出などを語るエッセイ。

    若干哲学的なカタイ話もなくはないけれど、ほとんどは軽くて読みやすいものだった。旅行ガイドとしてはあまり役に立たないけれど、読み物としてなかなか面白かった。

    以前にテレビで紹介されていたお好み焼き屋の夢屋に何年か前に行ったら、予約がないと入らないと言われ、昨年満を持して予約して行った。確かに美味かった。この店のこともこの本に出て来た。行ったことのない壱銭洋食という店が紹介されていて今度はここに行ってみたいと思った。

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    2019年05月14日
  • 転換期を生きるきみたちへ

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     中学生、あるいは高校生ぐらいの読者を対象にしているシリーズの一冊。ほかの出版社の、ぼくは気に入っている「よりみちパンセ」のシリーズより少し年上の読者が想定読者か?
     内容は、あれこれあるのだけれど、高橋源一郎の、アメリカの大統領だった、オバマの広島訪問演説に対する解説(?)が俊逸、さすが「ゲンちゃん」という内容で、記憶に残った。
     内田樹の編集方針も悪くない。学校の先生方も通勤電車で、一つずつお読みになればいいのではないでしょうか。ここで、さまざまに指摘されている社会の変化の中で、教育が、それはあかんやろ、という方向を支えていることに、ギョッとなさるかもしれない。

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    2019年04月22日
  • 大人のいない国

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    鷲田清一と内田樹の大人のいない国を読みました。

    日本は、人が成熟せず、大人にならなくても生きていける国になってしまった。
    クレーマーやモンスターペアレントが横行する国になってしまった、ということが議論されています。

    面白いと思ったのは、内田樹の以下のような主張でした。
    SNSなどでの匿名のメッセージは本人が正しいと思っていてもそれは呪いのメッセージである。
    なぜなら、呪いはその発信源が特定されるとその効果を失うからである。

    表現の自由というのは、他の人が認めようと認めまいと自分は正しい、というメッセージを発信することではない。
    メッセージはその受信者に対して発せられるものであり、受信者に

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    2019年04月14日
  • じぶん・この不思議な存在

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    「アイデンティティの衣替え」という言葉が一番しっくりと腑に落ちた。「他者の他者」であるために、様々な他者に合わせて付け替えている面...。そのことによって自身の生を、存在を感じる感覚...。没個性的な自身を詰るのはもうやめよう。

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    2019年04月14日
  • 死なないでいる理由

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    鷲田清一のエッセイは感情的に好きなので時々読む。そして泣く。彼の言っていることが一般に確からしく感じるということではなく、何か出口が見えてくるものでもない。でも「思いの宛先」の無い私は「さみしいね」「そうだね」という宛はないけど、何となく通じる他者とやりとりをしているような気になる。まあとにかく腹が立たない綺麗な文章を求めると鉄板定番って感じ。

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    2019年03月21日
  • 京都の平熱 哲学者の都市案内

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    よく知っている京都の街並みを思い浮かべながら、京都という街の構造についての話を聞いている感じで面白かった。鷲田清一氏の文章は、大学受験の頃よく読まされて苦手意識があったが、今回は思ったより内容がすっと頭に入ってきた。

    奇人の話、歌舞伎における「しるし」の話、服装のリミットの話では、なんとなく実感はしていたものの言及されることで改めて気づいた点も多く、とても興味深かった。それから、おしゃれな猥雑さが京都には似合う、というのには激しく同意。

    私は2013年から京都に住んでいるけれど、ここ2〜3年で京都の街は「観光客が想像する京都」に近づこうとしている気がする。最後の方に書いてあった「京都らしさ

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    2019年02月08日
  • 都市と野生の思考(インターナショナル新書)

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    模試の文章で使われていたのが面白くて原典を見つけたので読んでみた。

    鷲田さんも山極さんも現代日本でもトップクラスの知の巨人だが、お互い違うジャンルなことを生かして色々な視点から現代社会を見ていく。対談形式で文章も非常に読みやすかった。

    ・教育(特に大学教育)が向かうべき方向性について
    ・人間そして都市の成熟について(京都について)
    ・人類学的な家族形成について
    ・アートについて(アートは唯一目的を持たない人間の行動だ!)
    ・食と性の比較(動物は食を隠し性交は公に見せるが、人はなぜ食を人に見せ性交を隠すように進化したのか)
    ・教養とは何か(人が考えるということの意味と効用、これからの未来につ

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    2019年02月07日
  • 「自由」のすきま

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    綻びだらけの生き方のなかにしか、思いやりというものは生まれないと思うから。思いやりがなくなったとき、人の世は崩れると思うから。

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    2019年01月06日