鷲田清一のレビュー一覧

  • わかりやすいはわかりにくい? ――臨床哲学講座

    Posted by ブクログ

    responsibilityとかhospitalityの意味についての話が、なるほどなぁと思った。意味をただ探すのではなく、保留してみるというのも一つなんだなと思う。特に意図したわけではないけど、医療や子育てにつながる話があったのが大きな収穫でした。

    0
    2011年11月16日
  • 死なないでいる理由

    Posted by ブクログ

    家族論、教育論、生命倫理、幸福論、全てを平易で、なおかつ綺麗な日本語で綴っている。ただ途中、西洋倫理思想史に触れる部分が少し難しかった。蛍光ペンで線引きしながら読まずにはいられない。心の底から人に薦めたい哲学エッセイ。

    0
    2011年10月07日
  • 「待つ」ということ

    Posted by ブクログ

    くりかえすが、未来があるというのは、だから、希望をもてるということである。何かを待つことができるということである。V・E・フランクルによれば、強制収容所ではクリスマスから新年にかけて、いつも大量の死亡者が出たという。これは、過酷な労働条件によるものでも、悪天候や伝染症疾患によるものでもない。「クリスマスになったら家に帰れるだろう」という、素朴な希望に多くの収容者が身をゆだねた結果だというのである。過酷な毎日が続くなかで生き延びるには、ありえないような極小の希望にそれでも身をあずけるようにほかない。(鷲田清一)

    0
    2017年08月30日
  • わかりやすいはわかりにくい? ――臨床哲学講座

    Posted by ブクログ

    〝ほんとのところよくわからない、とほんとうに思うようになるのが、ひょっとしたら老いのしるしなのだろうか。
    死ぬ前に、理解できなくとも納得だけはしておきたい。自分がここにいる、いた、という事実を。
    あるいは、ついに理解できなくても、このことがわからないという、そのことだけはわかっておきたい……。
    近ごろ、しきりにそう希うようになった。〟

    と、いう書き出しではじまるこの本は、「モードの迷宮」や「じぶん・この不思議な存在」の頃とはまったく異なる雰囲気を発している。
    〝老い〟というものを見つめだしたからだろうか、その文章からは不思議な魅力が漂ってくるように思える。

    文章が成熟しきっていて、一文一文

    0
    2011年06月11日
  • 「聴く」ことの力

    Posted by ブクログ

    求められるということ、見つめられるということ、語りかけられるということ、ときには愛情のではなくて憎しみの対象、排除の対象となっているのでもいい、他人のなんらかの関心の宛て先になっているということが、他人の意識のなかで無視しえないある場所を占めているという実感が、ひとの存在証明となる。寺山修司も先の文章のなかでふれていたが、ひとは「だれもわたしに話しかけてくれない」という遺書を残して自殺することだってあるのである。

    0
    2017年09月03日
  • 「聴く」ことの力

    Posted by ブクログ

    弱さだって 力だ。
    なにもできなくても 寄り添うことはできる。

    本当に傷ついた人の隣で 自分は相当に無力だけど
    この本を読んだから 自分を責めずに済んだ。

    わたしの お守りのような本です。

    0
    2011年04月16日
  • てつがくを着て、まちを歩こう ――ファッション考現学

    Posted by ブクログ

    服だけでなく身体、粋、他人への思いやりについて書かれている
    それらを身につけた上でのファッション
    はずし、余裕、美学
    「おしゃれ」と「個性」という言葉になにか違和感を感じる人には特に読んでほしい
    人と違う服を着るのだけがおしゃれじゃあ、ないんだよねぇ

    0
    2010年03月06日
  • 「聴く」ことの力

    Posted by ブクログ

    哲学など縁がなかった僕が始めて読んだ臨床哲学試論だ。鷲田さんの言葉はまるで音符のように心に沁みこむ(音符は読めないが)瞬間もあれば、デジタルチックな難解な数学の公式の森を彷徨っているだけの瞬間もあった。兎に角最後まで読むことができた自分に拍手したい。

    以下、気になった箇所、自分へのメモとして抜粋。

    「臨床」とは「社会のベッドサイド」だそうだ。

    「ことばは、聴く人の「祈り」そのものであるような耳を俟ってはじめて、ぽろりとこぼれ落ちるように生まれるのである。」

    「そしてなによりも<わたし>はひとりで棺桶に入ることさえできないからだ。」

    「だれかが、あるいはは何かがじぶんを「待っている」と

    0
    2010年02月21日
  • 「聴く」ことの力

    Posted by ブクログ

    哲学者である鷲田清一が「臨床哲学」という新しい領域を設定し、「聴く」という行為を切り口に、哲学の本質と可能性について論じたものです。論じること、書くこととしての哲学ではなく、「聴く」という営みとしての哲学を模索し、特定の他者に向かっているという特異性(シンギュラリティ)の感覚を重視することで、一般的原則が一個の事例によって揺さぶられる経験としての哲学を捉える。そのような姿勢を持つことで、哲学が「臨床」と結びつくのだということが解りやすく解説されています。「臨床哲学」を「明るいホスピタリティ」として位置づけ、哲学の新しい可能性を開示した桑原武夫学芸賞受賞作。

    0
    2009年11月30日
  • てつがくを着て、まちを歩こう ――ファッション考現学

    Posted by ブクログ

    着飾りすぎるのは、格好わるい。そこには他人がいないからである。

    ドレスアップと同時にドレスダウンも大事。

    0
    2009年10月04日
  • まなざしの記憶――だれかの傍らで

    Posted by ブクログ

    深い。どこまでも、澄んでいるのに、底は見えない。思索の深淵を、そっと覗きこませてもらう。さすがだ。植田正治の写真は感光紙の上でこそ最大の魅力を放つけれど、それでも。なんて豪奢な組み合わせだろう。贅沢な読書をした。「死ぬことがわかっていて、それでも死なないでいる理由とは何か。」

    0
    2011年05月31日
  • てつがくを着て、まちを歩こう ――ファッション考現学

    Posted by ブクログ

    「現代の若い子は、なんで寒いのにミニスカートなんかはいてるんだろうなぁ」という素朴な疑問が解決した。

    0
    2009年10月04日
  • まなざしの記憶――だれかの傍らで

    Posted by ブクログ

    まるで肌理もないように見える滑らかな肌が
    触れてみたらとても温かかったような

    空気の隙間から湧き出る恵みのような


    誰かに助けて欲しい時に傍に誰もいなかった時には
    この本に傍にいて欲しい

    0
    2009年10月04日
  • 「聴く」ことの力

    Posted by ブクログ

    聴くこと・・に関してどう位置づけされているのかがとても知りたかったので購入。臨床哲学試論という言葉もはじめて耳にした言葉。ここから何がみえるかな?と思いながら私は読みましたが、この本の中にでてくる数々の精神科医、哲学者たちの引用文も参考になります。

    0
    2009年10月04日
  • まなざしの記憶――だれかの傍らで

    Posted by ブクログ

    まるで肌理もないように見える滑らかな肌が
    触れてみたらとても温かかったような

    空気の隙間から湧き出る恵みのような


    誰かに助けて欲しい時に傍に誰もいなかった時には
    この本に傍にいて欲しい

    0
    2009年10月04日
  • 臨床とことば

    Posted by ブクログ

    河合隼雄先生と、臨床哲学を提言する鷲田清一先生の対談方式の本です。お二人のお話に自分も加わって議論するような感じで、考えながら読んでいける本だと思います。

    0
    2009年10月04日
  • 「聴く」ことの力

    Posted by ブクログ

    改めて人の話をただ聴くだけということの難しさを思い知らされた。饒舌は沈黙の優しさに及ばないこともあるというのは、なかなかわかったところで身につかないものではあるのだが。難題は多いのだが確実に前に進むための哲学ではある。

    0
    2009年10月04日
  • 「聴く」ことの力

    Posted by ブクログ

    現代の名著。哲学に行き詰まりを感じたら、読むといい。その先はまだ闇だが、確かな可能性を与えてくれる。

    0
    2009年10月04日
  • だれのための仕事 労働vs余暇を超えて

    Posted by ブクログ


    ・「冒険する組織のつくりかた;安齋勇樹著」本を読み進めている中で、そもそも“仕事のやり甲斐“の意味は何かと疑問に思い、久々に本書を再読しました。
    ・仕事は社会的な営み故に、他者・他社との関わりに応じて「仕事のやり甲斐」は絶えず変化していく。
    ・鷲田さん(著者)の主張は、変化を楽しむ「冒険的組織」を目指す上で押さえるべきポイントと感じました。“仕事を通じた自己実現“と“組織を通じた社会的使命“が結びついた時に「仕事のやり甲斐」を得られ、深い満足感に達することが出来るのかもしれません。ただ「自己実現と社会的使命」は抽象度が高い言葉の為、これらの言葉に振り回され無いよう、自分なりの具体的な回答を見

    0
    2025年12月14日
  • だんまり、つぶやき、語らい じぶんをひらくことば

    Posted by ブクログ

    コロナ禍に開催された学生向けの講演会から。私たちの生き方、コミュニケーションの取り方について、共に考える。自分とは何かを考えながら、他人を慮る話。

    0
    2025年11月05日